中古車購入後の車検はいつどこで受ける?車検について要点整理

「中古車の車検はどうすればよいのだろうか?」
初めて中古車を購入する人にとって、わからないことや不安なことが多くあると思います。

特に中古車の車検については、購入時の条件によって車検のタイミングが何通りかにわかれて複雑になっていますし、どこで車検を受けてよいのかも迷うところです。

この記事では、中古車の車検について車検のタイミングや受けられる場所・それぞれの特徴などを整理して解説していきます。

そもそも車検とはどんな制度なのか?

車検は、自動車を所持する人であれば100%経験することになる、自動車の安全性を確保するための検査制度です。
ここでは、車検についてより詳しく解説し、混同しやすい法定整備と呼ばれる制度との違いについて説明していきます。

車検とは

車検とは、自動車検査登録制度の略称です。
日本でミニカーや小型特殊自動車を除く自動車や排気量250ccを超える自動二輪車に対して、安全性を確保するために保安基準を満たしているかどうかを一定期間ごとに国土交通省が検査するものです。

車検を受けるタイミングとしては、新車購入時は購入から3年後2回目以降の継続検査が2年ごとに受ける決まりとなっています。
また、車検は満了日の1ヶ月前から受けることができ、満了日は通常フロントガラス上部のステッカーまたは車検証で確認できます。

車検と法定整備の違いとは

法定整備とは、道路運送車両法によって定められた点検整備のことであり、国土交通省によって点検の時期や項目が定められています。
また、法定整備には12ヶ月点検と24ヶ月点検の2種類があり、それぞれ点検項目が異なります。

車検と法定整備の主な違いとしては、車検は法律で義務付けられているため、検査を受けていないと罰則があります。
一方で法定整備については、特に罰則の定めはされていません
また、車検は保安基準に適合するかどうかを検査しますが、法定整備は点検に加えて整備まで行います。

関連記事:車検取り直しとは?中古車購入時にかかる費用について解説

中古車はどのタイミングで車検が必要?

ここでは、中古車はどのタイミングで車検を受ける必要があるかについて整理していきます。

①中古車の購入時

中古車の購入においては、車両の購入条件として「車検なし」「車検あり」「車検整備付き」の3種類の条件があります。

このうち、「車検なし」「車検整備付き」の2つについては購入時点では車検が切れてしまっているため、公道を走ることができません。
そのため、乗車前に必ず車検を受ける必要があります。
なお、この場合には必ず購入時の価格に車検費用が含まれているか確認しておきましょう。

このタイミングで車検を受けた以降は、2年ごとに車検を受けることとなります。

②車検が切れるタイミング

購入条件として「車検あり」の車を購入した場合は、車検が残っている期間の満了日の前1ヶ月以内のタイミングで車検を受けることとなります。
そのため、購入時には必ず車検の満了日までの残りの期間を確認しておきましょう。

中古車では車検の期間が残っていることも多く、満了日までの残りの期間が短い場合には車検費用についても認識しておく必要があります。

関連記事:中古車の車検はどうしたらよいの?購入前に知っておくべきこととは?

どこで車検を受ければよいのか?

車検を受けられる場所は、主に5ヶ所が挙げられます。ここでは、それぞれの場所について特徴や費用などを説明していきます。

ディーラー

ディーラーで車検を受ける際の特徴として、信用度と検査の質が高い反面、費用面での負担は大きく、他の場所と比較して検査完了までに時間を要するということが挙げられます。

ディーラーによる車検は、基本の点検項目以外にも点検してもらうことができ、所属する整備士もしっかりと教育されています。
また、長年の実績とメーカーの信用力の観点から、他の場所で受ける車検よりも質が高いと言われています。

また、しっかりと時間をかけて検査を行うため、車検にかかる費用は他の場所よりも高い特徴があります。
そのため、多少費用がかかっても、信頼度の高い車検を受けたい人には各ディーラーで車検を受けることをおすすめします。

整備工場

整備工場とは、自動車の修理を行っている工場のことで、中には修理だけでなく車検に対応してる施設もあります。

整備工場での車検の特徴としては、費用が安価で幅広い車種に対応している点が挙げられます。
一方で、整備工場の規模やスタッフのスキルも多様であるため、施設によってサービスの質に差が出ることは認識しておく必要があります。

整備工場を選ぶ際には、知り合いからの紹介や口コミ評価など第三者の評価を参考にして選ぶよう心掛けましょう。修理なども含めてお付き合いしていくことを考えている人には、修理工場で車検を受けることをおすすめします。

車検専門店

車検専門店とは、車検を専門とした事業を行っているお店のことです。
車検専門店の主な特徴としては、車検に特化しているため費用が安価で受けられることが挙げられます。

多くの車検専門店では検査完了までのスピードを売り文句にして宣伝しており、検査が即日または1日ほどで終わる点で魅力があります。
そのため、必要以上の整備や修理には対応していないことは把握しておきましょう。

車検にスピードや格安さを求める人には、車検専門店で車検を受けることをおすすめします。

ガソリンスタンド

ガソリンスタンドで受ける車検の特徴としては、車検専門店と同様で車検に必要な点検や整備しか行わないため、車検費用が安価に設定されており、場所によってはガソリン代の割引などのサービス特典が用意されている場合があります。
また、ガソリンスタンドは街中にあるため、気軽に利用できるといった点もメリットです。

