予備検査を実施するメリットや注意点・車検との違いを解説
車検は車を所有している人であれば、誰もが受ける必要があります。
しかし、車検とよく似た検査である「予備検査」と呼ばれるものについてご存知でしょうか。
予備検査は車検とよく似た検査ですが、検査を実施する目的や料金などが異なります。
この記事では、予備検査と車検の違いや予備検査を実施するメリットや注意点などについて解説していきます。
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予備検査とは?
ここでは、予備検査の特徴と行う目的について解説していきます。
予備検査の特徴とは
予備検査とは、廃車手続きされた車(ナンバープレートがついていない車)に対して検査を実施することを指します。
検査内容は車検と変わりませんが、予備検査に合格しても、車検証やナンバーは貰えず、代わりに「自動車予備検査証」が発行されます。
自動車予備車検証があることで、車検を受けなくても車両登録の手続きができます。
ただし、発行されてから3ヶ月以内と有効期限が決まっているため、期限内にすべての手続きを行わなければなりません。
予備検査を行う目的
予備検査は、ディーラーや中古車販売店などを通さずに車を売買する場合とユーザー車検を行う場合などに実施することが一般的です。
フリマサイトやネットオークションなど、ディーラーや中古車販売店を通さずに車を売買する場合に、予備検査を実施し、自動車予備検査証を取得していることで、買い手は安心して購入できます。
また、購入後の個人間でのトラブルを避けることもできます。
ユーザー車検を行う場合は、事前に予備検査を実施することが一般的です。
ユーザー車検前に予備検査を実施することで、車検が順調に進み、再車検のリスクが低減されます。
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予備検査にかかる料金
ここでは、予備検査にかかる料金をそれぞれ解説していきます。
廃車手続きされた車の予備検査
廃車手続きされた車の予備検査にかかる料金は下記の通りです。
また、下記の料金表は、自動車検査事務所や軽自動車検査事務所に車を持ち込んだ場合の料金です。
普通自動車 | 2,500円 |
小型自動車 | 2,400円 |
軽自動車 | 1,800円 |
また、仮ナンバーを取得して検査場へ向かう場合は、仮ナンバー取得の料金が750円程、レッカーを利用する場合は10,000円程かかります。
ユーザー車検前の予備検査
ユーザー車検前の予備検査にかかる料金は検査場によって多少変わりますが、おおよその金額は単独検査で約2,000円~3,000円、全体検査で約3,000円~5,000円かかります。
単体検査とは、指定した項目のみを検査することです。
ユーザー車検の項目で不合格になりそうな箇所のみ、検査をしたい場合に利用されます。
また、全体検査とは、車検の点検項目をすべて検査することです。
予備検査と車検の違い
車検とは、車が保安基準を満たしているかどうかを検査する制度です。
正式名称を「自動車検査登録制度」といい、新車登録から3年後、以降は、2年に1回の周期で実施するように義務付けられています。
万が一、車検が切れている車で公道を走った場合、違反点数6点と30日間の免停になります。
さらに、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金も科せられてしまうため、注意しましょう。
一方、予備検査の実施は法律で義務付けられてはいないため、実施しなくても問題はありません。
また、それぞれの検査にかかる料金も異なり、予備検査が数千円程度なのに対して、車検は5万円〜20万円程の料金がかかります。
予備検査を実施するメリットと注意点
ここでは、予備検査を実施するメリットと注意点について解説していきます。
予備検査を実施するメリット
予備検査を実施するメリットとして、「個人間で車を販売する際のアピールポイントになる」「スムーズにユーザー車検を通せる」の2つが挙げられます。
個人間で車を販売する際は、予備検査を実施しているかどうかで買い手からの信頼度が変わります。
予備検査を実施し合格していることで、買い手は修理なしで車検に通る車と判断できます。
予備検査に合格している車は、買い手が早く見つかる可能性が高くなるでしょう。
また、ユーザー車検前に予備検査を実施し、合格していることで、スムーズにユーザー車検を通せます。
車に問題がある箇所があれば予備検査時に分かり、修理ができるため、ユーザー車検を何度も受け直しをしなくて済みます。
予備検査を実施する際の3つの注意点
予備検査を実施する際の注意点として、「自動車予備検査証の有効期限が3ヶ月」「法定点検は行われていない」「新規登録には料金がかかる」が挙げられます。
予備検査に合格した後に発行される自動車予備検査証の有効期限は3ヶ月しかありません。
そのため、車を新規登録する場合は3ヶ月以内にすべての手続きを完了する必要があります。
個人間で車を販売する際は、トラブルを避けるため買い手に自動車予備検査証の有効期限を伝えておくとよいでしょう。
また、予備検査では法定点検は行われていません。
車検の際は法定点検も同時に行われるのが一般的です。
法定点検は、車が故障していないかを点検するものであり、予備検査に合格していても、法定点検が行われていなければ、安全に走行できない可能性があります。
予備検査の場合、法定検査も自分で行うことができますが、ディーラーや整備工場へ依頼することも可能です。
さらに、予備検査後に新規登録する際は、自賠責保険や自動車重量税、印紙代などの料金がかかります。
また、自動車税を支払う対象にもなるため、事前に理解しておきましょう。
予備検査の流れと必要なもの
ここでは予備検査の流れと必要なものについて解説していきます。
予備検査に用意するもの
廃車手続きされた車の予備検査に用意するものは下記の通りです。
- 登録識別情報等通知書(一時抹消登録証明書)もしくは自動車検査証返納証明書(軽自動車の場合)
- 認印(法人の場合は社印)
- 譲渡証明書
登録識別情報等通知書は一時抹消手続きを行った際に交付される書類です。
ユーザー車検前の予備検査に用意するものは下記の通りです。
- 自動車検査証
- 自動車納税証明書
- 自賠責保険証明書
- 印鑑
予備検査の流れ
廃車手続きされた車の予備検査の場合は、国土交通省の自動車検査インターネット予約システムから予約しましょう。
軽自動車の場合は、軽自動車検査予約システムから予約できます。
ユーザー車検前の予備検査であれば予約の必要はありません。
当日は、各自治体の運輸支局もしくは予備検査場(ユーザー車検前の予備検査の場合)へ行き検査員の指示に従いながら検査を実施します。
この際に、あらかじめ最低限の自己点検は行っておきましょう。
点検項目は下記の通りです。
- ヘッドランプが点灯するか
- 排気漏れの有無
- フロントガラスの損傷の有無
- タイヤの溝は残っているか
- クラクションが鳴るかどうか
- ワイパーがきちんと作動するか
- 発煙筒の期限が切れていないか
予備検査当日は、排気ガス測定や光軸点検・ブレーキ測定などの検査が行われ、無事合格すれば、自動車予備検査証が発行されます。
ユーザー車検の場合は、問題が見つからなければ、そのまま車検へ進みましょう。
まとめ
この記事では、予備検査の特徴や実施する目的、検査時に必要なものや流れについて解説しました。
予備検査には、「廃車手続きされた車の予備検査」と「ユーザー車検前の予備検査」の2種類があります。
それぞれ車検と同じ項目を点検する検査ですが目的が違います。
廃車手続きされた車の予備車検は登録前の車検であり、ユーザー車検前の予備検査はユーザー車検をスムーズに行うための検査です。
予備検査を行う際は、この記事を参考に予備検査に用意するものや、検査の流れについて事前に理解しておきましょう。