ダイハツ「ウェイク」は失敗?その理由や魅力について解説
ダイハツ「ウェイク」は、2014年11月に発売された車です。
ダイハツの車の中では、「スーパーハイトワゴン」と呼ばれるカテゴリに入る「タント」を超える車高を持つことが特徴で、「トールワゴン」という呼び方もあります。
ウェイクは高い車高を活かした積載容量・車内容量を誇るという特徴から、「売れる」車であるという見立てもあったものの、実際には販売台数は振るわず、2022年にはついに生産が終了してしまいました。
この「ウェイク」には「失敗」だとする指摘もありますが、その理由とはなんだったのでしょうか。
「ウェイク」の魅力と合わせて解説します。
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INDEX
ダイハツ「ウェイク」の概要
ダイハツが製造・販売するウェイクは、「D」「L」「Gターボ」という3つのグレードを持つ車です。
ウェイクの全グレードの共通の特徴としては1,835mmの高い車高と、1,455mmの室内高をもつことが挙げられます。
これは軽自動車の規定ギリギリの設計であり、車内で難なく着替えができる高さです。
車高・室内高と合わせて荷室が広いこと、各グレードで差がない燃費性能なども特徴です。
「D」グレードは標準型のウェイクであり、「L」グレードは標準グレードには搭載されていない便利な機能、たとえば、パワースライドドアをカードキーで開閉ができるなどのグレード機能を備えています。
またこのほか、泥汚れに強い「イージーケアフロア」や、衝突回避支援ブレーキ機能である「スマートアシストⅢ」などの機能がありました。
「Gターボ」は、その名のとおり「ターボエンジン」を搭載したグレードで、最大出力が52PSから64PSにパワーアップしているなどの特徴があります。
ダイハツ「ウェイク」が失敗といわれる理由
上に解説したような特徴を持つウェイクですが、「失敗」「売れていない」という評価を受けてしまうことがあります。
事実、ウェイクは発売後、競合車とくらべて思うように販売台数が伸びず、2022年8月に1世代限りのモデルとして生産終了となってしまいました。
ウェイクが失敗と言われてしまう理由や、「売れていない」と言われてしまうような理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
関連記事:(2014年初代モデル)ウェイクの燃費はどの程度?他車と比較してご紹介!
走行性能が低い
ダイハツの「ウェイク」が失敗とされる理由として頻繁に指摘されるのが、ボディの重さです。
同社の競合車とされやすい「タント」と比較すると、ウェイクはおおむね70kg前後重いという特徴があります。
重い車にはその分馬力の大きいエンジンを搭載できればよいのですが、ウェイクは軽自動車であり、そのため馬力を上げるにも64PSという制限があります。
重量が重くなればそれだけ走行性能が低くなってしまいます。
平常時の走行であれば、他の軽自動車と比較してそこまで走行性能が低いと感じる場面はないでしょう。
しかし、登坂路においては、市街地の中にある登坂路ですらパワー不足を感じる可能性があります。
乗り心地が悪い
ウェイクは全高1,835mmと、競合者である同社のタントやN-BOXなどよりも高い車高です。
車高が高い車は、高さのある荷物をそのまま収納したり、重ねて積載したりする際の利便性が高まるメリットがありますが、その一方で車高の高さは左右に曲がる際に横揺れが発生します。
また、サスペンションにも影響があり、上下の揺れも発生してしまいます。
そのため、ウェイクは「乗り心地が悪い」と評価されてしまう傾向にあるのです。
デザインがよくない
ダイハツの「ウェイク」は角ばっており、やや「ゴツい」デザインという印象を受けます。
このようなデザインの車はアウトドア感があり、男性向けとされる例が多くありますが、近年では女性向けの車でもアウトドアデザインのハスラーはヒットしています。
しかし、ダイハツのウェイクのデザインは、アウトドア向けにしても必要以上にゴツいととらえられてしまい、女性からはデザイン面での不評を買ってしまった可能性は否めません。
また、メインターゲットとなりうるアウトドア派の男性は、ウェイクよりもタントカスタムやキャストに流れたという指摘があります。
タントカスタムがアウトドア派に評価された理由としては、デザインに見合った機能面への配慮が挙げられます。
たとえば、左のセンターピラーがドアに埋め込まれており、ドアをワイドに開けられるなどのアウトドアでの便利な機能が備わっていない点もマイナスと取られる傾向にあります。
ダイハツ「ウェイク」の魅力とは?
ここまでの解説してきたように、ウェイクには、必ずしもよい評判ばかりではなく、中には「失敗」であるという評価すらもあります。
しかし、ウェイクには、ウェイクならではの魅力というものも存在します。
ウェイクにはどのような魅力があったのでしょうか。
以下には、ウェイクが持つ魅力について、具体的に解説します。
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広い室内構造
ウェイクが開発された経緯として、タントとの比較が挙げられます。
タントでは室内容量が足りず、かつミニバンからサイズを落としたいという場合に、充分な室内容量を確保したまま軽自動車を扱いたいというユーザーの声がありました。
このような需要に答えるという意味では、ウェイクはスライドドアの開口や車高・室内高においてもその需要を満たすものと考えられました。
また、荷物室にも深さが確保されており、高さのある荷物を「立てて」保管することができました。
このような特徴は、ゴルフバッグなどを積みたいユーザーからは高い評価を得ていました。
関連記事:(2014年初代モデル)ウェイクの内装は収納が便利!グレード別内装やスペックを解説!
「ゴツい」デザインにはファンも
ウェイクのデザインについては、先に解説したようにそのゴツさから、女性ファンの獲得に失敗したという意見も聞かれます。
しかし、ウェイクのデザインこそが良いという意見があることも事実なのです。
特に、タントのデザインに対して「ファミリー向けっぽい」「所帯持ち感が強くてダサい」というネガティブな声もありました。
このような考えを持つ層に対しては、ゴツいウェイクのデザインは質実剛健で、強そうなイメージから、アウトドア好きに限らず、一定の男性ファンも獲得していたのです。
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ダイハツ「ウェイク」はこんな人におすすめ
このようにメリット・デメリットがあるウェイクは、どのような層におすすめなのでしょうか。
先に解説した魅力と、「失敗」と言われてしまった理由とを総合的に考えてみると、ウェイクはまず広い車内空間や大きな積載容量が必要であり、かつ軽自動車のカテゴリに収めたい人におすすめです。
また、ハイトワゴンタイプで売れ筋となっているタントなどの車のデザインに物足りなさを感じる人にも、ウェイクはおすすめできる車であるといえます。
既存のハイトワゴンタイプであっても、搭乗時の頭上の高さが足りず窮屈に感じるという人にもおすすめできる車であるといえます。
まとめ
ダイハツ「ウェイク」は、高い車高と室内高、広い室内スペース、収納力の高い荷室などに特徴を持つ車です。
デザインに賛否両論があったり、乗り心地があまりよくなかったり、走行安定性に欠けたりなどの理由から、「失敗」であるという意見もあります。
一方で、広々とした車内空間や大きな積載量などの魅力もあります。
ウェイクを評価するうえでは、こうしたメリット・デメリット双方の意見をよく吟味する必要があるでしょう。