「わ」ナンバーはどのような意味を持つナンバー?登録方法について紹介します
車のナンバーには、地名や数字のほかに「ひらがな」が一文字記載されています。
このひらがなが「わ」と表記されている車は、使用目的が「レンタカー」であることをご存知の人も多いのではないでしょうか。
レンタカーのナンバーに「わ」が使用されている理由は明確に定義されていないため、ネット上に掲載されている情報は諸説という認識でよいでしょう。
この記事では「わ」ナンバーの持つ意味や、登録方法について詳しく紹介します。
気になる人は参考にしてください。
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「わ」ナンバーの意味とは?
車のナンバーに表記されている「ひらがな」は事業用判別文字と呼ばれ、事業用車や自家用車など車両の使用目的を判別する役割があります。
車のナンバーに記載される事業用判別文字は、すべての「ひらがな」が使われているわけではなく、以下の理由から「お・し・へ・ん」は含まれていません。
- お:他のひらがなと誤認しやすいため
- し:死をイメージしやすく縁起がよくないため
- へ:屁をイメージしやすく印象がよくないため
- ん:発音しにくく、読みにくいため
また、軽自動車・普通自動車によって登録されている「ひらがな」が異なります。
「わ」表記のナンバーは、事業用として使用する車両のうち、レンタカーのように「貸し渡し」を目的とした車両であることを示しています。
そのため、自家用車として使用できません。
レンタカーに「わ」が適用された理由は明確になっていませんが、自家用車とレンタカーを区別する「ひらがな」として世間で定着しています。
また「わ」ナンバーはカーシェアリングの車両にも使用されています。
カーシェアリングとは、1台の車両を複数人でシェアできるサービスです。
レンタカーと事業形態は異なりますが、貸し渡しを目的とした車両になるため、「わ」ナンバーが割り振られていると予測できます。
ひらがな部分を見るだけでレンタカーと把握できるため、乗り逃げ防止にも役立つでしょう。
関連記事:カーシェアリングとは?仕組みや特徴をレンタカーやカーリースと比較
「わ」ナンバー以外のレンタカーが存在する理由とは?
一部地域では、レンタカーに「わ」以外の「ひらがな」が使われています。
ここからは、ほかの「ひらがな」が使用されている理由について解説します。
貸渡用車両には「れ」と「ろ」も存在する
貸し渡しを目的とした車両に「れ」も登録されており、一部地域では「れ」ナンバーも交付されています。
なお、貸し渡しで軽自動車を使用する場合は「わ」ナンバーのみの登録となります。
また、貸渡用車両には「ろ」も存在します。「ろ」ナンバーは、250cc以上の小型二輪車が登録可能であるため、レンタルバイクは「わ」に加えて「ろ」ナンバーを使用可能です。
「わ」ナンバー以外が使われる理由
北海道では、1990年代までレンタカーに「れ」ナンバーが使用されていましたが、全国にあわせて「わ」に統一された経緯があります。
しかし、観光地である北海道はレンタカーの普及率が高く、登録される車両の増加によって「わ」ナンバーが不足し、再び「れ」ナンバーが使用されるようになりました。
また、観光客の多い沖縄県も貸し渡し用車両の増加により、2015年頃より「れ」ナンバーが使用されています。
上記の理由から、北海道と沖縄県のレンタカーには「わ」と「れ」が混在していますが、車両の用途に違いはありません。
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カーリースの車に使われているナンバーは「わ」ナンバーではない
車両を貸し渡す事業には、カーリースもあります。
しかし、カーリースの車両ナンバーには自家用車両と同様の「ひらがな」が適用されます。
レンタカーやカーシェアリングは、1台の車両を不特定多数の人に「一時的」に貸し渡すサービスです。
一方カーリースの場合は、1台の車両を特定の人が「長期間」に渡ってマイカーのように利用します。
また、カーリースで貸し出される車両の所有者はリース会社になりますが、使用者の名義はリースの契約者となります。
契約期間満了後は、継続や買い取りなども行えるため、レンタカーとは仕組みが異なるのです。
そのため、カーリースはレンタルではなく購入した車両と同様に、ナンバーには自家用車両に適用される「ひらがな」が登録されます。
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「わ」ナンバーを登録するには?
