どこからが一時停止違反?違反した場合の罰金・違反点数について解説

一時停止は、歩行者や車の安全を確保するために必要なことです。

しかし、一時停止のルールについてあまり理解していない人もいるのではないでしょうか。

またケースによっては、一時停止の道路標識がなくても停止しなければならない場合もあります。

そこでこの記事では、一時停止に関する法律と具体的なルールおよび違反した際の罰則について解説します。

一時停止について正しく理解し、安全運転を心がけましょう。

関連記事:交通違反の点数はリセットされる?リセットされる条件や点数の確認方法も解説

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一時停止とは

一時停止とは、走行中に決められた場所で一時的に車を停め、左右の安全を確認してから再発進することです。

主に一般道路と踏切手前で一時停止を実施します

それぞれの法的な定義をみていきましょう。

一般道路での一時停止ルール

一時停止の標識がある道路や信号機がない交差点などの状況では、一時停止を実施しなければならないと法律で決められています。

一般道路を走行する際の一時停止のルールは、道路交通法第42条にて以下のように定められています。

車両等は、交通整理が行なわれていない交差点又はその手前の直近において、道路標識等により一時停止すべきことが指定されているときは、道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない

この場合において、当該車両等は、第三十六条第二項の規定に該当する場合のほか、交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

引用元:e-Gov法令検索|道路交通法 第43条

なお、上記の「車両等」は以下を指します。

  • 車両
  • 自動車
  • 原動機付自転車
  • 軽車両
  • トロリーバス

踏切前での一時停止ルール

踏切を通過する際は、警報器の作動に関係なく一時停止を実施しなければなりません

道路交通法では、下記のように踏切を横切るときも一時停止が義務づけられています。

車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。

引用元:e-Gov法令検索|道路交通法 第33条

また、踏切を横断中に車が動かなくなった場合は、すみやかに鉄道会社または警察に通報する義務があります。

関連記事:コリジョンコース現象はありえない?いえ、事故対策が必要です。

一時停止のルール

一時停止には、停車が必要な場所や停車する位置などが定められています。

ここでは一時停止のルールについて解説していきます。

道路標識

一時停止の場所を指し示すのは「止まれ・STOP」と書かれた三角形の赤い道路標識です。

標識は、主に以下のような場所に設置されます。

  • 交通信号機が設置されていない交差点
  • 入り組んで左右が見通せない道路
  • 合流地点

道路標識以外の道路上に記された停止線自体や「止まれ」と白い文字で書かれた路面標識に法的効力はありません

法的に義務づけられているのは、あくまで道路標識がある場合のみです。

とはいえ、標識の有無にかかわらず、停止線がある道路や見通しが悪い交差点などでは可能な限り一時停止を実施したほうがよいでしょう。

タイヤを止める位置

タイヤを止める位置は、原則として道路に引かれた停止線の手前です。

もし停止線がない場合は、交差点の直前に車を停めます。

完全に動きを停止していなかったことに加え、停止線を少しでも通り過ぎたり、線上にタイヤが乗ったりすることは違反です。

また、停車位置が停止線から遠すぎる場合も違反になるため、停止線の直前で停車しましょう

停める時間に決まりはない!が…

停止時間に関しては明記されていません。
そのため、違反になるかどうかは警察官の判断によります

安全確認のためには、車輪が完全に止まった状態にしてから数秒間はかかると考えるのが一般的なので、車が完全に動きを停止してから数秒はじっと停止しておくのが確実です。

周囲にほかの車や歩行者がいないか判断する時間を十分に取るよう心がけましょう。

関連記事:クリープ現象とは?注意点や活用方法を紹介

一時停止をすべき場合とは

横断歩道

一時停止をしなければならない場所以外にも、場合によっては一時停止が必要なことがあります。

ここでは、一時停止をすべき場合についてケースごとに解説していきます。

誰もいない歩道を車で横断する場合

車で歩道を横断する場合、歩行者の有無にかかわらず一時停止が必要です。

道路に面した店舗に出たり入ったりするとき、ついタイヤの動きを止めることなく進んでしまいたくなりますが、停めて左右の確認を行いましょう。

救急車が近くに迫ってきた場合

救急車のサイレンの音が近づいてくることを確認した場合は、必ず道路の左脇に車体を寄せて一時停止しましょう。

救急車が来た場合は、交差点を避けて道路の左側に停車させることが義務づけられています。

救急車が左の車道を通過する場合は、道路の右側に車を停止させても問題ありません

関連記事:路肩とは?路側帯との違いや駐車・停車のルールを解説

一時停止違反するとどうなる?

交通違反

一時停止違反の罰則は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金と道路交通法第119条によって定められています。

また一時停止違反は、交通反則通告制度により以下の反則金を支払えば、刑事罰は科されません。

参考元:警視庁|反則行為の種別及び反則金一覧表警視庁 、警視庁│交通違反の点数一覧表

指定された場所での一時不停止

反則金違反点数
大型車両9,000円2
普通車両7,000円2
二輪車両6,000円2
小型特殊車両5,000円2
原動機付自転車5,000円2

踏切前での一時不停止

反則金違反点数
大型車両12,000円2
普通車両9,000円2
二輪車両7,000円2
小型特殊車両6,000円2
原動機付自転車6,000円2

なお、一時停止違反から1年以上の間、事故や違反などがなかった場合は点数のカウントはリセットされます。

また、当該違反まで2年以上事故がなく、違反もしていないドライバーが3点以下の違反をしたとしても、3ヶ月経つと点数は失効する仕組みです。

関連記事:免許取消しされるとどうなる?条件や再取得する方法などを解説

自転車も一時停止をしよう

自転車と横断歩道

自転車も車両であることが道路交通法で定められているため、一時停止の指示に従わなくてはなりません。

自転車で一時停止に違反した場合は交通反則通告制度が適用にならず、3ヶ月以下の懲役もしくは5万円以下の罰金が科されます

自転車で走行できる歩道もあるとはいえ、原則として歩行者優先です。

なお、歩行者には一時停止の標識に従う義務がありません。

歩道を歩く人がいるときは、通行を妨げないことが求められます。

令和4年の自転車の一時停止違反による死者数は25人です。

上記の統計からわかるとおり、自転車であっても重大な事故に繋がる恐れがないとは限りません。

自身と歩行者の命を守るため、交通ルールは遵守しましょう。

関連記事:横断歩道では自転車も優先?交通ルールを守って安全に運転しよう

まとめ

この記事では、一時停止の定義と厳密なルールについて解説しました。

一時停止の標識がある道路や信号のない踏切を車や自転車などで通行する際は、停止線または交差点の直前で完全に停車しなければなりません。

停止時間に明確な規定はないものの、左右の安全をある程度の時間をかけて確実に確認してから発進しましょう。

一時停止違反には、場所や車の種類によって反則金および違反点数が科せられます。

道路交通法は、事故から歩行者および運転者の命を守るために定められているものです。

罰則の有無にかかわらず必要に応じて車を停め、安全運転を徹底しましょう。

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