大型特殊免許で乗れる車とは?免許の取得方法も解説
大型特殊免許と聞いたとき、どのような免許でどのような車両を運転することが可能なのか、パッと思いつかない人もいるでしょう。
大型特殊免許を取得することで運転が可能となる車両も増え、仕事の選択肢も広がります。
この記事では、大型特殊免許で乗れる車両について解説していきます。
また、免許の取得方法や費用なども解説するため、大型特殊免許の取得を検討中の人は、参考にしてください。
INDEX
大型特殊免許とは何か
大型特殊免許は、特殊な車を公道で運転するときに必要になります。
この免許はあくまでも公道を走るための免許です。
実際に車両を用いて作業をする場合は別途で作業免許が必要となります。
大型特殊免許を取得後、以下の条件の車を運転することが可能です。
全長 | 12m以下 |
全幅 | 2.5m以下 |
全高 | 3.8m以下 |
排気量 | 制限なし |
免許を取得すると3種類の車両の運転が可能です。
「大型特殊自動車」「小型特殊自動車」「原付」の公道での運転が可能となります。
小型特殊と大型特殊との違い
小型特殊と大型特殊の違いは、車両の大きさです。
小型特殊で運転ができる車両は、以下のようになります。
全長 | 4.7m以下 |
全幅 | 1.7m以下 |
全高 | 2.0m〜2.8m以下 |
排気量 | 1.5L以下 |
上記の条件を超える車両は「大型特殊車両」に区分されます。
また小型特殊は、公道での制限速度は15km/hです。
大型特殊一種と二種の違い
大型特殊車両には「第一種」と「第二種」の2種類があります。
この2つの違いは「お客様を乗せて走行するかどうか」という点です。
お客様を乗せて走行するのであれば「第二種」が必要となります。
しかし2023年現在、日本国内において第二種を生かす大型特殊の車はほとんどありません。
そのため、大型特殊の免許を取得したいと考える人は「第一種」を取得すれば問題ないでしょう。
大型特殊免許で乗れる車
大型特殊免許で乗れる車は以下のような車両です。
農耕車 | コンバイン トラクター |
工事車両 | ラフタークレーン ショベルローダー ホイールローダー フォークリフト |
路面整備車両 | 除雪車 路面清掃車 |
路面整備車両には注意点があります。
除雪車や路面清掃車は、運転をするだけであれば大型特殊の免許のみで問題がありません。
しかし、仕事としてこれらの車両を操作する場合は「作業免許」が必要となります。
大型特殊免許を取得するメリット
大型特殊免許を取得するメリットは大きく分けて3つあります。
取得する際に学科が免除になる
1つ目は、普通自動車免許を取得している場合、学科試験は免除になるという点です。
大型特殊の免許を取得する場合、教習所に通い学科と実技の講習を受ける必要があります。
原則として、学科が22時間、実技が12時間必要です。
しかし、普通自動車の免許を取得していれば、学科の講習が全て免除となり、合計6時間の講習のみで試験に臨むことができます。
これにより受講数のコマが少なくなり、費用も抑えられるのです。
最後の検定試験への合格は必須となりますが、普通自動車免許を保有している場合、学科試験はありません。
仕事の幅が広がる
2つ目のメリットは、仕事の幅が広がるということです。
この免許を保有している場合、生かせる仕事として建設業や土木業が挙げられるでしょう。
この2つの仕事は、多くの特殊車両を取り扱っています。
免許を持つことで多く車両に乗ることができ、対応できる仕事の幅が広がります。
また、農耕車の運転も可能となるため農業での需要も高いでしょう。
教育訓練給付制度を活用できる
3つ目のメリットは、雇用保険の給付金が利用できる可能性があることです。
雇用保険である「教育訓練給付制度」を活用し、免許取得にかかる費用を抑えることが可能です。
この支給を受けるためには一定の条件があるため、利用を考えている人は詳しく調べてみましょう。
大型特殊免許の取得方法
