WLTCモードの燃費と実燃費の差はどれくらい?実例から違いを解説

車の購入を考える上で一番気になる点として、車両本体の価格をあげる人は多いでしょう。しかし、実際に車を所有した後にかかる維持費に目を向けることも重要です。

維持費の中には、点検費用や駐車場代、消耗品代などがありますが、今回お伝えするテーマに関連するガソリン代も大きな割合を占めるものになります。

そこで、この記事では車の燃費に着目して、いわゆるカタログ燃費と呼ばれるWLTCモードの燃費と実燃費にどの程度の差があるのかについて解説します。

カタログ燃費の考え方を知らないという人はぜひ最後まで読んでいただき、車を購入する際の参考にしてください。

関連記事:WLTCモードとはどのような基準?実燃費との差異について解説

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WLTCモードの概要

インパネの画像

車のカタログを見たとき、燃費の欄に「WLTCモード ○○km/L」と表記されており、WLTCモードとは何か疑問に感じる人もいるでしょう。

WLTCモードは、実際の走行環境に近い状況下で、どれくらいの燃費になるのかを測定するために導入されました。これにより、走行環境に応じた省エネ性能が高い車を見つけられます。

燃費は運転方法や使い方で大きく変わります。急加速を繰り返す運転と緩やかに加速する運転、渋滞している道を走るときとスムーズに進める道を走るとき、エアコンの使用の有無など、様々な要因で燃費は変化するのです。

WLTCモードは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」という3つの条件で構成されています。これらの条件ごとの燃費を測定し、各モードを平均的な使用時間で配分することで、トータルの燃費を算出します。

これまで主流だったJC08モードに比べ、実際の走行にできる限り近い条件で燃費を計測できるというのが、WLTCモードの特徴です。このモードは国際的な基準となっており、日本においても2017年の夏以降に導入され、2018年10月以降に販売されている新車には表示が義務付けられています。

現状の車のカタログにおいては、原則としてWLTCモード燃費と以下3つの燃費が併記されています。

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市街地モード

信号や渋滞などの影響を受け、比較的低速で走ることを想定したモード。小まめに停車や発信を繰り返すことから、燃費が悪くなりやすいモードです。

郊外モード

信号や渋滞などの影響を受けず、中速で安定して走ることを想定したモード。安定した走行により、燃費が良くなりやすいモードです。

高速道路モード

高速道路などでの、高速で走ることを想定したモード。一定の高速度で走行することにより、最も燃費が良くなりやすいモードです。

WLTCモードとJC08モードはどのように違う?

道路を走る車のイメージ

概要でも解説したように、WLTCモードはより実際の走行シーンに合わせた国際基準です。これが導入される以前はJC08モードで燃費が表示されていました。

JC08モードでの燃費表示は、2013年3月以降に統一されました。さらにJC08モード以前は「10・15モード」という15項目の走行基準に基づく燃費計測が採用されていましたが、実際の燃費と乖離が大きいことからJC08モードが導入されました。

JC08モードでは、10・15モードよりも実際の走行に近い状態での燃費計測が行われました。
例えば走行時の平均時速が高められたり、最高速度が70km/hから80km/hに引き上げられたりという具合です。また、重量区分も10.15モードよりも細分化されました。

このように改善されたJC08モードでの燃費ですが、実燃費と比較した場合の乖離はまだ大きく、JC08モードの約6割~7割が実燃費というデータもありました。そこで登場したのがWLTCモードです。

WLTCモードでは、「市街地モード」「郊外モード」「高速道路モード」という走行シーン別に燃費を計測しています。またドライバー以外の乗車人員・積載物の重さも考慮することにより、JC08モードに比べて実燃費に近い数値が出るようになりました。

ユーザーとしても、事前に実燃費に近い数値を知れるという利点は大変大きいものです。

現状、車のカタログ燃費についてはWLTCモードの記載が義務付けられています。しかし、JC08モード燃費についても併記されている場合もまだあるため、両者の燃費がどの程度異なるのかをチェックしてみるのも良いでしょう。

WLTCモードの燃費と実燃費の違いについて

秋のドライブイメージ

WLTCモードは実際の走行シーンに近い状態で燃費が計測されるため、実燃費との差はかなり小さくなっています。例えば、各種車の実燃費を紹介しているサイトによると、以下のような例があります。

【実燃費・WLTCモード燃費・JC08モード燃費の違い】

車名種類燃費
スズキ アルト
(マイルドハイブリッド)
実燃費
WLTCモード燃費
JC08モード燃費
28.15 km/L
27.7 km/L
33.1 km/L
トヨタ プリウス実燃費
WLTCモード燃費
JC08モード燃費
23.77 km/L
25.4~32.1 km/L
34.0~40.8 km/L
ダイハツ ミライース実燃費
WLTCモード燃費
JC08モード燃費
23.91 km/L
23.2~25.0 km/L
32.2~35.2 km/L
日産 ノート
(e-POWER)
実燃費
WLTCモード燃費
JC08モード燃費
21.14 km/L
23.8~29.5 km/L
28.2~38.2 km/L
マツダ CX-3
(ディーゼル)
実燃費
WLTCモード燃費
JC08モード燃費
18.25 km/L
21.2 km/L
25.0 km/L

※参考元:e燃費

上表から分かる通り、JC08モード燃費は実燃費とかなり乖離している一方、WLTCモード燃費と実燃費の差は縮まっていることが分かります。

実際の走行においては、雨天時や路面が凍結している状況での走行など、さまざまな路面状況が想定されます。また気温が低い日には、エンジンが温まるまでに時間を要したりエアコンを使用したりすることから、燃費が悪くなることも想定されるでしょう。

このような理由から、WLTCモード燃費についても、あくまでも参考値として考えましょう

燃費をよくするおすすめの方法

ブレーキを踏むイメージ

実燃費をWLTCモード燃費により近づけるためには、燃費をよくする必要があります。ここでは、燃費を良くするおすすめの方法について解説します。

ゆっくり発進ゆっくり減速

発進時と停車時にゆっくりと車を操作することが最も重要です。

急発進をすることでガソリンの消費が増えるため、発進時はアクセルをゆっくり踏み、慌てて加速しないよう心がけましょう。

また、減速時には早めにアクセルを離すことでエンジンブレーキが活用することで燃費の向上につながります。エンジンブレーキを活用するためには早めの減速が必要なため、車間距離を十分に確保しておきましょう。

アイドリングストップを行う

こまめなアイドリングストップも燃費向上に貢献します。環境にも優しいため、駐停車時はエンジンを切るように心がけましょう。

タイヤをメンテナンスする

タイヤの空気が十分に入っていなければ、燃費が悪化します。

1か月に一度ほどのペースで、しっかりと空気を補充しておきましょう。また、タイヤをエコタイヤに変えるという方法も一つの手です。

まとめ

ドライブイメージ

車を購入する上で燃費がどの程度かというのは大きなポイントです。

WLTCモードの登場によって、より実燃費に近い数値がカタログに載るようになり、購入時の判断材料として有益な情報を得られるようになりました。

WLTCモード燃費と実燃費の間に差はあるものの、より実際の値に近い燃費を事前に知れることで、購入後に「思ったより燃費が悪い」とガッカリする機会は減るでしょう。

車の購入を検討する際には、カタログを眺めてWLTCモードの燃費に注目してみてください。

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