キャンインベーダーの手口とは?盗難防止の対策も併せて紹介
車の技術向上に伴い、車両盗難の手口もそれに合わせたかのように巧妙になっています。
キャンインベーダーは、車両盗難の手口の一つです。
キャンインベーダーとは、どのような手口なのでしょうか。
また、これを防ぐためには何をすればよいのでしょう。
この記事では、キャンインベーダーとはどのような手口なのか、盗難防止対策も併せて紹介します。
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INDEX
キャンインベーダーは車の盗難手口の一種
キャンインベーダーとはどのような手口なのでしょうか。
ここでは、キャンインベーダーの手口について解説していきます。
キャンインベーダーとは
キャンインベーダー(CANインベーダー)とは、車の制御を行っているコンピューターに侵入し、ドアロックの施錠や純正カーアラームの解除、エンジンの始動などを行って、車を盗難する手口のことです。
近年の車には、エンジンやバッテリーなど、さまざまな部品を制御するために、コンピューターが搭載されています。
これらのコンピューター同士を繋ぐネットワークの一つをCAN(キャン)または、CAN信号といいます。
CAN信号は、車外からアクセスし、車を操作することが可能です。
キャンインベーダーによる盗難方法
キャンインベーダーは、CAN配線にアクセスできる専用機器を使用し、割り込ませることで、セキュリティ解除、ドア解除、エンジン始動を行うことができます。
以前は、セキュリティ解除・ドア解除を行ったのちに、エンジンを始動させるための解除を行う手間がありましたが、キャンインベーダーでは、これらを一度に行うことが可能となったため、短時間での犯行が可能です。
キャンインベーダー以外の車の盗難手口
キャンインベーダー以外の車の盗難手口は、何があるのでしょうか。
ここでは、キャンインベーダー以外の手口を二つ解説していきます。
リレーアタック
リレーアタックとは、車のスマートキーの電波を利用して行う盗難方法のことです。
スマートキーは、常に微弱な電波が出ており、この電波を車のコンピューターが受信してドアロックを解錠します。
基本的にスマートキーと車の距離が1m~3mの範囲内でドアロックを解錠することが可能です。
しかしリレーアタックでは、専用機器を使用し、微弱な電波を増幅させて複数人でその電波を繋ぐ(リレーさせる)ことで、スマートキーと車が離れていてもドアロックの解錠ができます。
コードグラバー
コードグラバーとは、スマートキーから出ている微弱な電波からキーのIDコードをコピーし、スペアキーを作る機器のことです。
手口は、所有者が車から降りた瞬間にスマートキーから出ている微弱な電波をキャッチし、IDを読み取ってスペアキーを作る方法です。
コードグラバーが微弱な電波を読み取るために必要な距離は、約100m~500mであるため、比較的容易に電波をキャッチできます。
スペアキーが作られてしまうと、盗難防止装置を設置しても意味がありません。
車の盗難に効果的な対策
キャンインベーダーやリレーアタックなどを防ぐためには、どうすればよいのでしょうか。
ここでは、車の盗難に効果的な対策について解説していきます。
車を盗難されないためにも日頃から対策を行うことが大切です。
タイヤロック
タイヤロックは、リレーアタック、コードグラバー、キャンインベーダーなどの盗難手口に有効な防犯対策です。
タイヤロックをしていることがわかるだけで、盗難しようとする気持ちが起きません。
そのため、タイヤロックを取り付けていることがわかるように目立つものを選んで設置するのが効果的です。
ハンドルロック
ハンドルロックは、タイヤロックと同様、スマートキーから出ている微弱な電波を利用するため、物理的な盗難の防止対策として効果的です。
ハンドルロックには、シートベルトとハンドルをロックするものや、スポーク部分をロックするものなど種類があるため利用しやすい方を選びましょう。
また、タイヤロックと組み合わせることでより効果を得られます。
監視カメラやGPS発信機の設置
キャンインベーダーは、スマートキーが必要なく車のドアロックを解除し、エンジンを始動して盗んでいくため、スマートキー自体に対策を行うことはできません。
そのため、車を守る対策として、監視カメラの設置や、GPS発信機を車に取り付けるのも一つの方法です。
車が盗難された場合の対応
車が盗難に遭うと、一瞬何が起きたのかわからなくなる人も多く、何をすればよいのかパニックになってしまうかもしれません。
そのため、車の盗難に遭うことを想定したうえで、どう対応すればいいのかを確認しておきましょう。
車が盗難された場合は、以下の手順で対応します。
- 警察署や近くの交番に連絡する
- 税関に連絡する
- 保険会社やクレジット会社、税務事務所に連絡する
- 陸運局で車両の一時抹消登録手続きをする
それぞれの手続き方法を簡単に解説します。
警察署や近くの交番に連絡する
車が盗まれたことに気がついたらまず110番に電話をして、車が盗難されたことを伝え、警察の指示に従って盗難被害届を提出しましょう。
その際には、車内に置いてあった貴重品類なども一緒に盗難届を提出します。
盗難被害届は、盗まれたことに気がついたらすぐに提出することが大切です。
車の盗難に遭ってから盗難被害届の提出まで時間がかかると、その間に車を遠くへ持っていかれたり、分解されたりされる可能性があります。
近くに警察署がない場合は、最寄りの交番でも盗難被害届は提出できるため、できるだけ早めに対処することが大切です。
また、盗難被害届が提出すると、受理番号が発行されます。
受理番号は保険会社への連絡の際に使用するため、番号を控えておきましょう。
保険会社に連絡する
警察へ盗難被害届を提出したら、自分が加入している保険会社に連絡をしましょう。
その際に盗難被害届が提出されているかや、受理番号などを聞かれます。
また、自身が加入している保険内容によっては、補償を受けられる可能性あります。
保険金は、1ヶ月以上の事実調査ののちに車が見つからなかった場合に支払われるでしょう。
しかし、盗難で保険金を受け取った場合、次の年の等級が1等級下がるため、利用する際は注意が必要です。
陸運局で車両の一時抹消登録手続きをする
陸運局で一時抹消登録手続きを行いましょう。
これにより、自動車税や自賠責保険料などの減額が可能です。
車が見つかった場合は、新たに中古車登録すれば、公道を乗り続けることができます。
ただし、車のローンが残っている場合、所有者はカーディーラーやローン会社です。
そのため、このような状態では、一時抹消登録手続きの申請はできません。
その場合は、所有者であるカーディーラーもしくは、ローン会社に相談しましょう。
まとめ
この記事では、キャンインベーダーの車両盗難の手口や盗難防止対策などについて解説しました。
キャンインベーダー(CANインベーダー)とは、車の制御を行っているコンピューターに侵入して車を盗難する手口のことです。
ほかにも車を盗難する手口には、スマートキーからの微弱な電波を利用するリレーアタックやスマートキーのIDコードをコピーしてスペアキーを作るコードグラバーなどがあります。
これらの手口には、タイヤロックやハンドルロックなどの視覚的にわかる対策が効果的です。
万が一車の盗難に遭った場合に落ち着いて対処するためにも、この記事を参考に対処の流れを確認しておきましょう。