一方で、場所によってサービスの質に差がある点は注意が必要です。
知り合いや口コミ評価など第三者の評価を参考にして選ぶよう心掛けましょう。

近場で気軽に、なるべく費用を抑えて車検を行いたい人には、ガソリンスタンドで車検を受けることをおすすめします。

中古車販売店

中古車販売店での車検の特徴は、費用が比較的安価であり、オイル交換無料などの特典を用意する場合や、アフターフォローと保証を充実させている場合などがあります。

中古車販売店で「車検なし」の中古車を購入する場合は、そのまま車検をお願いする流れが一般的ではありますが、中には車検に対応していない販売店もあるため、事前に確認しておきましょう。

関連記事:欲しい中古車が他県にしかない場合はどうすればよい?購入方法や費用、注意点について解説

中古車の車検を依頼する業者選びポイント

次にお伝えするポイントを抑えることで、中古車購入後の車検をスムーズに安心して行うことができます。
車の状態や費用を細かく伝えることで、想定外の出費を防ぎ、適正なメンテナンスで長く乗ることが可能です。
ぜひ、信頼できる業者さんを選ぶように取り組みましょう。

インターネットによる比較サイトを利用

中古車の車検を検討する際は、比較サイトを利用すると良いです。
各業者の車種別にした料金体系を簡単に比較することができ、複数の業者の選択肢を手軽に確認できます。

近所でどのような業者が車検対応できるかを簡単に調べることができ費用対効果を検討した結果、予算内で安く車検を受けられることが可能です。

業者の評判や口コミをチェック

業者選びで失敗しないためには、他の利用者の評判や口コミを確認することが不可欠です。
業者の信頼性やサービスの質を知るために、過去の利用者の声を確認しましょう。

選んだ業者の車の状態やサービス対応の情報が、実際の利用者の感想として得られるため安心する材料となります。

何社かの見積もりを取る

車検の費用や部品の選択肢は業者によって異なります。
複数の業者から見積もりを取ることで、料金や提供されるサービスの内容を比較しやすくなります。

これにより、適切な業者を選ぶ際の手がかりとなり、予期せぬ追加料金の発生を防ぐことができます。
特にインターネット比較サイトより現在の車両状態にかかるコストを正確に算出してくれるため、費用を抑える際は必ず行うことがおすすめです。

関連記事:中古車の価格が今高いのはなぜ?高くなった背景やお得に購入するコツを解説

自分で車検を通すセルフ車検について

ここまでは、どこかのお店に車検を依頼することを前提としてきました。
しかし車検は自分自身で行うこともでき、ユーザー車検または持ち込み車検と呼ばれます。

自分で車を陸運局へ持ち込み手続きを行うため、他の場合より手間はかかりますが、費用を抑えることができます。なお、車検切れの車を運ぶ場合には仮ナンバーを取得して車を運転する、またはレッカー車や積載車を使う手続きが必要となります。

ここでは、ユーザー車検の進め方を紹介していきます。

インターネットでの予約

ユーザー車検の予約は、自動車検査インターネット予約システムというWebサイトからのみ行うことができます。
軽自動車の場合は、軽自動車検査協会ホームページからの予約となります。

  • ユーザー車検の予約:自動車検査インターネット予約システム
  • 軽自動車の場合:軽自動車検査協会ホームページ

当日の現地での受付

車検当日は必要書類を用意し、受付に行きます。
必要書類は以下です。

  • 自動車検査証(車検証)
  • 自動車損害賠償責任保険証明書(新旧の2枚)
  • 自動車税納税証明書
  • 定期点検整備記録簿(法定点検が終わっている場合)

また、受付では下記の書類を受け取り、記入・提出します。

  • 自動車検査票
  • 継続検査申請書

検査開始

検査開始時には指定されたレーンへ向かい、順番に検査を行います。検査員の指示に従いながら対応しましょう。

合否判定

すべての検査が終了し、合格であれば車検終了となります。不合格の場合、指摘箇所を修理して再度レーンへ並びます。
なお、3回までは無料で再検査できますが、3回目以降は手数料が発生します。

車検証を受け取る

検査に合格した場合には、受付で新しい車検証と検査標章を受け取り、車検は終了となります。

関連記事:車検整備付きの中古車とは?車検の概要や中古車の車検を受けられる業者を紹介

まとめ

中古車購入後の車検のタイミングについて、

  • 購入する中古車に車検がない場合:中古車購入時に車検を受ける
  • 車検がある場合:車検の満了日の前1ヶ月以内で受ける

こととなります。

中古車の車検は主にディーラーや整備工場、車検専門店、ガソリンスタンドまたは中古車販売店で依頼することができ、それぞれの場所で金額や条件など特徴が異なります。
また、自動車の知識に自信がある場合には、費用を抑えて自分自身で車検を行う方法もあります。

中古車購入後に車検を受ける際には、費用面や条件面などを考慮しながら、期間に余裕をもって受けるよう心掛けましょう。

関連記事:車検なしの中古車でも大丈夫?安心して買える中古車の選び方を解説

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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