残クレがやばいといわれる理由は?仕組みを理解してお得に車を購入しよう

近年、自動車ローンの主流になりつつある残価設定クレジット/ローン(通称、残クレ)は、数年後の査定額を購入費用から差し引き、残りの金額を月々支払うローンです。

車の高度化や物価高により、同じ車でも以前と比べて数倍の価格になっている現代で、残クレは少しでもローンの負担を減らしたい消費者のニーズに合致した金融商品となっています。
残クレの毎月の支払額が減るのはメリットですが、デメリットもあるため残クレがやばいと考える人も多いようです。

この記事では、残クレがやばいといわれる理由や残クレがお得に感じる人・やばいと感じる人の特徴などを紹介します。

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INDEX

残クレがやばいといわれる理由は?

残クレがやばいといわれる理由は、主に以下の3つが挙げられます。

  • 走行距離に制限がかかる
  • 購入時点の状態での使用が求められる
  • 追加料金が発生する可能性がある

それぞれを詳しく見ていきましょう。

残クレがやばい理由①:走行距離に制限がかかる

残クレは、数年後の査定額をディーラーが保証して、残価を設定します。
残価を購入費用から引き、残った金額をローンで支払う仕組みです。

設定した残価に合わせて、契約期間中の走行距離が契約内容に盛り込まれます。
例えば月1,000km制限の場合、1年の走行距離は12,000km以下です。

これは中古車業界の過走行の基準そのもので、残クレでは契約終了後の車を過走行車にしないよう契約に盛り込まれています。

残クレで入手した車は、走行距離を気にしながら運転する必要があるため、やばいと考えられているようです。

残クレがやばい理由②:購入時点の状態での使用が求められる

車を残クレで契約すると、買った状態での使用を求められるのが一般的です。

タイヤやホイールのサイズ交換や、ブレーキパッドやシステム自体の交換などは禁止されています。

室内も同様に、加飾やイルミネーションの設置、喫煙、犬・猫などペットの積載はできません。

このように、所有車なら気にしなくてよいことでも気を配る必要があり、残クレはやばいと考えらえているようです。

残クレがやばい理由③:追加料金が発生する可能性がある

ディーラーは残クレの数年後の査定額を保証し、査定額で購入することを契約に盛り込んでいます。
また、帰ってきた車の中古車としての商品価値を保つため、走行距離や買った状態での使用が契約事項に含まれているのが一般的です。

もし走行距離が伸びて査定額が契約の査定額に届かない場合は追加料金が発生し、残クレ終了時に車を処分した上でさらに追加料金を支払う可能性があります。

やばいといわれる残クレだが、メリットもある

Comparison of merit and demerit

巷ではやばいといわれる残クレ。
しかし、以下のメリットもあります。

  • 手持ち資金を使わなくても毎月のローンの支払いが抑えられる
  • 楽に車を処分できる
  • ディーラーローンより金利が安い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

残クレのメリット①:手持ち資金を使わなくても毎月のローンの支払いが抑えられる

残クレは数年後の査定額を残価とするため、残価が頭金のような役割になり毎月のローン支払額を抑えられます。

この仕組みを利用すれば支払額を抑えられるだけでなく、車のグレードを上げることも検討できるでしょう。

なお、残クレのローン対象額は購入費用そのもので、残価を引いた分ではありません。
これは、残価は数年後の査定額の約束であり、実際に支払った金額ではないからです。

金利は車両価格に対してかかるため、頭金を支払った場合より利息が高くなります。

残クレのメリット②:楽に車を処分できる

残クレ終了後の車の処分方法は、以下の3つがあります。

  1. 車を買い取る
  2. 車を返却して新しい車を契約する
  3. 車を返却して残クレ契約を終了する

いずれの方法でも、ディーラーに依頼するだけで済むため、処分は簡単です。

残クレのメリット③:ディーラーローンより金利が安い

ディーラーローンとは、ディーラーで斡旋する自動車ローンのことです。
トヨタファイナンスのように自社グループの金融会社のローンもあれば、日本信販のように大手ローン会社のローンを斡旋されることもあります。

これらのローンの金利相場は、一般的に4〜7%程度です。
しかし、残クレの金利は3%台が主流で、キャンペーン時には3%を割ることもあります。

残クレは車の利用方法が制限されるとはいえ、支払額だけを考えるとディーラーローンより低金利でお得になるかもしれませんね。

残クレとほかのローンの金利比較

残価設定クレジットのほかにも車を購入するときに使えるローンはいくつかあります。
ここでは、ほかのローンの金利とともにメリットとデメリットの比較を紹介します。

銀行系ローンの金利と比較すると?

