眼帯で運転できる?発生するリスクや運転できない車を紹介

目の病気になったりけがを負ったりしたときは、治療の一環として眼帯を使用することがあります。

眼帯をつけると片方の目の視界が完全に遮られてしまいますが、着用したまま運転してよいか悩む人もいるでしょう。

この記事では、眼帯で運転しても大丈夫なのかをわかりやすく解説します。

また、眼帯で運転する場合のリスクや、片目のみ見える状態では運転不可の車、けが・病気によって運転免許が停止するケースなども併せて紹介します。

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眼帯で運転しても大丈夫?

目のトラブルによって眼帯をつける必要がある際は、そのまま運転してよいか不安な人もいるでしょう。
ここでは、眼帯装着時の規制や、片目運転に必要とされている視力について解説します。

眼帯でも交通違反にはならない

眼帯をつけていても、片目で正しい状況判断ができる場合は交通違反になる可能性は低いです。
運転するときに視力や手足に異常がなければ問題ありません。

ただし、違反となってしまうケースもあるため、運転時における視力の条件を満たしているかを確認する必要があります。

片目の視力0.7かつ視野角150度以上が必要になる

普通自動車の運転免許証を取得・更新するためには、両目の視力が0.7以上あり、片目の視力がそれぞれ0.3以上であることが条件です。
片目の視力が0.3未満であれば、より見える方の目の視力が0.7以上、視野角が150度以上と定められています。

つまり、眼帯をした状態でも片目の視力が0.7以上で、視野角が150度以上ある場合は、運転免許の視力の条件を満たしていることになります

メガネやコンタクトなどによって視力を矯正している場合でも、条件さえ満たしていれば運転は可能です。

眼帯をつけていない目の視力が0.3未満の場合は、基準を下回ってしまうため、眼帯を外せる状態になるまで運転はできません

なお、原付や小型特殊自動車の場合は両目の視力が0.5以上、視力が0.5未満の場合はもう片方の目の視力が0.5以上、視野角が150度以上必要です。

眼帯で運転すると発生するリスク

視力の条件を満たしていれば交通違反にはならないものの、眼帯を使用して運転することで以下のようにさまざまなリスクが発生します。

  • 視野が狭くなる
  • 遠近感が失われる
  • 事故発生時に過失を疑われる

ここでは、眼帯をつけて運転すると発生するリスクとその対処法について解説します。
眼帯を着用して運転する可能性がある人は参考にしてください。

視野が狭くなる

眼帯をつけると視野が狭くなるため、大きな死角ができます。死角が大きくなると障害物に接触してしまう可能性が高まります。

また、有効視野の広さが両目に比べて片目では狭くなる点もリスクの一つです。
有効視野とは、比較的明確に認知できる範囲の視野で、注意力が上がると狭くなるといわれています。運転時には有効視野が大きく関与するとされているため、眼帯をつけているときは衝突する可能性が高まるといえるでしょう。

眼帯をしながら運転するときは速度を出し過ぎず、車の周りの安全確認を徹底するようにしましょう。

関連記事:免許証を取るときの視力の条件は?合格できるコツや練習があるって本当?

遠近感が失われる

人間は両目で物を見ることで立体感を認識しているため、眼帯によって片目が塞がれてしまうと遠近感を把握しづらくなります。
遠近感がわからない状態で走行するのは危険です。車間距離が近くなりすぎて、前の車と衝突してしまう可能性があります。

眼帯で遠近感がわからないときは、普段よりも広く車間距離を開けるようにしましょう。

事故発生時に過失を疑われる

眼帯をしたまま事故を起こしてしまうと、過失による責任を追及される可能性があります。眼帯によって視野が狭くなったり、遠近感がわからなくなったりすることを自覚した上で、運転したと判断されることがあるためです。

