ナンバーから住所を割り出すことは可能?ナンバーで分かる情報とは

ナンバープレートには車の持ち主を特定したり、盗難など犯罪利用を防止するため、さまざまな番号が振り分けられています。

ということは「ナンバーから住所が割り出されないだろうか?」とも考えられますが、実はナンバーだけで住所を特定するのは難しいのが現状です。

ではなぜ、ナンバーから住所を割り出すのが難しいのか、この記事にて詳しく解説していきます。

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ナンバーから住所を割り出すことは難しい

ナンバーから住所を割り出すのは難しいのが現状です。

車の持ち主の住所を特定するには自動車検査登録事務所や運輸支局といった行政機関に行き、「登録事項等証明書」という書類を発行してもらう必要があります。

登録事項等証明書とは「車が発行者の所有物である」ということを証明するための書類であり、主に保険や配車手続きなどに使われています。

登録事項等証明書を発行してもらうためには、ナンバープレートと車台番号を取得しなくてはなりません。

基本的に車の持ち主以外は入手不可能であり、理由は車台番号の記載箇所がエンジンルームやシートの下など、車の内部にあることが挙げられます。

つまり車の持ち主以外の人が車台番号を入手するのは非現実的であるため、ナンバーだけで住所を割り出すのは難しいというわけです。

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車 住所

以前はナンバーだけで住所の特定も可能だった

実はひと昔前まで、登録事項等証明書の発行はナンバーだけで取得可能であり、手続きに必要な費用さえ支払えば車の持ち主でなくとも住所や氏名まで割り出せていました。

そのため浮気調査や人探しなどを担う探偵家の間では、ナンバーから住所を割り出すのは定番の方法として知られていたのです。

しかし、ナンバーだけで住所を特定できてしまうと、この仕組みを悪用する人たちも出てきます。

たとえば窃盗や強盗のために登録事項等証明書を不正に発行されるというケースが問題視されてきたほか、プライバシーの観点からも「ナンバーだけで個人を特定できるのは良くない」という風潮が生まれました。

そこで2007年になると「ナンバープレートの情報のみで取得可能」から「ナンバープレートの情報+車台番号」という形に制度が変更され、現在に至ります。

探偵 車

ナンバーから住所を割り出すのに必要なもの

ナンバーから住所を割り出すには「ナンバープレート」と「車台番号」以外にも用意しなくてはならないものがあります。それぞれ以下の項目にて見ていきましょう。

ナンバープレート

1つ目はナンバープレートの情報です。

ナンバーは車の識別や犯罪対策という理由で、全ての車に装着されており、誰の目にも分かるよう提示されています。

たとえば交通事故や盗難の際には、ナンバー情報を元に車の特定には役立てられているものの、持ち主の氏名や住所の特定となると、ほかの書類も提出しなくてはなりません。

車台番号

車台番号とは車の識別番号を示す下7ケタの数字のことです。

アルファベットと数字で成り立っており、製造時に1台1台異なった番号が与えられています。

また、車台番号は廃車になるまで同じ番号が使用され続ける点もナンバーとの大きな違いとして挙げられます。

そして記載箇所は前述したようにエンジンルーム内や車検証など車の内部にあるため、基本的に車の持ち主しか知りようがありません。

情報を入手するにもボンネットを開きエンジンルームの中を見たり、ドアをこじ開けて車検証を取り出す必要があり、このような行為はいうまでもなく犯罪行為ということは誰の目にも明らかでしょう。
だからこそ所有車の個人情報を特定するには、ナンバーだけで特定するのは難しいわけです。

本人確認書類と請求理由の明示

登録事項等証明書の発行には本人確認書類の提出も必要です。

本人確認書類には運転免許証・健康保険証・マイナンバーカードなど身分を証明する書類いずれか1つあれば問題ないものの、上記項目に加え、何のために住所を割り出すのか具体的な理由も明記しなければなりません。

