無鉛プレミアムガソリンとは?ハイオクやレギュラーとはどう違う?

ガソリンスタンドで給油できるガソリンは「ハイオク」「レギュラー」「軽油」の3種類が一般的です。

しかし、車のカタログを見ると「無鉛プレミアムガソリン」または「無鉛レギュラーガソリン」と表記されている場合があります。車に詳しくない人であれば、給油の際に戸惑ってしまうこともあるのではないでしょうか。

そこで、この記事では無鉛プレミアムガソリンとは何か、ハイオク・レギュラーガソリンとの違いなどを紹介します。

誤ったガソリンを給油してしまった際にどうなるのかもあわせて解説するため、気になる人は参考にしてください。

関連記事:ガソリン価格の推移や決め方、今後の動きについて解説!

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無鉛プレミアムガソリンとは何か

車のカタログやサイトなどで記載されている「無鉛プレミアムガソリン」とは、ハイオクガソリンのことです。「無鉛レギュラーガソリン」と表記されている場合はレギュラーガソリンのことを指します。

JISによって品質について基準値が定められているものの、呼称については定められていないため、表記は統一されていません。

メーカーごとに表記は異なりますが、日本で生産された車であれば無鉛プレミアムもしくは、無鉛レギュラーが燃料に指定されています。燃料を間違えると、エンジンが故障してしまうケースもあるため、事前に燃料の種類について確認しておきましょう。

元々ガソリンは有鉛だった

なぜガソリンの名称に「無鉛」と付いているのか疑問に感じている人もいるでしょう。
理由として、過去に使われていたガソリンが無鉛タイプだけではなく、有鉛タイプも存在したことが挙げられます。

ここではガソリンの歴史について解説します。

有鉛ガソリンが使われていた背景とは

有鉛ガソリンとは、文字通り「鉛」が含まれているガソリンのことです。

鉛を入れることで異常燃焼の起こしにくさを表す「オクタン価」が高く(高いほど異常燃焼が起きにくい)なるとされており、かつては一般的に普及していました。鉛がクッションとしての役割を果たすことで、バルブシートの消耗を防止する効果があったとされています。

しかし、1970年代に入ると、排出ガスに含まれた鉛による環境汚染や人体への悪影響が問題視されるようになったため、以降は自動車のガソリンが徐々に無鉛化していきました。

なお、自動車用の有鉛ガソリンはすでに生産・販売ともに中止しています。
2023年現在の日本では、無鉛化されたガソリンのみ、販売されています。

有鉛ガソリン車に無鉛ガソリンを入れても大丈夫?

旧車のように有鉛ガソリンを燃料とする中古車に乗りたい場合は、どうしたらよいか悩む人もいるでしょう。

結論として、ハイオクガソリンを給油すれば問題ありません。
現代では、鉛が含まれていなくてもオクタン価が高いガソリンが販売されているため、エンジンの不調を避けて車を動かせます。

ただし、頻繁に運転する場合は、バルブシートの摩耗が激しくなってしまうことを理解しておきましょう。無鉛用のガソリンに変えたり、添加材を混ぜたりすることで対応できます。

無鉛レギュラーガソリンと無鉛プレミアムガソリンの違いとは

無鉛レギュラーガソリンと無鉛プレミアムガソリンにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、両者の違いやそれぞれの特徴などを紹介します。

無鉛レギュラーガソリンの概要

無鉛レギュラーガソリンとは、鉛を含まないガソリンのことで、レギュラーガソリンという名称で販売されています。

メリットとして、ハイオクガソリンと比べると安価に購入できる点が挙げられるでしょう。
国内では無鉛レギュラーガソリンを燃料にしている車が多く流通しています。

2023年現在は、エンジン技術の向上から、オクタン価が低いガソリンを入れても不具合が発生することは多くありません。

無鉛プレミアムガソリンの概要

無鉛プレミアムガソリンは、レギュラーと同じく無鉛のタイプで、ハイオクという名称で販売されています。
JIS規格によるとオクタン価が96以上と定められており、価格も高価な傾向にあります。
オクタン価は100を基準としており、100に近いほど異常燃焼を起こしにくいといわれています。
無鉛プレミアムガソリンは異常燃焼しにくい、高品質なガソリンなのです。

