水素自動車の仕組みとは?ガソリン車や自動車との違いや魅力について紹介!

水素自動車は、水素を燃料とする車です。
また、水素と酸素の燃料電池で走る車は「水素燃料電池車」と呼ばれています。

近年では資源の枯渇や環境への配慮から、水素自動車に注目が集まりつつあります。
なかには、水素自動車の購入を検討している人もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、水素自動車の定義やガソリン車、EV車との違い、魅力などについて詳しく解説していきます。

関連記事:燃料電池車と水素自動車の違いとは。メリット・デメリットも解説

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そもそも水素自動車の定義とは?

水素自動車とは、水素を燃料とする車です。
ガソリン車は、燃料として「ガソリン」を燃焼させますが、水素自動車は「水素」を燃焼して走行します。

燃料となる水素は、「水素ステーション」で補給します。
しかし、2022年12月現在において、ガソリンスタンドと比べても「水素ステーション」の普及はまだまだです。

また、水素と酸素を燃料電池に取り込んで発電・モーターを回して走る車は、「水素燃料電池車(FCEV) 」と呼ばれています。
通常の乾電池と違い、水素と酸素を化学反応させて発電することが特徴です。

水素燃料電池車も燃料に水素を使いますが、水素自動車とは原理が異なります。
水素自動車と水素燃料電池車を混同して「水素自動車」と呼ばれるケースも多いため注意しましょう。

水素自動車が動く仕組みとは?

水素自動車は、水素と空気を直接燃焼させ、ピストン運動を起こすことによって推進力を生み出します。
なお、燃焼させる過程で発生するのは水蒸気のみであるため、有害物質をほとんど発生させません。

ガソリンやディーゼルエンジンに搭載されている内燃機関を、水素エンジンに改良しています。

水素自動車とガソリン車、EV車の違い

水素自動車とガソリン車、電気自動車には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

それぞれの違いは、以下です。

ガソリン車との違い

水素自動車とガソリン車の大きな違いは、走行時における「二酸化炭素の排出量」です。

水素自動車は燃料に水素を使うため、二酸化炭素は一切排出しません。
走行中には「水蒸気」のみ排出します。

電気自動車との違い

水素自動車と電気自動車は、そもそも駆動の仕組みが異なります。
水素を燃焼させて走行する水素自動車の仕組みは、基本的にガソリン車と同じです。

一方、電気自動車は、蓄電池を原動力として走行します。

水素燃料電池車と電気自動車の違い

双方の違いは、「電池の種類」です。
電気自動車には、モーターを駆動させるために蓄電池が搭載されていますが、水素燃料電池車には燃料電池が搭載されています。

蓄電池は電力を蓄えるだけで、発電機能はありません。

一方、燃料電池は発電機能があります。
そのため、水素燃料電池車は1回の補給で、約650~750km走行可能です。
なお、電気自動車は、1回の充電で約400km走行できます。

また、充填方法と充填時間にも違いがあります。

電気自動車は専用ステーションだけではなく、家庭での充電も可能です。
しかし、急速充電でも約15分~40程度の時間がかかることを理解しておきましょう。

一方で、水素燃料電池車は、専用の水素ステーションのみで燃料の補給が可能です。

充填は、約3分程度で完了します。

水素自動車の魅力について

水素自動車の魅力は、以下です。

・環境汚染を防ぐ
・燃料補給に時間がかからない
・走行中の静音性が高い

ここからは、それぞれの魅力について詳しく解説します。

環境汚染を防ぐ

水素自動車の魅力は、走行中に二酸化炭素を排出しないことです。
高負荷運転における水素と酸素を燃焼する際に窒素酸化物が発生しますが、ガソリン車に比べると、排出量はそれほど多くありません。

また、水素自動車が燃料として使用する水素は、水や天然ガスから無限に作り出すことができます。

そのため、ガソリン車のように燃料が枯渇することはありません。
このように、水素自動車は「大気汚染」と「使用する資源」という2つの観点で環境にやさしい車であるといえます。

燃料補給に時間がかからない

水素自動車であれば、充填が1回あたり約3分で完了するため、ガソリン車と変わりはないでしょう。
1回の充填で走行できる距離も約650~750kmとなっており、ガソリン車の航続距離と遜色ありません。

走行中の静音性が高い

水素自動車は、ガソリン車のようにエンジンの振動や排出音が少ないため、走行中でも静音性を保つことができます。
そのため、走行音が原因でトラブルに繋がるケースは少ないといえるでしょう。

走行中の静寂性や快適性を重視したいという人は、水素自動車の購入を検討することをおすすめします。

水素自動車の懸念点

さまざまな魅力がある水素自動車ですが、懸念点も存在します。

主なデメリットとして、次の2点です。

・水素ステーションが少ない
・車両価格が高い

以下で、詳しく見ていきます。

水素ステーションが少ない

2022年6月末時点における水素ステーションの数は、全国159箇所となっています。
主な設置場所は都市部に集中しているため、ガソリンスタンドのような利便性はないと考えたほうがよいでしょう。

なお、水素ステーションの建設コストは、ガソリンスタンドの約4~5倍にもなります。
そのため、近々に設置数が増えることは、難しい可能性が高いです。

水素自動車の利用を検討しているという人は、自宅や利用するエリアの近隣に水素ステーションがあるかどうかを事前に確認しておくことをおすすめします。

車両価格が高い

ガソリン車やディーゼル車の部品や性能を引継ぎ・活用すれば、水素燃料電池車に比べて安価に製造できる可能性があるでしょう。
水素エンジンは低純度の水素も使えるため、水素の生成コストも下げられます。

しかし、水素電池車は燃料となる水素の貯蔵や搬送コスト、燃料電池のコストがかかるため、車両価格が高くなる傾向にあります。

特に燃料電池は、採掘や精錬コストが高いレアメタルを使っているため、価格が高くなる傾向にあるでしょう。
蓄電池を使用している電気自動車やハイブリッド車に比べても、車両価格は高価といえます。

さらに、水素燃料電池車が使用する水素は、純度99.97%以上に限られているため、場合によってはガソリン車よりも燃料費が高額になる可能性もあるでしょう。

まとめ

水素自動車には、環境にやさしく、二酸化炭素を排出しないといった多くの魅力があります。
その一方で、燃料を補給する水素ステーションが少ないため、利便性が低いといえるでしょう。

政府では、水素自動車の普及を目指してさまざまな施策を行うと表明しています。

今後は、水素ステーションが増える可能性も考えられますが、広く普及するまでには時間がかかるかもしれませんね。

電気自動車に変わる新たな選択肢として広く普及されるか、今後も注目すべきトピックといえます。

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