ガソリン価格はいつ下がる?価格推移や決定要因、今後の動きについて解説!
物価高が進む中、ガソリン価格も高騰すると出費が増えてしまいます。
生活にかかる負担が大きくなっていく中で、いつガソリンの価格が下がるのか気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ガソリン価格の推移や決め方、今後の動きについて解説するとともに、お得に給油するポイントについても解説していきますのでぜひご参考になさってください。
ガソリン代の負担が少しでも減らせるヒントになれば幸いです。
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INDEX
2024年7月レギュラーガソリン価格は175.9円まで高騰
まずは、現時点でのガソリン価格について紹介します。
経済産業省資源エネルギー庁 (燃料価格激変緩和補助金)によると7月29日時点で1L(リットル)あたり175.4円とのことです。
燃料油価格激変緩和対策事業による補助金の制度変更により、2023年10月あたりから173円台〜175円台で留まっておりますが、2024年7月16日には175.9円(全国平均価格)まで上がりました。
22日時点で175.4円まで下がってはいるものの、高止まり傾向にあります。
円/L | レギュラー | 軽油 |
2024年7月1日 | 175.6 | 155.2 |
2024年7月8日 | 176.2 | 155.8 |
2024年7月16日 | 175.9 | 155.6 |
2024年7月22日 | 175.4 | 155.0 |
ガソリン価格はいつ下がる?
経済産業省はガソリン価格の高騰を受け、2022年1月から「燃料油価格激変緩和対策」を実施しています。
燃料油価格激変緩和対策は、原油価格の高騰により、コロナ禍からの経済回復が妨げられることを防ぐとともに、原油価格の変動による家計への影響を最小限にすることを目的として実施されている対策です。
燃料油価格激変緩和対策では、石油精製業者や石油輸入業者などの原油元売り業者に原油価格に応じて補助金が支給されます。これにより、ガソリンの小売価格の値上がりを抑制することが可能です。
ただし、ガソリン価格そのものを下げるための対策ではないことを覚えておきましょう。
7月25日〜31日で1Lあたり30.8円の補助が発生しており、補助がなければ206円程度の見込みとなります。
ガソリン価格の推移
現在のガソリン価格を見るだけでは、高いのか安いのかの判断ができません。
ここでは、過去5年のガソリン価格の推移を表にまとめて解説していきます。
最近7年のガソリン価格
過去7年間のガソリン価格の推移は以下の通りです。
ハイオク看板価格(円/L) レギュラー看板価格(円/L) | |
2018年4月 | 149 138 |
2019年4月 | 152.6 141.8 |
2020年4月 | 133.6 122.6 |
2021年4月 | 155.3 144.4 |
2022年4月 | 176.7 165.8 |
2023年4月 | 166.3 155.4 |
2024年4月 | 173.5 162.5 |
※参考元:e燃費│最近5年間のレギュラー価格
ハイオクとレギュラーどちらの価格も2020年に大きく下がっていることが分かります。
その後、2021年から再び高騰しており、いつ下がるのか不透明な状態です。
関連記事:「レギュラー」「ハイオク」「軽油」の違いとは?実はよく知らないガソリンの種類を解説
2020年|新型コロナウイルスの流行
2020年にガソリン価格が大きく下がった理由として、新型コロナウイルスの流行による原油の需要低下が挙げられます。
新型コロナウイルスが世界的に流行し、外出の機会が減りました。それに伴い、車を運転する機会も減ってしまいました。運転の機会が減少すれば、その分ガソリンの消費がされません。
そのため、原油の需要が低下し、ガソリン価格も大きく低下しました。
2021年|アメリカでハリケーン発生
2021年にアメリカで起きたハリケーンによる石油施設被害の復旧の遅れもガソリン価格が高騰した原因の一つといわれています。
2022年|激変緩和対策事業の発動
コロナウイルスの感染拡大がおさまり始めた2021年あたりから原油の需要が高くなり、ガソリン価格が再び高騰しています。
2022年1月、レギュラーガソリンの全国平均価格が発動要件である1リットルあたり170円を超えたため、175円以下に抑えるため発動しました。
端的に言えば、1リットルあたり5円を上限として補助金を支給する制度です。
2022年|ロシアによるウクライナ侵攻
ロシアのウクライナ侵攻に対する経済制裁により、産原油の供給が不安定になったことで、原油価格は高騰、ガソリン価格も上昇しました。
2022年|激変緩和対策事業新制度の発動
1リットルあたり5円の支給では175円以下に抑えるのが不可能なため、上限を段階的に引き上げています。
このことで、まだ175円前後に保てている部分もあります。
円安の進行
2020年以降、日米の金利差拡大などを背景に円安が進んでいます。原油はドル建てで取引されるため、円安はガソリン価格の上昇要因となります。
2024年に入ってもまだ、毎日のようにニュースになっているように円安が止まる気配が不透明なこともガソリン価格がいつ下がるのか傾向を掴めない要因となっています。
関連記事:【2024年】今、ガソリン車を買うべきか?ガソリン車はいつまで乗れる?
