走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するメリットやデメリット、長く乗るためのポイントを紹介
中古車の購入を検討している人の中には、「走行距離が10万キロを超えている中古車って購入して大丈夫?」「購入するメリットはあるの?」といった疑問を感じたことがある人もいるでしょう。
走行距離は10万キロが車の寿命と考えている人は多く、販売店でも10万キロ以上走行した車はリーズナブルな扱いとなっています。
しかし、走行距離が10万キロを超えている車を購入してはいけないということはありません。
10万キロを超えても問題なく走行している車も数多く存在します。
この記事では、走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するメリット・デメリットを解説していきます。
また、相場や購入時に確認すべきこと、長く乗るポイントも紹介するため、中古車の購入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
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走行距離と車の寿命は関係性があるのか

そもそも、「走行距離は10万キロが車の寿命」といわれる背景には昭和時代の名残があります。
当時の車は10年で10万キロ走ることを目標に作られていたため、そこから寿命というイメージが定着したといわれています。
しかし、現代の車の性能や耐久性は昭和時代よりも大幅に向上していることから、車の寿命も延びていると考えられます。
現在では、10万キロを超えても問題なく走行している車が数多く存在しています。
車の走行距離の目安は日本自動車査定協会では1年で1万キロと定められています。走行距離が短い車両の方が状態のよいものとみなされる理由の一つに、部品の使用や経年による劣化が挙げられるでしょう。
車は使用し続けると劣化していき、年数も経てば劣化していきます。
しかし、言い換えれば部品交換すれば問題なく乗ることができるということでもあります。
つまり、走行距離が10万キロ以上であることは「車の寿命」ではなく「買い換えの目安」であるといえるでしょう。
走行距離が10万キロを超えている中古車の相場

中古車の相場は年式と走行距離に大きく影響されるのが一般的です。
走行距離が10万キロを超えた中古車はメーカー保証がほとんど使えないためです。
相場は新車購入時の20~30%といわれています。
たとえば、新車購入時の金額が230万~250万円であれば、50万円程度の金額となります。
加えて、需要がない車種であれば、さらに低価格になるため価格を抑えて購入することができます。
年式と走行距離、人気や需要の有無に加えて、車両の状態によっても価格は変動します。
相場よりもリーズナブルな費用で車を購入できる可能性もあるでしょう。
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走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するメリット

ここでは、走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するメリットについて解説していきます。
メリット1.低価格
走行距離が10万キロを超えている中古車を購入する最大のメリットは、低価格であることです。
一般的に、車の価格は年式や走行距離に大きく影響を受けます。そのため、10万キロは過走行とみなされ、新車販売価格の20~30%まで価格が下がる傾向にあるのです。
メリット2.上位グレードに気軽に乗れる
低価格であるため、新車では手が出せない高級車や上位グレードの車種に乗れるチャンスがあることもメリットとして挙げられます。
走行距離は多くても、丁寧に整備・メンテナンスされている車は、外見からは判別できないため見栄えのよい車を所有することができます。
メリット3.入念なメンテナンスが期待できる
10万キロという長距離を走行した車は、安全確保のため入念なメンテナンスが施されていることが多いです。
販売店側としても、販売した車がメンテナンス不良で事故やトラブルを起こしては信用問題に関わります。
車の性能が向上している可能性も含め、十分なメンテナンスがされていれば問題なく走行することができるでしょう。
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走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するデメリット

ここでは、走行距離が10万キロを超えている中古車を購入するデメリットについて解説していきます。
デメリット1.部品交換が必要になる可能性がある
十分なメンテナンスがされていても、使用されている部品の経年劣化は避けられません。
購入時には問題なくとも、新車より早く部品交換が必要です。
そのため、その分の費用がかかってしまいます。
特にエンジン関連の部品は高額になることも多い傾向にあります。
あらかじめ費用を用意しておく必要があるでしょう。
デメリット2.故障するリスクがある
車の部品の経年劣化をはじめ、走行距離が10万キロを超えている中古車は故障するリスクが高くなります。
メンテナンスを怠ると事故やトラブルを引き起こす危険性があることを覚えておきましょう。
走行距離が10万キロを超えている中古車は、新車以上に定期的なメンテナンスを行う必要があるため、手間と費用が発生することはデメリットといえるでしょう。
デメリット3.リセールバリューが低い
車を乗り換える際、現在乗っている車を下取りに出し、その金額を次の購入時に充てる人は多いです。
しかし、10万キロを超える中古車の場合、すでに販売価格が低価格であることからも分かるようにリセールバリューが低いです。
そのため、乗り換えをはじめ手放す際の買取金額には期待できないでしょう。
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走行距離が10万キロを超える中古車を購入する時に確認しておくべきこと

