車の名義が親のまま乗ってもよいのか?問題点や名義変更の手続き方法を紹介

進学・就職の時期であったり、親が車を買い替える機会であったり、さまざまなタイミングで、親名義の車を譲り受けることがあります。
親から譲り受けた車はそのまま、つまり親の名義のまま乗り続けてもよいのでしょうか。
「もしかしたらそのままはダメなのかもしれない」「なにか違反になるのかもしれない」など、不安に思う方も少なくないかもしれません。

この記事では、親名義の車を乗り続けることで起こり得る問題点や、名義変更を行う方法を解説していきます。
不安な方も、この記事を読んでおけば安心して運転できるでしょう。

名義が親のままの車に乗っていいの?

疑問イメージ

結論からいえば乗っても問題はありません。

ただ、それにはいくつかの条件がありそれを守っていればのお話です。
それが守れていない状態で親名義の車に乗っていると違反と判断されるため注意しましょう。

名義が親のままの車に乗るメリットとは?

名義が親のままの車に乗るメリットは、親から車を譲り受ければ自分で車を購入しないで済むという点です。

また、車の名義人である親と同居している場合には、大抵の保険会社で、任意の自動車保険へ加入することができます。なお、友人や他人から譲り受けた車を他人名義のままで乗る場合は、任意の自動車保険への加入はできません。

名義が親のままの車に乗るデメリットとは?

親の名義のまま車に乗るデメリットは多岐にわたります。ここでは、名義が親のままの車に乗るデメリットを解説していきます。

重要な通知が直接手元に届かない

車に関連する行政からの通知は、基本的に車の名義人宛に発送されます。
そのため、親の名義のままだと直接手元に届きません。

毎年納付しなければいけない自動車税の納付書や、速度違反自動取締装置により発覚した速度超過の違反通知などが車に関連する行政からの通知です。
自動車税の納付書や違反通知などが手元になければ、自動車税や反則金などを納めることができないため、親と同居していない場合は親元へ書類を引き取りに行くか、発送してもらわなければなりません。自分はもちろん、親にもその時間をとってもらう必要があるためお互い手間がかかり、デメリットといえるでしょう。

任意保険に加入できないケースあり

車の名義人である親と同居している場合は任意保険への加入はたいてい可能です。
しかし、別居している場合は任意保険への加入ができません。

名義人(この場合親)が任意保険を解約していなかったとしても、その設定範囲などによっては保険が適用されない可能性もあります。

任意保険に未加入で、万一事故の加害者になってしまったら、数千万円から数億円にものぼる賠償金を背負うことになりかねません。
そのため、運転に自信のない方などは特に名義変更とともに任意保険への加入を済ませることをおすすめします。

関連記事:車を買い替えるとき、保険は何をすればよい?必要な手続きや条件を解説

関連記事:中古車購入後はどのような任意保険に入ればよいのか?

親名義の車で事故を起こすとどうなる?

クルマの傷イメージ

親名義の車で事故を起こした場合はどうなるのでしょうか。ここでは、親名義の車での任意保険の加入や補償について解説していきます。

名義人である親と同居している場合

車の名義人である親と同居している場合は自身で任意保険への加入が可能なため、加入した任意保険の補償内容に応じて、事故対応をしたり、補償を受けたりすることができます。

名義人である親と別居している場合

車の名義人である親と別居している場合は、自身で任意保険へ加入することができないのがほとんどです。
車の名義人である親が任意保険を継続していれば、親名義で加入している任意保険の補償範囲内で、事故対応をしたり、補償を受けたりすることができます。

名義人の任意保険

任意保険は保険料を抑えるため、運転者を「本人限定」「本人・配偶者限定」「家族限定」と限定することや運転者の年齢に関しても制限を設けることが可能です。
運転者を限定しないように設定していれば、事故の当事者である自分自身が車の名義人である親と別居していても補償対象範囲に含まれます。

名義人が任意保険の運転者を「本人限定」「本人・配偶者限定」を設定していれば、任意保険の名義人である親と、親の配偶者が事故の当事者の場合のみ、任意保険の補償を受けられます。

「家族限定」としていれば、名義人である親と親の配偶者、同居している親族、そして、別居している未婚の子が事故の当事者の場合のみ、任意保険の補償を受けられることになります。

車の名義人である親と別居している人が、今までに1度も婚姻歴がなければ「家族限定」と設定していても補償の対象となります。しかし一度でも婚姻歴がある人の場合は「家族限定」の設定を解除しなければ、補償の対象とならないため注意が必要です。

また、名義人が任意保険の運転者の年齢を「21歳以上補償」「26歳以上補償」等に限定している場合、任意保険の名義人である親と親の配偶者、同居している親族が対象となります。

関連記事:1日自動車保険とは?利用するメリット・デメリットを紹介

関連記事:軽自動車の保険料の費用相場は?自動車保険の基本から解説

親名義の車を売ることはできる?

