車のフロントガラスのヒビ割れや傷、汚れの原因と修理や対策方法について解説

車のフロントガラスのヒビ割れや汚れは、放っておくわけにはいかない問題です。

車のフロントガラスにヒビがあれば危険ですし、汚れていると視界が悪くなり運転しづらいと感じるでしょう。安全運転のためには、その原因を理解して正しく対処する必要があります。

この記事では、車のフロントガラスのヒビ割れや汚れの原因と、修理や対策について徹底解説しますので、ぜひご参考になさってください。

対処法を知ることで、急なヒビ割れにも落ち着いて対処できますし、原因を知ることで未然にリスクを下げることができます。

関連記事:車のフロントガラスにヒビが入ったらどうすればよい?原因や対応策について解説

フロントガラスの傷・ヒビの補修方法

フロントガラスの傷イメージ

車のフロントガラスにヒビ・割れなどがあると、傷が徐々に広まったり、再度傷がついてしまった時にフロントガラス全体が割れてしまう可能性があるため、早めの補修が必要です。

ここでは、フロントガラスの傷を補修する方法について詳しく解説します。

小さなヒビの応急処置

フロントガラスの傷が小さい場合、保護シールを貼るのが効果的です。

フロントガラスの傷が付いている部分に保護シールを貼ると、傷の広がりや汚れの侵入を防止してくれるでしょう。この補修方法は、シールを貼るだけなので誰でも簡単に行えます。

また、樹脂製の充填剤を使った修理キットで傷を目立たなくする方法もあります。この方法は傷の内部に充填剤を流し込む作業が必要です。

応急処置としては効果的ですが、正しく処置を行わないと傷が広がる可能性があります。

あくまで応急処置であるため、なるべく早く修理を依頼しましょう。

大きな傷は専門業者へ

フロントガラスの傷が大きい場合は、専門業者へ依頼する方がよいでしょう。

フロントガラスは、割れても飛び散らないように複数の層が重なった構造になっています。そのため、傷が深いと層の隙間に空気が入ることになり、自分での修理が難しくなります。

フロントガラスの交換の可能性もある

専門業者でもフロントガラスの傷を補修できない場合があります。その基準は、傷の大きさと位置です。

傷の大きさが直径1.5cm以上で、傷の位置がフロントガラスの端から10~20㎝程度の範囲内にある傷の場合、フロントガラスを交換する必要があります。

どちらにせよ専門業者への依頼と、アドバイスをしっかり聞いた上で適切な対処をしてもらうようにしましょう。

フロントガラスの修理にかかる費用と時間の目安

フロントガラス修理イメージ

車のフロントガラスに傷が付いた場合、自分で完璧に修理できれば道具の購入費用のみで済みますが、専門業者に依頼する場合にかかる費用は当然に費用がかかってしまいます。

ここではフロントガラスの修理にかかる費用や時間の目安を紹介します。

フロントガラスの修理・交換にかかる費用

車のフロントガラスの修理・交換費用は、傷の大きさやフロントガラスの大きさ、依頼する業者によって異なります。

目安としては、以下のような相場です。

  • 修理費用:10,000~30,000円程度
  • 交換費用:60,000~150,000円程度

傷の付き方によって作業工程も変わるため、専門業者が修理や交換にかかる費用を見積もるのは傷の状態を確認した後になるでしょう。
そのため、修理や交換を依頼する場合は、専門業者に傷の状態を把握してもらうことが大切です。

フロントガラスの修理にかかる時間

フロントガラスの修理や交換にかかる時間は、作業内容や依頼先によって異なります。

まずは修理から説明すると、全体の作業が終了するまでに半日から1日程度かかると考えておくとよいでしょう。

理由は、平均的な作業時間が60~90分程度かかり、接着剤が乾くまでに3~4時間必要だからです。

フロントガラスの交換にかかる時間

フロントガラスの交換を行う場合は、フロントガラスの在庫状況によって作業完了までの時間は変動します。

フロントガラスの在庫がない場合は、取り寄せる時間を考慮して、作業完了までに2~3日かかる可能性も考えておきましょう。

そうなると代車を借りる費用も発生してしまいます。

フロントガラスの修理・交換において車両保険は適用される?

