OSS申請で車検証の住所変更をするやり方を詳しく解説!
「車検証の住所変更がオンラインでできると聞いたけど手続きのやり方がわからない」「OSS申請ってなに?」「窓口で住所変更する場合と比べてどんなメリットがあるの?」と考えていませんか?
車検証の住所変更は、これまで窓口に出向いて手続きする必要がありましたが、2005年から「OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)」の運用が開始され、オンライン上で車検証の住所変更手続きができるようになりました。
この記事では、OSSを利用して車検証の住所変更をするやり方に加えて、陸運局の窓口で車検証の住所変更をするやり方も併せて紹介します。
関連記事:車庫証明をOSSで申請するやり方をわかりやすく解説!
INDEX
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)とは?
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)とは、自動車を保有するために必要となる手続きと税金や手数料の納付をインターネット上で一括して行うことができるサービスのことです。
2005年に開始された当時は利用できる地域や手続き内容が限られていました。
現在では、全国すべての地域において、新車購入、定期車検、引っ越し、中古売買や廃車に関する手続きなど、12種類の手続きがワンストップサービス(OSS)により申請することができます。
従来は、自動車登録や検査、保管場所証明などの手続きを別々に申請する必要がありましたが、OSSを利用することで、これらの手続きをまとめて行うことができます。
関連記事:OSS申請とは?自動車手続きのワンストップサービスをわかりやすく解説
OSSで申請可能な手続き
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)では、具体的には以下の手続きが可能です。
- 新車新規登録
- 中古車新規登録
- 移転登録
- 変更登録
- 一時抹消登録
- 永久抹消登録(還付なし)
- 永久抹消登録(還付あり)
- 移転一時抹消登録
- 移転永久抹消登録(還付なし)
- 移転永久抹消登録(還付あり)
- 変更一時抹消登録
- 継続検査
車検証の住所変更は、上記の「変更登録」に該当します。
関連記事:自動車保有関係手続のワンストップサービス(OSS)の申請のやり方を解説!スマホでもできる?
車検証の住所変更はどこでできる?
車検証の住所を変更するには、以下の3つのやり方があります。
- 窓口に足を運び手続きする
- 自動車販売店やディーラーなどの業者に代行を依頼する
- OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用してオンラインで手続きする
それぞれの特徴や注意点を知った上で、自分に合ったやり方を選びましょう。
窓口に足を運び手続きする
自分で書類を用意して窓口へ足を運ぶやり方です。
「車検証の住所変更は陸運局でできる」と思っている人も多いかと思いますが、実は普通自動車・小型自動車と軽自動車で申請場所が異なります。
普通自動車・小型自動車なら陸運局、軽自動車なら軽自動車検査協会へ足を運んで必要書類を提出します。
どちらも受付時間は平日の日中のため、平日に仕事がある人は有給休暇を使うか、家族に代理で手続きをしてもらうなど、他の手段を取る必要があります。
なお、家族が代理で手続きをする場合は、委任状が必要となる点にも注意が必要です。
自動車販売店やディーラーなどの業者に代行を依頼する
車検証の住所変更は、自動車販売店やディーラーなどの業者に依頼すれば代行してもらえます。
代行依頼先は以下のとおりです。
- 自動車販売店
- ディーラー
- 整備工場
- 行政書士
ただし、申請費用だけでなく代行の手数料がかかるので、自分で手続きをするのに比べて割高になる点や、委任状が必要になる点に注意が必要です。
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)でオンラインで手続きする
普通自動車の車検証の住所変更手続きは、OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用すれば、オンラインでも可能です。
申請は24時間365日受け付けているので、平日時間が取れない人におすすめです。
手数料の納付もオンライン上でできるため、場所や時間に関係なくいつでも納付できる点が大きなメリットと言えます。
ただし、処理されるのは平日の各機関の窓口の時間内なので、期限ギリギリに申請すると期限遅れとなってしまう点に注意が必要です。
なお、軽自動車にも類似のサービスがありますが、現状、住所などの変更登録には対応していません。
軽自動車の車検証の住所変更をする場合は、軽自動車検査協会に足を運ぶか、自動車販売店やディーラーなどの業者に代行を依頼することになります。
OSSで車検証の住所を変更するやり方
ここでは、OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用して、普通自動車の車検証の住所変更をするやり方を具体的に解説します。
必要な書類や費用、流れなどを紹介しますので、事前に準備しておきましょう。
必要書類
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用して手続きをする際に必要なものは次のとおりです。
