シミー現象はバイクだけじゃなくジムニーにも発生する!原因と直し方を解説
自動車に乗っているとさまざまな現象と遭遇することでしょう。
タイヤと道路の間に水の膜ができて浮いてしまう「ハイドロプレーニング現象」や、ブレーキの多用によりブレーキ機能の低下し徐々にブレーキが効かなくなる「フェード現象」などが挙げられます。
今回はあらゆる◯◯現象の中から「シミー現象」についてお話をします。
決して他人事ではありませんので、この記事をぜひ参考にしてください。
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INDEX
シミー現象とは
シミー現象とは、自動車などの走行中にハンドルが左右に振動する(場合によっては車体も揺れる)現象のことを指します。
シミー現象が起こると、大きさによってはハンドル操作が困難になり、事故につながる危険もあります。
原因を突き止め、早めに修理を行った方がよいでしょう。
原因として下記の3点が考えられます。
- タイヤの偏摩耗
- ホイールのバランス不良
- アライメントの狂い
タイヤの偏摩耗
タイヤの偏摩耗(へんまもう)とは、車のタイヤが一部の領域で不均等に摩耗する現象のことです。
通常、タイヤは均等に摩耗することが望ましいですが、偏摩耗では特定の箇所が他よりも早く摩耗してしまいます。
偏摩耗は、車両の運転状況やタイヤのメンテナンスに関連して発生することがあります。
偏摩耗の一般的な要因は、下記の4つが挙げられます。
- タイヤの空気圧が不均等: タイヤの空気圧が不適切である場合、タイヤの特定の領域が過度に負担されることがあります。
たとえば、一部のタイヤが過剰な空気圧であると、その中心部分が偏摩耗することがあります。
- タイヤのアライメントの問題: アライメント(タイヤと車体の位置関係や角度の調整のこと)が正しく調整されていないと、タイヤが適切な方向を向かず、偏摩耗が引き起こされる可能性があります。
特に、キャンバー(車を正面から見たときのタイヤの路面に対する角度)、トー(車を真上から見た際の進行方向に対しての角度)などが影響を及ぼすことがあります。
- 過度のハードブレーキングやアクセル操作: 急激なブレーキングや加速はタイヤに負担をかけ、偏摩耗を引き起こす可能性があります。
- タイヤの回転周期が不均等: タイヤの位置を固定せずに、定期的にタイヤを交換しない場合、特定のタイヤが同じ位置に長期間置かれることで偏摩耗が生じることがあります。
偏摩耗が放置されると、タイヤの寿命が短くなるだけでなく、車両の安定性や燃費にも悪影響を及ぼす可能性があるため、定期的なタイヤの点検と、適切なメンテナンスが重要です。
アライメントの調整やタイヤの回転などを含むタイヤの適切なケアは、偏摩耗を予防し、シミー現象を防ぐ上でもとても有効的だと言えます。
ホイールのバランス不良
ホイールのバランス不良とは、車のホイール(タイヤとリム)が均等に重量配分されていない状態を指します。
ホイールのバランス不良は通常、次のような原因によって発生することがあります。
- ウエイトの欠落または誤った配置: ホイールに取り付けられているバランスウエイトが欠落していたり、誤った位置に配置されていたりすると、ホイールのバランスが崩れます。
- タイヤの不均等な摩耗(偏摩耗): タイヤの一部が不均等に摩耗していると、その部分に重量が偏ってしまい、バランスが損なわれることがあります。
- タイヤの変形: タイヤが変形していると、均等な重量配分ができず、バランスが乱れます。
- リムの歪み: リムが歪んでいると、タイヤが正確にリムに装着されず、バランスが崩れることがあります。
関連記事:タイヤのサイズを変更すると車検に通らなくなる?許容範囲を解説
アライメントの狂い
アライメントとは、タイヤと車体の位置関係や角度の調整のことです。
アライメントが正しい状態でないとタイヤの偏摩耗を引き起こしたり、車の安定性、燃費、操縦性などに影響を及ぼしたりする可能性があります。
アライメントの狂いは、主に以下のような原因によって引き起こされると考えられます。
- 路面の衝撃や穴など: 道路の凹凸や穴に車がぶつかると、タイヤやサスペンションに衝撃が加わり、アライメントが狂いやすくなります。特に大きな衝撃が加わると、キャンバーやトーなどの角度が変化し、アライメントの調整が必要になる場合があります。
- タイヤの交換: タイヤを交換する際には、新しいタイヤによってアライメントが微妙に変化することがあります。タイヤの特性やサイズによって、アライメントの角度が影響を受けることがあるため、新しいタイヤを取り付けた後にアライメントを調整することが重要です。
