中古車は故障しやすいのか?故障時の対応で覚えておきたいことを紹介
車を購入するというイベントはお金が大きく動くため、たとえ中古車であっても慎重に進めたいものです。
特に、中古車においては他の誰かが使用した後の車であるため、販売されている現状を正しく理解しておかないと、購入後の故障などトラブルに繋がってしまいます。
この記事では、中古車が故障しやすいのか、購入直後に故障したらどうすればよいのか、故障が多い箇所や費用感、どこで修理すればよいのかなどを紹介していきます。
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INDEX
中古車は故障しやすいのか?
ここでは、中古車は故障しやすいのかどうかについてなど、中古車の故障事情に関して解説していきます。
新車よりも故障の可能性は高まる
車には緻密な部品や高度な機械が複雑に入り組んで設計されているため、適切なメンテナンスが必要となります。
中古車においてはこのメンテナンスが適切に行われていたかという部分がブラックボックスとなるため、中古車は新車に比べると故障のリスクが高いといえます。
購入前に事前に見抜くためには、車についてある程度の知識が必要となります。
タイヤの状態やフレームなどを見て、傷み具合を判断するのは難しいかもしれないため、まずは整備簿があるかどうかを確認し、あればどこを修理したか、どこが壊れたかの履歴を確認をするようにしましょう。
また、信頼できる中古車販売店であれば、前オーナーの使い方や特徴から故障しやすいポイントを教えてくれるケースもあります。
購入の際には販売者に必ずヒアリングを行い、問題点がないかどうか確認しておきましょう。
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見抜けない故障も多い
多くの中古車販売店はトラブル防止の観点から、故障しそうな箇所について事前に説明を行います。
しかし、購入後にオーナーが変わることで販売店が予想しなかった箇所が壊れるケースもあります。
例えば、車のエアコンは人によって使用頻度に差が出るため、比較的故障しやすい装備となります。
エアコンに限らず、前のオーナーがあまり使用せず、次のオーナーが頻繁に使用するケースでは販売店が想定しなかった故障につながることがあります。
また、ファンベルトやクーラーベルト等の消耗品は販売店の想定外なタイミングで故障するケースが多々あります。
中古車はこうした消耗品がいきなり寿命を迎えるケースがあることを視野に入れて、購入の検討を進めましょう。
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購入直後に故障したらどうすればよいのか?
中古車によっては、販売店から購入した直後に故障してしまうケースがあります。
そうした場合では保証を利用できる可能性が高い事象となりますが、保証をより確実に使うためにはポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、購入直後に故障した場合の対応方法を紹介していきます。
故障をしたらまずレッカーを呼ぶ
故障が発生した場合、または運転中に何かしらの異常を感じた場合はすぐに販売店に連絡し、車を停止させましょう。
違和感を覚えた時点で早めにレッカーを呼ぶことをおすすめします。
故障したまま車に乗り続けたことが原因で、その他の箇所にまで不具合が出てしまうこともあり、こうした場合には販売店によっては、「適切な処理をしなかった」として保証の範囲外とされるケースもあります。
特にタイヤなど足回りのトラブルについては一箇所の故障によって連動して他の箇所にも故障が発生しやすく、修理費用も高額になることも多くあります。
現状維持のためにレッカーを呼び、写真や動画を撮影して故障の記録を残しておきましょう。
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保証がある場合とない場合
故障してしまった場合、必ず販売店に連絡して保証の有無を確認しましょう。
故障箇所が保証の範囲内であれば、販売店の責任として無償で修理をお願いできる場合があります。
しかし、すべての故障について保証されるとは限らず、販売店によっては販売時に車体価格を安くする代わりに修理可能な箇所を事前に決めているケースもあります。
また、個人売買で購入した場合や現状での販売を条件として購入した場合においては、基本的に保証はありません。
こうしたケースでは納車直後のトラブルであっても為す術がありませんので、潔く実費での修理を行いましょう。
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故障が多い箇所と修理代の目安はどのくらいか?