排出ガスの過多による環境汚染の対策として、燃焼室内を清掃するための洗浄剤や添加剤などが含まれている点が特徴です。

無鉛プレミアムガソリンを燃料にしている車

無鉛プレミアムガソリンは、圧縮しても自己着火しにくい特性を持っています。
エンジンを高圧縮することができるため、より出力を高められるでしょう。
高出力を要する車に適していることから、スポーツカーや高性能なエンジンを搭載している輸入車などに多く使用されています。

特にヨーロッパでは、レギュラーガソリンのオクタン価の規定が91以上になっているため、日本で輸入者に乗る際はハイオクガソリンを使用したほうがよいでしょう。

誤った種類のガソリンを入れたらどうなる?

自分が運転する車に誤った種類のガソリンを給油してしまった場合は、どうなるのでしょうか。

ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れた場合

高出力が想定された設計のハイオク仕様車に、オクタン価の低いレギュラーガソリンを入れると本来のパフォーマンスを発揮することができません。

また、予期せぬタイミングでエンジン内部が発火してしまい、異常燃焼を引き起こす可能性があります。
異常燃焼が発生するとエンジンのピストンが想定とは異なる動きをしてしまい、故障につながる可能性もあるでしょう。

近年販売されているハイオク仕様の車であれば、誤った燃料を入れてしまった後すぐに故障するケースは少ないといえます。

しかし、万が一故障した場合には修理費が発生するため、エンジンの種類をよく確認したうえで給油を行うことをおすすめします。

レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れた場合

レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れるとどうなるのでしょうか。
結論からいうと、故障や事故が起こる可能性は低いです。

ハイオクは高出力であることから、レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れるとパワーが上がると考える人もいるかもしれません。

しかし、レギュラー仕様車は、レギュラーガソリンを燃料とした場合に最適化するよう設計されているため、異なる種類の燃料を入れても特別な効果は期待できません。

ハイオクガソリンによってエンジンの洗浄ができるという意見もありますが、市販されている添加剤を使用したほうが安心かつ維持費も抑えられます。

レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れた場合は、問題も特にありませんがメリットもないと理解しておきましょう。

軽油を入れたらどうなる?

今回の記事で軽油の説明はしていませんが、補足として紹介します。

軽油はバスやトラックに主に使用されています。
ほかの2つと比較して、燃えにくいという特徴があります。

そのため、レギュラー仕様車やハイオク仕様車に軽油を入れてしまうと「燃えやすい液体」と「燃えにくい液体」とが混ざり、燃え残りが起きてしまいます。燃え残りがエンジン内部に染み付いてしまうと、故障の原因となってしまいます。

ハイオク、レギュラー、軽油の中で軽油が一番安価ではありますが、給油の際は対応しているものを入れるようにしましょう。

まとめ

無鉛プレミアムガソリンとは、ハイオクガソリンのことを指します。
車のカタログで無鉛ガソリンと表記されている理由は、かつて普及していた有鉛ガソリンとの判別を可能にするためです。

鉛を含むガソリンには、オクタン価が高い点やバルブシートの消耗を防止できる点などのメリットがありました。
一方で、排出ガスに含まれた鉛が環境や人体に悪影響を及ぼす可能性があったことから、2023年時点で国内販売されている自動車用ガソリンは全て無鉛化しています。

給油の際に迷わないように、無鉛レギュラーガソリンは「レギュラー」無鉛プレミアムガソリンは「ハイオク」であると覚えておきましょう。

また、ハイオク仕様車にレギュラーガソリンを入れると故障の原因となるため、おすすめできません。
しかし逆に、レギュラー仕様車にハイオクガソリンを入れても特に問題はありません。

ただ、車はガソリンの種類に合わせて最適化されているため、販売元から推奨されているガソリンを選んで給油するようにしましょう。

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