エンジンブレーキとは?フットブレーキとの違いや使うメリット・デメリットなどを解説
車を運転する方の中には、エンジンブレーキについて詳しくない方もいらっしゃるかもしれません。
エンジンブレーキは、車の減速方法の種類です。
上手に使いこなせれば、燃費の向上や事故のリスク低減につながります。
この記事では、エンジンブレーキとフットブレーキの違い、エンジンブレーキを使うタイミング、メリットなど詳しく解説します。
車の燃費が良くなりガソリン代を抑えたい方、山道や高速道路をよく運転する方、車の運転時の事故を防止したい方、ぜひ最後までお読みください。
INDEX
エンジンブレーキとは
エンジンブレーキは、アクセルを踏まずエンジンの出力を抑えることで、車の速度を落とす方法です。
何か特別な機能があるわけではありません。
例えば、車を運転していて、アクセルから足を離すと自然にスピードが落ちますが、この減速の仕方が、エンジンブレーキです。
知らなかっただけで、日常的に使用されていた方は多いのではないでしょうか。
エンジンブレーキの減速の仕方
エンジンブレーキを使うと、車のスピードは緩やかに減速します。
前方の車のブレーキランプが点灯していたり、信号が赤になっている、つまり車の減速が必要とわかったらエンジンブレーキを使いましょう。
エンジンブレーキの使い方
エンジンブレーキは基本的にアクセルから足を離すだけで作動します。
オートマの場合はギアを「D(ドライブ)」に入れたまま、ミッション車であれば「ニュートラル以外」のギアに入れたままにしておく必要があります。
ただ、より強くエンジンブレーキをかけたいのであればギアを下げましょう。
低いギアに切り替えるほど、スピードの減速力は強くなります。
注意点として、低いギアに切り替えるときは、「D」→「2」→「L」のように1段ずつ順に切り替えましょう。
エンジンブレーキのメリットとデメリット
エンジンブレーキを上手に使いこなせば、車の燃費が良くなります。
アクセルペダルから足を離すと、燃料であるガソリンがエンジンに供給されない、つまり燃料の消費量を抑えることができるからです。
またエンジンブレーキを使うことで、ブレーキパッドの消耗を防ぎます。
ブレーキパッドの消耗を抑えることができるため、結果ベーパーロック現象・フェード現象などを防ぎ、事故の防止につながります。
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エンジンブレーキのデメリット
エンジンブレーキを使いすぎると、エンジンやトランスミッションへの負担が大きくなり、故障のリスクが生じます。
車検や定期検査のときに、確認しておきましょう。
またエンジンブレーキの使用中、ブレーキランプが点灯しないことから、後続車には「前方の車もスピードを落としていないから、このままのスピードで問題ない」と思わせてしまう可能性も。
その結果、車間距離が縮まり、追突してしまうリスクもあります。
エンジンブレーキを使用するときは、まずはエンジンブレーキを使ってスピードを徐々に減速させ、途中からフットブレーキも使用すると、追突するリスクも小さくなるでしょう。
フットブレーキについて
フットブレーキは、ブレーキペダルを踏み、車の速度を落とす方法です。
ブレーキペダルを踏むことでタイヤの動きを直接止めることが可能です。
そのため、エンジンブレーキで減速するよりも、急な減速ができます。
フットブレーキの減速の仕方
フットブレーキの減速は、ブレーキペダルを踏む力によって変わります。
優しく踏めば減速するスピードも緩やかですし、強く踏めば急な減速が可能です。
歩行者や自転車が急に飛び出してきたなど、止むを得ない場合を除き、急ブレーキをなるべく使わないように運転をすると、同乗者も安心できるドライブになるでしょう。
フットブレーキの使い方
ブレーキペダルを踏む力によって、減速を調整できるフットブレーキ。
信号の色や前方車の様子を確認しながら、適宜踏みましょう。
急ブレーキにならず緩やかな減速を心がけるだけで、燃費も良くなりますし、同乗者の方も「この人、運転上手。素敵!」と思わせることができるかもしれません。
フットブレーキのメリットとデメリット
フットブレーキを使えば、歩行者や自転車などが急に飛び出してきた際、急停止することが可能なメリットがあります。
エンジンブレーキはゆるやかに速度を落とす方法であるため「あっ」と思ったときにアクセルから足を離しただけでは間に合いません。
ただ、急ブレーキは急停止できる一方で、その反動で運転者や同乗者が鞭打ちになるなどデメリットもあります。
したがって、止むを得ない場合を除き、急ブレーキは使わないようにしましょう。
併せて、フットブレーキを使いすぎることで、ベーパーロック現象やフェード現象が起こるリスクの向上がデメリットとして考えられます。
ベーパーロック現象・フェード現象とは、ブレーキペダルを踏んでも車が減速しないという現象です。
この原因は、フットブレーキの使い過ぎによる車体の部品の消耗です。
関連記事:車の各部位・部品の名称や役割、メンテナンスの方法を外装・内装ごとに解説
