坂道発進はどのように行う?手順やポイントについてご紹介!
信号待ちや渋滞などで車を停車させる際に、停車した位置が坂道のこともありますよね。
停車している位置が坂道で後続車がいる場合、後退しないかプレッシャーを感じてしまう人もいるかもしれません。
この記事では、坂道からスムーズに発進するための手順や、ポイントについて紹介していきます。
INDEX
坂道発進とは何か
坂道発進とは、信号待ちや渋滞などで、上り坂に停車している状態から発進させることです。
坂道発進時に、平坦な道路と同じような運転を行った場合、事故につながる可能性があります。
特に、MT車で坂道発進する際は注意が必要です。
MT車の場合、AT車よりも発進する際の操作が多いです。
したがって、坂道発進時に車が後ろに下がることに焦ってしまい、クラッチ操作に失敗して、結果エンストする可能性があります。
AT車における坂道発進の手順
ここでは、AT車で坂道発進を行う手順を、パーキングブレーキを使用するケースと使用しないケースに分けて解説していきます。
パーキングブレーキを使用する坂道発進
パーキングブレーキを使用し、坂道発進させる手順は以下の通りです。
手順1
停車時、ブレーキペダルを踏んだままの状態でパーキングブレーキを使用します。
このときには、シフトレバーD(ドライブ)を保持しておきましょう。
手順2
前方の車が動き始めたら、ルームミラーやサイドミラーなどで周囲の安全を確認します。
手順3
ブレーキペダルから足を離しアクセルペダルを踏み始めながら、パーキングブレーキを解除します。
手順4
前方の車の動きを注視しつつ、アクセルペダルを徐々に踏み込んでいき、ゆっくりと発進します。
パーキングブレーキを使用しない坂道発進
AT車は、ブレーキペダルを踏んでいない状態で、シフトレバーがDの位置にあればゆっくり前進するクリープ現象が働きます。
そのため、坂の後ろに下がる可能性が低く、パーキングブレーキを使用しなくても安全に坂道発進が可能です。
AT車における、パーキングブレーキを使用しない坂道発進の手順は、以下の通りです。
手順1
停車時、シフトレバーはDを保持したまま、ブレーキペダルを踏み続けます。
手順2
前方の車が動き始めたら、ルームミラーやサイドミラーなどで、周囲の安全を確認します。
手順3
前方の車の動きを注視しつつ、ブレーキペダルから足を離してアクセルペダルをゆっくりと踏み込んでいき、緩やかに発進します。
MT車における坂道発進の手順
ここでは、MT車を運転中の坂道発進を行う手順を、パーキングブレーキを使用するケースと使用しないケースに分けて解説していきます。
パーキングブレーキを使用する坂道発進
パーキングブレーキを使用し、MT車の坂道発進を行う手順は、以下の通りです。
手順1
クラッチペダルとブレーキペダルを踏んだままの状態で車を停車させ、パーキングブレーキを使用します。
シフトレバーは、1速に入れておきましょう。
手順2
前方の車が動き始めたら、ルームミラーやサイドミラーなどで周囲の安全を確認します。
手順3
ブレーキペダルからゆっくりと足を離していき、パーキングブレーキが十分に機能し、車が下がらないことを確認します。
手順4
アクセルペダルを通常よりも少し強く踏みながら、クラッチペダルから足をゆっくりとあげていき、半クラッチ状態にします。
半クラッチ状態になれば、エンジン音に変化が現れ、車が前進しようとする力が感じられるでしょう。
手順5
半クラッチ状態を保持したまま、パーキングブレーキをゆっくりと解除していきます。
手順6
前方の車の動きを注視しつつ、アクセルペダルを徐々に踏み込みながら、クラッチペダルから足を緩やかに離して発進します。
パーキングブレーキを使用しない坂道発進
MT車は、パーキングブレーキを使用していない状態でブレーキペダルから足を離すと、車は後方へ下がってしまいます。
そのため、MT車における坂道発進は、特に注意が必要です。
MT車における、パーキングブレーキを使用しない坂道発進の手順は、以下の通りです。
手順1
クラッチペダルとブレーキペダルを踏んだまま停車し、シフトレバーを1速に入れます。
手順2
前方の車が動き始めたら、ルームミラーやサイドミラーなどで周囲の安全を確認します。