中古車を購入する場合、故障の可能性を考えながら購入する必要があります。
ここでは、中古車において故障が多い箇所と修理代の目安について紹介していきます。
修理費が高額になりやすいエンジンや足回り
車の基礎部分となるエンジンや足回りにおいては部品数が多く、故障した場合には修理が高額になる覚悟が必要です。
例えば、足回りが歪んでおりサスペンション一式を交換するといったケースでは20万〜30万前後かかるケースがあります。
また、エンジン周りの故障は場所によって修理費用が大きく異なります。
ファンベルトやクーラーベルトの破断といった交換しやすい箇所の故障は1万前後と比較的負担は軽く済みますが、オイル漏れやクラッチ摩耗、ハイブリッド車の駆動バッテリーの劣化による交換といったエンジン本体の修理の場合には20万から30万前後以上の修理費がかかる場合があります。
高額となるパーツについては販売店によって保証しないケースや、無償修理ではなく返金となる場合がありますので、契約時の条件をきちんと把握しておきましょう。
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内装と電気関係
シートヘタリや内装のビビリ音などは購入した後に気がつくケースが多いトラブルですが、故障ではないため、多くの場合は保証の範囲外となります。
シート関係の修理は高額になることが多く、専門業者やディーラーにシートまるごとの部品交換を依頼した場合、20万以上の出費となる可能性もあります。
また、電装関係は急に故障するケースが多く、特にエンジンの点火に関わるイグニッションコイルやクーラーは故障しやすい箇所となります。
イグニッションコイルは5万から10万前後の修理費となり、エアコンはガス漏れなのか本体の故障なのかによって修理費用が2万から30万前後と大きく異なります。
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外装の傷・凹み
外装のトラブルは保証の範囲外とする場合が多くなっています。
特に傷や凹みは購入後に気づかず擦ってしまったケースや、ぶつけてしまった場合があるため保証の範囲外となります。
しかし、走行中にフェンダーが落ちた、ミラーがぐらついたなどの重大トラブルの場合、初期の整備不良として保証の範囲内となる可能性があります。
外装だからといって諦めるのではなく、連絡をするのがおすすめです。
また、ドアの集中ロックやオートドアの故障の場合、電気関係が関わるため保証の範囲内となる場合があります。
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故障したらどこで修理するのか
中古車販売店は販売に特化しているため、修理ができない場合もあります。
そういった場合には、販売店とは別の場所に修理を依頼する必要が出てきます。
ここでは、故障した際の修理先について、各施設における特徴や費用を紹介していきます。
メーカーの正規販売店であるディーラー
メーカーの販売店となるディーラーでは、修理工場も併設されている事が多く、相談すれば大抵の修理は可能です。
整備の方法や料金がきちんとマニュアル化されているため、故障個所によって修理費用が明確に提示されます。
しかし、メーカーの規定に沿って修理を行うため、場合によっては高額となるケースもあります。
例えば、ライトの交換などは街の整備工場の10倍以上の工賃が請求されるケースが少なくありません。
メーカーの既定値から外れている部品は交換修理となるため、修理の方向性などが決められないのも特徴です。
ディーラーでの修理は安心感があり確実性がある一方で、融通は利きにくく金額が高額になる可能性がある点を覚えておきましょう。
整備工場
整備を専門にする整備工場は比較的安価に修理をしてもらえるケースがあります。
整備を専門としているため、費用面などの相談をしながら修理の方向性を決めることができるのも大きな利点です。
しかし、整備工場によって得意な箇所や修理・メンテナンスの方向性が異なります。
所属するスタッフによって修理費用や整備レベルにも差が出るため、信頼できる整備工場を探す必要があります。
どんな整備を行っているかを確認し、見積もりや相談をしてから決めると良いでしょう。
カー用品店・ガソリンスタンド
カー用品店やガソリンスタンドは安価に修理ができる上、比較的近場にある立地条件が大きな利点となります。
突発的な故障の際にすぐに頼れる点は大きな魅力です。
ただし、専門の設備やスタッフがいないケースも多く、修理できる箇所が限られているため、すべての故障に対して修理が出来るわけではありません。
中古車を購入後に返品できる場合について
中古車を購入したけど不具合が見つかった場合は、返品できるのでしょうか?
