マツダのスクラムワゴンとは?グレード別の特徴やスペックまとめ

マツダからはさまざまな車種が販売されています。
スクラムワゴンもそのひとつです。

「車の見た目は同じなのに、ついているエンブレムが違う」と思ったことはありませんか?
スクラムワゴンを見たことがある人は違和感を覚えたことがあるかもしれません。
というのも、他社に同じような形のワゴンがあるのです。

今回は、スクラムワゴンの概要について解説をしながら「なぜ他社に似た形の車があるのか」という疑問を解消していきます。

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スクラムワゴンとは

疑問イメージ

スクラムワゴンとは、マツダが販売している軽キャブワゴンです。

「軽キャブワゴン」とは、エンジンが運転席の下に配置されたワンボックスタイプの軽ワゴン車です。
軽キャブワゴンとして、スクラムワゴン以外にスズキの「エブリイワゴン」、三菱の「タウンボックス」、日産の「NV100 クリッパーリオ」が挙げられます。

なお、上記3車のうち2車はスクラムワゴン含め、スズキのエブリイワゴンのOEM車です。

OEM車とは

他社が開発した車両を自社で製造した車を「OEM車」と呼びます。

もっと詳細に説明すると、他社が開発した車種を提供してもらい(OEM供給)、自社のエンブレムを装着して販売されたものがOEM車と呼ばれています。

スズキがマツダ側にエブリイワゴンをOEM供給し、マツダが自社のエンブレムをつけて販売したのが「スクラムワゴン」なのです。
エブリイワゴンとスクラムワゴンの基本的な構造やデザインなどに変わりはありません。
しかし、スズキのエブリイワゴンがハイルーフと標準ルーフの選択ができるのに対し、スクラムワゴンはハイルーフのみの設定です。

なぜOEM車があるのか

自社ブランド車をOEM車として提供すること、また他社ブランド車をOEM車として販売することにそれぞれメリットはあるのでしょうか?

結論としては「あります」。

自社ブランド車をOEM車として提供する側(今回でいうところのスズキ)としては「販売台数が上がり、収益の工場が見込める」というメリットがあります。
一方、他社ブランド車をOEM車として販売する側(今回のマツダ)には「開発コストをかけることなく、自社で取り扱っていないタイプの車種をラインナップに追加できる」というメリットが生まれます。

購入側にもOEM車を買うメリットがあります。
OEM車はオリジナルよりも比較的安価かつ短納期といわれています。また、オプションが異なる場合もあります。

強いこだわりがあるわけではない場合、OEM車を選ぶのもよいかもしれません。

スクラムワゴンの特徴

疑問、わからない、不明イメージ

ワゴン車は基本的に荷物を多く載せることを前提としています。
運転席と助手席間が近いなど、室内空間に余裕が感じられないことも車によってはありました。

スクラムワゴンの特徴は、まずその室内にあります。
前方の席だけでなく、後方、さらには荷室までゆとりを持たせています。
さまざまなシーンに合わせたシートアレンジが可能です。

また、スクラムワゴンは3つのグレードに分かれます。
「PXターボ」、「PZターボ」、「PZターボスペシャル」の3種類です。

ベーシックグレードであるPXターボを基準に、グレードが高まるにつれて標準装備されている内容が増えます。
また、PXターボと残り2つではデザインも少し変化しているため、デザインにこだわりがある方はPZターボ、もしくはPZターボスペシャルを選ぶのがよいかもしれません。

スクラムワゴンのデザインについて

スクラムワゴンは全部で4種類のカラーバリエーションがあります。

  • パールホワイト
  • ムーンライトバイオレットパールメタリック
  • ブルーイッシュブラックパール
  • シルキーシルバーメタリック

ムーンライトバイオレットパールメタリック

出典:マツダ株式会社

ブルーイッシュブラックパール

出典:マツダ株式会社

スクラムワゴンの安全性能は?

