ハイラックスを買って後悔しないために。メリットやデメリットを知ろう
ハイラックスは、現在日本で唯一販売されているピックアップトラックです(トヨタ公式サイトではSUVに分類)。
国内では7代目を最後に長期間販売が停止していましたが、2017年に13年ぶりの復活を果たし、話題を呼びました。
世界的に愛されているハイラックスですが、特徴をよく知らないまま購入すると、後悔してしまう可能性があります。
一方で魅力も多くあるため、メリット・デメリットの両方を入念に調べたうえで購入すべきか判断しましょう。
この記事では、ハイラックスの概要やメリット・デメリットを紹介します。ハイラックスをおすすめできる人についても解説するので、参考にしてください。
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INDEX
ハイラックスの概要
まずは、ハイラックスの概要を紹介します。
国内で13年ぶりの復活
トヨタが製造・販売しているピックアップトラックのハイラックスは、1968年に初代が発売されました。
以降、約180の国と地域で販売され、モデルチェンジを繰り返して長年愛用されてきましたが、日本では2004年を境に一時販売終了します。
しかし2017年9月に、国内ユーザーの声に応えて8代目として復活しており、現在もアウトドアや農作業などの場で活用されています。
ハイラックスの特徴
ハイラックスは、「1ナンバー」と呼ばれる普通貨物車に分類されます。
サイズは5,320~5,340m(全長)×1,855~1,900m(全幅)×1,800~1,840m(全高)で、いずれも定員は5名です。
衝撃を吸収する高剛性フレームを骨格として、2.4Lディーゼルエンジンとパートタイム4WDシステムを搭載しており、荒れた路面でも安定した走行が可能です。
ハイラックスの走行性能については、メリットの項目で詳しく解説します。
関連記事:ハイラックスのサイズは?外観や車内の特徴についても解説
後悔しないために知っておきたいデメリット
ここでは、ハイラックスのデメリットを4項目に分けて紹介します。
小回りがきかない
後悔する原因として、サイズが大きすぎて小回りがききにくい点が挙げられます。
全グレードの全長が5mを超えるハイラックスの最小回転半径は6.4mと、多くの乗用車に比べて大きいです。
最小回転半径とは、ハンドルを左右どちらかに最大まで切った際に外側の前輪が描く円の半径で、数値が小さいほど小回りがきくことを表しています。
国土の小さい日本では、小型で小回りがきく車のほうが運転しやすく、ハイラックスのような車の汎用性は限定されてしまうことに注意が必要です。
関連記事:最小回転半径とは?小回りが利く車を紹介!
駐車が難しい
車のサイズが大きいと駐車が難しいという問題もあります。
小回りがきかないという理由だけでなく、駐車場の駐車スペースの大きさには国土交通省が定めた基準があるためです。
普通乗用車1台分の駐車スペースは、6.0×2.5m以上とされています。
そのため最低限のスペースがとられた駐車場に駐車する場合、ハイラックスのサイズではドアの開閉や乗降車がしにくいのです。
さらに、ハイラックスの全高が1.8~1.84mであるのに対し、一部の機械式立体駐車場では1.55mの高さ制限が設けられており、駐車自体ができない可能性もあります。
しかし、2023年にパノラミックビューモニターにより、物理的に不可能な場合を除き駐車のしやすさが向上しています。
車検を毎年受けなければいけない
普通貨物車に区分されるハイラックスのデメリットといえば、初回以降は毎年車検があることです。
ハイラックスのように貨物車として登録した車は、2年に1回車検がある普通乗用車に比べて、メンテナンスに手間がかかります。
料金に関しては優遇措置が受けられるものの、年に1回車を車検に出さなければいけないことに後悔する人もいるでしょう。
しかし、定期的なメンテナンスは車を長く安全に使い続けるために重要です。
車検の間隔は法律で定められているため、必ず毎年受けましょう。
関連記事:法定点検をしない割合は?12ヶ月に1回もやる必要ある?
