免許取消しされるとどうなる?条件や再取得する方法などを解説

運転免許には、取り消し処分があることをご存知の人は多いでしょう。

では、どういった行為をしてしまうと免許取り消しになるのでしょうか。

ここではどうすると免許が取り消されてしまうのかや違反内容による処分の違い、再取得方法などを解説します。

車を日々運転している人は、万が一の場合に備えるためにもぜひご覧ください。

関連記事:ゴールド免許には裏技がある?最短で取得する条件を紹介!

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免許取り消しとは?免許停止との違い

運転免許証

まずは免許取り消しとはどういった意味なのかを、免許停止との違いを交えて解説します。

免許取り消しとは

免許取り消しとは、運転をする資格が完全に剥奪されてしまうことを指す言葉です。
各都道府県の公安委員会が下す最も重い行政処分です。

免許が取り消されてしまうと、取り直す必要があります。

なお前述した通り行政処分の一つですが、違反や事故の内容によっては、民事と刑事の責任が問われることになる点を覚えておきましょう。

関連記事:免許証の再発行について紹介!紛失などで困ったときに確認したいこと総まとめ

免許停止との違い

免許停止は、一時的に運転する資格が停止される処分のことです。「免停」とも呼ばれます。

過去3年間の違反点数の累積によって30~180日の間、免許の効力が停止されます。詳細は以下の通りです。

累積違反点数停止期間
6~8点30日
9~11点60日
12~14点90日

免許停止の処分を受けた回数に応じて累積点数と停止期間が伸びて、最長で180日の処分となります。

関連記事:交通違反の点数はリセットされる?リセットされる条件や点数の確認方法も解説

免許取り消しになる条件

免許が取り消しになる理由として違反点数の超過が挙げられますが、それだけではありません。以下で詳しく紹介します。

免許取り消し条件1:違反点数の超過

免許の取り消し条件は、違反点数と前歴の回数によって以下のように決まります。

  • 前歴回数なし:違反点数点 15〜
  • 前歴回数1回:違反点数点 10〜
  • 前歴回数2回:違反点数点 5〜
  • 前歴回数3回以上:違反点数 4〜

前歴回数は、過去3年以内の免許停止・免許取り消し処分を受けた回数を指します。

前歴回数が増えるほど、軽微な事故や違反でも処分を受けやすくなることが分かるでしょう。

免許取り消し条件2:運転に支障のある病気や障害

運転免許の取得時・更新時には、運転に支障のある病気・症状の申告が義務付けられています。
また自己申告だけではなく、診察時に以下の症状がある免許所有者を医師が公安委員会に届けられるようになっています。

  • アルコール、アヘン、麻薬、大麻、覚醒剤などの中毒者
  • 再発性失神、重度の眠気症状、無自覚性の低血糖、てんかん、そううつ病などの運転に支障をきたす病気判明時
  • 介護保険第5条の2に規定する認知症
  • 幻覚の症状を伴う精神病
  • 両上肢の肘関節以上を失う、失明などの運転に支障をきたす身体障害

道路交通法第103条では、上記に該当する人が交通事故を起こした場合は、公安委員会が免許の取り消しもしくは6ヵ月以内の免許効力の停止ができるとされています。

なお上記理由で処分を受けた際に関して、病状が回復した場合は取り消し日から3年以内であれば、学科試験・実技試験が免除される点を覚えておきましょう。

関連記事:酒気帯び運転で後日呼び出し?応じない場合はどうなるか解説

点数がつく違反行為

ここからは具体的な違反行為別の点数をご紹介します。違反行為別の点数は以下の通りです。

違反行為の種別点数酒気帯び点数
0.25未満0.25以上
酒酔い運転35
麻薬等運転35
共同危険行為等禁止違反25
無免許運転252525
大型自動車等無資格運転121925
仮免許運転違反121925
酒気帯び運転:0.25以上25
酒気帯び運転:0.25未満13
過労運転等25
妨害運転:著しい交通の危険35
妨害運転:交通の危険のおそれ25
無車検運行61625
無保険運行61625
速度超過
50以上121925
30(高速40)以上50未満61625
25以上30(高速40)未満31525
20以上25未満21425
20未満11425
積載物重量制限超過
大型等10割以上61625
大型等5割以上10割未満31525
普通等10割以上31525
大型等5割未満21425
普通等5割以上10割未満21425
普通等5割未満11425
放置駐車違反:駐停車禁止場所等3
放置駐車違反:駐車禁止場所等2
保管場所法違反:道路使用3
保管場所法違反:長時間駐車2
警察官現場指示違反21425
警察官通行禁止制限違反21425
信号無視:赤色等21425
信号無視:点滅21425
通行禁止違反21425
歩行者用道路徐行違反21425
通行区分違反21425
歩行者側方安全間隔不保持等21425
急ブレーキ禁止違反21425
法定横断等禁止違反21425
追越し違反21425
路面電車後方不停止21425
踏切不停止等21425
遮断踏切立入り21425
優先道路通行車妨害等21425
交差点安全進行義務違反21425
横断歩行者等妨害等21425
徐行場所違反21425
指定場所一時不停止等21425
駐停車違反:駐停車禁止場所等21425
駐停車違反:駐車禁止場所等11425
整備不良:制動装置等21425
整備不良:尾灯等11425
安全運転義務違反21425
幼児等通行妨害21425
安全地帯徐行違反21425
騒音運転等21425
携帯電話使用等(交通の危険)61625
携帯電話使用等(保持)31525
消音器不備21425
高速自動車国道等措置命令違反21425
本線車道横断等禁止違反21425
高速自動車国道等運転者遵守事項違反21425
高速自動車国道等車間距離不保持21425
車間距離不保持11425
免許条件違反21425
番号標表示義務違反21425
混雑緩和措置命令違反11425
通行許可条件違反11425
通行帯違反11425
路線バス等優先通行帯違反11425
軌道敷内違反11425
道路外出右左折方法違反11425
道路外出右左折合図車妨害11425
指定横断等禁止違反11425
進路変更禁止違反11425
追い付かれた車両の義務違反11425
乗合自動車発進妨害11425
割込み等11425
交差点右左折方法違反11425
交差点右左折等合図車妨害11425
指定通行区分違反11425
交差点優先車妨害11425
緊急車妨害等11425
交差点等進入禁止違反11425
無灯火11425
減光等義務違反11425
合図不履行11425
合図制限違反11425
警音器吹鳴義務違反11425
乗車積載方法違反11425
定員外乗車11425
積載物大きさ制限超過11425
積載方法制限超過11425
制限外許可条件違反11425
牽引違反11425
原付牽引違反11425
転落等防止措置義務違反11425
転落積載物等危険防止措置義務違反11425
安全不確認ドア開放等11425
停止措置義務違反11425
初心運転者等保護義務違反11425
座席ベルト装着義務違反11425
幼児用補助装置使用義務違反11425
乗車用ヘルメット着用義務違反11425
大型自動二輪車等乗車方法違反21425
初心運転者標識表示義務違反11425
最低速度違反11425
本線車道通行車妨害11425
本線車道緊急車妨害11425
本線車道出入方法違反11425
牽引自動車本線車道通行帯違反11425
故障車両表示義務違反11425
仮免許練習標識表示義務違反11425
※参考元:警視庁|交通違反の点数一覧

