車の静電気がひどい!原因と対処法を解説
普段から車を運転するのであれば、ドアに触れた際などに静電気による強い痛みを感じるという悩みを持つ場合も多いでしょう。たかが静電気とはいえ、場所や状況次第では発火の原因になる危険性があるため、日頃から防止策を講じることをおすすめします。
車の静電気がひどい場合、発生条件やタイミングを考えて原因を特定するのが重要です。その原因に応じた適切な対処をすることで、改善が期待できます。
この記事では、車の静電気がひどい時の原因と乗降車時の対処法を解説します。おすすめの静電気対策グッズも紹介するので、参考にしてください。
INDEX
車の静電気がひどい原因
まず、車の静電気が頻発する原因を解説します。
摩擦
静電気の主な原因の一つは、物体同士の摩擦といわれています。これは、すべての物質が持ち、通常は釣り合っているプラスとマイナスの電荷のバランスが、摩擦によって崩れるためです。
乗降車の際に車のシートと衣服が擦れた場合、マイナスの電荷が衣服や体に移動して電気を帯びた状態になります。金属は電気をよく通すため、そのままドアなどに触れると一気に放電され、刺激を感じるのです。
空気の乾燥
水も電気を通す性質を持つため、静電気の発生条件には、空気中の水分量も大きく関わっています。
空気が乾燥していると物体の表面に付着する水分量が少なく、水を介した放電が減少します。このようにして体に電気が溜め込まれ、車のドアに触れることで放電される一連の流れが、静電気の発生メカニズムです。逆に湿度が高い場合は、物体に付着する水分が多い分、電気を逃がして静電気が発生しにくくなります。
秋から冬にかけて静電気を感じやすいのは、このためです。
乾燥肌
空気中だけでなく人間の体内の水分量が少ない場合も、電気がうまく逃がせず体に溜まりやすくなります。乾燥肌という体質によって、車の静電気を強く感じる人もいるのです。
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乗車時の静電気対策
ここでは、静電気が起こりやすい乗車時の静電気対策を紹介します。
金属製品をドアハンドルに触れさせる
金属製の鍵やキーホルダーを車のドアハンドルに触れさせてからドアを開けると、体の電気が逃げていき、急激な放電を防げます。静電気が発生したとしても、金属同士の触れ合った部分が衝撃を受け止めるため、強い痛みは感じません。
壁や地面に触れる
ドアハンドルに触れる前に、コンクリート製もしくは木製の壁や地面に手のひらをつく方法も、静電気対策として有効です。コンクリートや土、木も金属と同じく電気を帯びているものの、より緩やかに電気を流すため、静電気の衝撃を受けることなく放電できます。
なお、物体同士が接している面積が広いほうが電気を逃がしやすいため、指先だけで触れるよりも手のひら全体をつけるほうが効果的です。
降車時の静電気対策
静電気は、車から降りる際も起こる可能性があります。ここでは、降車時の静電気対策を紹介します。
車の金属部分に触れながら降りる
運転後は、常にドアの縁などの金属部分に触れながら降車することが、静電気対策につながります。重要なのはシートに座ったまま金属に触り、その後に地面に足を下ろすという手順です。正しい手順を踏めば、シートとの摩擦で体に溜まった電気を緩やかに放電し、静電気の衝撃を回避できるでしょう。
ウエットティッシュやハンドクリームを使う
ウエットティッシュでドアハンドルに触れながら降車する方法も、静電気対策として役立ちます。なぜなら、手の水分を増やすことで空気中に電気が逃げやすい状態にできるためです。同じ要領でハンドクリームを使ってもよいでしょう。特に乾燥肌の人におすすめしたい方法です。
シートに静電気除去加工を施す
車のメーカーによっては、シートに衣服との摩擦を抑える静電気除去効果のある加工を施せます。
例えば日産では、空気中の水分を保持して静電気を除去しやすくなるシート加工サービスが利用可能です。トヨタでは、シートに帯電防止スプレーを噴霧するアフターサービスを行っています。
静電気対策グッズ
ここまで紹介したような対処法で効果が得られなかった場合、電気を地面に逃がす「アース線」として機能する静電気対策グッズを使うのも一つの手段です。ここでは、おすすめの静電気対策グッズを紹介します。
車に設置する静電気除去グッズ
車に設置しておける静電気除去グッズは、乗降車時に手を触れるだけで体に溜まった電気を放電できます。大きく分けてシートタイプとプレートタイプの2種類があるため、好みや静電気に関する悩みに応じて使い分けましょう。
シートタイプは、除電素材で作られたシールをドアなどの金属部分に貼り付けることで、乗降車時のどちらにも使えます。100円ショップでも販売されているため、比較的安価で入手でき、設置も簡単です。
プレートタイプは、フロントドアのパネルラッチ(ドアをロックするための部品)下部や、ドアのボルトの上などに取り付けると、降車時の静電気を緩和できます。ホンダなど一部の車メーカーからも、純正アクセサリーの静電気除去プレートが購入でき、車のデザインを崩さずに対策可能です。
持ち運びできる静電気除去グッズ
静電気除去グッズにはキーホルダーやスプレーなど、手軽に持ち運べるタイプもあります。
キーホルダータイプは、先端をドアハンドルに触れさせることで、体が帯びる電気の除去が可能です。先端は導電性樹脂でできており、キーホルダーや放電管を伝って電気が逃げていきます。
スプレータイプは、シートや衣服に噴霧することで帯電を軽減する効果が期待できます。ただし、スプレーの種類によってさまざまな成分が含まれるため、注意しながら選ばなければいけません。車に使う場合は、日産が展開する補修部品ブランド・PITWORKの静電気除去スプレーなど、専用商品をおすすめします。
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ガソリンスタンドでは特に注意
普段は少し痛みを感じる程度の静電気でも、ガソリンスタンドでは注意が必要です。
ガソリンは非常に揮発性が高く、液体よりも引火の可能性が高い気体の状態になりやすいという性質があります。引火点(火元を近づけた際に燃え始める最低温度)も低く、-40℃でも爆発的に燃焼する危険性があるのです。また、気化したガソリンは空気よりも重く、地面の穴やくぼみに溜まりやすいため、静電気のような小さな火元にも引火しやすくなります。
全国のセルフガソリンスタンドには静電気除去シートが設置されているため、ガイドに従って給油前にタッチしましょう。
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まとめ
この記事では、車の静電気が起こる原因や対処法・対策グッズを紹介しました。静電気は、布同士の摩擦や、空気中または肌の乾燥によって発生します。これらの原因で体に溜まった電気が、金属に触れた際に一気に放電される衝撃が痛みとして伝わるのです。
静電気があまりにもひどい場合には、対処法や対策グッズを活用しましょう。乗車時はドアハンドルに触る前に、地面や壁、静電気除去シートにタッチして、先に電気を逃がすことが重要です。降車時は、シートと衣服との摩擦により体に溜まった電気を放電するために、ウエットティッシュや静電気除去プレートが役立ちます。
ガソリンは性質上、静電気に引火しやすく大変危険なため、特にセルフ給油の際は対策が必須です。ガソリンスタンドに設置されている静電気除去シートを、必ず利用してください。