クルマの保険イメージ

車両保険は、外部要因による車体の損傷が対象なので、ほとんどのケースで保険が適用されるでしょう。

例えば、前方車両の飛び石によって付いたフロントガラスの傷は、外部要因のため、修理・交換の適用ができる可能性が高くなります。

しかし、保険を適用する際には、等級や免責の確認も必要です。

保険を適用すると翌年の等級が下がる可能性や、保険が適用されても自身で負担しなければいけない費用が発生する可能性がありますので、自身が加入している保険の内容を確認しておきましょう。

フロントガラスの汚れを落とす方法

洗車イメージ

車のフロントガラスに付いた汚れを落としてきれいに保つためには、定期的なメンテナンスが必要です。

車のフロントガラスは、時間が経つと排気ガスや大気中のごみが付着して汚れていきます。

ここでは、自身でできるフロントガラスのメンテナンスには、どのようなものがあるのか解説します。

関連記事:車の鳥のフンのシミ、お湯を使って落とそう!洗車の流れ・注意点も解説

pit in plus carwash
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洗車をする

フロントガラスに付いた水性の汚れは、水洗いやシャンプー洗車で落とせます。

ガソリンスタンドなどにある洗車機を使用すると、フロントガラスの汚れと一緒に車体全体の汚れも洗い流すことが可能です。

水洗いやシャンプー洗車の後、残った水滴やシャンプーがフロントガラスの水垢汚れの原因になるため、拭き取りまで行いましょう。

研磨剤の入ったクリーナーを使用する

水洗いシャンプー洗車で取れない汚れは、油膜汚れであると考えられます。油膜汚れは簡単には落とせないため、研磨剤が入った専用のクリーナーを使用しましょう。

研磨剤が入った専用クリーナーを使用する際に注意すべき点は、フロントガラスをこすり過ぎないことです。

研磨剤がフロントガラスの表面に傷を付ける場合もあるため注意して作業を行いましょう。

撥水コーティング

フロントガラスの撥水コーティングは、水垢に効果的です。洗車や専用クリーナーでフロントガラスの汚れをきれいに落とした後に撥水コーティングを行えば、水垢の原因となる雨水をはじいて、定期的なメンテナンスも簡単になります。

また、フロントガラスに付いた水がはじく状態であれば、雨天時の走行でも視界が良好で、運転の安全性も高まるでしょう。

撥水コーティングは、市販のコーティング剤を購入すれば比較的簡単に行えます。

自身で撥水コーティングを行うのに自信がない人や質が高い撥水コーティングを求める人は、業者に依頼することも可能です。

PITinPlus
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フロントガラスの構造

フロントガラスの傷イメージ

フロントガラスの構造を理解することは、ヒビの原因を把握する上で重要です。

現代の自動車のフロントガラスは、2枚のガラスの間に特殊な樹脂フィルムを挟んだ「合わせガラス」と呼ばれる構造になっています。この構造には以下のような特徴があります。

  • 衝撃吸収性:外部からの衝撃を吸収する
  • 飛散防止:ガラスが割れても破片が飛び散りにくい
  • 紫外線カット:有害な紫外線を遮断

上記に挙げたものは、修理を難しくしている原因にもなりますが、全て安全や快適な車内環境を担保するために必要な構造でもあります。

車のフロントガラスに付く傷や汚れにはいくつかの種類があります。それぞれの種類ごとに発生する原因が異なるため、把握しておくことが大切です。

フロントガラスのヒビ割れの主な原因

フロントガラスにヒビが入る原因は多岐にわたります。以下に主な原因を詳しく解説します。

原因不明な場合もどれかに該当する可能性があるので、ご参考になれば幸いです。

飛び石などによる衝撃

最も一般的な原因が、走行中に飛んでくる小石や砂利などの異物による衝撃です。

飛び石と言っていますが、鳥が原因となるケースも稀にあります。特徴としては以下のようなものが挙げられます。

  • 高速道路や工事現場付近での発生リスクが高い
  • 先行車両のタイヤが跳ね上げた石が原因となることも
  • 衝撃の強さや角度によってはヒビが一気に広がる可能性あり

急激な温度変化

季節の変わり目や極端な気温の上下によって、ガラスが膨張・収縮することでガラスが割れるケースです。

主に急に温度が変わることで起こりえます。特に近年は熱いので注意が必要です。

発生するケースとしては以下のような場合に起こりやすいです。

  • 真夏の炎天下で熱せられたガラスに冷たい水をかけた
  • 冬季の凍結したガラスを急激に温めた

関連記事:フロントガラスの凍結を30秒で解決します!防止方法も解説!

