ホンダの次世代技術!Honda SENSING 360とHonda SENSING Elite!今までの技術もおさらい!

2022年12月1日、本田技研工業株式会社は、次世代の安全運転技術として、「Honda SENSING 360」と「Honda SENSING Elite」を発表しました。

どのような技術なのでしょうか?

今回はホンダの新技術について解説します。

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INDEX

2022年12月1日の発表情報

緊急回避操舵支援技術

2022年12月1日に発表された内容は、

  • Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)
  • Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)

以上2つの次世代技術についてでした。

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Honda SENSING 360(ホンダ センシング サンロクマル)

Honda SENSING 360に次世代技術として、ドライバー異常や周辺環境を検知し事故のリスクを減らすことで、ドライバー運転負荷をさらに軽減する新機能を追加すると発表がありました。

これらの新機能を2024年より世界的に順次適用を開始するとのことです。

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Honda SENSING Elite(ホンダ センシング エリート)

Honda SENSING Eliteの次世代技術として、Honda独自のAI技術を活用した認知・理解技術を使用し、従来の高速道路に加え、一般道路も含めた自宅から目的地までのシームレスな移動を支援する技術を新開発するとの発表でした。

これらの技術を2020年代半ばから順次適用を開始するとのことでした。

従来の安全技術

Honda SENSING 360 Next Concept

ニュースは見たけど、「従来のホンダの安全技術についてよく知らない」という方もいらっしゃるでしょう。

2022年時点でのホンダの技術について紹介します。

Honda SENSING

基本となるのは、カメラとセンサーです。

広い水平画角のフロントワイドビューカメラで、側方まで幅広く検知します。
また、前後のソナーセンサーでガラスも検知し駐車時などの安全も支援します。

衝突軽減ブレーキ(CMBS:Collision Mitigation Braking System)

システムが先行車や歩行者を検知し、衝突するおそれがある場合は、音とディスプレー表示で警告し注意を促します。

さらに接近した場合は軽いブレーキをかけます。
衝突のおそれが高まった場合には強くブレーキをかけ、衝突回避、被害軽減を支援します。

誤発進抑制機能・後方誤発進抑制機能

停車時や10km/h以下の低速走行時に、前方の障害物を検知し、ドライバーがアクセルペダルをいきなり踏み込んだ場合に急な発進を防止します。

システムが近距離にある壁などの障害物を検知しているので、アクセルペダルを踏み込んだ場合の急な発進を防止ができ、音とディスプレー表示で警告します。

後方誤発進抑制機能により、バックでも同じような機能が働きます。

近距離衝突軽減ブレーキ

約2km/h〜約10km/hの低速走行や後退時に、フロントおよびリアバンパーのセンサーが、前方または後方の障害物を検知します。

衝突するおそれがある場合には、ブレーキにより、衝突回避や衝突による被害を軽減します。

歩行者事故低減ステアリング

歩行者側の車線を逸脱し、歩行者と衝突のおそれがある場合、音とディスプレー表示で警告します。

さらに車道方向へのステアリング操作を支援して、ドライバーが回避するよう促します。

路外逸脱抑制機能

システムが車線を検知し、ディスプレー表示とステアリング振動の警告で注意を促しつつ、車線内へ戻るようにステアリング操作を支援します。

車が車線をはみ出しそうになるのを防ぎ、車線内へ戻すためです。

アダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)

予め設定した速度で定速走行する機能です。

先行車に近づいたら、システムが先行車との距離や速度差を測定し、自動的に加減速を行い、適切な車間距離を維持しながら追従走行します。

渋滞追従機能付の場合、先行車が停止したら自車も自動的に停止し、先行車が走り出したら、スイッチ操作やアクセルを踏むことで、追従走行を再開します。

車線維持支援システム(LKAS:Lane Keeping Assist System)

高速道路や自動車専用道路を走行する際に、システムが車線を検知します。
車線の中央付近を維持するようにステアリング操作を支援することで、ドライバーの運転負荷の軽減につながります。