「わ」ナンバーを使用するには、各自治体で定められた運輸支局に貸し渡し用として使用する車両の登録が必要です。
登録するには、レンタカー事業者や法人として国が定めた許可を取得しなければなりません。
ここからは、登録するまでの流れを詳しく解説します。
使用条件
「わ」ナンバーを使用できるのは、レンタカー事業を行う自家用自動車有償貸渡業のみです。
そのため、自家用自動車有償貸渡業の許可を取得する必要があります。
許可の取得には、法令で定められた要件を満たさなければなりません。
要件には以下のような項目が設けられています。
- 1年以上の懲役または禁固の刑に処せられていた場合、刑を終えてから2年が経過していること
- 自動車運送事業関連の許可の取り消しを受け、取り消しの日から2年が経過していること
- 未成年者や成年被後見人である場合は、法定代理人が前記した1、2に該当しないこと
- 許可を受ける者が法人である場合、法人の役員が前記した1、2、3に該当しないこと
定められたすべての要件を満たし、申請書を運輸局へ提出します。
許可取得後、ナンバー登録の届出を行うことで「わ」ナンバーの使用が可能になります。
次に、登録するまでの流れを説明します。
運輸局に許可申請書を提出する
まず、レンタカー業の許可申請に必要な書類を準備します。申請には、以下の書類が必要です。
- 自家用自動車有償貸渡許可申請書
- 貸渡料金・貸渡約款
- 登記事項証明書(個人の場合は住民票、新設法人の場合は発起人名簿)
- 確認書(欠格事項)
- 事務所別車種別配置車両数一覧表
- 貸し渡しの実施計画について記載した書類
許可申請書は、運輸局の窓口や公式サイトから入手できます。
また、カーシェアリング申請時は、上記以外にも書類が必要です。
許可に必要な書類をそろえ、管轄する運輸局の窓口へ提出します。
提出後に運輸局にて書類審査が行われ、審査には1ヵ月程度かかるでしょう。
年末年始などの繁忙期には、審査が長引く場合も考慮し、余裕を持って申請するようにしましょう。
なお、書類の準備や作成に不安がある場合は、行政書士へ依頼することをおすすめします。
許可証の受領と登録免許税の納付
運輸局より審査通過の連絡が入り次第、窓口にて許可証やレンタカー事業者証明書を受領し、登録免許税として9万円を納付します。
なお、レンタカー事業者証明書には、5年間の有効期限が設けられているため、更新時期を把握しておくようにしましょう。
貸渡用車両の登録手続きを行う
許可を取得した後は、陸運局にて貸し渡す車両の登録手続きを行いましょう。
車両登録申請書を作成し、許可取得時に受領したレンタカー事業者証明書とあわせて陸運局の窓口へ提出します。
レンタカー事業者証明書は車両台数分コピーして、貼付する必要があります。
営業開始
車両の登録を終えると、車検証とあわせて「わ」表記のナンバーが交付されます。
該当の車両にナンバーを取り付け、貸渡約款や貸渡料金の掲示など営業所内を整えれば、レンタカー事業を開始することが可能です。
まとめ
今回の記事では、レンタカーなどの貸し渡しを目的とした車両に使用されている「わ」ナンバーについて解説しました。
一部地域では「わ」のほかに「れ」も登録されている場合もあります。
ナンバーに記載されている、ひらがな一文字を見るだけで車両の使用目的が把握できるため、レンタカーの乗り逃げ防止に役立つでしょう。
レンタカー事業に興味がある人は、今回紹介した登録方法を参考に検討してみてはいかがでしょうか。