経年劣化

フロントガラスも時間の経過とともに劣化していきます。
特に、紫外線や風雨にさらされ続けると、ガラスの強度が低下する恐れがあります。

もし気になるようでしたら、割れる前に業者に依頼しておきましょう。

製造時の欠陥

稀なケースですが、フロントガラスの製造過程で生じた微小な欠陥が原因でヒビが入ることもあります。

通常は製品検査で発見されますが、見逃されるケースもごくまれにあります。非常に珍しいケースですが、原因不明の場合に頭の片隅に入れておいても良いでしょう。

また、フロントガラス交換時に、取り付け後の乾燥時間が不足していると接着不良となりフレームとのズレが生じて割れるケースもあります。

車両のねじれや歪み

事故や衝突を起こした車は、直ったと思っていても、車体に歪みが生じていると、フロントガラスに過度な応力がかかり、ヒビの原因となることがあります。

フレームの歪みがガラスに伝わってストレスが蓄積され、それが長期間放置されると、ヒビ割れのリスクとなりえます。

外側からの過度な圧力

意図せずして外部から加えられる圧力も、ヒビの原因となることがあります。

重い積雪などによる圧力の場合は普通に修理に行けば良いのですが、いたずらや意図的な場合には警察にも相談しましょう。

ワイパーのゴムがほとんど残っていないまま使用してヒビ割れにつながるケースもあります。

関連記事:ワイパーのゴムだけ交換することはできる?交換手順や長持ちさせるコツを紹介

フロントガラスの汚れの原因

フロントガラスの汚れにもまた、さまざまな原因があります。以下に主な原因を詳しく解説します。

空気や環境による汚れ

都市部や工業地帯では、大気中の汚れがフロントガラスに付着しやすくなります。

一方で都市部でなくても、花粉や泥などが原因で汚れとなるケースや、海岸近くで海水が霧状になって飛散する塩分がガラスに付着するケースもあるので、ご自身のお住まいに合った洗車の頻度を守ることが大切です。

走行時に付着する汚れ

フロントガラスが汚れる原因は、駐車場や停車時だけではありません。

夏季の高速道路では、虫の死骸などが付着して取りにくい汚れとなり、雨天時では泥の巻き込みが汚れの原因となる場合があります。

人為的な汚れ

誤った方法で洗車を行なうと、かえって汚れの原因となることがあります。拭き残しによる水垢などが該当しますが、過度な拭き上げや硬い材質のクリーナーは汚れどころか傷の原因になりえます。

フロントガラスの表面に付着した水分が蒸発する際に、水分に含まれていた汚れやミネラルが残って白い水垢になります。

水垢は「ウロコ」とも呼ばれ、固着すると簡単に落とせない汚れになります。タオルで拭いても消えない汚れの場合は、市販の水垢落としを利用して拭き取ることをおすすめします。

また、車内での喫煙は、フロントガラスの内側に黄ばみや曇りを引き起こす可能性があります。内側の汚れなので、洗車では取れません。意外と気づかない場合もありますので注意しましょう。

関連記事:車についた水垢はクエン酸で落とせる?洗車時に活用できる日用品や水垢対策も紹介

ヒビ割れや汚れを予防するための対策

フロントガラスのヒビや汚れを予防するためには、日頃からの注意と適切なメンテナンスが重要です。以下に効果的な予防策をまとめます。

適切な車間距離の維持

先行車との車間距離を十分に保つことで、飛び石のリスクを軽減できます。適切な車間距離を空けるのは、安全運転のためだけではないのです。

特に砂利道や工事現場付近では、傷にも汚れにもなりうるので注意が必要です。

定期的な洗車やメンテナンス

定期的に洗車やメンテナンスを行うことで、汚れが定着する前に除去できたり、小さな傷や欠けを早期に発見することができ、適切に対処できるでしょう。

適切な場所で駐車する

鳥のフンや雨による汚れの防止のため、可能な限り屋根付きの駐車場を利用し、直射日光や雨雪を避けましょう。

ご自宅の駐車場に屋根がないのであれば、少なくとも樹木の下は避けた方が良いです。落下物による衝撃のリスクを軽減できます。

まとめ

車のメンテナンスイメージ

この記事では、車のフロントガラスの傷や汚れの種類や原因、対策について解説しました。

車のフロントガラスに付く傷は、前方車両からの飛び石が原因であることが多いため、日頃から前方車両と車間距離を空けて走るよう心がけましょう。

また、フロントガラスの汚れは主に水垢で、雨や洗車時に残った水滴が原因で発生します。専用のクリーナーを使用して汚れを落とし、水垢予防のために撥水コーティングを行うことが大切です。

フロントガラスに付いた小さな傷は、亀裂が入って大きな傷になる可能性があるため、傷を見つけた時点で早めに対処しましょう。少しでも不安な場合は、専門業者への相談をおすすめします。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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