障害者用駐車スペースに停めていい車は?車椅子マークの意味や制度を紹介

多くの店舗や施設の駐車場には、車椅子マークが表記された障害者用の駐車スペースが設けられています。
障害者用の駐車スペースは、車椅子を使用する人や高齢者などが利用する専用のスペースです。

しかし、健常者が乗る車も駐車して良いのか、駐車した場合は違反や罰則の対象になるのか気になる人もいるでしょう。

この記事では、障害者用駐車スペースの利用について、車椅子マークの意味や制度を含めて説明します。

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障害者用駐車スペースとは

障害者用の駐車スペースは、車椅子を使っている人だけでなく障害者や高齢者、ケガ人などが安全に施設を利用できるように設けられています。

車椅子使用者が車両から乗り降りする際の負担を軽減するため、幅3.5m以上と通常よりも広いスペースが確保されており、出入口になるべく近い位置に設置されているのが特徴です。

また、バリアフリー法により障害者用の駐車スペースは設置台数が以下のように決められています。

・駐車台数が200台以下の場合:駐車台数×50分の1
・駐車台数が201台以上の場合:駐車台数×100分の1+2

車椅子マークの表記に加え、塗装やシートを貼り付けて障害者用の駐車スペースであることを目立たせている駐車場も多く、一般車のスペースとすぐに見分けがつくよう配慮されているのも特徴です。

障害者マークの種類

車椅子マークの他にも、車に障害者が乗っていることを示すマークがいくつかあります。
マークによって表す意味が異なるため、把握しておくことが大切です。

ここでは、障害者マークごとにそれぞれの意味を説明します。

車椅子マーク

車椅子マークは、国際リハビリテーション協会によって定められた「世界共通のシンボルマーク」です。
このマークがある場所は、障害者が利用可能な施設や建物であることを明示しています。

車椅子を使用する人に限ったマークと誤解されがちですが、車椅子使用者に限定しているものではなく、すべての障害者を対象としたマークです。

また、車椅子マークをつけている車を見かけることがありますが、車への貼り付けは義務ではありません。
障害者が乗車していることを周囲のドライバーへ周知する意味合いで、個人利用されています。

聴覚障害者標識

黄色い蝶のマークが貼り付けられている車は、聴覚に障害を持つ人が運転する車であることを意味しています。

運転免許に条件がつけられており、対象の障害者はワイドミラーを装着し、車両の前後に標識の表示が必要です。

なお、この標識がついた車に対して他の車が「幅寄せ」や「割り込み」をした場合は、やむを得ず行った場合を除いて、道路交通法の規定により罰則を受けます。

運転中に、黄色い蝶のマークがついた車を近くで見かけたときは、聴覚に障害がある人が運転している車であることを理解し、慎重な運転を心がけましょう。

身体障害者標識

白い四葉のクローバーマークが貼り付けられている車は、肢体の不自由な障害者が運転する車です。

聴覚障害者標識と同様に運転免許に条件がありますが、標識の表示は努力義務になっています。
努力義務とは「標識をつけて運転するよう努めなければならない」という意味で、仮に表示しなかった場合でも罰則を受けることはありません。

なおこの標識をつけている車に対して他の車が「幅寄せ」や「割り込み」をした場合は罰則を受けます。

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障害者用駐車スペースに停めていい車

車椅子を使用している人が車の乗り降りをする場合、車椅子の幅や介護者が手伝うための広いスペースを確保する必要があり、一般車の駐車スペースでは乗り降りが難しいでしょう。

そのため、障害者や歩行が困難な人が安全に施設を利用するために設けられているのが障害者用の駐車スペースです。

しかし、駐車場を利用したことがある人の中には、障害者用の駐車スペースに、健常者と思われる人が乗っている車が駐車している場面を見かけたことがある人もいるでしょう。

現状、障害がない人が障害者用の駐車スペースに駐車していても、取り締まりの対象にはなりません。
そのため障害がない健常者が駐車することにより、本来の利用対象者が駐車できず、施設を利用できないといった問題が起きています。

障害者用の駐車スペースは、駐車場を利用する人のマナーやモラルがあることを前提として作られているスペースといえるでしょう。
駐車できる車に関して、法律で定められてはいませんが、障害がない健常者が駐車することで困る人がいる場合があるのは事実です。

そのため、各地方公共団体では一般ドライバーに向けて、障害者用駐車スペースの必要性や適正利用の啓蒙活動が行われています。

障害者用の駐車スペースを守るパーキング・パーミット制度

日本の各地方公共団体では、障害者用の駐車スペースが正しく利用されるように「パーキング・パーミット制度」という制度が導入されています。

障害者や健常者など関係なく、駐車スペースを利用する人全員がこの制度について正しく理解し、活用することが大切です。

ここでは、パーキング・パーミット制度の内容について詳しく説明します。

パーキング・パーミット制度について

パーキング・パーミットは、障害者用駐車スペースの利用を必要とする人に利用証を交付し、適正に利用されるようにするための制度です。

利用証を発行することによって利用証を持つ車のみが駐車可能になり、本来利用を必要とする人が一般ドライバーの駐車によって利用できないといった状況を防ぎます。

2006年に佐賀県で導入されて以降、全国の地方公共団体で導入が進んでいます。
なお、各公共団体によって制度名が異なる場合があるため、自身が住む地域で制度が導入されているか確認する場合は注意しましょう。

また、多くの地方公共団体間で相互利用協定が結ばれており、自身が住む地域で発行された利用証を使って他の地域の駐車スペースを使用することも可能です。

地方公共団体によって利用対象者が異なる

パーキング・パーミット制度は、身体障害者や介護を要する高齢者、精神障害者、妊産婦、ケガ人など、歩行が困難な人など様々な人を対象に利用証を交付します。

利用対象者の要件は、制度を運用する地方公共団体によって異なります。
それぞれの区分によっても可否があるため、利用する際には確認が必要です。

また、妊産婦や一時的なケガによる利用者の場合、利用証に有効期限が設けられます。

有効期限満了後にそのまま利用できないよう、利用証の返納や有効期限を明記するなど、各地方公共団体によって不正利用防止の工夫が施されています。

利用証について

パーキング・パーミット制度を運用している駐車スペースを使用するには、利用証を掲示しておく必要があります。

利用証の掲示場所は基本的にバックミラーです。
所持していても掲示をしていなかったり、ダッシュボードの上や座席に置いたりすると利用できない車だと判断される可能性があります。

フロントガラス側に表面が見えるようにバックミラーにかけて掲示しましょう。

障害者の中には、外見だけでは障害があると分かりにくく、駐車スペースに停めづらいと感じる人もいるでしょう。

利用者は利用証を持つことで利用対象者であることを示すことができ、周囲は対象者であることを明確に把握できるのもパーキング・パーミット制度の利点の一つです。

まとめ

この記事では、障害者用駐車スペースの利用について詳しく説明しました。

障害者用の駐車スペースは、障害者や高齢者などが負担なく安全に駐車スペースを利用できるように設けられています。

障害がない健常者が停めていても取り締まりの対象にはなりませんが、必要としている人が駐車できず、施設を利用できない問題が生じるでしょう。

これらの問題を解消する取り組みとして、全国の地方公共団体にパーキング・パーミット制度の導入が促進され、駐車スペースの適切な利用が求められています。

駐車スペースを利用する人全員が快適に利用できるよう、思いやりを持って行動することが大切です。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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