原油価格が決まる要因
ガソリンの価格は、ガソリンの原油価格(本体価格)の変動によって左右されます。
ガソリンの原料である原油は、原油輸出国から輸入しています。
そのため、原油価格は原油輸出国の情勢に大きく影響されるのが特徴です。
原油の需要が高まればガソリン価格が高騰し、原油の需要が低下すればガソリン価格も低下します。
そのため、原油価格が低下するタイミングで輸入すれば、ガソリンの価格も安くなるという仕組みです。
ただし、ガソリンは原油を輸入したあとに国内で精油して作られるため、輸入から販売までに約1ヶ月間かかります。
ガソリンスタンドで掲示されている1リットルあたりのガソリン価格には、ガソリンの本体価格以外に4つの税金が含まれています。4つの税金とは、「石油税」「ガソリン税(本則税率)」「ガソリン税(暫定税率)」「消費税」です。
ガソリン税とは
ガソリン税に含まれるのは、「揮発油税」「地方揮発油税」の2つです。
ここでは、それぞれの税金の内訳について詳しく紹介します。
「揮発油税」と「地方揮発油税」とは?
揮発油税と地方揮発税は、どちらもガソリン本体の価格にかけられている税金です。
2つは納税先が異なり、揮発油税は国に支払われ、地方揮発税は地方公共団体に支払われます。
1Lあたり、揮発油税が48.6円、地方揮発油税は5.2円です。この2つを合わせた53.8円がガソリン税の内訳となります。
ガソリン価格は税金が多くを占めている
ガソリン代は、ガソリン本体の価格が多く占めていると思われやすいですが、実際はガソリン税を含む税金関連が多くを占めています。
例として、1Lあたりのガソリン代が168円だった場合で計算すると、結果は以下のとおりです。
ガソリン税 | 53.8円 |
石油石炭税 | 2.8円 |
消費税 | 15.27円 |
本体価格 | 96.13円 |
合計 | 168円 |
この場合、ガソリン本体価格が全体の57%で、税金は42%になり、ガソリン代の約半分を税金部分が占めていることがわかります。
なお、ガソリン税や石油石炭税などの税金はガソリン本体の価格に関わらず常に一定の金額が課される仕組みです。そのためガソリン代は、ガソリン本体の価格が安くなるほど税金の占める割合が大きくなります。
ガソリン税が課税される理由
ガソリン税はもともと道路整備の財源として確保するために作られたのがはじまりです。
ガソリン税は当初、税率が58.3 円ではなく28.7円が本来の金額でした。
しかし、道路整備に必要な費用が足りなくなったことから、一時的な処置として「暫定税率」が課せられているという背景があります。
この暫定税率の制度自体は廃止されましたが、同じ税額の「特例税率」が課されており、税水準は変わらずそのままであるのが現状です。
ガソリン税は、国や自治体にとって貴重な財源でもあり、その額は数千億円にものぼります。
また、今では道路整備のほかに、公共事業に必要な一般財源としても使われているため、税率を下げるのは避けたいと考えられるでしょう。
ほかにも税率を下げる動きとして「トリガー条項」という処置も検討されました。
トリガー条項とは、ガソリン価格の高騰期間が3ヶ月以上続いた場合、暫定税率を停止させる処置です。
しかし、東日本大震災の復興用の財源を確保するため、一時凍結されており、現在も施行が停止された状態が続いています。
ガソリン価格に含まれる税とは
ガソリンにはガソリン税以外にも、石油石炭税や環境税などの税金もかけられています。
石油石炭税とは石油製品や天然ガスに課される税金です。また、環境税は石油石炭税に上乗せされる形で課税されています。
環境税の本来の名称は「地球温暖化対策のための税」であり、地球温暖化の要因である二酸化炭素量の排出を抑制する目的で導入されました。
これらの税金と本来価格を合わせた金額に消費税を加えた費用が、ガソリン価格になります。
つまりガソリン代は「税金に対してさらに税金を支払う」という二重課税に近い状態になっており、ガソリンに関する問題のひとつとされています。
なお、ガソリンを含む石油製品にかけられる税金は石油諸税といわれ、主に以下の6種類です。
ガソリン税(揮発油税+地方揮発油税) | 一般財源 |
石油石炭税 | 燃料の安定供給や省エネ対策 |
石油ガス税 | 一般財源 |
