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諸星 陽一もろほし よういち

「このクルマ、なかなかすごいぞ」新型レクサスRX試乗記〜3グレードは走りにも“個性”があった〜[MJ]

○文:諸星 陽一

2022年に11月に導入された新型レクサスRXは、3種のパワーユニットとFF、AWDの2つの駆動方式、そして3つのグレード展開が行われました。

ラインアップ(価格は税込)

●RX350(2.4リットルターボエンジン)
バージョンL 8速AT FF 664万円
バージョンL 8速AT AWD 705万円
Fスポーツ 8速AT AWD 706万円

●RX450h+(2.5リットル自然吸気エンジン+モーター/プラグインハイブリッド)
バージョンL CVT AWD 871万円

●RX500h(2.4リットルターボエンジン+モーター/ハイブリッド)
Fスポーツ・パフォーマンス 6AT 900万円

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モデル別の概要

RX500h

RX500h
RX500h

もっともパワフルなモデルはハイブリッドのRX500hで、エンジンは274.7馬力/460Nm。

モーターはフロントが87馬力/292Nm、リヤが103馬力/169Nmで、システムとしての最高出力は371馬力。
0→100km/h加速は6.2秒となります。

RX450h+

レクサスRX450h+。写真:諸星陽一
RX450h+

次にパワフルモデルは450h+で、エンジンは185馬力/228Nm、モーターはフロントが182馬力/270Nm、リヤが54馬力/121Nm。

システムとしての最高出力は309馬力。0→100km/h加速は6.5秒となります。

0→100km/h加速が6秒台というのはかなり速い部類で、ポルシェのマカンやゴルフGTIなどと同等のタイムです。500hも450h+も駆動方式はAWD(総輪駆動、つまり4WD)です。

RX350

レクサスRX350。写真:諸星陽一
RX350

モーターを持たないRX350は279馬力/430Nmのエンジンを搭載します。RX350にのみFFとAWDの2つの駆動方式があります。RX350の0→100km/h加速はFFが7.9秒、AWDが7.6秒となっています。

試乗記

RX450h+

レクサスRX450h+。写真:諸星陽一
RX450h+

まず、最初にRX450h+に試乗しましたが、走り出した瞬間に「このクルマ、なかなかすごいぞ」と感じるものがありました。

まず、クルマ全体としての引き締まり感があります。体感がしっかりとしてるという感じの印象で、クルマがピシッと無駄な動きをしないのです。

RX450h+はフロントにエンジンを搭載し、前輪はエンジンとモーター、後輪はモーターで駆動する方式です。
システム最高出力が309馬力ですから2トンを超える車重をものともせずに加速していきます。

レクサスRX450h+。写真:諸星陽一
RX450h+

レクサスRXは現行モデルへのフルモデルチェンジ時にリヤサスペンションをダブルウィッシュボーンからマルチリンクにグレードアップしました。

サスペンションは乗り心地をよくするのと同時に、タイヤの位置決めを担う部分です。
マルチリンクはダブルウィッシュボーンに比べて、より正確にタイヤの位置決めができるため、一般的にはクルマの動きが正確になります。

新型RXにはこの効果がしっかりでていて、ビシッと引き締まった走りを得ています。

RX500h

レクサスRX500h。写真:諸星陽一
RX500h

ダイレクトシフト6AT

レクサスRX500h。写真:諸星陽一
RX500h

RX500hは、システム最高出力が371馬力とシリーズ中もっともパワフルなモデルとなります。

RX450h+はミッションがCVTですが、RX500hはダイレクトシフト6ATというミッションが使われています。

CVTは無段階変速で滑らかに間断なく変速するものです。
ダイレクトシフト6ATは6段のギヤを組み合わせる方式ですが、モーターがサポートすることで変速ショックを低減。

CVTにはない、ダイレクト感のあるフィーリングを生み出します。

サスペンションの進化はRX500hのためだったと言っても過言ではないでしょう。

ダイナミック・リヤ・ステアリング(DRS)

レクサスRX500h。写真:諸星陽一
RX500h

RX500hはダイナミック・リヤ・ステアリング(DRS)という装備を採用しました。

ご存じのようにクルマはハンドルを操作すると、前輪に角度が付きクルマが向きを変えます。

DRSは前輪だけでなく、後輪も操舵する機構です。

急なカーブでは後輪が逆位相(前が右向きなら、後ろは左向き)に切れることで小回りがよくなり、大きなカーブでは後輪が同位相(前後ともに同じ向き)に切れて安定性を向上します。

またRX500hはミシュランのパイロットスポーツ4SUVというタイヤを履きますが、そのタイヤとサスペンションのセッティングのマッチングがよく、より引き締まった走りを生み出しています。

RX350

レクサスRX350。写真:諸星陽一
RX350

RX350になると走りの印象はがらりと変わります。

車重は約1.9トンでかなり重い部類のクルマですが、システム最高出力が279馬力もあるので、走りに不足感はありません。

大きく異なるのは、RX350はエンジンのみで駆動するモデルなので、バッテリーを搭載しません。

RX500hやRX450h+はバッテリーがあるために車重が重くなりますが、その重いバッテリーを低い位置に搭載するため、グッと安定感が増します。

クルマは軽ければ軽いほどいいと言われることが多いのですが、重量物を上手に搭載することで、乗り味がグッと向上することもあります。

電動モデルはそうしたことが起こるのもおもしろい部分です。

レクサスRX350。写真:諸星陽一
RX350

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この記事を書いた人

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諸星 陽一もろほし よういち

モーター・フォト・ジャーナリスト。東京生まれ、東京育ち。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ボッシュ認定CDRアナリスト。

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