車の安全装置とは?種類や安全性の高い車についてご紹介

自動車にはさまざまな安全装置が装備されていますが、その役割や種類を知っておくことは大切です。

安全性の高い車を選ぶ際には、どのような安全装置が備わっているかを確認することが求められますが、意外とそこまで見ていなかった、という方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、車の安全装置の種類や機能、さらに安全性能の高い車の特徴について紹介しますので、ぜひ最後まで読んでご参考になさってください。

安心して運転を楽しむために、車の安全装置を正しく理解しましょう。

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車の安全装置とは?

車の安全装置は、交通事故による死傷者数を減らすための装置で、現在ではADAS(先進運転支援システム)の導入も進んでいます。

これらの装置には、乗っている人の安全性を担保するものや他の関係者への被害を軽減するものなど、さまざまな種類が存在します。

国土交通省の調査によれば、安全装置の導入と性能向上により、2005年に比べて死傷者数が2019年には半分以下にまで減少しました。

しっかりとした安全装置がついている車に乗ることは、自分自身や社会全体を守る一環となるといえます。

また、日本では2021年11月から国産の新型車に対して、衝突被害軽減ブレーキ装着が義務化されています。

衝撃被害軽減ブレーキは、車両が前方の障害物や歩行者と接近し、衝突の危険がある場合に自動的にブレーキを作動させる装置です。交通事故が発生した際の被害を抑えるための取り組みの一環として、この義務化が行われました。

安全装置の導入による、交通事故における死傷者数の減少や、特定の人々の安全確保が重視されているといえるでしょう。

とくに、未就学児や高齢運転者といった交通事故のリスクが高い人々の安全確保が重要視されています。
衝撃被害軽減ブレーキの装着義務化により、事故を未然に防止することで、より安全な交通環境を実現することを目指しています。

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車の安全装置の種類

ホンダヴェゼルのモノコック構造(衝突安全設計ボディー )
衝突安全設計ボディ(ヴェゼル) |出典:本田技研工業株式会社

車の安全装置の種類には、大きく分けてパッシブセーフティ、アクティブセーフティの2種類があります。

ここではそれぞれの安全装置について詳しく解説します。

パッシブセーフティ

パッシブセーフティは、事故発生時に人体への損傷を最小限に抑えるための技術を指します。
受動的安全とも呼ばれ、車両自体と乗員の安全確保に焦点を当てています。

事故発生時にダメージを軽減するために、しっかりとした安全装置がついた車に乗ることが重要です。

パッシブセーフティは、乗員が自身の安全を確保するために重要なものといえます。

パッシブセーフティの代表例としては、下記の4つが挙げられます。

  • SRSエアバッグ
  • 3点シートベルト
  • チャイルドシート
  • 衝撃吸収構造ボディ

SRSエアバッグ

SRSエアバッグは、車の乗員をシートベルトと共に保護する装置です。
シートベルトを正しく着用している場合にのみ作動するため、しっかりとシートベルトを着用することが重要です。

3点シートベルト

3点シートベルトは、肩から斜めに腰までを覆い、腹部も横に覆うベルトのことを指します。

一般的に、運転席や助手席のベルトは3点シートベルトとなっていますが、後部座席の中央の席は腹部のみ2点ベルトが搭載された車も存在します。

チャイルドシート

チャイルドシートは、乳幼児の安全を確保するための装置です。

日本では、2000年4月1日に改正された道路交通法により、6歳未満の幼児を自動車に乗車させる際には必ずチャイルドシートを使用することが義務付けられました。

違反した場合は、減点1の罰則が科されます。

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衝撃吸収構造ボディ

衝撃吸収構造ボディは、事故時における車両の衝撃を少なくする構造のことを指します。

これにより、車内の乗員や歩行者への被害を軽減することが可能です。ボンネットやトランクは構造上潰れやすく設計されており、車内の空間を保護するため、衝撃の影響が軽減されます。

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アクティブセーフティ

アクティブセーフティは、事故を未然に防ぐための安全装置の総称です。

車両の進化とともに、事故が発生したときの対策ではなく、予防することが重要とされるようになり、注目度が上がってきています。

アクティブセーフティは、事故を未然に防ぐことに焦点を当て、より安全な運転環境を実現するために重要な役割を果たしています。

アクティブセーフティの代表例としては、下記の5つが挙げられます。

  • ABS
  • ESC
  • ACC
  • CMBS
  • 誤発進抑制機能

ABS(アンチブロック・ブレーキシステム)

