車検証の住所変更のやり方や必要な書類とは?手続きの方法まで詳しく解説

引越しなどを理由に住所が変わった場合、車検証の住所も引っ越してから15日以内に変更しなければなりません。

もし引っ越してから15日以上経っているにも関わらず車検証の住所を変更していなかった場合、道路運送車両法違反となってしまい、50万円以下の罰金が課せられる恐れがあります。

この記事では、車検証の住所変更に必要となる書類や手続き方法を解説しますので、最後まで読んでしっかり理解しましょう。

業者に依頼することなく個人で簡単に手続きする方法を紹介していますので、参考にしてください。

関連記事:車検証の電子化を徹底解説|なぜ手数料が上がった?メリットや開始時期も詳しく解説

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車検証の住所変更に必要な書類

引っ越しをした際には、原則として15日以内に車検証に記載されている住所の変更が必要です。

住所変更をせずに放置すると、自動車税の通知書が届かない、自賠責保険が適用されない、リコール情報が届かないなどのリスクがあります。

車検証の住所を変更する際に必要な書類は、全て自分でそろえることができます。
どのような書類が必要か解説します。

1.住所変更を行う自動車の「自動車検査証」

自動車検査証(以下、車検証)は、保安基準に適合した車かどうかを証明している書類です。

住所変更の際は、新しい車検証と交換するため「旧車検証の原本」が必要です。

万が一、紛失した場合は、前住所の管轄の陸運支局で車検証を再交付してもらいましょう。
その後、新しい住所を管轄する陸運支局にて、住所変更の手続きをすることができます。

関連記事:車検証を紛失したらどんな問題がある?再発行に必要な書類も紹介

2.自動車保険場所証明書(車庫証明書)

住所変更の際には、車の保管場所を有していることを証明する「車庫証明書」も必要です。

証明書の取得にあたっては、本拠地(住所)から保管場所(駐車場)が2キロメートル以内等、いくつかの取得条件があります。
また、取得費用は都道府県によって異なりますが、2,500〜3,000円程度です。

賃貸等に住んでいるケースでは、大家さんに保管場所使用承諾証明書へ判をもらいます。

管轄の警察署で車庫証明書を申請し、交付されるまではおおよそ1週間かかるので、余裕を持って申請しましょう。
なお、業者に依頼する場合、車庫証明書は不要です。

関連記事:車庫証明の住所変更手続きはなぜ必要?手続きのやり方も紹介

3.手数料納付書

「手数料納付書」とは、陸運支局での手続きの際に手数料を納めるための書類です。
陸運支局によっては、手数料納付書の代わりに検査表を求められるケースもあります。

納付書は、陸運支局内で入手可能です。
売捌所などで350円の検査登録印紙を購入し、手数料納付書に貼ります。

なお、業者に住所変更を依頼する場合は、こちらも用意不要です。

4.新しい車検証を発行するために必要な申請書

申請書は、陸運支局で取得するか、インターネットでダウンロードできます。

太枠の中に住所・氏名など必要事項を鉛筆で記入し、陸運支局でコンピューターに入れて読み取らせます。

申請書は、自分で陸運支局にて手続きする場合のみ必要です。

書類の作成には時間がかかるため、変更当日に陸運支局で行うのではなく、事前に書類をそろえて落ち着ける環境で準備しておくのがおすすめです。

5.住民票

発行日から3ヵ月以内の住民票を用意します。
引っ越しをした場合、住民票に現住所と以前の住所、また転入した日付などが記載されています。

何度も引っ越しをしていて、車検証に記載されている住所と前住所が異なる場合、過去の転居履歴が記載されている戸籍の附票が必要になるので注意しましょう。

関連記事:車を購入する際に住民票は必要?その他書類や購入の流れを解説

代理人が申請を行う場合は委任状も必要

代理人に手続きを委任したい場合には、委任状が必要です。

ただし、記載ミスや不備があると、代理人はその場で訂正できません。
業者に依頼する際も、正確な委任状を用意します。

車検証の住所変更をするやり方と流れ

それでは、車検証の住所変更を個人で行う方法と流れを解説します。

必要な書類を用意・作成する

まずは、陸運支局に行く当日までに必要なものを全てそろえておきましょう。陸運支局に着いてから書類の不備があると、その日の申請が滞ってしまいます。

印鑑の押印が必要な場所は数ヵ所あるため、押印箇所の見落としがあったときのために印鑑を持っておく方が安心です。

陸運支局に行って申請する

必要書類一式の準備ができたら、陸運支局の窓口に提出します。

不備がなければ、新しい車検証は当日中に交付されます。
新車検証を受け取ったら、記載内容に誤りがないかその場で確認しておきましょう。

ナンバープレートを付け替える

住所変更によりナンバープレートも変更が必要な際は、旧ナンバープレートを陸運支局の返納窓口に返納し、交付窓口でナンバープレートを購入します。
取得費用は通常数千円程度です。