- マイナンバーカードまたは住民基本台帳カード(電子証明書つき)
- 車検証または自動車登録番号標
- ICカードリーダー
- 書類を電子化するためのスキャナ
- 希望番号予約済証(希望ナンバーがある場合)
- 保管場所証明申請に必要な書類一式
なお、OSSを利用するためには、以下の利用環境を満たす端末が必要になります。
- OS…Windows10、Windows11
- ブラウザ…Microsoft Edge、Google Chrome
費用
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用して車検証の住所変更をする際の費用は以下のとおりです。
登録手数料 | 350円 |
自動車保管場所証明書の取得費用 | 2,500円~3,000円程度(地域によって異なる) |
ナンバープレート交付手数料 | 1,500円程度(ナンバーの変更が必要な場合) |
OSSで車検証の住所を変更する場合でも、申請手数料や自動車保管場所証明書の取得費用については、陸運局の窓口で申請をするときの費用と大きく変わりません。
しかし、所有者本人が変更登録申請をマイナンバーカードを用いてOSSで行う場合、本来ナンバー変更が必要なケースでも、ナンバープレートの交換が次の車検まで猶予されるという特例があります。
そのため、すぐにナンバープレートの交換をしないのであれば、次回車検時または次回車検までの期間でナンバープレートを交換するときまで、ナンバープレート代の支払いを猶予することができます。
車検証の住所変更に関する費用を支払う方法は、ATMまたはインターネットバンキングです。
ATMで納付する場合は、都道府県によって納付可能な支店が限られている場合があるため、事前の確認をおすすめします。
手続きの流れ
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)で車検証の住所変更をする流れは以下のとおりです。
- 必要書類を準備する
- OSSサイトで申請する
- 受付審査時に必要な書類等を提出する
- 保管場所証明申請手数料を納付する
- 保管場所審査状況を確認する
- 保管場所標章交付手数料を納付する
- 保管場所標章等の交付物を受け取る
- 検査登録手数料を納付する
- 検査登録審査状況を確認する
- 自動車税審査状況を確認する
- 自動車検査証など交付物を受け取る(行政機関または郵送)
保管場所証明申請手数料の納付には期限が設けられています。
期限内に納付できない場合は、申請が無効となってしまうので注意しましょう。
窓口で車検証の住所を変更するやり方(普通自動車)
ここでは、陸運局の窓口で普通自動車の車検証の住所変更をするやり方を紹介します。
所有者と使用者が同一人物か、異なる人物かによっても提出する書類が異なるので注意しましょう。
必要書類
車の所有者と使用者が同一の場合、必要な書類は以下のとおりです。
事前準備が必要な書類 | ・印鑑 ・住民票(発行日から3ヶ月以内のもの) ・自動車保管場所証明書(車庫証明) ・自動車検査証(車検証) ・ナンバープレート(ナンバーの変更が必要な場合) |
当日取得可能な書類 | ・申請書(第1号様式) ・手数料納付書(検査登録印紙を貼付) ・自動車税・自動車取得税申告書 |
車の所有者と使用者が別人で、使用者の住所のみを変更する場合、必要な書類は以下のとおりです。
事前準備が必要な書類 | ・所有者の印鑑 ・使用者の印鑑 ・使用者の住民票(発行日から3ヶ月以内のもの) ・自動車保管場所証明書(車庫証明) ・自動車検査証(車検証) ・ナンバープレート(ナンバーの変更が必要な場合) |
当日取得可能な書類 | ・申請書(第1号様式) ・手数料納付書(検査登録印紙を貼付) ・自動車税・自動車取得税申告書 |
申請書は窓口で入手することもできますが、国土交通省のウェブサイトでダウンロードも可能です。事前にプリントアウトして必要事項を記載して持参するとスムーズに行くでしょう。
自動車保管場所証明書(車庫証明)は、車庫または駐車場のある場所を管轄している警察署で発行が必要です。
取得まで数日かかるので、余裕を持って申請しましょう。
費用
陸運局の窓口で車検証の住所変更手続きをするときの費用は次のとおりです。
登録手数料 | 350円 |
自動車保管場所証明書の取得費用 | 2,500円~3,000円程度(地域によって異なる) |
ナンバープレート交付手数料 | 1,500円程度(ナンバーの変更が必要な場合) |
ナンバープレートの交付手数料は、希望番号にするか、ナンバープレートの種類(ペイントタイプまたは字が光るタイプ)、地域の図柄を入れるか、などによって金額が大きく異なります。
地域によっても料金が異なるため、詳細な金額を知りたい場合は管轄の陸運局で確認をしましょう。
手続きの流れ
書類の準備ができたら、管轄の陸運局に行って以下の流れで手続きを行います。
陸運局の窓口での住所変更の流れ
- 窓口で申請書を受け取り、必要事項を記載する(申請書を持参していない場合)
- 手数料分の印紙を購入し、手数料納付書に貼り付ける
- 窓口で書類を提出する(自動車税申告書以外)
- 新しい車検証を受け取る
- 自動車税申告窓口で自動車税申告書と新車検証を提出して住所変更の申告をする
住所変更によりナンバープレートも変更が必要な際は、旧ナンバープレートを陸運支局の返納窓口に返納し、交付窓口でナンバープレートを購入します。