眼帯をつけて運転するときは、普段よりも注意しつつ運転する必要があることを認識しておきましょう。

眼帯で運転できない車とは

運転免許の種類によっては片目での運転ができない車があります。眼帯をつけているときに運転してはいけない車の種類は、次のとおりです。

  • 大型
  • 中型
  • 準中型
  • けん引
  • 二種

ここでは、眼帯で運転できない車の特徴や、免許取得に必要な視力の基準を説明します。

眼帯で運転できない車の特徴

大型や中型免許で運転できる車は、バス・トラックなどです。

長距離移動の機会が多く、事故を起こしたときに被害が大きくなりやすいことから、普通自動車の免許よりも視力の条件が厳しく設定されています。

車を運転するときはミラーで後方確認を行うため、片目に眼帯をしていたり、片目の視力が低くなってしまったりすると遠近感がつかめなくなることがあります。

普通車とは異なり車体が大きく、距離感を見誤ると接触事故につながりやすいため、両目がしっかり見える状態でない限りは運転できません。

免許取得に必要な視力の基準

メガネ安全運転


片目では運転できない車の運転免許は、両目の視力が0.8以上で片目の視力が0.5以上あることが取得・更新の条件です。普通自動車の運転免許には片目が見えていない場合の条件がありますが、大型や中型自動車には両目の条件のみ定められています。

さらに、普通免許の条件にはない深視力の検査も必要です。深視力とは遠近感を測る検査のことです。三桿法で物を立体的にとらえる能力を測定し、合格基準は3回検査を行ったときの平均誤差が2cm以内と規定があります。

視力の基準を満たせなかった場合は、休憩を挟んでから再検査を受けるか後日再検査を受けるかを選択できます。

メガネやコンタクレンズを作ってからでも受け直せるため、一度合格基準に達していなくても心配する必要はありません。

なお、不合格になった場合でも、中型第一種免許(8トン限定)や準中型第一種免許(5トン限定)などの免許は取得できます。

関連記事:免許更新時にカラコンをつけてもよい?ケース別での装着の可否についても解説

けがや病気で運転免許が停止するケースがある

視力の低下や失明が起きた場合でも、片目が運転免許の視力に関する条件をクリアしていれば運転することは可能です。

一方で、けがや病気によって運転免許の停止や変更が発生するケースもあります。

左足の骨折

左足を骨折している場合は、車のトランスミッションの違いによって運転不可となる場合があります。左足を骨折している場合でも、AT車なら運転に支障はありません。

しかし、MT車の場合はクラッチを使うため、正常な運転が困難な状態にあるといえます。

免許更新のタイミングで左足を骨折してしまった場合は、AT限定の条件がついてしまう可能性があるでしょう。

関連記事:手首骨折後の車の運転はいつからできる?違反に該当するケースもあるため要注意!

病気

統合失調症・てんかん・躁鬱・睡眠障害など運転する上で判断・操作の能力が低下するおそれがある病気に該当する場合は、免許が取り消し・停止になる可能性があります。
しかし、いずれも病気にかかっているだけで免許取り消し・停止になるわけではなく、運転中に影響がないケースや再発する可能性がないケースなどであれば運転できます。

なお、運転能力が欠如するおそれのある病気にかかり免許が取り消された場合でも、症状が改善して再取得できる状態まで回復した場合は、取り消しになった日から3年以内であれば技能試験・学科試験が免除されます。

免許を取得する際には病気の申告が必要です。診断書の提出が求められる場合もあり、医師から運転を控えるよう指導されることもあります。運転に影響がある病気にかかった際は、できる限り運転しないように心掛けましょう。

認知症

認知症


医師から認知症と診断された場合は、安全な運転ができない可能性があるため基本的に車の運転は禁止です。

75歳以上の場合は、3年に一度の免許更新の際に認知機能検査を受ける必要があり、結果によっては免許の取り消し・停止が行われます。

家族が認知症になった場合は、免許を返納させて運転しないようサポートする必要があります。

関連記事:免許取消しされるとどうなる?条件や再取得する方法などを解説

まとめ

普通自動車の運転免許を取得するための視力の基準をクリアしているのであれば、眼帯をつけたまま運転しても交通違反になることはありません。

しかし、視力の基準を満たしていない場合は眼帯を着用したまま運転はできないため、事前にルールを確認しておきましょう。

なお、視覚が狭くなったり遠近感が失われたりなど、さまざまなリスクが発生するため基本的には眼帯をつけて運転することは推奨できません。思わぬ事故を引き起こさないためにも眼帯を着用した状態での運転は控えるようにしましょう。

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