軽油引取税 | 一般財源 |
航空機燃料税 | 空港整備用 |
地球温暖化対策のための税(環境税) | CO2排出抑制対策 |
たとえば、1リットルあたりのガソリン価格が150円の場合、ガソリン本体の価格以外に以下のように各税金の金額も含まれています。
- ガソリン本体価格:約82円
- 石油税:約3円
- ガソリン税(本則税率):約28.7円
- ガソリン税(暫定税率):約25.1円
- 消費税:10%
このように、ガソリン価格の約55%が本体価格で、残りの約45%は税金です。
これらの税金は、基本的には変動しません。
ハイオクとレギュラーの価格が違う理由
ガソリンには、ハイオクとレギュラーの2種類あり、1リットルあたりの価格はレギュラーよりもハイオクのほうが約10円高く設定されています。
ハイオクとレギュラーの価格が異なる理由は、オクタン価が異なるためです。オクタン価とは、ガソリンの異常燃焼の起こしにくさを表す値のこと。
オクタン価が高いほど、異常燃焼を起こしにくくなります。
ハイオクとレギュラーのオクタン価は、ハイオクが96以上、レギュラーは89以上です。
ハイオクには、オクタン価を高くするために多くの添加物が加えられています。
また、添加物が多い分、燃えカスも多く発生するため、燃えカスを洗浄するための洗浄剤も加えられています。
これらが、レギュラーの価格よりもハイオクの価格のほうが高く設定されている理由です。
ガソリンをお得に給油するには?
現在、ガソリンの価格が高騰しているため、少しでもお得に給油したいと考える人もいでしょう。
ここでは、ガソリンをお得に給油するためのポイントについて解説していきます。
給油する場所を考える
給油する場所を考えることがお得に給油できるポイントです。
給油に行く際もガソリンを消費するため、給油する際は目的地へ行く途中のガソリンスタンドや帰宅経路にあるガソリンスタンドなどをうまく活用しましょう。
これにより、無駄なガソリンの消費を防止することが可能です。
また価格が安いガソリンスタンドを探すことも大切ですが、ガソリンスタンドの場所が遠ければ到着するまでにその分のガソリンを消費するため、ガソリン代の節約効果が薄れる可能性があります。
給油する量を考える
ガソリンの量を満タンにしないこともお得に給油できます。
車の燃費は車両重量が重いほど悪くなります。
そのため、ガソリンを満タンにすることで車両重量が重くなり燃費も悪くなります。
ガソリンを給油する際は、ガソリンの量を満タンにせず、こまめに給油するようにしましょう。
現金以外の決済方法を利用する
ガソリンスタンドでは、現金以外にさまざまな決済方法が利用できます。
たとえば、クレジットカードやキーホルダー型の決済ツール、スマホ決済などの利用です。
現金以外の決済方法を利用することで、店舗によってはポイント還元や割引の適用などもあるため、お得に給油できます。
店舗によってポイント還元率や割引率などが異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
キャンペーンを活用する
ガソリンスタンドによっては、定期的に割引キャンペーンを行っています。
キャンペーンの情報は各ガソリンスタンドの公式サイトやSNSで確認することができます。
近くのガソリンスタンドやいつも利用するガソリンスタンドなどのキャンペーン情報をこまめにチェックして、節約のチャンスを逃さないようにしましょう。
まとめ
今回はガゾリン価格の推移や決まり方、節約する方法について解説しました。
ガソリン価格は、本体価格と税金によって決められています。
ガソリン価格が変動するのは、原油価格(本体価格)の影響によるものです。
原油価格は、原油の需要が高まれば価格も高くなり、需要が低下すれば価格も低下します。
2020年にガソリン価格が低下した原因は、新型コロナウイルスの流行により、原油の需要が低下したためです。
その後、原油の需要が高くなり、ガソリン価格が高くなっています。
経済産業省はガソリン価格の高騰を受け、原油元売り業者に補助金を支給する対策を取っているため、今後のガソリン価格は抑えられる可能性があります。
また、給油するときには、現金以外の決済方法やキャンペーンなどをうまく活用してお得に給油し、家計への負担を少しでも抑えましょう。