酒酔い運転や妨害運転などの危険行為は、一発で免許取り消しになることが分かります。

なお高速道路などで故障した際に、三角停止板を使用しなければ違反になってしまう「故障車両表示義務違反」のことを知らなかったという人もいるでしょう。

1点の減点になるため、注意が必要です。

関連記事:高速道路でエンジントラブルが起こる原因と対処法について

免許取り消しから再取得するまでの期間

時間イメージ

免許取り消しとなった場合、すぐに再取得できるわけではありません。
ここからは免許の再取得に必要な期間について解説します。

欠格期間とは

免許が取り消された人には、再取得ができなくなる「欠格期間」が定められています。

欠格期間は前歴回数と累積点数によって、1~10年の間で決められます。

また違反内容が「一般違反行為」か「特定違反行為」かによって、異なる基準が定められている点に注意が必要です。

一般違反行為

一般違反行為とは、軽微な違反行為のことです。

具体例として「座席ベルト着用義務違反」「駐車違反」「信号無視」「速度超過」などが挙げられます。

一般違反行為と欠格期間の関係に関しては、以下の通りです。

欠格期間前歴
なし1回2回3回以上
停止・保留6~14点4~9点2~4点2点または3点
1年15~24点10~19点5~14点4~9点
2年25~34点20~29点15~24点10~19点
3年35~39点30~34点25~29点20~24点
4年40~44点35~39点30~34点25~29点
5年45点以上40点以上35点以上30点以上
※参考元:茨城県警察

特定違反行為

特定違反行為は、より重大な違反行為を指します。

具体例として「危険運転致死傷」「酒酔い運転」「救護義務違反(ひき逃げ)」などが挙げられます。

特定違反行為と欠格期間の関係に関しては、以下の通りです。

欠格期間前歴
なし1回2回3回以上
3年35~39点
4年40~44点35~39点
5年45~49点40~44点35~39点
6年50~54点45~49点40~44点35~39点
7年55~59点50~54点45~49点40~44点
8年60~64点55~59点50~54点45~49点
9年65~69点60~64点55~59点50~54点
10年70点以上65点以上60点以上55点以上
※参考元:茨城県警察

免許取り消しから再取得する方法とは?

政府、役所、行政

免許の取り消し処分を受けた人が再取得するためには「取消処分者講習」を受講し、終了証明書を発行してもらう必要があります。

その上で、運転免許試験場で試験を受けるか、指定自動車教習所に通うかの2つの選択肢の中から選びます。

以下で詳しく解説するため、ぜひご覧ください。

取消処分者講習を受ける

免許の取り消し処分を受けた人が新たに運転免許を取得しようとする際に受ける講習が「取消処分者講習」です。

予約制で行われる講習であり、各都道府県の指定場所で受講します。

2日間で13時間の講習です。
受講すると、1年間有効な取消処分者講習の終了証明書が発行されます。

運転免許試験場で試験を受ける

取消処分者講習を受講した後、再度免許を取得できます。

その方法の一つが、運転免許試験場で学科試験、技能試験を受ける方法です。

厳しい一発試験となりますが、時間と費用を節約できる点がメリットとして挙げられます。

指定自動車教習所に通う

一発試験に自信がない人は、指定自動車教習所に通う方法がおすすめです。

費用も時間もかかってしまう方法ではありますが、運転技術、交通法規を再学習しつつ免許の再取得が目指せます。

一発試験で何度も不合格を繰り返してしまうよりかは、堅実に再取得を目指せる方法といえるでしょう。

まとめ

免許の取り消しや停止といった行政処分、さらに取り消された場合の再取得方法まで解説しました。

行政処分としては最も重い処分内容です。

安全運転に努めて、免許の取り消し処分や停止処分を受けないようにしましょう。

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