あおられない車はある?運転時に気をつけることや対処法を解説
近年、社会問題となっているあおり運転は、重大な事故につながる危険な行為です。
最近では道路交通法にて「妨害運転罪」(道路交通法第117条)という罰則が制定され、取り締まりが強化されるようになりました。
この記事では、あおり運転の概要とあおられにくい車、運転時に気をつける点、あおり運転をされた場合の対処法について解説します。
関連記事:クラクションは使い方次第で違法になる?正しい使い方や違反した場合の罰則も解説
関連記事:違法駐車に遭遇した場合の通報先や対策法について解説!
関連記事:交通違反の点数はリセットされる?リセットされる条件や点数の確認方法も解説
INDEX
そもそもあおり運転とは?
あおり運転には明確な定義はありませんが、主に以下のような内容が挙げられます。
・前方の車との車間距離を極端に詰める
・クラクションを鳴らし続けて相手を脅す
・パッシングやハイビームで前の車にプレッシャーを与える
故意に前方の車との車間距離を詰めた上で、速度を合わせてくっつくように走行する行為は、あおり運転の代表的な例です。
また、不必要なクラクションを鳴らす行為についてもあおり運転と見なされます。
なお、クラクションは危険防止ややむを得ない場合のみ使用するように道路交通法にて定められています。
その他、ライトを連続的に点滅させたり(パッシング)、ハイビームを前方の車に当て続けてプレッシャーを与えたりする行為も同様です。
上記以外にも急ブレーキをかける、危険な車線変更、対向車線からの接近、蛇行運転、無理な割り込み、ノロノロと運転する(最低速度未満での走行)、高速道路上での違法な駐車などが、あおり運転と見なされます。
あおり運転をした場合は、前述の通り厳しい罰則が課せられます。
具体的な罰則としては、以下の通りです。
違反した場合:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
著しい危険を生じさせた場合:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
これらの罰則に加え、免許取り消しとなります。
あおられない車の種類
あおり運転をする人は車種などで相手を選んで攻撃してくることが多く、被害を受けやすい車と受けにくい車があります。
特に軽自動車やコンパクトカーは、あおり運転をされやすいです。
理由としては、軽自動車は女性が乗っている割合が高く、反撃されないと思って強気になってあおる人がいるからです。
ここでは、あおられない車にはどのようなものがあるのかをご紹介します。
高級車
一般的に、下記のような高級車はあおり運転の被害に遭いにくいです。
(例)
・トヨタクラウンアスリート
・トヨタアルファード
・メルセデスベンツ
あおられない理由として、自分の車より格上であると判断されるからです。
高級車の場合、自分より社会的地位が高い人が乗っている印象を受けやすく、あおられにくい傾向にあります。
また、このような高級車と衝突した場合、損害賠償額が高額になる可能性が高いことから、ほかの車と比べてあおられないようです。
スポーツカー
ポルシェやフェラーリなどのスポーツカーもあおられにくいとされていますが、これは単純にスピード的に勝てないことが理由として挙げられます。
あおったとしてもスピードで負けて、逃げられてしまいます。
また、高級車と同様にスポーツカーは高額であることから、自分より社会的地位の高い人が乗っている印象を抱かれやすい点も、あおられない理由の一つです。
SUV
トヨタランドクルーザーなどの大型のSUVは、車体が大きく頑丈であることや屈強な人が乗っているイメージがあることから、あおられない傾向にあります。
威圧感があるだけでなく、後ろにくっつくと前方が見えないため、あおる対象にされづらいです。
セダン
セダンタイプの車も狙われにくいといわれています。
理由として、覆面パトカーはセダンタイプの車であることが多いからです。
逆にあおり運転をする車(加害車両)は、セダンタイプの車が多いといわれています。
自己防衛の手段として車を購入する際は、上記のようなあおり運転に狙われにくい車から選ぶのも賢い方法です。
運転時にあおられないように気をつけること
あおり運転は一方的に加害者側から攻撃を受けることもありますが、被害者側の運転の仕方によって誘発されることがあります。
そのため、あおり運転の被害を受けないために、以下の点に注意して運転をすることが大切です。
左車線を走行する
片側2車線以上の道路を走行する際は、「キープレフト」という左側の車線を走行することがルールとなっています。
高速道路において右側の車線は「追越車線」と呼ばれる通り、前の車を追い越す場合に走行する車線であるため、追い越しした後は速やかに走行車線に戻る必要があります。
しかし、追越車線を走り続けて後続車の妨げになるような運転をしている場合、あおり運転を誘発することに加え、取り締まりの対象にもなります。
あおり運転の被害を受けない対策として、基本的には一般道でも左車線の走行を心がけるとよいでしょう。
道を譲る
後続車が接近していることに気づいたときは、速やかに安全な路肩などに駐車して道を譲りましょう。
そうすることで、後続車のドライバーをスムーズに追い越させることができ、あおり運転の被害を防止できます。
なお、後続車との距離を保とうとして焦ってスピードを上げることは危険です。
その他、高速道路において路肩に駐車する行為は危険なため、サービスエリアなどに入るよう心がけましょう。
無理な割り込みをしない
車線変更や合流する際に、無理な割り込みをして後続車の反感を買ってしまい、あおり運転を誘発することもあります。
強引な運転をすると交通事故を引き起こす可能性も高くなるため、合流などの際は無理なく余裕を持って行うようにしましょう。
車間距離を十分に取る
あおり運転を防ぐためには、前後の車との間に十分な車間距離を取ることが重要です。
例えば、高速道路において法定速度以下でノロノロと走行すると、後続車との車間距離が詰まってしまい、あおり運転の原因だけでなく追突事故も引き起こしかねません。
ドライブレコーダーを搭載する
ドライブレコーダーとは、車のダッシュボードなどに取りつけられる小型カメラです。
ドライブレコーダーに記録された動画は、万が一あおり運転に遭遇した場合、重要性の高い証拠となります。
また、「ドライブレコーダー搭載車」などと記載されたステッカーを貼るのも対策の一つです。
もしドライブレコーダーを搭載していなくても、ステッカーを貼ることで録画していると思わせられ、あおり運転抑止の効果を得られます。
あおり運転をされた場合の賢い対処法
実際にあおり運転をされた場合、どのように対応すればよいかを把握しておくと、万が一の際に慌てずに済みます。ここでは、対処法についてご紹介します。
路肩などに停車する
あおり運転をされていると感じたときは、安全な路肩や駐車場などに停車して後続車に譲りましょう。
前章でも解説した通り、焦ってスピードを上げると思わぬ事故につながる恐れがあります。
警察に通報
あおり運転を受けて道を譲ったにも関わらず追いかけてくる場合は、人目につく安全な場所に停車して警察に通報しましょう。
高速道路であおり運転を受けた場合は、サービスエリアなどで停車します。
安全な場所に停車したら、必ず全てのドアをロックして警察が到着するまで待機することが大切です。
クラクションを鳴らすなど相手を刺激する行為は控え、車外に出ないようにしましょう。
まとめ
この記事では、よくあるあおり運転の例やあおられない車、運転時に注意すること、実際にあおられた場合の対処法について解説しました。
近年、問題化しているあおり運転ですが、被害者になることもある反面、イライラしたり気持ちに余裕のない運転をしている場合は、前方の車に接近したりすることで加害者になる可能性もあります。
車を運転する際は時間や心に余裕を持ち、交通ルールを守って安全運転を心がけましょう。