キックダウンとは?AT車ならではの機能だけど注意点も
オートマ車はマニュアル車と違う点がいくつかあります。
その違いがマニュアル車とオートマ車それぞれの特徴であり、車に何を求めるかによって購入する層が異なるわけです。
中でもキックダウンは運転方法に直接関係するオートマ車ならではのシステムです。
今回の記事ではキックダウンについて解説しています。
ぜひ最後までご覧ください。
関連記事:MT車はAT車とどう違う?メリット・デメリット、注意点などを紹介
INDEX
「キックダウン」とはどういう意味?
キックダウンとは、アクセルを強く踏み足して自動でシフトダウンをさせる一連の流れのことです。
自分でギアを変更するマニュアル車にはキックダウンはなく、オートマ車特有の関連用語です。
オートマ車は自動でギアを変えてくれます。
ただ適当にギアを変えているのではなく、その時そのときによってエンジンの力強さや効率を多く引き出せる回転数をキープできるようにギアを変更するという、結構すごいことをしてくれているのです。
アクセルを踏み込むと「今よりもっと強い加速力が必要なんだ」とコンピュータが判断し、最適な加速力が得られるまで自動的にシフトダウン(ギアを低速にする)してくれます。
このアクセルオンからシフトダウンまでの一連を「キックダウン」と呼ぶのです。
前まではギアの変速数が少なく、キックダウン(蹴り落とす)との言葉がふさわしい力強いアクションが必要でしたが、現在では7速や8速などの多段ATが増えたことなどでそこまでの負担はありません。
キックダウンするとどうなる?
キックダウンを行うとエンジンの回転数が増え、急加速が可能になります。
そのため、キックダウンを使う場面としては追い越しや高速道路での合流など、速度が必要なときが適しています。
逆に、雨の日など滑りやすくなっている路面やカーブでは控えた方がいいでしょう。
オートマの下り坂でギアはどれにするのが正解?
下り坂ではLレンジか2レンジがおすすめです。
急な角度の場合はL、そうでない場合は2レンジと使い分けるのがいいでしょう。
下り坂でDレンジに入れっぱなしなのはとても危険なのでやめた方が良いです。
Dレンジに入れたまま下ると、エンジンブレーキが効かずに車がどんどん加速していきます。
さらに、下り坂でブレーキを使い過ぎてしまうと制動力が落ちてしまう可能性も考えられます。
オートマ車を運転するのであれば、下り坂には特に気をつけましょう。
Dレンジに入れたまま下り坂を下ると、ブレーキの効きが悪くなり最終的に大きな事故につながってしまうかもしれません。
レンジを変更せずフットブレーキのみで減速しているとベーパーロック現象やフェード現象などを引き起こしてしまいかねません。
これらの言葉については、下記の関連記事をご覧ください。
関連記事:ベーパーロック現象とは?ブレーキが効かなくなった際の対処法も解説
関連記事:フェード現象とは?ベーパーロック現象との違いや原因・対策も解説
キックダウンのやり方
キックダウンをするときはペダルを床まで踏み込むだけです。
ペダルを床まで踏み込むことで「キックダウンスイッチ」と呼ばれるスイッチが作動し、自動的に低速ギアに切り替わることでエンジン回転が上がり、急加速することが可能です。
関連記事:ブレーキホールドとは?使用する方法や注意点について解説
キックダウンのデメリット
キックバックのデメリットとして、渋滞の原因となる(可能性が比較的高い)ことがあげられます。
オートマ車のキックバックは、内部にあるコンピュータが判断してくれるから機能します。
コンピュータは基本的に車速とアクセルの開度を基準にギアのセレクトを行っています。
逆に、車速とアクセルとの開度に大きな差がなければキックダウンの指示を出さないという側面もあります。
とくに、上り坂であれば平地のときと同じアクセル開度であるにもかかわらず、速度だけ低下しているパターンも見られます。
この場合、渋滞の原因になると問題視されているのが現状です。
自分の車の速度が低下すると、後続車両がブレーキを踏みスピードを落とすこととなります。
となると、そのまた後ろを走っている車もスピードを落とし、そしてさらにその後ろも……とつながった結果、より後ろ側の車は完全に停車しなければならない状態に陥ります。
これが渋滞の原因となる理由の一つです。
渋滞の原因になる理由については下記の記事でより詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:渋滞はなぜ起こるのか?自分が原因にならないための対策も解説
キックダウンによる渋滞を引き起こさないために
上り坂が近づいてきたな、と感じたら数%でいいのでアクセル開度を増やしてあげましょう。
そうしておくことで、負荷に応じた最適なギアをコンピュータが選んでくれ状況に応じてキックダウンをしてくれます。
早い段階でキックダウンがされることで、上り坂の勾配がキツくなっても速度を低下させることなくスムーズに走ることが可能です。
キックダウンとクリープ現象の違い
キックダウンとクリープはまったく違う現象です。
クリープ現象とは、アクセルを踏まなくてもじわじわゆっくりと車が前進することを指します。
多くのオートマ車はエンジンをかけた状態でシフトレバーのN(ニュートラル)もしくはP(パーキング)に入れ、サイドブレーキやブレーキペダルを外した状態であれば、たとえアクセルペダルを踏んでいない状態であっても少しずつ動いてしまうのです。
関連記事:クリープ現象とは?注意点や活用方法を紹介
関連記事:グレア現象(蒸発現象)とは?雨の夜に人が消える理由を解説
まとめ
今回はキックダウンについて解説しました。
キックダウンはオートマ車特有の用語で、アクセルを踏む→シフトダウンするという一連の流れのことを指します。
マニュアル車であれば手動でしているギア操作を、オートマ車は内部のコンピュータが自動でしてくれるのです。
ペダルを奥まで踏み込むことでキックダウンスイッチが作動し、加速の手伝いをしてくれます。
ただし、車速とエンジン開度の差によってコンピュータによる自動判別がなされるため、ある場面において車速とエンジン開度の差があまりなければキックバックを行わない可能性も十分考えられます。
上り坂などでは自分の気づかないうちに車の速度が低下し、渋滞の原因となっていることも。
上り坂の場面では、少し手前あたりから少しずつアクセル開度を増やしてあげることがポイントです。
そうすれば勾配がキツくなってきてもスムーズな加速が可能になります。