スクラムワゴンには事故を未然に防ぐための先進的な安全技術が搭載されています。

こういった安全技術を搭載している車は経済産業省や国土交通省が普及を積極的にうながしています。
国が定めた条件をクリアしている安全技術搭載車を「サポカー」と呼びます。
搭載されている機能によって「サポカーS(ワイド、ベーシック+、ベーシック)」とも呼ばれます。

スクラムワゴンは「サポカーSワイド」に分類されます。
サポカーSワイドに該当するための機能は下記のとおりです。

  • 被害軽減ブレーキ(対歩行者)
  • ペダル踏み間違い時加速抑制装置
  • 車線逸脱警報
  • 先進ライト

今回リストで挙げたものはあくまでも「サポカーに該当する装備」です。
スクラムワゴンに搭載されている安全機能はこれら以外にも多くあります。

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スクラムワゴンの燃費性能はいい?悪い?

スクラムワゴンの燃費性能は下記のとおりです。

2WD

PXターボ/PZターボ/PZターボスペシャル
WLTCモード13.3km/L
市街地モード11.6km/L
郊外モード14.0km/L
高速道路モード13.7km/L
参考元:スクラムワゴン 諸元表

フルタイム4WD

PXターボ/PZターボ/PZターボスペシャル
WLTCモード13.3km/L
市街地モード11.5km/L
郊外モード13.9km/L
高速道路モード13.8km/L
参考元:スクラムワゴン 諸元表

フルタイム4WDと2WDの燃費にあまり大きな差はありませんでした。

他社の代表的な軽バンの燃費と比較すると、あまりよい燃費とはいえません。
たとえば、ホンダの人気軽バンである「N-VAN」。サイズに関して、スクラムワゴンと大きな差はありません。

しかし、燃費を比較してみるとN-VANはWLTCモードで「19.8km/L」と設定されています(タイプG FF)。
カタログ燃費とはいえ、サイズがほぼ同じでありながらかなり大きな差があるといえるでしょう。

というのも、スクラムワゴンは燃費よりも耐久性や実用性を重視しているのです。

エンジンがターボ式のため、スクラムワゴンは力強い走りを特徴としています。

今回比較例として挙げたN-VANは、メジャーなエンジンタイプである一方。スクラムワゴンは「660 DOHC VVTターボ」です。
かんたんにいえば、「ターボ車」というわけです。

ターボ車とは、エンジン部分に「ターボチャージャー」がついているもの。
この機能のおかげで、ターボがない車より大量の空気が、エンジン内へ押し込まれます。取り込まれた多量の空気で、燃料が一気に燃やされるためその分パワーが増すという仕組みです。

スクラムワゴンのスペック総まとめ!

最後に、スクラムワゴンの総スペックを表にまとめました。

PXターボ
(2WD)
PZターボ
(2WD)
PZターボスペシャル
(2WD)
全長3,395mm
全幅1,475mm
全高1,910mm
室内長さ2,240mm
室内幅1,355mm
室内高さ1,420mm
最低
地上高
150mm
車両重量950kg960kg980kg
市街地
モード
11.6km/L
郊外
モード
14.0km/L
高速道路
モード
13.7km/L
参考元:スクラムワゴン 諸元表

さいごに

今回はマツダのスクラムワゴンに関して解説をしました。

スクラムワゴンはスズキからOEM供給されたOEM車です。
今回でいえば、もともとスズキで開発された車両がOEM供給され、マツダで製造、販売されています。
OEM車は供給側(スズキ)も受託側(マツダ)にもメリットがあります。さらに、購入者目線で考えた際にも「造りは同じなのに、オリジナルブランドよりも安いし短納期」というメリットがあるところも特徴です。

スクラムワゴンの燃費をみてみると、サイズに大きな違いのない他社車両よりも低い性能であることがわかりました。
しかし、これはスクラムワゴンの性能が燃費重視ではなく、ターボエンジン搭載による力強い走りにあることに起因しています。

サポカーに認定されているなど、安全性能にも優れています。

積載量に優れた車をお探しの方は、スクラムワゴンの購入を検討してみるのもよいかもしれません。

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