車検証の記載内容に問題がなければ、執行官よりナンバープレートが封印され、手続きは完了となります。
関連記事:車検証の住所変更に必要な書類とは?手続きの方法まで詳しく解説
窓口で車検証の住所を変更するやり方(軽自動車)
ここでは、軽自動車検査協会の窓口で軽自動車の車検証の住所変更するやり方を紹介します。
所有者と使用者が同一人物か、異なる人物かによっても提出する書類が異なるので注意しましょう。
必要書類
車の所有者と使用者が同一の場合、必要な書類は以下のとおりです。
事前準備が必要な書類 | ・印鑑 ・自動車検査証(車検証) ・住民票(発行日から3ヶ月以内のもの) ・ナンバープレート(ナンバーの変更が必要な場合) |
当日取得可能な書類 | ・申請書(軽第1号様式) ・軽自動車税申告書 |
車の所有者と使用者が別人で、使用者の住所のみを変更する場合、必要な書類は以下のとおりです。
事前準備が必要な書類 | ・印鑑 ・自動車検査証(車検証) ・使用者の住民票(発行日から3ヶ月以内のもの) ・所有者の申請依頼書 ・ナンバープレート(ナンバーの変更が必要な場合) |
当日取得可能な書類 | ・申請書(軽第1号様式) ・軽自動車税申告書 |
申請書は窓口で入手することもできますが、軽自動車検査協会のウェブサイトでダウンロードも可能です。事前にプリントアウトして必要事項を記載して持参するとスムーズに行くでしょう。
費用
軽自動車検査協会の窓口で手続きをするときの費用は次のとおりです。
登録手数料 | 0円 |
自動車検査証記入申請書と軽自動車税申告書の取得費用 | 40円~100円程度(地域によって異なる) |
ナンバープレート費用 | 1,500円程度(ナンバーの変更が必要な場合) |
軽自動車の場合、自動車保管場所証明書の取得費用が不要な代わりに、自動車検査証記入申請書と軽自動車税申告書の取得費用が発生します。
手続きの流れ
ここでは、軽自動車検査協会での手続きの基本的な流れを紹介します。
軽自動車検査協会の窓口での住所変更の流れ
- 窓口で申請書を受け取り、必要事項を記載する(申請書を持参していない場合)
- 窓口に書類を提出する
- ナンバープレートを返却する(ナンバー変更を伴う場合)
- 新しい車検証を受け取る
- 地方税申告窓口に軽自動車税申告書と新しい車検証を提出して住所変更の申告をする
- 新しいナンバープレートを受け取る(ナンバー変更を伴う場合)
新しい車検証を受け取る際は、記載内容に間違いがないか確認するようにしましょう。
関連記事:車検証の住所変更に必要な書類とは?手続きの方法まで詳しく解説
OSSで住所変更するメリット
手間と時間を削減できる
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用することで、自動車関連の手続きをオンライン上で一括で行うことができるため、時間や手間を削減することができます。
OSSは、24時間365日いつでも利用できるので、窓口で待たされるストレスもなく、交通費や時間をかけずに手続きが完了します。
また、手数料や税の納付もオンライン化されているため、銀行などに出向き現金を振り込む手間も省けます。
ただし、一部の手続では、ステッカー・車検証などの受け取りや書類の提出等で各行政機関に出向く必要がある場合があります。
利用料金が無料である
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用する際の手数料は無料です。
従来は、自動車関連の手続きを行う際には、手数料を支払う必要がありました。
1つ1つの手数料は安くても、手続きが多い分トータルで見るといくらかかったものかわかったものではありませんでしたが、やっと透明化できるようになりました。
ただし、申請内容によっては各行政機関への税・手数料の納付が必要となる場合があります。
よくある質問
OSSでの住所変更はいつまでに手続きをすればいいですか?
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)の場合でも、窓口での申請と同様に、引越しから15日以内に手続きする必要があります。
OSSで車検証の住所変更が15日を過ぎたらどうなりますか?
車検証の記載事項に変更があってから15日が過ぎてしまった場合、以下のようなリスクやデメリットがあります。
- 50万円以下の罰金を科されるおそれがある
- 自動車税(種別割)や軽自動車税(種別割)の納税通知書が届かない
- リコール通知が届かない
すぐに罰金が科せられることは多くありませんが、可能な限り早く変更手続きを行ってください。
まとめ
OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)は、自動車を保有するために必要となる手続きをオンライン上で一括して行うことができる便利なサービスです。
OSSを利用することで、時間や手間を大幅に削減することができます。
しかし、一部オンライン手続きだけでは完結しないフローがある、期限ギリギリに申請すると期限遅れとなってしまうなど、様々な注意点もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。
自動車関連の手続きでお困りの方は、ぜひOSSを利用してみてください。
※参考元:自動車保有関係手続のワンストップサービス
※参考元:国土交通省
※参考元:軽自動車検査協会