エンジンブレーキとフットブレーキの違い
エンジンブレーキとフットブレーキは、どちらも車の減速方法です。
両者の違いは、減速する仕組み、そして減速力にあります。
違いを表にまとめました。
エンジンブレーキ | フットブレーキ | |
仕組み | エンジンの出力を抑えることで減速 | タイヤの動きを制御することで減速 |
減速の仕方(減速力) | 緩やかに減速させる | エンジンブレーキよりも急な減速・停止が可能 |
使い方 | ①アクセルペダルから足を離す ②シフトダウン(ギアを1段ずつ低いギアに切り替える) | ブレーキペダルを踏む |
ブレーキランプの点灯 | 点灯しない | 点灯する |
メリットデメリット | 燃費が良くなる 重大事故の防止につながる 故障のリスクも | 急停止するならフットブレーキ ベーパーロック現象・フェード現象が起こるリスク |
エンジンブレーキとフットブレーキは併用すべき
エンジンブレーキとフットブレーキは、併用して問題ありません。
むしろ高速道路、スピードが出やすい下り坂や山道などでは、積極的にエンジンブレーキを使用した方が良いです。
理由はエンジンブレーキを使用しないと、燃費も悪くなります。
さらにブレーキペダルへの負担が大きくなればベーパーロック現象・フェード現象へとつながってしまうからです。
高速道路、スピードが出やすい下り坂や山道などでは、エンジンブレーキとフットブレーキを併用し、車への負担を減らしながら、安全なドライブをしましょう。
エンジンブレーキはどこで使うべき?
エンジンブレーキを使った方がよいシーンを確認しておきます。
エンジンブレーキを使うべき主なシーンは、以下です。
- 高速道路での減速
- 長い下り坂
- 滑りやすい路面や山道での減速
- 信号前での減速
高速道路での減速
高速道路で減速する際は、まずエンジンブレーキを使用します。
その次にフットブレーキを使用し微調整を行うことで、よりスムーズな減速が可能です。
エンジンブレーキを使わずに、フットブレーキのみで減速すると、かなりのスピードが出ていることもありブレーキパッドの消耗も早まってしまうでしょう。
長い下り坂
長い下り坂においても、一般道での走行と比較しスピードが出やすいです。
したがって長い下り坂で減速する際は、エンジンブレーキをメインに使用し、フットブレーキにてスピードの微調整を行いましょう。
フットブレーキの負担を軽減するだけではなく、下り坂を安全に走行することができます。
滑りやすい路面や山道
滑りやすい路面での減速においても、まずはエンジンブレーキを使用します。
理由は、タイヤの滑りを防止できるからです。
また山道も「信号が少ない」「真っ直ぐの一本道で運転しやすい」などの理由から、スピードが出やすいです
しかしそのスピードでカーブを曲がろうとすると、うまく曲がれずに事故になるケースも。
山道を運転する際も、カーブがあると分かったらエンジンブレーキで減速し、フットブレーキでスピードを調整しながら事故のないように運転しましょう。
信号前での減速
一般道においても前方の信号が赤と分かったら、エンジンブレーキにて減速しフットブレーキでスピードを調整すると、燃費も良くスムーズに停車することができます。
フットブレーキはどこで使うべき?
フットブレーキを使うべき主なシーンは、以下です。
- 急減速・急停止が必要な場合
- エンジンブレーキのみでは十分に減速、停止できない場合
急減速・急停止が必要な場合
「歩行者や自転車が急に飛び出してきたため回避する」「前方の車が急に停止した」など、急停止・急減速が必要な場合、フットブレーキを使いましょう。
ブレーキペダルを強く踏むほど、スピードは急減速・急停止しやすいです。
ただし急減速・急停止をすることで、運転者や同乗者の鞭打ちなどの怪我、後続車との接触事故など、リスクもあります。
普段の運転では、止むを得ないケースを除き、急減速・急停止をなるべくしないことを心がけましょう。
エンジンブレーキのみでは十分に減速、停止できない場合
高速道路や下り坂、山道などスピードがかなり出ている状況においては、エンジンブレーキのみで十分に減速、停止できることは難しいケースがほとんど。
したがって、エンジンブレーキで減速を開始したあと、適度にフットブレーキを使い車のスピードを調整しましょう。
エンジンブレーキとフットブレーキをうまく併用し、安全なドライブを!
「アクセルを踏まない」「ギアを低速に切り替える」ことで、エンジンの出力を抑えスピードを減速させるエンジンブレーキ。
ブレーキペダルを踏み、タイヤの動きを制御することでスピードを減速させるフットブレーキ。
車の運転において、燃費も良くしかも安全なドライブを実現するためには、エンジンブレーキとフットブレーキをうまく併用することがポイントです。
特にエンジンブレーキを使いこなせれば、ベーパーロック現象・フェード現象など重大な事故につながるリスクを小さくすることができます。
車を運転する機会がある方は、ぜひフットブレーキだけではなくエンジンブレーキも使いこなし、安全安心のカーライフを実現しましょう。