銀行系ローンは、数あるマイカーローンの中でも低金利でローンを組むことが可能です。
銀行や金融機関、借りる金額によってローンの金利は変わりますが、一般的な銀行系ローンであれば2~5%が金利相場です。

また、金融機関によっては金利が2%以下となるケースもあり、ローンのキャンペーンなどを併用すると、低金利でローンを組むことができます。

しかし、金利の安さが魅力の銀行系ローンですが、残価設定クレジットの設定ができません。
フルローンとなるので金利が安価でも、数年内に乗り換える予定があるケースではお得にならないケースがあります。

フルローンではどうなる?

ディーラーの場合は残価設定クレジットのほか、車両の金額すべてを支払うフルローンも選択が可能です。

フルローンも残価設定クレジットと同じようにディーラーによって金利が異なり相場は約4~7%です。
残価設定クレジットより高い金利相場となるのは、次の車も自社メーカーである可能性が高いためです。

一方、フルローンの場合は次も同じ自社メーカーの車を選択するかは分からないため、メーカー側は残価設定クレジットを推奨しています。
また、銀行系ローンと比較すると、ローンが組みやすいというメリットがありますが、ローンを完済するまで所有者の名義はディーラーや販売店が提携を結ぶ信販会社であることを把握しておきましょう

残クレの注意点や金利で確認したいこと

残価設定クレジットはお得に車を購入できるローンですが、注意すべき点がいくつかあります。
ここでは、金利面に注目しつつ、残価設定クレジットの抑えるべきポイントを紹介します。

途中解約は難しい!

残価設定クレジットを利用する上での大きな注意点はいくつかあります。
中でも大きな注意点は、途中解約は難しいことです。

残価設定クレジットは、下取り価格をあらかじめ決めた上で組むため、途中解約を行う場合は残っているローン分の一括返済が必要になります。

また車に傷を作ってしまっていた場合や故障といったトラブルがあるなど、精算時に車両価格が残価を下回っていると追加の費用がかかることも考慮しなくてはなりません。
一括返済を行うことができれば問題はありませんが、もしも一括返済が難しいケースの場合、ほかの会社でローンを組み返済を行う必要があります。

途中解約をすると複雑な手続きを踏む必要があるため、途中解約は難しいといえるでしょう。

走行距離やカスタムに制限がある

残価設定クレジットのもう一つの注意点が走行距離制限です。
残価設定クレジットが下取りを前提としたローンであり、車は走行距離が伸びると価値が落ちていくためです。

言い換えると、残価設定クレジットの残価を保証するため、走行距離に制限が設けられているといえるでしょう。
そのため、指定の走行距離を超えてしまうと追加の支払いが発生するケースがあります。

また、残価設定クレジットにおける残価は新車の状態をもとに計算が行われています。
そのため、純正部品を外す・部品の追加など、カスタムを加えると精算時に追加の費用が発生する場合があることも把握しておきましょう。

支払総額は高くなることも

残価クレジットは、支払総額が一般的なローンより高くなるケースがあります。
特に車を途中で乗り換えず最後まで乗るケースでは、支払総額が高くなる傾向にあるため注意が必要です。

なぜなら、残価クレジットが残価に対しても金利がかかるケースがあることが関係しています。
そのため、途中で車を乗り換えなかった場合、一般的なローンより支払総額が高くなってしまいます。

もしも、購入した車を長期間乗る場合は、残価クレジットではなくフルローンがお得となるケースがあります。
金利の数字だけでなく金利がかかる項目にも注意が必要です。

残価より買取金額を上回るケースも

残価設定クレジットで発生する、思わぬ落とし穴が残価より買取金額が上回るというケースです。
一般的に車は、発売から年数が経過するほど価値が落ちていく傾向にあります。

しかし、中には数年が経過しても人気が高く、中古車の買取金額が高い車があります。
車種でいえばSUVやミニバンが該当し、具体的な例としてはスズキのジムニーやトヨタのアルファードはリセールバリューが高い車両です。

残価設定クレジットを組み最終的にディーラーなどに下取りをしてもらうより、中古車販売店に売却した方が高く売れるケースがあります。
もしも人気車を購

残クレをお得に感じる人の特徴は?

