【ダイハツ】ウェイクが生産終了になった理由とは?売れ行きがよくなかった理由についても解説
ダイハツから販売された「ウェイク」は広々とした車内空間と予防安全装備のスマートアシストを搭載した軽自動車ですが、残念ながら2022年に生産が終了されました。
特にアウトドア志向の方に好まれるデザインや機能が充実していたため、なぜ生産が終了したのか疑問に思っている方も多いでしょう。
この記事では、ウェイクが生産終了となった理由について詳しく解説します。
また、ウェイクの魅力や向いている人についても紹介します。
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INDEX
生産終了となったダイハツ「ウェイク」とはどんな車?
ウェイクは、2014年11月にデビューしたダイハツの軽自動車です。
当時は、ダイハツの新たなジャンルである「スーパーハイトワゴンタイプ」の軽自動車として市場に登場しました。
さまざまなシーンを想定して設計されており、視界のよさと「ウルトラスペース」と呼ばれる十分な室内空間が特徴です。
さらに、アウトドアブランドの「モンベル」やサーフィン情報サイト「波伝説」とのコラボレーションによる特別仕様車「X モンベルバージョンSA」や「X 波伝説バージョンSA」も登場し、注目を集めました。
しかし、ウェイクはその後一度もフルモデルチェンジがなされず、2022年8月に生産終了となりました。
ダイハツ「ウェイク」が生産終了になった2つの理由
ウェイクが生産終了になった理由は「売れ行きがよくなかったこと」と「新型アトレーが登場したこと」の2つが考えられます。
以下では、この2つの理由について詳しく解説します。
理由1.売れ行きがよくなかった
人気のある車種は、フルモデルチェンジなどを経て、長期間にわたって販売される傾向があります。
売れ行きが好調であれば、その車種が生産終了になる理由は少ないです。
全国軽自動車協会連合会のデータによると、ウェイクの年度別販売台数は以下のとおりです。
年度 | ウェイクの販売台数 | 該当年度の販売台数No.1の車種 |
2022 | 5,497 | N-BOX:204,734 |
2021 | 13,707 | N-BOX:191,534 |
2020 | 16,677 | N-BOX:197,900 |
2019 | 20,189 | N-BOX:247,707 |
2018 | 26,051 | N-BOX:239,706 |
2017 | 28,419 | N-BOX:223,449 |
2016 | 33,066 | N-BOX:192,368 |
2015 | 37,350 | N-BOX:172,614 |
2014 | 39,744 | タント:214,867 |
上記からわかるように、ウェイクの販売台数は初年度に最高の39,744台を記録し、その後は減少傾向となっています。
生産終了となる前年度においては13,707台まで販売台数が減少し、初年度から約3分の1にまで縮小しました。
タントやN-BOXとの比較からも、ウェイクの販売が順調でなかったことが明らかでしょう。
理由2.新型アトレーが登場した
ウェイクが生産終了となったもう一つの理由として、新型アトレーの登場が挙げられます。
2021年12月に発表された新型アトレーは、軽RV(Recreational Vehicle=休暇を楽しむための車)として車中泊などができる装備を備えているのが特徴です。
スクエアデザインで優れた走行性能を持つほか、荷室(ラゲージスペース)をシーンに合わせて変更できます。
新型アトレーは4ナンバーの商用モデルのため、ウェイクよりも多くの荷物を積むことが可能です。
新型アトレーとウェイクはポジションが類似していることもあり、ウェイクの後継として新型アトレーに注力する判断がなされたと考えられます。
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ダイハツ「ウェイク」が販売不振になった理由
ウェイクが販売不振になった理由には、「燃費性能が他車よりも劣った」「比較的高めの値段設定だった」などが挙げられます。
以下では、ウェイクが販売不振になった4つの理由について解説します。
燃費性能が他車よりも劣った
ウェイクが販売不振になった一因として、燃費性能が考えられます。
車の維持費用を抑えるためには燃費性能が重要であり、多くのユーザーはこの点を重視します。
車名 | ウェイク | タント ファンクロス |
WLTCモード(km/L) | 17.4 | 21.9 |
市街地(km/L) | 15.4 | 20.1 |
郊外(km/L) | 18.8 | 23.4 |
高速道路(km/L) | 17.5 | 21.8 |
上記のとおり、ウェイクの燃費性能は他の類似車種と比較しても十分ではありません。