結論から言うと、返品できる可能性はあります。
しかし、返品できる条件や手続きは、車両の状態や契約書によって変わります。
返品保証のサービスがある場合
一部の中古車販売店は、一定の条件下で車両の返品を受け付ける保証を提供しています。
契約書や店舗での確認が必要ですが、条件を満たす場合、返品が可能です。
ただし、車の外観や臭いなど、購入前に確認できる問題については返品が難しいことがあります。
そのため、購入前から気になる箇所は要確認しておくことが大事です。
修復歴車であることを隠した場合
中古車を購入する際、修復歴がある車両については正確に開示されるべきです。
自動車公正競争規約集第3章10項目の規約によれば、修復歴の有無は明示されることが義務として明記されています。
したがって、修復歴のある車両を購入し、その表示や説明が不適切である場合、返品が検討される可能性があります。
ただし、事故車と修復歴車は異なるため、納車前に車両を確認することが重要です。
事故車は事故によって擦ったりぶつけた車のことを指すため、損傷した箇所の表示義務はありません。
修復歴車は車の骨格部分を交換・修復することを行なった車を指し、表示義務があります。
そのため事故車は賠償請求や返金は基本的に不可となります。
メーターの改ざんが行われた場合
中古車を購入したら、走行距離が改ざんされていた場合、返品できる可能性があります。
消費者契約法第4条1項1号により、事実と異なる情報に基づいて契約を結んだ場合、契約を取り消すことができます。
ただし、一定の期間内に気付く必要があり、状況によって異なる期間が設けられています。
基準として、間違った説明に気付いてから6ヶ月以内・購入契約後5年以内となります。
また2017年以降、車検証に過去の車検時に記録された最大走行距離を記載が義務づけられているため、必ず車検証を確認することも大切になります。
契約不適合責任に該当した場合
中古車を購入して、契約書に記載された内容と実際の車両が異なる場合、契約不適合責任が発生します。
これは、買主の権利を保護するための法的規定で、無償修理、損害賠償、契約解除を要求できます。
ただし、2020年の民法改正により、「瑕疵担保責任」が廃止され、「契約不適合責任」が導入されました。
したがって、通常の使用状況で発生しない不具合についても契約不適合責任が適用される可能性があります。
通常時に起こりえない不具合が発生した場合は契約書を確認し、必要によって保険会社や弁護士などに法的アドバイスを受けることが大切です。
中古車の故障トラブルを回避するには
中古車には見えない部分での故障のリスクがつきものですが、購入時に意識することで故障トラブルを回避することもできます。
ここでは、中古車の故障トラブルを回避するためのポイントを紹介していきます。
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信頼できるお店で買う
故障しにくい中古車を買う一番のポイントは信頼できる販売店から中古車を購入することです。
理由としては、信頼できる販売店は事前に故障のリスクや故障しそうな箇所を教えてくれることが多く、保証内の故障にも誠実に対応してくれるお店が多いことが挙げられます。
逆に言えばこうした故障に関しての説明を一切しない店もありますので、そういった違和感を感じて販売店の良し悪しを見抜くことが大切です。
極力保証をつけておく
販売店によってはオプションで追加の保証をつけることができる場合もあります。
特にディーラーが販売する中古車ではオプションで長期間の保証をつけることもできるため、故障時の出費を抑えたいのであれば保証を充実させておく方が安心です。
保証を付けたとしても対応してもらえなければ意味をなさないため、保証内容に加えて、しっかりと対応してもらえるかを事前に調査する点も重要です。
まとめ
車は精密な部品が多数使用された製品であるため、使用していくうちに故障が発生することは自然なことではあります。
特に中古車においては新車とは異なり各パーツの劣化の状況を一つ一つ細かく確認することは困難です。
そのため、故障した際にも適切な対処ができるよう準備を整えておき、依頼する先を決めておくことも緊急時に困らないポイントとなります。
中古車の購入にあたってはなるべく個人売買などは避け、任せられる販売店と契約し、保証も充実させておくことをおすすめします。