ノンアルコールビールを飲んで運転してもよい?飲酒時の注意点を解説!
ノンアルコールビールは、お酒に弱い人や体調を考えてアルコールの摂取を控えたい人など、「お酒を飲みたいけど飲めない」という人によく飲まれています。
ノンアルコールビールにアルコールは入っていません。
しかし「運転中や運転前に飲んだら、飲酒運転で逮捕されないだろうか?」と不安に思う人もいるのではないでしょうか。
これは半分正解で、半分不正解です。
この記事ではノンアルコールビールを飲んでも問題ない場合や、飲酒運転に該当する場合のほか、飲酒運転の基準やノンアルコールビールを運転前に飲む際の注意点について解説します。
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INDEX
ノンアルコールビールとは
ノンアルコールビールとは、アルコール分が1%未満のビールテイスト飲料のことで、肝臓に負担をかけない健康にも悪いことがないビールという位置付けで、大手飲料メーカーをはじめとするさまざまな企業が販売しています。
酒税法で定義されている酒類は、アルコール度数が1%以上の飲料です。
そのため、アルコール度数が1%未満のノンアルコールビールは酒類ではありません。
また、酒税法では酒類の品目ごとにアルコール度数が定義されています。
その中でビールのアルコール度数は20%未満と定められています。
そのため「ノンアルコール『ビール』」と名乗ってはいますが、実質的にビールでもないのです。
ノンアルコールビールは「ビールテイスト飲料」とされています。
ノンアルコールビールと微アルコール
2024年3月現在、日本の大手飲料メーカーであるサントリーやアサヒ、キリン、サッポロビールで「ノンアルコールビール」として販売されている商品は全てアルコール度数が0.00%となっています。
また、アサヒやサッポロビールはアルコール度数が1%未満のビールテイスト飲料を「微アルコール」として販売しているのが特徴です。
アサヒは「BEERY」という名前で、アルコール度数が0.5%の異なるテイストの商品を2種類販売しています。
サッポロビールは、アルコール度数0.7%の「The DRAFTY」という商品を販売しています。
微アルコールの商品は、メーカーの公式サイトで運転者の飲用はやめるように明言されているため、運転前や運転中の飲用は控えましょう。
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ノンアルコールビールでも飲酒運転(酒気帯び運転)になるのか?
ノンアルコールビールは、アルコール度数が0.00%の商品であれば運転中に飲んでも問題ありません。
酒税法では1%未満のアルコール分が入った飲料であれば酒類に分類されないため、ノンアルコールの部類に入ります。
しかし、ノンアルコールビールの中には微量のアルコール分が含まれている商品もあります。これらを飲んでの運転は飲酒運転に該当する場合があります。
わずかなアルコールを含んだノンアルコール飲料を短時間に大量に摂取した場合、体内のアルコール濃度が酒気帯び運転の基準に達する可能性があるのです。
たとえば、ホッピーはアルコール度数が0.8%の炭酸清涼飲料水です。
ビールと同じ製造工程ですが、アルコール度数が1%未満のため酒類に分類されません。
しかし、数時間の間に多量のホッピーを摂取すると体内にアルコールが蓄積されてアルコール濃度が高まり、結果として酒気帯びの状態になってしまうかもしれません。
このように、商品によってアルコールが含まれているノンアルコールビールもあります。
飲む前はアルコール度数を確認し、飲む量には特に気をつけましょう。
飲酒運転の基準と罰則
道路交通法によって禁止されている飲酒運転には「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種類があります。
は運転手の状態や呼気中のアルコール濃度によって基準が設けられているため、把握しておくと良いでしょう。
ここでは、飲酒運転の基準や罰則について解説します。
酒気帯び運転
酒気帯び運転は1lの呼気に含まれるアルコール濃度が0.15mg以上ある中で運転している状態を指し、アルコール濃度によって行政処分や罰則が異なります。
1Lの呼気中に0.15mg以上0.25mg未満のアルコール濃度が検出された場合、違反点数が13点追加されます。
さらに、90日間免許停止の行政処分が下されます。
1Lの呼気中に0.25mg以上のアルコール濃度が検出された場合は、違反点数が25点になり、免許は取り消しとなります。この場合、2年間は免許の取得はできません。
また、アルコール濃度に関わらず、酒気帯び運転をした場合の罰則は、50万円以下の罰金または3年以下の懲役です。
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酒酔い運転
酒酔い運転は、呼気中のアルコール濃度は関係なく、運転手がアルコールによって車を安全に運転できないおそれがある状態を指します。
酒酔い運転の場合、違反点数は35点の追加です。
さらに免許は取り消し、免許再取得は3年間不可になります。
加えて、罰則として100万円以下の罰金、または5年以下の懲役と、酒気帯び運転より重く罰せられることが分かります。
運転手以外の罰則
