キープレフトの意味とは?目的や注意点についても解説
車の運転をするときは、「キープレフト」が求められると自動車教習所で学びます。
しかし、キープレフトの意味を正しく理解していない人もいるのではないでしょうか。
キープレフトは、安全に走行するためにしておかなければならない原則です。
そこでこの記事では、キープレフトの原則や意味について解説していきます。
また、キープレフトを行うにあたっての注意点についても解説しているため、合理的なキープレフトの方法が理解できるでしょう。
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INDEX
キープレフトの意味
ここでは、キープレフトの意味について解説していきます。
キープレフトについてあまり理解していない人は、参考にしてください。
キープレフトの原則とは?
キープレフトの原則は、道路を走行する際に左側通行を重視する安全運転の原則です。直訳すると「左を保つ」という意味であり、これは左側通行が基本であることを示しています。
左側通行は道路の安全性を確保するために非常に重要です。道路を走行する際には、道路の中央部から左側を通行することが基本です。また、中央線がある場合は、中央線から左側を走行することが求められます。
この原則を考えると、中央線があってもなくても、左側に寄って走行することが必要です。左側通行は交通の流れをスムーズにし、事故や混雑を減らすことにつながります。安全な運転のためには、常にキープレフトの原則を頭に入れておくことが重要です。
キープレフトをする理由・目的は?
キープレフトをする理由には主に以下のような目的があります。
- 対向車との衝突を防ぐ
- 右折や追い越しがスムーズにできる
- 渋滞を予防・緩和する
またキープレフトには、片側二車線以上の道路を走行する際と、片側一車線の道路を走行する際によって、定められていることがあります。
片側二車線以上の場合
片側二車線以上の道路の場合、道路交通法第20条では以下のように定められています。
車両は、車両通行帯の設けられた道路においては、道路の左側端から数えて一番目の車両通行帯を通行しなければならない。
ただし、自動車(小型特殊自動車及び道路標識等によって指定された自動車を除く。)は、当該道路の左側部分(当該道路が一方通行となっているときは、当該道路)に三以上の車両通行帯が設けられているときは、政令で定めるところにより、その速度に応じ、その最も右側の車両通行帯以外の車両通行帯を通行することができる。
引用元:e-Gov│道路交通法
これは、主に高速道路や自動車専用道路などの多数の車線がある道路で適用されます。
片側二車線の道路では、左側の車両通行帯を走行し、右側の車両通行帯は追い越しや右折のために利用するのが原則です。
また、片側三車線の道路では、最も右側に位置する車両通行帯は追い越し専用車線として空けておき、残りの左側の二車線を通行することができます。
片側一車線の場合
片側一車線の道路やの道路の場合、道路交通法第18条では以下のように定められています。
車両(トロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、自動車及び原動機付自転車にあっては道路の左側に寄って、軽車両にあっては道路の左側端に寄って、それぞれ当該道路を通行しなければならない。
ただし、追越しをするとき、第二十五条第二項若しくは第三十四条第二項若しくは第四項の規定により道路の中央若しくは右側端に寄るとき、又は道路の状況その他の事情によりやむを得ないときは、この限りでない。
引用元:e-Gov│道路交通法
片側一車線の道路であっても車線内の左側によって走行しなければなりません。
これは、左側に寄って走行することで、対向車と衝突する危険性を低減させる目的があります。
追い越しをする場合
片側二車線以上の道路を走行中、前の車を追い越す際は右側にある追い越し車線を通らなければなりません。
追い越し車線での追い越しが終わったら速やかに左側の車線に戻る必要があります。
また、追い越しをする際も定められた速度で走行しなければならないことに注意しましょう。
キープレフトが不要なケース
道路を走行するときはキープレフトが原則ですが、例外もあります。
道路交通法第17条では、状況によって道路の中央から右側部分にはみ出して通行が可能であると定められています。
具体的には、以下のような状況が該当します。
- 一方通行の場合
- 道路工事などで左側部分に十分なスペースがない場合
- 左側部分の幅が6m未満の、見通しのよい道路でほかの車を追い越す場合
- 急勾配な道路の曲がり角で「右側通行」の標示がある場合
このような場合はキープレフトを行う必要はありませんが、場合によっては徐行する必要があるでしょう。
キープレフトをする際の注意点
通行の安全を図る意味もあるキープレフトですが、気をつけることもあります。
ここでは、キープレフトをする際の注意点について解説していきます。
出会い頭の事故のリスクが上がる
片側一車線の道路やセンターラインの設定されていない道路などは、狭い道が多い傾向です。
このような狭い道では、左側の側道から侵入してくる車や歩行者の発見が遅れ、衝突する可能性があります。
このような場合は、キープレフトを行うことによって事故の原因となってしまうため、あまり寄りすぎないほうがよいでしょう。
視界が狭くなる
左側に寄って走行していると、対向車からは死角となりやすいです。
対向車が右折待ちしている場合、自分の車が前の車の陰に隠れて対向車に気づいてもらえず、衝突するリスクが高まります。
またこのような場合は、前の車により自身視界も狭くなるため、注意しましょう。
異物を踏みやすくなる
道路は排水の都合上、両端がなだらかに下がっていく構造となっており、道路に落ちたごみや石、埃などは両端に溜まりやすくなっています。
道路の端には、釘やガラス片など鋭利なものが落ちていることも考えられ、道路の左端を走ることにより、そのような異物を踏んでパンクの原因となることもあります。
キープレフトを守るのは大事ですが、異物を踏むほど左側に寄せすぎないように注意もしましょう。
水はねで歩行者に迷惑をかけやすくなる
雨天時において道路脇に水溜りができている場合、左隅を走行していると水たまりを通過して水はねを起こしてしまうことがあるでしょう。
このような場合に横を歩いていた歩行者にかかってしまう可能性があります。
歩行者に水や泥をかけてしまうと「泥はね運転違反」として反則金をとられることもあるため、十分な注意が必要です。
前述のとおりに道路は両脇が下がっている構造になっているため、雨天時に水も溜まりやすくなっています。
そのため、雨天時のキープレフトにはくれぐれも注意を払いましょう。
追突事故でドライバーが怪我をしやすくなる
自分の車がキープレフトを行っている状態で前の車の後部に衝突した場合、自分の車の運転席側が直撃する可能性が高まります。
しかし、自分の車がセンターライン側を走行していた場合は、運転席側の直撃を回避できるかもしれません。
そのため、キープレフトをすることは大切ですが、場合によっては事故した際にケガをする可能性が高まるため注意しましょう。
まとめ
この記事では、キープレフトの意味や注意点などについて解説しました。
キープレフトは、「左側に寄る」という意味であり、道路の状況によって2つのことが定められています。
一つ目は、複数の車線がある場合に左側の車線を走行すること、二つ目は、片側一車線の場合に道路の左寄りを走行することです。
しかし、一方通行の場合や道路工事で左側部分に十分なスペースがない場合は、キープレフトをする必要はありません。
キープレフトの原則を守ることにより、交通渋滞の緩和や衝突事故回避の効果に期待できます。
またキープレフトを行うことで出会い頭の事故や視界の悪化など場合によっては、事故の原因になる可能性もあります。
そのため、状況に応じて臨機応変に判断しながらキープレフトをすることが大切です。
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