エンジンブレーキで燃費は向上する?仕組みやメリットをご紹介

車のブレーキにはブレーキペダルを踏むことでかかるフットブレーキと、アクセルペダルから足を離すことでかかるエンジンブレーキの2種類があります。

フットブレーキはよく使いますが、エンジンブレーキはどのようなシーンで活用するのか分からない人もいるでしょう。

また、エンジンブレーキを使うことによって燃費は向上するのでしょうか。

この記事では、エンジンブレーキの仕組みやメリット、活用シーンなどについてご紹介していきます。

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エンジンブレーキの仕組みとは

エンジンブレーキとは、アクセルペダルの踏み込みを緩めることによって減速するブレーキのことです。

車は、運転者がアクセルペダルを踏むことでエンジンに燃料が供給され、エンジンで発生した動力がタイヤに伝わり前に進みます。

しかし、エンジンブレーキを活用すると燃料は供給されません。

そのためタイヤの回転力のみで進むことになり、少しずつ減速していく仕組みです。

またアクセルペダルの踏み込みを緩めることに加え、ギアを下げるとより強くブレーキがかかります。

エンジンブレーキで燃費は向上する?得られるメリットを紹介

エンジンブレーキの活用には、どのような利点があるのでしょうか。


ここでは、エンジンブレーキを使うことで得られるメリットについて4つご紹介していきます。

燃費が向上する

エンジンブレーキを適度に使うことで、燃費の向上が期待できます。

エンジンブレーキをかけると燃料供給が止まり、タイヤの回転力によってスピードを落としながら進みます。

そのため、燃料を消費せずに走行距離を伸ばすことが可能です。

ブレーキペダルの利きが悪くなることを防げる

フットブレーキを頻繁に使うと、フェード現象やべーパーロック現象というブレーキの利きが悪くなる現象が起きることがあります。

フェード現象とは、タイヤを挟み込むブレーキパッドに強い摩擦力が加わることでブレーキの利きが悪くなる現象のことです。

べーパーロック現象は、フットブレーキの使いすぎによってブレーキ液が沸騰し発生した気泡が油圧の伝達を阻害してしまい、ブレーキがかからなくなることをいいます。

このような現象は、エンジンブレーキを適度に使用してフットブレーキによる負荷を軽減すれば防ぐことが可能です。

エンジン内部のカーボンを燃焼できる

車はエンジンで燃料と空気を混ぜ合わせ、爆発を起こすことでタイヤを動かす仕組みです。

そのため、エンジン内には燃料の燃え残りである「カーボン」が発生します。

カーボンがたまりすぎると、エンジンの調子が悪くなるため、定期的に除去しなければなりません。

発生したカーボンは、エンジンブレーキを使用してエンジンを高回転させることで燃焼することが可能なため、エンジンの不調を防げます。

渋滞の緩和が期待できる

渋滞が発生する要因の一つとして、先行車のブレーキランプに反応して、後続車が連鎖的にブレーキを踏むことが挙げられます。

エンジンブレーキは使用したときにブレーキランプが光らないため、連鎖的なブレーキを防ぐことが可能です。

エンジンブレーキでゆっくりスピードを落とし、車の速度を調整することで渋滞の緩和や予防ができるでしょう。

エンジンブレーキとフットブレーキとの違いは何?

フットブレーキとは、ドライバーの足元に配置されたブレーキペダルを踏むことで減速・停車するブレーキのことです。

フットブレーキには、「ドラムブレーキ」と「ディスクブレーキ」の2つのタイプがあります。

ドラムブレーキは、タイヤの内側のブレーキシューを油圧によって押し当てることで減速します。

ディスクブレーキは、ブレーキパッドとよばれる部材でタイヤについているディスクを挟み込むことで減速する仕組みです。

フットブレーキは、エンジンブレーキよりも強くブレーキをかけられるため、信号での停止時や衝突回避時などほとんどのシーンで活用します。

また、エンジンブレーキは使用したときにブレーキランプが光りませんが、フットブレーキはブレーキランプが光るため減速・停車していることを周知できます。

ただし、使いすぎるとブレーキの利きが悪くなることがあるため、運転状況にあわせてエンジンブレーキと使い分けることが大切です。

エンジンブレーキを活用できるシーン

エンジンブレーキは、減速から停止までに時間がかかるため、使用できる場面は限られています。

ここでは、エンジンブレーキを活用できるシーンを3つご紹介していきます。

長い下り坂

長い下り坂では、しっかり減速しようとフットブレーキを使いたくなります。しかし、下り坂ではフットブレーキにかかる負担が大きく、使いすぎるとフェード現象やべーパーロック現象が発生する恐れがあるため、エンジンブレーキを適切に使用することが大切です。

また、長い下り坂ではエンジンブレーキのみでは減速できない可能性があるため、ギアを下げてブレーキの利きを強くしましょう。

高速道路

高速道路走行時は一般道に比べて速度が上がっており、減速に時間がかかるためエンジンブレーキが有効です。

スピードを緩めるためにフットブレーキを多用すると、ブレーキランプが点灯するため後続車も連鎖的にブレーキペダルを踏んでしまい、渋滞の原因になってしまいます。

エンジンブレーキを使ってスピードを緩めることで渋滞の発生を防ぐだけでなく燃費の向上にもつながります。

特にサービスエリアやパーキングエリア、高速道路の出口付近での使用がおすすめです。

ただし、急な減速が必要なときは、フットブレーキを使用してしっかり速度を落としましょう

信号で停車する前

前方の信号が赤に変わりそうなときは、エンジンブレーキをかけましょう。

燃料の消費を抑えながら信号までの走行が可能です。

また、前方の信号が赤から青に変わりそうなときにもエンジンブレーキでゆっくり減速することで、停車することなくスムーズに信号を通過できます。

ただし、後続車がいる場合は長い距離をゆっくりと減速していくのは迷惑になってしまうため、周囲の状況に合わせて使いましょう。

エンジンブレーキを活用する際の注意点

燃費の向上や渋滞の緩和など、さまざまな利点があるエンジンブレーキですが、活用する際は注意すべきポイントがあります。

エンジンブレーキの活用によって事故や車の不調につながることもあるため、注意点を押さえて活用しましょう。

減速が周知されにくい

エンジンブレーキは、使用してもブレーキランプが光らないため、減速していることを後続車は気づかない可能性があります。

そのような場合は追突される恐れがあるため、後続車との車間距離に余裕がないときは、注意が必要です。

たとえば、ブレーキペダルを軽く踏んでブレーキランプを点灯させ後続車に合図を送るといった方法があります。

エンジンやトランスミッションが故障する可能性がある

エンジンブレーキは、フットブレーキの利きが悪くなることを防止できますが、使いすぎるとエンジンやトランスミッションに負担がかかり、故障する恐れがあります。

そのため、基本的にはフットブレーキを活用し、所々でエンジンブレーキを使うようにしましょう。

まとめ

この記事では、エンジンブレーキの仕組みやメリット、活用シーンなどについて紹介していきました。

エンジンブレーキとは、走行中にアクセルペダルの踏み込みを緩めることで少しずつスピードを落とせるブレーキのことです。

エンジンブレーキを活用することによって、燃費が向上したり、フットブレーキの使いすぎによるトラブルを防止できたりするメリットがあります。

一方で、エンジンブレーキを使用したときにはブレーキランプが点灯しないため減速していることに後続車が気づかず追突される危険があります。

また、使いすぎるとエンジンやトランスミッションが故障する恐れがあるため注意が必要です。

エンジンブレーキとフットブレーキはそれぞれに必要なシーンがあるため、状況に応じて使い分けましょう。

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