真っ当な理由があれば運輸局も取り次いでくれるものの、興味本位で住所を特定したいだけであればプライバシーの侵害という理由から発行はしてくれません。

つまり仮に車台番号が入手できたとしても、正当な理由がない限り持ち主の住所を特定するのは非常に難しいといわざるを得ないのです。

しかしこうした煩雑な手続きを踏むからこそ、ドライバーのプライバシーは保たれているともいえるでしょう。

本人確認書類

個人でもナンバーから住所を割り出せるケース

実は例外的にナンバーだけで住所を割り出せるケースも存在します。

放置車両・違反車両

「私有地に車を長期間放置されて困っている」「自分の土地に勝手に駐車されている」といったケースは例外的にナンバーのみで住所の割り出しが認められています。
このように不当な理由で被害を受けるケースは所有車の特定が問題解決につながるため、車台番号がなくても問題ありません。
上記ケースに当てはまる人であれば問い合わせてみるのも良いでしょう。

なお放置車両や違反車両は現場の様子が分かるよう写真や見取り図のほか、放置日数について書かれていた書面を別途提出する必要があるため、この点も留意しておきましょう。

抹消手続きでナンバーが外されているケースであれば、車台番号のみで照会してくれます。


「裁判で訴えたいのに相手の氏名や住所が分からない」というケースもナンバーだけで持ち主の住所を特定してくれます。

理由は裁判の手続き上、登録事項等証明書が必要不可欠のためであり、実際に不倫相手をナンバープレートの情報を元に訴訟を起こし、慰謝料を獲得したケースもあります。

このように裁判では相手方の情報が分からなくても訴訟を起こすことが可能であり、ほかにも電話番号やメールアドレスといった情報からでも訴訟できます。

ナンバープレートから分かる情報

ナンバープレートには車の所在地や種別、使用用途が判別できるようになっています。

項目はそれぞれ「地域名」、「分類番号」、「平仮名等」、「一連指定番号」の4つで成り立っており、またプレートの色によっても識別が異なります。

地域名とはナンバープレート左上にある「品川」「大阪」など地域が書かれた項目で、記載地域が車を管轄する運輸支局、自動車検査登録事務所を示しています。

「分類番号」は地域名の横にある数字を指し、これを見ると車がどのような種別なのかが判別できます。

たとえば一般的な乗用車は「30〜39」「300〜399」が用いられ、軽自動車は「50~59」「580~599」「70~79」「780~799」などが該当し、大型トラックには「10~19」「100~199」が与えられています。

ちなみに分類番号は「1ナンバー」、「3ナンバー」と数字の頭文字で呼ばれることもあるほか、排気量や大きさによって数字も変化します。

たとえば「アルファード」、「ヴォクシー」といった大型車両は3ナンバーがあてがわれており、「アクア」、「フィット」などのコンパクトカーには5ナンバーが使用されています。

「平仮名等」はナンバープレート左下にある項目で、自家用車には「さすせそ たちつてと」などが使用されるのに対し、事業用であれば「あいうえ かきくけこ を」が用いられています。

また、「死」を連想する「し」や、発音が難しい「ん」など、使用されない文字も一部あります。

そして最後の「一連指定番号」とはナンバープレート下にある数字を指し、この項目のみ任意で好みの数字を指定できるようになっています。

とはいえ実際は抽選制でなかなか思うような数字にできないこともあり、理由は縁起が良い数字や、人気の高い数字に注文が殺到するためです。

ナンバープレート

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まとめ

ナンバープレートにはさまざまな項目が記載されているものの、実際は車の情報が中心であり、持ち主の個人情報につながる項目はありません。

何よりナンバーから住所を特定するには車台番号という所有車しか知りえない情報を得る必要があるため、よほどの例外を除き、特定することはまず不可能なのです。

世の中には浮気調査や人探しを名目にナンバーから住所を割り出せないと考える人もいますが、個人での特定はまずできないため、探偵などプロフェッショナルに頼むのが良いでしょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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