大型特殊免許の取得方法について解説していきます。
主に「教習所に通う」「合宿免許」「試験会場で受験」の3つの方法があります。
ここでは、免許取得の条件などの解説をしていくので、免許の取得を考えている人は参考にしてください。
取得の条件
大型特殊免許取得の条件は以下のようになります。
・満18歳以上
・両眼0.7以上(片眼0.3以上)
・色彩の識別ができる
・10mで90dBの警告音が聞こえる
・運転に支障がでる可能性のある四肢もしくは体感に障害がないこと
取得を考えている場合は、自身が上記の条件を満たしているか確認しましょう。
取得までに必要な日数
免許の取得にかかる日数は取得方法によって異なります。
取得方法 | 日数 |
教習所 | 1日〜17日 |
合宿免許 | 4日以上 |
免許試験場 | 1日 |
普通免許を保持し、教習所で取得をする場合は学科が免除です。
ただし、技能は6時間受講する必要があります。
教習所では、仕事をしながらでも計画的に取得がしやすいことがメリットといえるでしょう。
合宿免許での取得は、短期間で取得ができることが特徴です。
しかし、合宿であるためまとまった日数を確保しなければなりません。
免許試験場での受験の場合、平日のみの受験です。
普通自動車免許、準中型免許、二輪免許を取得している人は学科試験が免除となります。
この場合は、技能試験を受験するのみとなりますが、受験をするには予約が必要です。
取得にかかる費用
免許取得にかかる費用は以下の通りとなります。
取得方法 | 費用 |
教習所 | 約95,000円〜 |
合宿免許 | 約90,000円〜 |
免許試験場 | 6,100円 |
教習所での場合、普通免許の有無によって料金が変わります。
普通免許を取得していない場合、取得するのに約20万円かかる可能性もあるため、注意が必要です。
合宿免許は、地域やオプションにより費用が前後します。
卒業検定に不合格だった場合、追加で料金もかかるため注意しましょう。
免許試験場では、合格すれば6,100円で済み、3つの取得方法のなかでは1番安く取得することが可能です。
この試験も合格できなければ、合格するまでこの料金を徴収されることになります。
大型特殊免許の取得前に覚えておくべき注意点
ここでは、大型特殊免許を取得する際に覚えておくべき注意点を解説していきます。
作業をする場合は別途で免許が必要
免許を取得しても、操作をする場合は別途で作業免許を取得する必要があります。
大型特殊免許は、あくまでも公道を走るために必要な免許です。
作業免許を持たずに操作をした場合、罰金が科せられます。
作業者のみならず事業主にも6カ月以下の懲役、50万円以下の罰金が科せられるため、操作をする場合は必ず作業免許を取得しましょう。
大型特殊免許では普通自動車の運転は不可
大型特殊免許を取得しても、普通自動車は運転ができません。
上述してきたように、この免許で運転ができる自動車は3種類です。
普通自動車を運転する場合は、普通自動車免許を取得しましょう。
免許を取得できない教習所もある
教習所のなかには、大型特殊免許の取得ができないところもあります。
この免許は一般的ではありません。
そのため、専用のコースがない教習所も存在します。
地域によっては対応していない可能性があるため、その場合は合宿免許がおすすめです。
教習所期間の期限が短い
大型特殊免許の教習期間は最大3カ月です。
普通自動車の教習期間が9カ月のため、短く感じる人もいるでしょう。
短期間で卒業ができるように、自身の都合やスケジュールの調整が必要です。
期限をこえてしまうと退校となり、再度費用を用意し入校をしないといけません。
まとめ
今回は大型特殊免許で乗れる車や取得方法ついて解説をしました。
この免許はあくまで公道を走るための免許です。
そのため車を操作する場合は作業免許が必要となります。
大型特殊免許は、教習所や合宿免許、免許試験場で取得できるため、自身のライフスタイルに合った方法で取得しましょう。