ソニー・ホンダモビリティ、マイクロソフトと提携しAFEELAにAI搭載予定

ソニーホンダモビリティとマイクロソフトは、2023年10月に業務提携を発表しました。

ソニー・ホンダモビリティが2025年に発売予定の次世代モビリティ「AFEELA」に、マイクロソフトのクラウドおよびAI技術を提供することで、モビリティ体験の進化を目指しています。

両社は、AIやメタバースなどの先進技術を活用したモビリティ体験の開発を共同で推進していきます。

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ドライビングエクスペリエンスの再定義

ソニーホンダモビリティが開発する次世代モビリティ「AFEELA」に搭載する車載AIアシスタントの開発において、マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」とAI技術を活用することで、ユーザーの好みに合わせて車の機能を自然言語で操作できる対話型AIを実現します。

この連携により、ソニーホンダモビリティは、以下の目標を達成することを目指しています。

  • モビリティをインタラクティブに感じあう存在に進化させ、人とモビリティの関係を再定義
  • AIを活用した高度な運転支援機能や車内エンターテイメントサービスを提供
  • ソフトウェアの自動更新やOTA(Over-the-Air)による機能追加など、常に進化し続けるモビリティを提供

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車載システムの開発

マイクロソフトの「Azure」クラウドプラットフォームと「Microsoft Azure OpenAI Service」を活用し、AFEELAに以下の機能を搭載する予定です。

  • 対話型パーソナルエージェント:ドライバーや乗員の自然な会話に理解し、車内外の情報やサービスをシームレスに提供するAIアシスタント
  • メタバースとの接続:メタバース上の空間と車内空間をシームレスに繋ぎ、新たなコミュニケーションやエンターテイメント体験を提供
  • ソフトウェアアップデートの自動化:車両ソフトウェアを常に最新の状態に保ち、安全性を向上
  • データ分析:車両データを分析し、モビリティサービスの向上や新たなビジネスモデルの創出

対話型パーソナルエージェント

 マイクロソフトの「Azure Cognitive Services」を活用し、自然言語処理、音声認識、音声合成などの機能を搭載。
ドライバーや乗員の意図を理解し、個々のニーズに合わせた情報を提供します。

例えば、以下のようなことが可能になるとされています。

  • 運転中に音楽のジャンルやアーティストを指定して再生
  • 目的地の情報を提供し、ルート設定や渋滞情報などを案内
  • 車内温度やエアコン設定を音声で調整

具体的には「寒い」と言えば、エアコンを自動で調整したり、「おすすめのレストランはどこですか?」と聞けば、周辺のレストラン情報を提供したりすることができます。

メタバースとの接続

マイクロソフトの「Mesh for Teams」を活用し、車内空間とメタバース空間をシームレスに接続することで、車内にバーチャルオフィスやエンターテイメント空間などを実現することができるとされています。

一例ですが、以下のようなことが車の中で可能です。

  • 車内でバーチャル会議に参加
  • アバターを使って他のユーザーと交流
  • メタバース上のイベントに参加

つまり、バーチャル空間で友人と会話をしたり、メタバース上のゲームを車内でプレイしたりすることができます。

ソフトウェアアップデートの自動化

マイクロソフトの「Azure IoT Hub」を活用し、車両ソフトウェアを常に最新の状態に自動更新することで、セキュリティの向上や機能追加をスムーズに行うことも検討されています。

セキュリティ脆弱性が発見された場合、自動的に修正プログラムを適用したり、新しい機能が追加された場合などに、自動的にダウンロードしてインストールすることで、オーナー(ユーザー)が更新せずとも最新の状態に保たれます。

データ分析

マイクロソフトの「Azure Data Lake Store」を活用し、車両データ(走行データ、センサーデータなど)を安全に保存・分析することで、モビリティサービスの向上や新たなビジネスモデルの創出に役立てます。

運転習慣分析に基づいた安全運転支援サービスや、交通渋滞データを分析して、リアルタイムで効率的なルート検索サービスなどが実現する予定です。

さらに、車両データを分析することで、ユーザーのニーズに合わせたサービスを提供したり、新たなビジネスモデルを創出することができます。

関連記事:MaaS(マース:モビリティ・アズ・ア・サービス)とは?わかりやすく解説

クラウドサービスの提供

マイクロソフトのAzureクラウドプラットフォームを活用することで、以下の機能を実現するとのことです。

車両データの収集・分析

車両から収集した膨大なデータを安全に保存・分析し、モビリティサービスの向上に役立てることで、車両の走行データや故障データを分析し、安全性を向上したり、故障を予測して予防措置を講じることができます。

コネクテッドサービスの開発

車両同士やインフラとの接続を強化し、新たなコネクテッドサービスを開発することで、車両同士が情報を共有することで、渋滞を回避したり、自動運転を実現したりすることができます。

信頼性の高いインフラストラクチャの構築

マイクロソフトのセキュリティソリューションを活用し、車両のサイバーセキュリティを強化して、サイバー攻撃から車両を守るために、マイクロソフトの高度なセキュリティ技術を活用することができます。

提携の背景

ソニーホンダモビリティは、2022年10月にソニーとホンダが設立したモビリティ会社です。

ソニーはエンターテイメントやエレクトロニクス、ホンダは自動車製造でそれぞれ世界的な強みを持つ企業であり、両社の技術を融合することで、新たなモビリティ体験を提供することを目指しています。

一方、マイクロソフトは、クラウドやAIなどの先進技術を世界中に提供している企業です。
近年、自動車業界はCASEと呼ばれる変革期を迎えており、自動運転、コネクテッドカー、電動化、シェアリングといった分野で新たな技術が求められています。

マイクロソフトは、これらの技術開発においても世界をリードしており、その技術力を自動車業界に提供することで、モビリティの進化に貢献しようとしています。

こうした背景から、ソニーホンダモビリティとマイクロソフトは、それぞれの強みを活かしてモビリティ体験を進化させるために提携しました。

関連記事:自動車産業における「CASE(ケース)」とは?簡単にわかりやすく解説!

今後の展望

ソニーホンダモビリティとマイクロソフトの提携は、モビリティ業界の大きな転換点となる可能性があります。

両社の強みを活かして、今後どのような革新的なモビリティ体験が生み出されるのか、注目されます。

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