そのため、燃費性能が原因で多くのユーザーに受け入れられなかった可能性があります。
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デザインがニーズにマッチしなかった
ウェイクのデザインはアウトドアニーズに応えるかのような無骨で個性的な見た目をしているため、ハイトワゴンタイプの主なユーザー層である女性にマッチせず、売上が伸び悩んだ可能性が考えられます。
ウェイクはスクエアタイプであり、メッキ加工(G)が施されたフロント部分など、存在感のあるデザインが特徴です。
コンセプトは「ワクワクした気持ちを呼び覚ますクルマ」であるものの、タントやハスラー、ワゴンR、ムーヴキャンバスなどに比べてワクワク感や可愛らしさがやや不足している印象があります。
アウトドアに向いている車種は他のメーカーにも多数あるほか、軽自動車でアウトドアを楽しむニーズは限られているため、販売不振に陥った可能性があるでしょう。
走行性能・乗り心地が不十分にであった
ウェイクはスクエアデザインであり、全高が1,835mmと比較的高い車です。
スタビライザーの装備やルーフパネルの外板樹脂化、空力フィンの装着などが施されていますが、風の影響を受けやすい性質があります。
街乗りではあまり感じないかもしれませんが、背が高いことで高速走行時に風に煽られやすかったり、空気抵抗が増すことによりパワー不足を感じやすかったりする可能性があるでしょう。
運転に自信のない方は、横転リスクも気になるかもしれません。
そのためウェイクは、特に高速道路を頻繁に活用するユーザーや走行性能や乗り心地を重視するユーザーには、受け入れられなかった可能性があります。
比較的高めの値段設定だった
ウェイクが販売不振になった要因として、新車価格が比較的高かったことも考えられます。
車種 | 価格 |
ウェイク | 137万〜 |
N-BOX | 127万〜 |
たとえば、人気の軽自動車N-BOX(2013年12月~2015年1月モデル)の価格は、127万円からとウェイクよりも安価でした。
さらに、N-BOXは室内空間が広く、デザインバリエーションも豊富です。
軽自動車は、価格が競争優位性に大きな影響を与えます。
そのため、価格が高めに設定されていたことで、ウェイクが選択肢に入らなかったユーザーも多かったでしょう。
ダイハツ「ウェイク」の魅力
ウェイクの魅力は、車内空間の広さと、予防安全装備「スマートアシスト」を搭載している点です。
以下では、ウェイクの2つの魅力について詳しく解説します。
車内空間の広さ
ウェイクの魅力の一つは、広々とした車内空間です。
ウェイクの車内は長さ2,215mm、幅1,345mm、高さ1,455mmで、当時の軽自動車の中でトップクラスの広さを誇っています。
大人でもゆったりと座ることができ、お子さまなら立ったままでも衣服の着脱が可能であるほどの広さです。
後席を倒すとフルフラットになり、大人でも足を伸ばして横になれます。
さらに、車内空間の広さに加えて、大型のインパネトレイや収納付きアームレスト、運転席シートのクッションポケット、ラゲージ下トランクなど、収納スペースも充実しています。
ミラクルガレージと呼ばれる荷室は、荷室高1,140mm、幅875mm、奥行330mm~570mmであり、多様なニーズに対応できるサイズです。
スマートアシストの搭載
ウェイクは、予防安全装備「スマートアシスト」を搭載しています。
スマートアシストは、衝突警報機能や車線逸脱警報機能、誤発進抑制制御機能、オートハイビーム、先行車発進お知らせ機能などを備えており、事故を未然に防ぐのに役立つ装備です。
そのためウェイクは安全性が高く、事故リスクを軽減できる点が魅力の一つといえるでしょう。
(※スマートアシストIIIの場合)
ダイハツ「ウェイク」はどのような人におすすめ?
ウェイクは、次のような人におすすめです。
- キャンプや釣りなどアウトドアを楽しみたい人
- 自転車やゴルフバッグなど大きな荷物を積みたい人
- 車中泊を楽しみたい人
- 車内空間が広い軽自動車を探している人
- 予防安全装備にこだわりたい人
- サーフィンを楽しみたい人
- スケートボードを楽しみたい人
ウェイクはアウトドアユーザーをターゲットとしているため、アウトドアが趣味な方には向いている車種といえるでしょう。
まとめ
この記事では、ウェイクが生産終了となった理由や魅力、おすすめの人の特徴について解説しました。
ウェイクは、広々とした車内空間と予防安全装備が充実しているのが特徴です。
収納スペースも充実しており、特にアウトドア志向の方にとって好ましい車といえます。
残念ながら生産終了にはなりましたが、中古市場では未だ多くの台数が出回っているため、ウェイクに興味がある方はこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
画像出典元:ダイハツ工業株式会社