車の売却手続きは、車の名義人の印鑑登録証明書、譲渡証明書などが必要です。

そのため、名義人である親が同行できるのであれば親名義のまま車を売却することが可能です。
親が売却手続きに同行することが難しい場合は、車の名義人を親からご自身へ変更してから売却手続きを行う必要があります。

車の名義を変更する方法

車の名義変更手続きは、自動車ディーラーや自動車整備工場、行政書士事務所等に依頼することができます。
また、管轄となる各地域の陸運支局や軽自動車検査協会事務所・支所へ足を運び、自身で名義変更を行うことも可能です。

ただし、名義変更手続きの申請窓口である各地域の陸運支局や軽自動車協会事務所・支所は、土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始(12月29日から1月3日)は休日であり、申請受付は定められた時間のみに限られます。
そのため、自身で名義変更手続きを行う際は、事前に管轄の事務所の申請受付時間を確認しましょう。

※参考元:国土交通省|全国運輸支局等のご案内
※参考元:軽自動車検査協会|全国の事務所・支所一覧

新しい所有者がご自身で車の名義変更を行う方法

ご自身で名義変更を行う方法を解説します。

事前に準備が必要となる名義変更手続きに必須である書類を持って、新しい所有者が車を使用する地域を管轄する陸運支局や軽自動車検査協会事務所・支所へ足を運びましょう。

  1. 旧所有者の車を使用する地域(ナンバープレートの地域名)が、新しい所有者が車を使用する地域を管轄する陸運支局や軽自動車検査協会事務所・支所と異なっている場合や、ナンバープレートの番号を変更したい場合、普通車の名義変更手続きを行う際は車の持ち込みが必要です。
    軽自動車の名義変更手続きを行う際は、ナンバープレートのみの持ち込みも可能です。
    車を持ち込む際は、ナンバープレートを着けたり外したりできる工具を持っていきましょう。
  2. 陸運支局や軽自動車検査協会事務所・支所で申請書や手数料納付書、印紙等を入手または購入し、申請書等を作成して該当窓口へ提出します。
  3. 新しい所有者へ名義の変更が完了した自動車検証の交付後、環境性能割(旧自動車取得税)や自動車税の申告を行います。ナンバープレートの変更が無い場合は、これで終了です。
  4. ナンバープレートの変更がある場合は、ナンバープレート関連の窓口にて、取り外した古いナンバープレートを返納し、新しい自動車検証を提示後、新しいナンバープレートを受け取ります。軽自動車のナンバープレート変更を伴う名義変更手続きは、ここで終了です。

普通車のナンバープレート変更を伴う名義変更の場合は、新しいナンバープレートを車に取り付け、陸運支局の担当者に封印を施してもらい終了です。

関連記事:軽自動車のナンバープレートを黄色から白に変更できる?やり方や費用を解説!

関連記事:車検が切れた際につける仮ナンバーとは?入手の仕方や車検切れの罰則を紹介!

新しい所有者が自分で名義変更を行う際に必要な書類

新しい所有者が自分で名義変更手続きを行う際に必要となる書類は、普通車と軽自動車で異なります。

普通車を名義変更する際に必要となる書類

  • 旧所有者の名義変更日より3カ月以内に発行された印鑑登録証明書
  • 旧所有者の実印が押印された委任状
  • 旧所有者の実印が押印された譲渡証明書
  • 新しい所有者の、名義変更日より3カ月以内に発行された印鑑登録証明書
  • 新しい所有者が、車を使用する地域の警察署にて保管場所として認められた車庫証明書
  • 車検の有効期間が残っている自動車検証の原本

軽自動車を名義変更する際に必要となる書類

  • 新しい所有者の名義変更日より3カ月以内に発行されたマイナンバーの記載がない住民票の写し、または、印鑑登録証明書。
  • 自動車検証の原本

軽自動車を使用する地域によっては、保管場所の届出が必要となります。
保管場所の届出が必要となる地域は、各都道府県警察署の公式Webサイト等で確認できます。

まとめ

名義が親のままでも車を運転することは法的に違反ではないため、その点でいえば問題ではありません。
しかし、重要な通知が直接手元に届かない、任意保険に加入できないケースがある等のデメリットがあるため注意が必要です。

長く乗ることを視野にいれて、名義変更は早いうちに済ませておいた方がよいかもしれません。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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