高齢者マークは何歳から?車のどこに貼ればよいの?ルールや効力について紹介
高齢者マークは、自分が高齢の運転者であることを周囲に知らせる役割があるステッカーです。貼ることで周囲の車がより安全に配慮するようになるため、高齢者も運転しやすくなります。
年を重ねると誰しも気づかぬうちに、視力や筋力が低下していきます。年を取った証のようで貼ることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、安全に運転し続けるためにも貼ることをおすすめします。
この記事では、高齢者マークを貼る年齢や位置、貼ることのメリットについてご紹介します。年を重ねても安全に運転し続けたい人は、ぜひ参考にしてください。
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INDEX
高齢者マークとは?
高齢者マークは、自分が高齢の運転者であることを周囲に知らせ、安全に配慮してもらうことで交通事故を防止するためのステッカーです。
平成23年1月以前はオレンジと黄色の2色を使ったしずくのようなデザインのもみじマークでした。平成23年2月1日にデザインが変更され、オレンジ、黄色、緑、黄緑の4色を使った四つ葉マークになりました。
デザインは変更されたものの、デザイン変更前のもみじマークも引き続き使用できるため、もみじマーク、四つ葉マークのどちらを貼っても構わないとされています。
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高齢者マークは何歳から貼るものなのか?
高齢者マークの表示義務は、70歳以上の運転者を対象としています。ただし、その義務の程度は年齢によって異なります。
75歳以上の運転者は、いかなる場合も高齢者マークの表示が義務付けられています。
一方、70歳以上75歳未満の運転者は、「加齢に伴う身体機能の低下が運転に影響を及ぼすおそれがある場合」に限り、高齢者マークの表示が求められます。
高齢者マークは、1997年に75歳以上の運転者を対象として導入され、2002年に70歳以上に対象が拡大されました。このマークは、周囲のドライバーに高齢者が運転していることを知らせ、より安全な運転に貢献することを目的としています。
高齢者マークを貼る場所は決まっているのか?
高齢者マークは、貼る場所が法律で決められています。
また、種類によって貼り方も異なります。
ここでは、貼る位置や種類ごとの貼り方をご紹介します。
貼る場所について
高齢者マークは、貼るのであれば車両の前に1枚、後ろに1枚貼らなければなりません。
貼る場所は、地上から0.4m以上、1.2m以下の見やすい位置と決められています。高さに決まりはありますが、左右位置に決まりはありません。
また、車内・車外にも決まりがないため、走行中に外れにくく、周囲から見やすい位置に貼りましょう。
ただし、見やすい位置といってもフロントガラスや側面ガラスに貼ることは禁止されています。フロントガラスに貼りつけが認められているのは、車検に合格したときに交付される車検シールと呼ばれる検査標章やドライブレコーダーなどです。
法令により貼りつけが認められているもの以外のステッカーや初心者マーク、高齢者マークをフロントガラスに貼ると、法令違反となるため注意しましょう。また、ヘッドランプやブレーキランプの上にステッカーを貼るのも、交通事故を引き起こすリスクが高まることから禁止されています。
貼り方について
高齢者マークには、マグネットタイプ・貼った後にはがせるリタックタイプ・吸盤タイプの3種類があります。
マグネットタイプは、簡単に貼ったり取ったりできるのが特徴です。
ただし、プリウスやシビックなどアルミボディの車には貼れないので注意しましょう。
自分の車がアルミボディの人には、貼ったあとでもはがせるリタックタイプをおすすめします。リタックタイプは、特殊な粘着剤を使用しており、一度貼ってもボディに糊が残らず簡単に貼り直せるものです。リタックタイプであれば、ボディの素材に関係なくどんな車にも貼れます。
なお、マグネットタイプやリタックタイプは、同じ場所に長期間貼っていると、日焼けなどでボディに跡が残る可能性があるため、定期的に貼る位置を変えることをおすすめします。
吸盤タイプは、車内からガラスに貼るタイプです。
そのため雨風にさらされることがなく、劣化したり走行中に剥がれたりする心配がありません。
ただし、吸盤タイプはリアガラスにしか貼れません。ガラスに吸盤を貼るため、フロントガラスに貼った場合は運転者の視界を妨げ、法令違反となるため注意しましょう。
高齢者マークをボンネットやリアガラス下のボディなどに貼るのが一般的です。貼る際には、法令違反とならないように貼る位置に気をつけましょう。
高齢者マークを貼ることのメリットとは?