酒気帯び運転や酒酔い運転は、運転手だけではなく車を貸した人やお酒を提供した人、車に同乗した人も罰則の対象になります。
車を貸した人は、運転手本人と同じ罰則です。
お酒を提供した人や車に同乗した人は、酒酔い運転の場合、50万円以下の罰金または3年以下の懲役になります。
酒気帯び運転の場合は、30万円以下の罰金または2年以下の懲役です。
飲酒運転は、飲酒して運転を行った本人だけではなく、止めなかった周囲の人も重い罰則を受けることになります。
警察庁は、飲酒運転による交通事故発生率や飲酒運転の危険性について公式サイトで明記しています。
運転手も周囲の人も、飲酒運転は行ってはいけないという認識を強く持っておくことが大切です。
飲酒翌日の運転
お酒を飲んだ翌日の運転にも注意が必要です。
運転する予定の前日の夜に飲酒していた場合、翌日の朝はまだアルコールが抜けきっていない可能性があります。
過去の飲酒運転の逮捕事例において、飲酒後に時間を置いた状態で運転して逮捕されたケースもあります。
体内のアルコールが分解され完全に抜けきるまでの時間は個人差があり、飲酒後に運転してはいけない時間の明確な基準はありません。
そのため翌日に運転する予定がある場合は、ノンアルコール飲料を飲んだりアルコールの摂取量を少なめにしたりなどの対策をとることをおすすめします。
関連記事:アルコールが体内から抜けるまでの時間はどのくらい?飲酒運転の罰則についても紹介
ノンアルコールビールを飲んで運転する場合の注意点
ここではノンアルコールビールを飲んで運転する際に気を付けたい注意点について解説します。
アルコール度数の確認
ノンアルコールビールを飲んで運転する際は、アルコール度数が0.00%の商品を選ぶことが大切です。
コンビニやスーパーなどで購入できるノンアルコールビールであれば、商品のラベルにアルコールが含まれているかどうかの記載があります。
しかし、居酒屋などの飲食店の場合は、グラスに注がれた状態で提供されることが多いため、アルコール度数が確認できない場合があるでしょう。
日本の大手飲料メーカーのノンアルコールビールは、2024年3月現在全てアルコール度数が0.00%ですが、海外のノンアルコールビールを提供する店の場合はアルコールが微量に含まれている可能性もあります。
飲食店でノンアルコールビールを飲む際には、事前にアルコール度数が0.00%の飲み物か確認したうえで飲むと安心できます。
空酔い
お酒を飲んでいないにもかかわらず酔ったような状態になるのが「空酔い」です。脳がお酒を飲んでいると錯覚するプラシーボ効果によって起きるとされています。
たとえば、周囲の人がお酒を飲んでいる環境で、自分だけ飲酒をしていなくてもその場の雰囲気に酔ってしまうことも空酔いとして挙げられます。
実際にアルコールは飲んでいないため、運転時に飲酒運転として検挙されることはありません。
しかし、普段よりも特に注意して運転する必要があります。
空酔いによってお酒に酔ったような状態になり、そのまま運転すると正常な判断ができない可能性も考えられるでしょう。
ノンアルコールビールを飲んだ後の運転だとしても、自身の状態を確認して落ち着いた状態で運転することをおすすめします。
関連記事:信号待ちのスマホ操作は違反?ながら運転の罰則や危険性について解説
ノンアルコールビールを選ぶ際の注意点
飲酒運転(酒気帯び運転)にならないためには、アルコール度数0.00%のノンアルコールビールを選びましょう。
特に、車を運転する場合は、お店での注文時や商品の購入時も再度確認することが必要です。
誤って酒類を摂取することがないように、実際のアルコール度数の記載箇所をお伝えします。
ラベルの正面に記載
通常は、ビールのラベルの正面に、アルコール度数が表示されることが多いです。
一般的にパーセンテージで表記され、例えば「0.0%」または「0.5%」などとなります。
この情報は消費者が製品選択時にすぐに確認できるように配置されています。
背面ラベルに記載
アルコール度数の詳細情報や栄養成分表などは、ビールの背面ラベルに記載されていることがあります。
アルコール度数の他にも、原材料、製造工程、栄養価などが掲載されています。
ラベルの正面に記載がない場合は、背面も確認してみましょう。
缶やボトルの首部分に記載
アルコール度数の情報は、ノンアルコールビールの缶やボトルの首部分にも印刷されることがあります。
これは商品が棚から取り出されたり、注文時に表示される情報として確認されます。
製造会社の公式ウェブサイトに記載
製造者の公式ウェブサイトやオンライン情報源においても、詳細な製品情報が提供されていることがあります。
アルコール度数を知りたい場合、公式ウェブサイトを訪れて詳細情報を検索することも有効でしょう。
アルコール度数の記載は、製品の透明性と消費者の安全を確保するため「酒類の表示義務」に準じて記載されております。
ノンアルコールビールを選ぶ際には、製品のラベルやパッケージを確認し、アルコール度数を理解して酒気帯び運転を防ぎましょう。
まとめ
ノンアルコールビールは、アルコール度数が0.00%の商品であれば運転しても違法ではありません。
しかし、ノンアルコールビール商品の中には1%未満のアルコール度数が含まれている商品もあります。
車の運転手は、ノンアルコールビールの定義や飲酒運転の罰則について正しく理解して、安全に運転することが大切です。