- サスペンションの劣化: サスペンションは長期間の使用や過酷な条件下での走行によって劣化することがあります。劣化したサスペンションは、アライメントの狂いを引き起こす原因となります。
- 事故や衝突: 事故や衝突を経験した場合、車のフレームやサスペンションが歪むことがあります。これによってアライメントが大きく狂ってしまうことがあります。
- メンテナンスの不備: アライメントの調整は定期的なメンテナンスの一部として行う必要があります。定期的にアライメントを点検せず放置していると、アライメントが狂っていく可能性が高くなります。
シミー現象と似ているジャダー現象とは
シミー現象とジャダー現象は、似ているようで少し違います。
シミー現象はハンドルが揺れますが、ジャダー現象は車体が激しく振動するものを主に指します。
シミー現象とバイクの関係性
バイクは自動車よりもハンドルが軽いため、シミー現象が発生すると制御が難しくなります。
もし転倒してしまったら大変です。
シミー現象が発生したら緩やかに減速して安全な路肩へ止めましょう。
そのまま走行を続けることが難しいと判断した場合はすぐに専門の整備業者へ連絡した方がよいです。
車体サイズは関係ない!ジムニーでも発生するシミー現象
ジムニーとシミー現象は、切っても切れない関係とされています。
海外のジムニー乗りの間でも問題とされているほどで「デスウォブル(死のぐらつき)」と呼ばれているという話も。
ジムニーのコイルサスペンション機能は、経年劣化やリフトアップによるガタが出やすい構造となっています。
シミー現象やジャダー現象の原因としては、タイヤ部分の不調が考えられますが、それだけが原因ではありません。
サスペンションやステアリング系統、リフトアップ時の補正不足や負担が増していたなどもシミー・ジャダー現象を引き起こす要因と考えられます。
シミー現象やジャダー現象が起こった場合は、早めにディーラーや修理工場へ持ち込み、原因を突き止めてもらいましょう。
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シミー現象が起きたらどうすればいい?
走行中にハンドルに激しい振動が生じたら、シミー現象の可能性が高いです。
もしシミー現象が発生したら、決して急ブレーキなどの強いブレーキをかけてはいけません。
ハンドルをしっかり押さえ、減速しながら安全な路肩などの場所へ駐車しましょう。
ちなみにですが、シミー現象は走行中に突然発生します。
バイクやジムニーに乗る方は、発生した時に慌てないためにも、シミー現象が発生するかもしれないこと、発生した時の対処法を頭に入れておきましょう。
そしてトラブルを未然に防ぎ、事故を起こさないためにも、「最近ちょっとバイクの調子が悪いな」と少しでも感じたら点検やメンテナンスを行いましょう。
「何も不調を感じない人」であっても、直近の車検や点検からかなり時間が経過している場合は、定期的に点検を行うことをお勧めします。
シミー現象の修理にかかる費用とは
シミー現象の修理にかかる費用は、原因によって異なります。
タイヤの偏摩耗
偏摩耗はタイヤの交換で修理可能です。
タイヤの交換費用は、タイヤのサイズやメーカーによって異なりますが、一般的に1本あたりの工賃は3,000円程度です。
脱着にも料金がかかるため、実際にはそれ以上の費用を想定しておきましょう。
ホイールのバランス不良
ホイールのバランス調整費用は、一般的に1本あたり500円〜1,000円程度です。
アライメントの狂い
アライメント調整費用は、一般的に1台あたり測定費が6,000円~程度で、調整費が一カ所あたり2,000円あたりからです。
シミー現象の修理にかかる費用は、これらの費用の合計となります。
ただし、上記はあくまでも一般的な費用であり、実際の費用は車種や修理工場によって異なります。
シミー現象の発生を少しでも抑えるためにできること
シミー現象の主な原因は、タイヤの摩耗・パンク・変形、空気圧が正常値ではない、ホイールバランスの崩れ、エンジンマウントの劣化などです。
したがって、シミー現象を防ぐために、定期点検やメンテナンスをしっかり行い車の健康を維持しましょう。
たとえばタイヤの偏摩耗を防ぐためには、タイヤの空気圧を適正に保ち、タイヤの溝が深くなる前に交換することが大切です。
また、ホイールのバランスを調整するに、タイヤ交換時にバランス調整を依頼した方がよいでしょう。
まとめ
シミー現象は車種に限らず起こりうる現象です。軽いものであれば運転続行が可能かもしれませんが、車体が大きく揺れるほどのものであれば運転も困難となるでしょう。
ハンドルが効かず大きな事故につながる、ということも可能性として十分に考えられます。
シミー現象の主な原因としてはタイヤなどの品質低下やサスペンションなどの一部機能の経年劣化などが挙げられます。定期的にメンテナンスをすることで車の質を保つことが大切です。