高速道路料金が高くなる
普通貨物車は、有料高速道路での支払い額が高くなる点にも気を付けなければいけません。
普通貨物車は高速道路の料金区分において「中型車」に該当します。
中型車の料金は普通車に比べると2割ほど高く、休日料金などの割引も適用されない場合があります。
大きな金額差ではありませんが、高速道路を頻繁に利用する人にとっては、出費が増えてしまいます。
関連記事:Googleマップに高速料金は表示される?表示されない場合の原因や対処法を紹介
ハイラックスのメリット
ここでは、ハイラックスの魅力を3項目に分けて紹介します。
悪路で発揮されるパワフルな走行性能
ハイラックスの最大の魅力は、オフロードを難なく走り抜けられる、安定的で力強い走行性能です。
ディーゼルエンジンには独自の「2GD-FTV」を採用しており、悪路での走行で役立つ効率的な大トルク発生を可能にしています。
ダイヤル式のパートタイム4WDシステムでは、走行状況に応じて2輪と4輪駆動を切り替えられ、幅広い路面に対応可能です。
これらの機構を、衝撃に強い高剛性フレームと屈強なサスペンションが支えることで、高い走破性を実現しています。
大型車としては燃費がよい
ハイラックスのディーゼルエンジンは、力強いだけでなく、優れた燃費性能も発揮します。
ハイラックスのJC08モードでの走行燃費は、13.6km/Lです。
同程度の車両重量のガソリン車の平均燃費が15.3km/L(令和2年度)のため、一見すると燃費が悪く見えます。
しかし、ディーゼル車の燃料はガソリンよりも安価な軽油であり、年間の燃料費は走行状況にもよりますが、ガソリン車とそれほど変わりません。
ハイラックスのサイズや性能を考慮すれば、むしろ燃費がよいと感じる人も多いでしょう。
荷台に大荷物を積み込める
500kgまで積載可能な広い荷台が付いている点も、ハイラックスの大きな特長です。
後部座席を跳ね上げることで、車内にも荷台スペースを広げられます。
そのため、キャンプやサーフィンなど、大量の荷物や大きな荷物を運ぶ必要がある場面で活躍します。
荷台やボディにはサビ・腐食に強い素材を採用しており、雨天時の外出にも対応可能です。
ハイラックスがおすすめの人
ここでは、ハイラックスを購入すべき人について解説します。
大型車の運転に慣れている人
ハイラックスのデメリットとしてサイズが大きすぎる点を挙げましたが、サイズ感や運転の感覚を事前に把握しておけば、あまり問題はありません。
大型車の運転のクセを理解している人にとっては、丈夫で舗装道路から悪路まで幅広く走行できるハイラックスは便利といえます。
大荷物で出かける機会が多い人
先述のとおり、ハイラックスは荷台スペースが非常に充実しています。
荷台には屋根がないため、サーフボードやテント、自転車など、大きな荷物も積み込み可能です。
大人数で乗るには狭く感じる可能性もありますが、アウトドアや買い物など、大荷物で出かける機会が多い人にはおすすめできます。
ハイラックスの注目度
ハイラックスは、ピックアップトラックという特殊な車であるにも関わらず注目度の高い車です。
2023年にはタイで、「IMV 0」を開発しました。
トヨタは、自動車市場環境の変化やニーズの多様化に伴い、タイのお客様の暮らしも大きく変化している中で、IMVシリーズにおいても、お客様のニーズに寄り添うIMVピックアップトラックをつくるという原点に立ち返り開発されました。
これが、ハイラックス チャンプと呼ばれます。
また、2024年には三菱自動車からトライトンというピックアップトラックのリリースも予定されています。
「ピックアップトラック」という市場が新たに広がるできる可能性も期待できますが、トライトンとどちらにするのかによってもしっかりと調べなければ後悔するリスクがあるでしょう。
関連記事:12年ぶりに三菱のピックアップトラック・トライトンが日本に導入される
まとめ
この記事では、ハイラックスを購入して後悔しないために知っておきたいポイントを紹介しました。
ハイラックスは、国内で日常的に乗るには使い勝手が悪く、維持にも手間や費用がかかります。
しかし、力強い走行性能や大きな積載量、優れた燃費性能など、数々のメリットを考慮すれば、非常に魅力的な車です。
ハイラックスの特徴をよく理解して乗りこなせる人や、荷物の運搬を主目的として使いたい人は、購入を検討してもよいでしょう。