トラフィックジャムアシスト

高速道路などでの低速走行時にも、車線中央付近を走行するようにステアリング操作を支援し、ドライバーの運転負荷を軽減します。

先行車発進お知らせ機能

信号待ちなどの停車時に、システムが先行車の発進を検知します。
ドライバーがアクセルを踏まなかった場合には、先行車の発進を音とディスプレー表示でお知らせします。

標識認識機能

システムが道路標識を認識し、適切なタイミングでディスプレー表示をすることで、標識への注意を促し、安全運転を支援します。

オートハイビーム・アダプティブドライビングビーム

夜間など暗い道をロービームで走行中、システムが前方の状況を検知します。

街灯などがなくて暗い場合、自動でハイビームに切り替えたり、先行車や対向車を検知すると、ロービームに切り替えます。

アダプティブドライビングビームでは照射範囲も自動でコントロールし、相手車両に眩しさを与えることなく、良好な視界を確保します。

パーキングセンサーシステム

駐車時にセンサーが周辺の障害物を検知します。

自車の前後の障害物を検知して、音とディスプレー表示で障害物との距離をお知らせし、ドライバーに注意を促します。

急アクセル抑制機能

システムがアクセルペダル開度と踏み込み速度から急なアクセルを判断します。
急加速を抑制し、音とディスプレー表示で伝えます。

ブラインドスポットインフォメーション

斜め後ろに存在するクルマを検知し、左右のドアミラー鏡面上にマークを表示し、存在をお知らせします。

また、その方向にウインカーを操作すると、マークの点滅と警報音でドライバーに注意を促します。

後退出庫サポート

バックで出庫する際に、後方の左右から来るクルマを検知し、音とセンターディスプレーに表示されるインジケーターで接近方向をお知らせします。

Honda パーキングパイロット

スムーズな縦列駐車・出庫や並列駐車をサポートします。

ステアリングやアクセル、ブレーキ、シフト操作を自動で制御し、駐車や出庫時の運転をアシストし、クルマがどのように進もうとしているのか、周囲の状況がどうなっているのかを画面表示します。

ドライバーは必要に応じてブレーキによる速度調節を行う必要があります。

Honda SENSING Elite

ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能 ハンズオフ時

Honda SENSING Eliteのベースは、Honda SENSINGに追加して、

  • 高速道路や自動車専用道の情報を記録した3次元の高精度地図
  • 全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)のデータ
  • 各種センサーの情報

これらを用いて、自車の位置や先の道路・交通状況を高い精度で把握します。

また、多数の外界認識用センサーで自車周囲360°の状況を検知し、ナビ画面脇のカメラでドライバーの状態もモニタリングします。

以上の情報をもとにアクセル、ブレーキ、ステアリングを高度に制御することでドライバーの意志を汲み取っているような上質でスムーズな運転支援を行います。

ハンズオフ機能付車線内運転支援機能

ハンズオフ機能付高度車線内運転支援機能 メーター

システムがアクセル、ブレーキ、ステアリングを操作しているので、ステアリングから手を離した状態でも、設定した車速を保ちながら車線の中央に沿うように走行します。

先行車がいる場合には、適切な車間距離を保って追従を支援します。

カーブでは曲率を前もって読み取り、カーブ前後で加減速を行います。

ハンズオフ機能付車線変更支援機能

ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中、ドライバーが周囲の安全を確認しウインカーを操作すると、システムが周辺の状況から車線変更が可能かどうかを判断します。

可能と判断すると、ハンズオフでのステアリング操作を行い、車線変更を支援します。

ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能

ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中に、高度車線変更支援スイッチをONにしていれば、遅い先行車を検知すると周辺の状況から追い越しが可能かシステムが判断します。

追い越し可能と判断すると、システムがドライバーに告知を行ったうえでウインカー操作や加減速、ハンズオフでのステアリング操作を行い、追い越し・車線復帰を支援します。

また、ナビで設定した目的地へ向かうための分岐・出口付近での車線変更、車線数が減り自車の走行車線がなくなる場合の車線変更も、システムが支援し不安や緊張感を軽減します。

トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)

ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中、渋滞に遭遇すると、一定の条件下でドライバーに代わってシステムが周辺を監視しながら、アクセル、ブレーキ、ステアリングを操作します。

システムは先行車の車速変化に合わせて車間距離を保ちながら同一車線内を走行、停車、再発進します。

ドライバーはナビ画面での動画の視聴、目的地の検索などのナビ操作をすることが可能となり、渋滞時の疲労やストレスを軽減させます。

自動運転におけるレベル3の「条件付自動運転車(限定領域)」となります。

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緊急時停車支援機能

ドライバー異常時対応システム ドライバーモニタリングカメラ

ドライバーがシステムからの操作要求に応じないと、警告類やシートベルトの振動で注意を喚起します。

それでも応じ続けない場合は、ハザードランプとホーンで周囲のクルマに警告しながら減速・停車
路肩がある場合には左車線への車線変更も支援します。

停車後は自動でパーキングブレーキをかけ、シフトポジションを「P」にし、ドアを解錠し、コールセンターへ接続します。

車線変更時衝突抑制機能

車線変更をする際、後側方車両との接触の危険性がある場合に、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避のためのハンドル操作を支援します。

Honda SENSING 360

Honda SENSING 360はHonda SENSINGのフロントカメラに加え、フロントと各コーナーに計5台のミリ波レーダーを新たに装備することで、360度の検知を実現しています。

衝突軽減ブレーキ

従来のHonda SENSINGの衝突軽減ブレーキがさらに進化しました。
検知範囲を前方から全方位に広げることで、交差点の出合い頭などの衝突の回避、被害の軽減を支援します。

前方交差車両警報

一般道の交差点などで、低速走行をしているとき、または停車状態から発進をする際に、左右前方から接近する交差車両の情報をドライバーへ通知します。

自車と交差車両が接触する危険性がある場合は、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避の運転操作を促します。

車線変更時衝突抑制機能

車線変更をする際、後方から接近する隣車線の車両との衝突回避を支援します。

ミラーの死角から近づく後側方車両との接触の危険性がある場合、システムがドライバーへ音とメーター表示で危険を警告し、衝突回避のためのハンドル操作を支援します。

車線変更支援機能

渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロールと車線維持支援システムが作動中に一定の条件を満たした状態で発動。
ドライバーがウインカー操作をすると、システムが車線変更に伴うハンドル操作を支援します。

渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)

カーブ車速調整機能を追加しました。

ACCが作動中にカーブを走行する際、適切に車速調整をします。
フロントカメラによってカーブ手前で車線の曲率を前もって読み取り、ドライバーにとってスムーズなカーブ走行を支援します。

以上が2022年時点でホンダが実現した技術です。

今回の発表内容

もう既に多様な機能を実現しているホンダですが、さらに技術を進歩するとのことです。

Honda SENSING 360

ドライバー異常や周辺環境を検知し事故を未然に防ぐことで、ドライバー運転負荷をさらに軽減する新機能が追加され、2024年以降世界的に展開していきます。

Honda SENSING Elite

Honda独自のAI技術を活用した認知・理解技術により、従来の高速道路に加え一般道路も含めた自宅から目的地までシームレスな移動を支援する機能を新開発しました。

2030年までの計画:交通事故死者半減

全世界において二輪検知機能付のHonda SENSINGを全車種への適用、また、先進国においては、Honda SENSING 360を2030年までに全車種へ適用を目指します。

さらに機能の進化を続けることで、2030年に全世界で、Hondaの二輪車、四輪車が関与する交通事故死者半減を目指します。

2050年までの計画:交通事故の死者を0へ

2050年に全世界でホンダ車が関与する交通事故の死者をゼロにすることを目指しています。

これからも、ホンダならではの強みを安全技術の研究開発に生かし、“事故に遭わない社会”の実現をリードしていくとのことです。

まとめ

今までもモビリティ産業において技術進歩をリードし続けてきたホンダが新たに新技術を発表することで、さらに技術の進歩が全メーカーに行き渡るでしょう。

今後の技術進歩に期待できます。

画像引用元:本田技研工業株式会社

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