手順3
ブレーキペダルを踏んだ状態で、クラッチペダルを踏み込んでいる足をゆっくりとあげていき、半クラッチ状態にします。
手順4
ブレーキペダルからアクセルペダルへ素早く踏み替えます。
手順5
アクセルペダルを踏み込みながら、半クラッチ状態になっているクラッチペダルから足を離して発進します。
坂道発進を行う際に注意すべきポイント
坂道発進を行う際、気をつけておくべきポイントがあります。
ここでは、坂道発進時のポイントを解説していきます。
AT車:クリープ現象に頼りすぎない
AT車は、坂の傾斜度によって、クリープ現象が起きていても車が後ろへ下がってしまう場合があります。
そのため、AT車であってもペダル操作をのんびりしすぎない、「クリープ現象があるから大丈夫」と油断しないことがポイントです。
坂道発進に自信がない人は、パーキングブレーキを利用しましょう。
MT車:坂道発進時はシフトレバーを1速に入れる
MT車で坂道発進を行う際は、シフトレバーを必ず1速に入れておくことがポイントです。
平坦な道の場合、2速からでもスタートができます。
しかし、MT車の坂道発進の場合は、2速だとエンストする可能性があるため、注意しましょう。
MT車:クラッチペダル操作のタイミングに注意する
MT車で坂道発進をする際、
・クラッチペダルを踏んだ状態
・半クラッチの状態
・クラッチペダルから足を離した状態
以上、3つの段階的な操作が必要です。
これらの操作にはタイミングがあり、1つの工程でも失敗すれば、エンストしてしまいます。
そのため、クラッチペダル操作のタイミングに注意することがポイントです。
坂道発進でエンストしてしまった場合
坂道発進をする際に、エンストしてしまった場合は、焦らずに適切な対処法を行いましょう。
ここでは、AT車・MT車、それぞれの坂道発進でエンストする要因と対処法を解説していきます。
AT車:坂道発進でエンストした場合
AT車は、操作ミスによるエンストが発生しにくい構造になっています。
そのため、坂道発進時にAT車がエンストした場合、原因はエンジンを含むいずれかのパーツに不具合が発生したと考えるべきでしょう。
エンスト後にエンジンが復旧して走行できる場合は、速やかに自動車ディーラーや自動車整備工場に向かい点検を受けましょう。
また、ガソリンや軽油などの燃料が少なくなっていると、上り坂に停車している車の傾きによって、燃料がエンジンまで到達できない可能性があります。
AT車でエンストした際は、車が後方へ下がらないように、ブレーキペダルをしっかりと踏み込み、シフトレバーをPに入れ、パーキングブレーキを使用しましょう。
エンジンが始動しない場合は、車に何らかのトラブルが発生している可能性があります。
この場合は、発煙筒や三角停止板を用いて、後続車両への注意喚起が必要です。
その後、レッカーを利用し、自動車ディーラーや自動車整備工場等へ車を移動させ点検・修理を受けましょう。
MT車:坂道発進でエンストした場合
MT車が坂道発進時にエンストする主な原因は、クラッチの誤操作によるものです。
エンストした場合は、ブレーキペダルをしっかりと踏み込み、シフトレバーをニュートラルの位置へ戻したあとで、パーキングブレーキを使用し、エンジンを始動させます。
走行中に異音や車の挙動などがある場合は、自動車ディーラーや自動車整備工場などで点検を依頼しましょう。
エンストを起こしエンジンが復旧しない場合、車に何らかのトラブルが発生している可能性があります。
AT車での対応と同様、車を停車させ、発煙筒や三角停止板等で後続車両への注意を促しましょう。
その後、レッカーを利用し、自動車ディーラーや自動車整備工場などへ車を運んでもらい点検・修理を受けましょう。
まとめ
坂道発進とは、上り坂に停車している状態から発進させることです。
坂道発進をする手順は、AT車とMT車で異なります。
AT車は、クリープ現象により車が後ろに下がる可能性が低いため、安全に坂道発進が行えるでしょう。
一方でMT車は、AT車に比べて坂道発進時の操作が多く、エンストを起こす可能性が高いです。
十分注意しましょう。
この記事を参考に、坂道発進時に注意するポイントや、エンストした際の対処法について事前に把握しておくことが大切です。