巷でやばいとされる残クレですが、メリットを享受できる人もいます。

続いては、どのような人が残クレに向いているのか見ていきましょう。

車をきれいに使える人

残クレは、新車をきれいに維持して乗れる人に向いています。

小まめに洗車をする人やカスタマイズが不要な人は、残クレ終了時に追金が発生するリスクも少ないです。

あまり車に乗らない人

頻繁に車を使用しない人であれば、走行距離が伸びづらいため残クレに向いています。

また、車に乗る回数が少ないと手入れをする機会も少なくなりがちですが、残クレなら整備点検をすべて購入ディーラーに一任するため安心です。

手持ち資金がないけど新車に乗りたい人

残クレのメリットでも紹介したように、残価が頭金のような働きをする残クレは、手持ち資金が少なくても毎月のローンの支払額を抑えて新車に乗れます。

そのため、頭金なしで新車に乗りたい人や可能な限り月々の支払いを安くしたい人におすすめです。

期間限定で新車に低コストで乗りたい人

単身赴任のように短期間のみ、車が必要な場合は、残クレが向いています。

使い方は制限されますが、ディーラーローンより毎月のローンの支払額が抑えられ、車の処分も任せられるためおすすめです。

残クレがやばいと感じる人の特徴は?

うざがってる人

続いて、残クレをやばいと感じる人の特徴を見ていきましょう。

ここでは、残クレの仕組みから特徴を推測してみました。

残クレ以外の方法で問題なく車を購入できる人

残クレがやばいと感じる人には、ディーラーローンを支払っても車の維持費に困らない人、銀行の自動車ローンを借りられる人、自己資金で一括で新車を購入できる人が挙げられます。

残クレ以外の方法で車を購入し維持できる場合、実質的にレンタカーと変わらない残クレに、メリットを感じないようです。

車好きでカスタマイズを楽しみたい人

車好きの人ならタイヤのインチアップやサスペンションの交換、シートをバケットシートに交換するなど、カスタマイズを楽しむ傾向にあります。

内装や外装を自分好みに変えたい人にとって、カスタマイズが許されない残クレは魅力を感じないようです。

車を趣味に活用したい人

車を使ってアウトドアやペット、カメラ、旅行など趣味を楽しみたい人の場合、残クレに魅力を感じられないでしょう。

趣味の内容によっては走行距離が伸びやすかったり、車に傷や臭いがつきやすかったりするため、残クレで購入した車では存分に楽しめないと感じるようです。

車を仕事で使いたい人

営業や運送など車を仕事で使う場合、走行距離に制限がある残クレは魅力に欠けるでしょう。

頻繁に長距離移動をする人にとっては、より不便を感じる可能性が高いです。

残クレがやばいと感じたら別の選択肢もある

最後に残クレ以外の購入方法を見ていきましょう。

ここではディーラー、銀行系、ノンバンク、カードローンを紹介します。

ディーラーローン

残クレに比べてディーラーローンは金利が高めですが、プランによってはそれほど差が出ないケースもあります。
また、新車の購入商談と同時に申し込みができるため、新車購入のために用意した書類以外に追加で準備する書類もなく、利便性が高いのが特徴です。

銀行のマイカーローン

銀行のマイカーローン審査は比較的厳しいですが、1〜2%台の低金利で利用できるのは魅力的です。

なお、審査結果が出るまでにかかる日数は、他のローンよりも長い傾向にあります。

新車購入で銀行のマイカーローンを検討している人は、まずは取引のある銀行に利用相談をしてみましょう。

ノンバンクのマイカーローン

消費者金融などのノンバンクでも、マイカーローンを取り扱っています。

ノンバンクだけにローン審査はディーラーローンより緩めですが、金利が2%前後〜8%ぐらいと高くなりやすいのが特徴です。

そのため、足りない分だけを借りたり、どうしてもディーラーへの支払期限に間に合わない際に借りたりするなど、単発で借りてすぐに返済する方がよいでしょう。

カードローン

一般的にカードローンは誰でも利用しやすく手続きも簡単というメリットがありますが、金利が3~18%と高金利な上に限度額が低いため、新車の購入に適していません。

ノンバンクのマイカーローンと同じように、単発で借りて短期で返済するのがおすすめです。

まとめ

この記事では、残クレがやばい理由や残クレをやばく感じる人・お得に感じる人の特徴などを紹介しました。

残クレはローンで車を購入しますが、数年後の買取が前提となるため、走行距離や使用方法が厳しく制限されます。数年後の車の査定額が残価に届かない場合には、追加料金が発生する可能性もあるため注意が必要です。

契約内容を考えると、車好きやドライブ好き、仕事で運転する人は残クレに魅力を感じにくいでしょう。

車の使用用途によって、購入方法を賢く選択することが大切です。
この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ自分に合う方法で車を購入してみてください。

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この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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