走行距離が10万キロを超えている中古車を購入する際は、車両の状態を確認することが大切です。
年式や走行距離はもちろん、事故や修復歴の有無、メンテナンスが実施された期間について確認しましょう。
修復は見ただけでは分からない場合がほとんどです。
修復歴の内容によっては電気系統などトラブルの原因となります。
また、メンテナンスの実施期間については、定期点検記録簿で確認できます。どのような部品の取り換えを行ったのか、またオイル交換の頻度はどのくらいなのかがチェック可能です。
走行距離が10万キロを超えている中古車を購入する際は、車の状態確認だけでなく、必ず試乗を行い、違和感や問題なく走行できるかを確認した上で購入するようにしましょう。
走行距離が10万キロを超えている車に乗り続けるためのポイント

走行距離が10万キロを超えている中古車に少しでも長く乗り続けるためには、メンテナンスが欠かせません。
メンテナンスの重要性と、注意すべき自動車の部品をご紹介します。
走行距離が10万キロを超えている中古車のメンテナンス
1つ目は、定期的な点検を行うことです。
車の点検と聞くと車検を思い浮かべる人も多いですが、車検は2年に1回(新車は3年)と決まっています。
そのため、ディーラーをはじめとする販売店や整備工場、ガソリンスタンドやカー用品店などでこまめに点検を行うことをおすすめします。
車検以外の定期的な点検は、車検時において一度に多くの部品を取り換えずに済むため、車検費用を抑える効果も見込めます。
メンテナンスの際に特に注意が必要な部品
2つ目は、特に経年劣化を気にした方が良い部品を知っておくことです。
走行距離が10万キロを超えると、特にいくつかの部品へ注意が必要です。
エンジン関連部品
エンジン関連部品は、特にタイミングベルトやファンベルトなどのベルト類、クランクシャフトやカムシャフト周りのオイルシールの劣化に注意が必要です。
一般的にタイミングベルトは寿命が10年と言われています。
ファンベルトは消耗品であり、ゴム製のため交換費用もさほどかかりません。
ベルトの劣化やオイル漏れには早めに対応しましょう。
サスペンション関連部品
サスペンション関連部品は、ショックアブソーバーの劣化に注意が必要です。
ショックアブソーバーはダンパーとも呼ばれ、道路の凸凹をスプリングによって抑制し、揺れを軽減する働きをしています。
そのためショックアブソーバーが経年劣化による摩耗で、不安定な走行や振動が感じられることがあります。
また、サスペンションブッシュやスタビライザーリンクの劣化は、ハンドリングに異常をきたす可能性があります。
ブレーキ関連部品
ブレーキパットやローターは消耗品であり、摩耗し劣化した場合は、ブレーキの制動力が低下します。
電飾系部品
バッテリーは、長い間使用することで寿命が短くなります。
エンジンのかかりにくさがある場合は、バッテリーの交換を検討する必要があります。
オルネーターは、バッテリーを充電する働きがありますが、経年劣化により充電不足や点灯不良が起きる可能性があり危険です。
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まとめ

走行距離が10万キロを超えている中古車であっても、十分なメンテナンスが行われていれば問題なく運転することが可能です。
走行距離が10万キロを超えている車は、新車販売価格の20~30%程度が相場となっており、年式や車種の人気、車両の状態によって価格が変わります。
そのため、リーズナブルな価格で車を購入でき、新車では手が出せないような高級車や上位グレードの車を購入するチャンスにもなり得るのです。
ただし、経年劣化をはじめ、新車と比較するとトラブルが発生するリスクも忘れてはいけません。
走行距離が10万キロを超えている中古車の購入を検討している人は、この記事で紹介した注意点やポイントなどもぜひ参考にしてみてください。