「農道のポルシェ」と呼ばれるサンバートラックについて解説!

荷台に多くの荷物を積める軽トラックは、現在も需要の高い車です。
そんな軽トラックに、かつて「農道のポルシェ」と呼ばれた車があったことをご存知でしょうか。

スバルが製造・販売している車のなかに、「サンバートラック」という車があります。

2023年現在販売されているのは、8代目サンバートラックですが、6代目サンバートラックまでが農道のポルシェと呼ばれていました。

この記事では、6代目サンバートラックまでが「農道のポルシェ」と呼ばれていた理由について解説します。

またサンバートラック以外にも、「農道の〇〇」と呼ばれていた車も紹介します。

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サンバートラックとは

スバルのサンバートラックは、積載能力が充実した人気の軽トラックです。

2023年現在販売されている8代目サンバートラックは、ダイハツが製造・販売するハイゼットトラックのOEMとなっており、生産自体はダイハツが行なっています。

8代目スバルサンバートラック
8代目スバルサンバートラック
出典:株式会社SUBARU

サンバートラックのベースグレードの価格は、2WDモデルで968,000円、4WDモデルで1,100,000円と、新車で購入しやすいのが利点です。

車内の装備自体はシンプルですが、最大積載量350kgと実用性が重視されている車です。大量の荷物を運ぶことができるため、仕事の場面で活躍するでしょう。

なお、初代から6代目までのサンバートラックは、スバルが自社で製造・販売していました。
今回紹介する農道のポルシェというのは、この6代目までのサンバートラックを指す言葉です。

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「農道のポルシェ」と呼ばれる理由

6代目スバルサンバートラック
6代目スバルサンバートラック
出典:株式会社SUBARU

スバルが自社で製造していたサンバートラックには、農道のポルシェと呼ばれるいくつかの理由があります。

ここでは、その理由を3つ紹介します。

  • 独特のRR駆動
  • 4気筒のエンジン構造
  • 4輪独立懸架方式

独特のRR駆動

RR駆動というのは、「リアエンジンレイアウト」のことで、エンジンを車両の後部に配置して後輪を駆動する方式です。
サンバートラックに採用されていたRR駆動がポルシェでも採用されている方式ということで、農道のポルシェと呼ばれる理由の1つになっています。

一般的にサンバートラックのような商用トラックは、走行性能面で高い評価を受けることが稀です。

しかし、RR駆動を採用していた6代目のサンバートラックは、この常識を覆しました。
RR駆動の方式をとることで、重心を低く保つことができ、優れた加速性能と安定したハンドリングを実現しました。

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4気筒のエンジン構造

6代目サンバートラックは、エンジン構造にも特徴があります。
ポルシェ911と同じRR駆動を採用しているだけでなく、軽トラックでは珍しい4気筒エンジンを搭載していました。

これにより、馬力は一般的な軽トラックよりもはるかに大きく、力強い走りを実現しました。

農道や山道といった険しい道であっても、力強い走りで難なく走破する姿に、「農道のポルシェ」という異名が誕生しました。

4輪独立懸架方式

「4輪独立懸架方式」のサスペンションを採用している点も、サンバートラックが農道のポルシェといわれる理由の1つです。

4輪独立懸架方式とは、それぞれの車輪が独立して動くサスペンションシステムのことです。
多くの高級車やスポーツカーに採用されるシステムで、路面からの衝撃を4つの車輪が個別に吸収することで、車体への影響が小さくなる利点があります。

これにより乗り心地が向上し、高い走行安定性を実現します。悪路であっても、農道のポルシェと呼ばれるサンバートラックは難なく走行することが可能です。

このように、農道のポルシェと呼ばれた6代目サンバートラックは、単なる軽トラックの枠を超えた、新しいジャンルの車と呼べるのかもしれません。

「農道のポルシェ」の魅力について

6代目スバルサンバートラック
6代目スバルサンバートラック
出典:株式会社SUBARU

ここでは、農道のポルシェと呼ばれるサンバートラックの魅力について解説します。

安定した走行ができる

サンバートラックは、4輪独立懸架方式のサスペンションシステムを導入していることで、高い走行性能を誇ります。

軽トラックは、農道や山道といった整備が行き届いていない道を走行する場合も多いでしょう。
そのような場合でも、4輪が地面からの衝撃をそれぞれで吸収してくれるため、車体にかかる衝撃を最小限に押さえられます。

舗装されていない道路を走行する場合でも、運転者や同乗者はストレスなく車内での時間を過ごせるでしょう。

パワフルな走行ができる

パワフルな走行ができる点も、サンバートラックの大きな魅力です。
軽トラックとしては珍しい4気筒エンジンを搭載していることで、力強い走りが実現できます。

重い荷物を積んで急勾配の山道を登る場合、パワーのない軽トラックであれば、スピードを出すのが難しいでしょう。

一方、パワフルな走行ができるサンバートラックは、このような道でも力強い走りで難なく登ることができます。

重い荷物を運ぶ際の相棒として、このサンバートラックほど頼りになる軽トラックはほかにないかもしれません。

「農道のポルシェ」以外の「農道の〇〇」

「農道の〇〇」という言葉は、正式名称ではなく、自然発生的に生まれてきたものです。

そのため、農道のポルシェのほかにも「農道の〇〇」と呼ばれる車は存在します。

ここでは、農道の〇〇と呼ばれる車を2つ紹介します。

農道のフェラーリ

ホンダが製造・販売をしていたアクティトラックは、生産終了となりましたが、かつては「農道のフェラーリ」と呼ばれていました。

農道のフェラーリと呼ばれていたのは、エンジンのMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)レイアウトだったことに由来します。

アクティトラックの原型は、1963年に発売された軽トラックのT360といわれています。
このモデルからエンジンをアンダーフロアに搭載するMRレイアウトが採用されており、スポーツトラックとも呼ばれています。

サンバートラック同様に、アクティトラックもエンジン位置が独特だったことから、農道のフェラーリと呼ばれていました。

農道のBMW

スズキが製造・販売するキャリイターボは、そのターボモデルの存在から、「農道のBMW」と呼ばれることもありました。

BMWの持っているスポーティなイメージと、キャリイターボの走行性能の高さを結びつけて、このような愛称でも呼ばれたのでしょう。軽トラックの世界で、力強い走行ができるターボは魅力的な存在です。

2023年現在は、キャリイのターボモデルは販売していないため、ターボモデル付きの軽トラックは貴重な存在といえるでしょう。

まとめ

今回は、かつて農道のポルシェと呼ばれたサンバートラックについて解説しました。

スバルが製造・販売していた6代目サンバートラックは、かつて農道のポルシェと呼ばれ、人気の高いモデルでした。6代目サンバートラックは、軽トラックでありながら高い走行性能と安定した走りを実現し、人気が高い車です。

しかし、現在販売されている8代目サンバートラックは、ダイハツのOEM車であり、農道のポルシェと呼ばれることがなくなりました。

また、農道のポルシェのほかに、農道のフェラーリや農道のBMWなど、個性的な軽トラックが続々と登場しています。今後、どのような軽トラックが登場するのかに注目してみてはいかがでしょうか。

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