高齢者マークを貼る意味はあるのか、義務でないなら貼りたくない、という人もいるでしょう。
しかし、高齢者マークは運転者や周囲の車に安全な運転を促し、交通事故を防止する効果があります。
運転者自身が高齢であるという意識が高まり、より安全な運転を心がけることにもつながります。
さらに、周囲の車は高齢者マークが貼られた車に対して、安全を配慮しなければならない義務が発生します。
反則金の発生
周囲の車は危険な状況を防ぐためにやむを得ないとき以外に、高齢者マークが貼られた車に対して幅寄せや割り込みを行った場合、道路交通法違反として違反点数1点が加算され、反則金が課されます。
反則金や違反点数は以下のとおりです。
罰金:5万円以下
反則金
- 大型車(中型車、準中型車含む) 7,000円
- 普通車 6,000円
- 二輪車 6,000円
- 小型特殊 5,000円
違反点数:1点
高齢者マークは、運転者自身が加齢による身体機能の低下を自覚し、安全な運転を心掛けるきっかけになるだけでなく、周囲の車にも安全な運転を促す効果があります。
高齢の運転者と周囲の車の双方が安全運転を心がけることで、より交通事故の防止効果が期待できるでしょう。
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高齢者マークを貼らないと罰則があるのか?
高齢者マークを貼って運転することは、義務ではありません。
軽自動車や普通自動車を運転する70歳以上の高齢の運転者に対して、可能な限り貼ってほしいという努力義務となっています。
そのため、貼らずに運転しても罰則はありませんが、加齢によって視力や筋力の低下、反応の遅れなど身体機能の低下があり、安全な運転に影響を及ぼす可能性がある人は、貼ることを推奨されています。
特に運転歴が長いドライバーの場合、身体機能の低下を自覚しにくく、過信して運転することで交通事故を引き起こす可能性もあります。
高齢者マークは貼ることで交通事故を防止する効果があるため、身体機能の低下にかかわらず、70歳になった時点で貼ることをおすすめします。
また、現時点では努力義務であり罰則もないものの、今後貼ることを義務付けられる可能性もあるため、法改正の動向にも注意しておきましょう。
高齢者マークの入手方法は?
ここでは、高齢者マークの購入場所や価格をご紹介します。
購入場所
高齢者マークは免許更新センター、運転免許試験場、一部の警察署で購入可能です。
また、ホームセンター、カー用品店、ネット通販でも購入することもできます。
運転免許試験場や免許更新センターが近くにない人でも、ホームセンターなどで身近な場所で購入できたり、インターネットでも手に入れることができるため、自分が購入しやすい場所と方法で入手しましょう。
また、車体の前と後ろに1枚ずつ貼りつけなければならないため、2枚購入することを忘れないようにしましょう。
価格
高齢者マークの価格帯としては数百円から千円程度で販売されており、低価格で手軽に購入できます。
まとめ
高齢者マークは、高齢の運転者自身が身体機能の低下を自覚し、安全運転を心がけるきっかけになるとともに、周囲に注意を促すためのステッカーです。
高齢者の証のように感じ、貼ることに抵抗がある人もいるかもしれません。
しかし、誰しも年を重ねると視力や筋力が衰えたり、反射機能が鈍くなったりします。身体機能の低下を自覚していない状態での過信運転は危険であり、一歩間違えば人の命を奪ってしまう可能性もあります。
あくまでも努力義務とされていますが、自分と周囲の安全のためにも70歳以上の運転者は高齢者マークを貼ることをおすすめします。