断続クラッチとは?使うシーンややり方についても紹介!
断続クラッチとはクラッチペダルを動かす操作を反復することですが、理解していない方や誤った認識をしている方も多いでしょう。
人によっては、半クラッチと同じ認識をしている方も少なくありません。
実は断続クラッチと半クラッチは、意味が似ているようで操作方法が少し異なります。
そこでこの記事では、断続クラッチの特徴や利用シーンを解説します。
また、断続クラッチのやり方についても併せて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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INDEX
断続クラッチとは?
ここでは、断続クラッチの概要と断続クラッチと半クラッチの違いを解説します。
断続クラッチの概要
断続クラッチとは、言葉のとおり断続的にクラッチペダルの操作を行うことです。端的にいうと「半クラッチ」と「クラッチを完全に切る」という2つの動作を連続的に行います。
通常、マニュアル車ではクラッチペダルを一気に踏み、半クラッチの操作に合わせてペダルを徐々に戻して操作します。
一方、断続クラッチでは、クラッチペダルを小刻みに踏み、半クラッチとクラッチが完全に切れた状態を繰り返して操作します。
主に時速10km以下の低速走行をする場面で用いるケースが多いです。
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そもそもマニュアル車の半クラッチとは
マニュアル車の半クラッチとは、クラッチ部分が完全につながっていない状態のことを意味します。マニュアル車特有の操作方法で、教習所で序盤に習うクラッチ操作です。
発進時やシフトアップ時、シフトダウン時、再加速する場面などで使用するため、マニュアル車に乗るためには習得が不可欠の操作方法となっています。
一方で、基本的に坂道を低速走行するときや、大きな加速をしたいときなどには使ってはいけません。
クラッチ焼け(摩擦によりクラッチが高温になる現象のこと)や異常摩耗の原因になる可能性があります。
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断続クラッチを使うシーン
断続クラッチを使用するシーンは、主に以下のとおりです。
- カーブやクランク
- 狭い駐車場
- バック走行時
- 見通しの悪い交差点
それぞれのシーンについて具体的に見ていきましょう。
カーブやクランク
カーブやクランクを走行する際は、断続クラッチを多く使用する可能性があります。
カーブについては道路の形状によって使用するかどうか異なりますが、教習所に配置されているS字カーブのような形状をしている道路は多用するケースが多いです。
また、クランクとは、直角のカーブが2つ交互につながっている道路のことを指します。
クランクの直線部分は半クラッチで走行し、直角のカーブに入る際はクラッチを完全に切った状態で曲がります。
カーブもクランク走行時と同様の操作を行います。
狭い駐車場
狭い駐車場を利用している際にも断続クラッチを使用します。狭い駐車場は細かい切り返しが必要になる場所です。
駐車スペースを探しているときなどは、半クラッチでゆっくり走行します。
対向車が車に近づいてきた場合や駐車スペースから出てきた車、人がいる場合には、クラッチを切る動作を行うことで車の速度を落とし、安全を確保します。
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バック時
マニュアル車におけるバックは、ハンドル操作しながら断続クラッチで加減速を行うのが一般的です。
一方オートマチック車の場合は、クリープ現象(何も操作せずに前進・後退する現象のこと)を利用したり、場合によっては右足でアクセル操作やブレーキ操作を行ったりしてバックするのが通常でしょう。
マニュアル車の場合はクリープ現象がないため、断続クラッチで速度を調整します。
また、右足でアクセル・ブレーキ操作をして加減速を行うのは、左足で半クラッチを操作している状況下では非常に難しいため、断続クラッチを用いるのです。
ただし、バック時は、半クラッチの度合いで自分が思っている以上のスピードが出てしまうことがあります。
そのため、万が一に備えて右足をブレーキにかけておくとよいでしょう。
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見通しの悪い交差点
見通しの悪い交差点は、走行中に死角となる場所や障害物が多く、どんな方でも運転しにくいと感じるでしょう。
また、障害物による死角がある交差点では、事故リスクも高くなります。
見通しが悪く死角が多い交差点こそ、断続クラッチの使用が最適です。
断続クラッチは低速時に効果的な走行方法であるため、安全を確保しつつ、車を徐々に進めることができます。
断続クラッチのやり方
断続クラッチの一連の手順は、以下のとおりです。
- 手順1:ギアを1速にする
- 手順2:半クラッチにする
- 手順3:クラッチを切る
- 手順4:半クラッチとクラッチ操作を繰り返す
断続クラッチが必要な場面は理解できたものの、やり方がわからなければ意味がありません。
ここでは、断続クラッチのやり方について1つずつ解説しますので、ぜひ運転時に役立ててみてください。
手順1:ギアを1速にする
断続クラッチは、時速10km以下の低速走行で使用する運転方法です。そのため、断続クラッチ時は1速に入れておきましょう。
2速以上の場合は時速10km以上の速度が出るため、断続クラッチの効果は得られません。
また、断続クラッチを使用する場合には、必ず徐行速度を意識した運転をしましょう。
マニュアル車の運転に慣れていない方は、車がエンスト(意図せず停止してしまった状態のこと。エンジンストールの略称)しない程度のスピードを事前に体感してみることがおすすめです。
エンストしないスピード感がわかれば、断続クラッチを最大限活用できるようになるでしょう。
手順2:半クラッチにする
ギアを1速に入れた後は、エンストを避けるために半クラッチ操作を行います。
半クラッチ操作を行わないと、車体が揺れる現象が起きてしまいます。
半クラッチができる位置は車によって異なるため、事前に位置を確かめておくとよいでしょう。
手順3:クラッチを切る
ギアを1速に入れ、クラッチを徐々に離していった後は、クラッチを切る動作を行います。
「クラッチを切る動作」とはクラッチペダルを完全に踏み込んだ状態のことであり、断続クラッチを行う際には欠かせない動作の1つです。
手順4:半クラッチとクラッチ操作を繰り返す
クラッチを切る動作まで完了させれば、後は手順2と手順3の動作を繰り返します。
一言で説明すると「クラッチを切る」「半クラッチにする」という動作を反復します。
ただし、半クラッチの度合いによって速度が変わるため、状況に応じて「完璧に半クラッチをする」「少しだけ半クラッチをする」など使い分けましょう。
ハンドルも操作しつつ、これらの動作を行うことになるため最初は難しいかもしれませんが、慣れてくれば考えずとも自然とできるようになります。
渋滞で半クラッチを多用しても問題ない?
渋滞などで半クラッチを多用しすぎると、フライホイールとクラッチディスクが摩擦する時間が長くなり、通常運転よりも早くクラッチディスクの摩耗が進んでしまいます。
そのため渋滞時は、できるだけ半クラッチを使用しないよう意識しましょう。
また、渋滞時に限らず、半クラッチを使用せず一気につなぐ行為や回転数が大きくずれた状態でクラッチをつなぐ行為も、クラッチディスクの摩耗につながります。
クラッチに余計な負担をかけすぎると、クラッチディスクを早く交換しなければならなかったり、場合によっては破損したりするため注意しましょう。
まとめ
断続クラッチは、走行中にクラッチを切る動作と半クラッチを反復する操作方法です。
主にバック走行時やクランク走行時など、時速10㎞以下の低速走行が必要な場面で主に使用します。
断続クラッチを使用する場面で適切な操作が行えるよう、操作方法を事前に把握しておきましょう。
この記事を参考に断続クラッチの特徴や操作方法を理解し、実際の運転に役立ててみてはいかがでしょうか。