ABS(アンチブロック・ブレーキシステム)は、急ブレーキによるタイヤのロックを防止するための安全装置です。

急ブレーキ時にタイヤがロックすると車両が制御不能になり、スピンや暴走してしまうことがあります。

ABSはタイヤのロックを防ぎ、車両の横滑りを抑制することで安定した制動力を確保します。

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ESC(横滑り防止装置)

ESC(横滑り防止装置)は、車両の横滑りやスピンを防止するための装置です。

旋回時にタイヤのグリップを監視し、必要に応じてブレーキを個別に制御することで車両の安定性が高まります。
これにより、悪路や急カーブでの安全性が向上し、ドライバーの操作ミスによる事故を防止します。

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ACC(全車速域定速走行・車間距離制御装置)

ACC(全車速域定速走行・車間距離制御装置)は、先行車との車間距離を一定に保ちながら、自動的にスピードを調整する装置です。

レーダーやセンサーを使用して先行車の動きを検知することで、必要に応じて自動的にアクセルとブレーキを制御し、渋滞時や長時間の高速道路走行などで安定した走行を実現、追突事故のリスクを低減します。

CMBS(衝突被害軽減ブレーキ)

CMBS(衝突被害軽減ブレーキ)は、追突事故を回避するために開発された安全装置です。

前方の障害物や車との距離を検知し、接近や衝突の危険がある場合に警告を発し、必要に応じて自動的にブレーキを作動させます。

ドライバーの注意力が途切れた場合や瞬時の反応が求められる状況で衝突被害を軽減します。

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誤発進抑制機能

誤発進抑制機能は、アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を防止するための装置です。

車両が停車している状態や低速走行中にドライバーが急にアクセルを踏んだ場合、搭載されたセンサーが前方の障害物を検知し、突然の発進を抑制し、誤操作による衝突や事故を防止する安全装置です。

安全性の高い車を紹介

ここでは安全性の高い車を3つご紹介します。

スバル|レヴォーグ

スバルが製造・販売しているレヴォーグは、自動車安全性能テストで最も高い点数を獲得しており、安全性において評価されている車です。

このモデルは、先進的な運転支援システムである「アイサイトX」をはじめて採用しており、JNCAPファイブスター大賞を取得した車です。

とくに予防安全と事故自動緊急通報という点で高い評価を得ています。

トヨタ|ヴォクシー

トヨタが製造・販売しているヴォクシーは、過去のモデルでは課題のあった運転支援システムにおいても、最先端のトヨタセーフティセンスが搭載されています。

レヴォーグと比較すると、安全性の評価は少し低くなっていますが、性能として大きな差はありません。

こちらも予防安全性能と事故時の自動緊急通報では高い評価を得ており、トヨタセーフティセンスの進化により安全性が向上しています。

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ヴォクシーのポチモのバナー

ホンダ|ヴェゼル

ホンダが製造・販売しているヴェゼルは、人気のあるコンパクトカーであるフィットの部品を活用して作られたコンパクトサイズのSUVです。

事故時の自動緊急通報という点で高く評価されており、衝突安全性能、予防安全性能のどちらもAランクに評価され、ファイブスター賞も受賞しています。

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ヴェゼル バナー

安全性の高い車の選び方

先進安全機能・運転支援機能説明(イメージ)
出典:スズキ株式会社 先進安全機能・運転支援機能説明(イメージ) 

安全性の高い車をどのように選べばよいのかと悩まれている人も多いでしょう。

ポイントとしては、運転を支援してくれるシステムの性能の高さで選ぶことが大切です。

運転支援システムの充実度も重要な指標ですが、その性能がどれだけ優れているかを確認する必要があります。
運転を支援してくれるシステムの性能には差があるため、客観的な性能テストや評価を参考に選ぶようにしましょう

万が一の事故が発生した際に、乗員や歩行者の被害をどれだけ軽減できるのかを考慮することも大切です。
衝突安全性能の評価や安全性のランキング情報を確認することで、安全性の高い車を選ぶことができます。

また、事故発生時に迅速な救助活動ができるかを考慮しましょう。
事故自動緊急通報装置の有無や性能について調べることで、安全性の高い車を選ぶことができます。

これらの観点から、第三者機関であるNASVAが実施しているJNCAP(日本自動車衝突安全性能評価プログラム)のテストは、ボディサイズに関係なく、客観的に安全性能を評価しているため参考になるでしょう。

まとめ

この記事では、車の安全装置の種類や機能、さらに安全性の高い車の特徴について紹介しました。

車の交通事故のなかで多い原因の一つが、脇見運転などの安全運転義務違反によるものです。

こういった事故を起こさないようにするためにも、普段から安全運転を心がけることに加えて安全装置の性能の高い車を選ぶようにしましょう。

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