ただし、希望ナンバーや期間限定の図柄ナンバーの場合は1万円を超えるケースもあります。

車検証の記載内容に問題がなければ、執行官よりナンバープレートが封印されます。

関連記事:車のナンバー変更はどこでする?手続きの流れと必要なものを紹介

税事務所に住所変更を申告

自動車税の納税通知書が新住所に届くよう、自動車税事務所にも連絡しておきましょう。
申告の際に必要な書類は、以下の2つです。

  • 自動車税、自動車取得税申告書
  • 新車検証

自動車税事務所は陸運支局内に併設されているので、新しい車検証を受け取ったらその日のうちに申告するのがおすすめです。

関連記事:車の名義変更に必要な書類を確認しよう!手続きの流れも解説

車検証の住所変更はどこでできる?

疑問

車検証の住所を変更するには、以下の3つのやり方があります。

  • 窓口に足を運び手続きする
  • 自動車販売店やディーラーなどの業者に代行を依頼する
  • OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用してオンラインで手続きする

それぞれの特徴や注意点を知った上で、自分に合ったやり方を選びましょう。

陸運局の窓口に足を運び手続きする

自分で書類を用意して窓口へ足を運ぶやり方です。

「車検証の住所変更は陸運局でできる」と思っている人も多いかと思いますが、実は普通自動車・小型自動車と軽自動車で申請場所が異なります。

普通自動車・小型自動車なら陸運局、軽自動車なら軽自動車検査協会へ足を運んで必要書類を提出します。

どちらも受付時間は平日の日中のため、平日に仕事がある人は有給休暇を使うか、家族に代理で手続きをしてもらうなど、他の手段を取る必要があります。

なお、家族が代理で手続きをする場合は、委任状が必要となる点にも注意が必要です。

自動車販売店やディーラーなどの業者に代行を依頼する

車検証の住所変更は、自動車販売店やディーラーなどの業者に依頼すれば代行してもらえます。

代行依頼先は以下のとおりです。

  • 自動車販売店
  • ディーラー
  • 整備工場
  • 行政書士

ただし、申請費用だけでなく代行の手数料がかかるので、自分で手続きをするのに比べて割高になる点や、委任状が必要になる点に注意が必要です。

OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)でオンラインで手続きする

普通自動車の車検証の住所変更手続きは、OSS(自動車保有関係手続のワンストップサービス)を利用すれば、オンラインでも可能です

申請は24時間365日受け付けているので、平日時間が取れない人におすすめです。

手数料の納付もオンライン上でできるため、場所や時間に関係なくいつでも納付できる点が大きなメリットと言えます。

ただし、処理されるのは平日の各機関の窓口の時間内なので、期限ギリギリに申請すると期限遅れとなってしまう点に注意が必要です。

なお、軽自動車にも類似のサービスがありますが、現状、住所などの変更登録には対応していません。
軽自動車の車検証の住所変更をする場合は、軽自動車検査協会に足を運ぶか、自動車販売店やディーラーなどの業者に代行を依頼することになります。

車検証の住所を変更しなかった場合のデメリット

車検証

車検証の住所を変更しなかった際のデメリットとしては下記の4つが挙げられます。

  • 法律違反による罰金が発生する恐れがある
  • 自動車税の納付書が届かない恐れがある
  • リコールなどの通知書など、重要な通知が届かない恐れがある
  • 保険金が下りない可能性がある

納付書や通知書などは郵便局へ転送手続きをしていればしばらくは大丈夫です。

しかしこれはあくまでも一時的な対処。転送手続きをしているから安心、ではないのです。

住民票の住所と車検証の住所が異なる場合、保険金が下りない可能性も考えられます。

よくある質問

車検証の住所変更が必要になる場面は?

住所変更が起こった場合なので主に引越しの時です。
引越しの際、車検証の住所変更の手続きをすることが、道路運送車両法により義務付けられています。

原則、引越しから15日以内に住所の変更手続きを行う必要があり、違反して検挙されると50万円以下の罰金を課される可能性があります。

また、住所変更を行わずに放置していると、毎年5月頃に届く自動車税の支払い通知書が届かなくなります。
そのまま、自動車税の滞納につながるケースも考えられます。

この場合は、郵便局の転送サービスを利用するとよいでしょう。

ただし、この転送サービスは1年間だけなので、2年目以降は延長手続きをしなければ郵便物が転送されません。
自動車税に限らず、重要な支払い通知の郵便物が転送されているときは、住所変更手続きをしておくとよいでしょう。

自動車税を滞納した場合は延滞税が加算されてしまいます。

多くの場合、車検を受ける際に自動車税の未納に気付きますが、その時点ですでに延滞金が発生している状態です。
未納期間分の延滞税を加算して支払うことになり、車検と合わせると大きな出費になるでしょう。

さらに、現住所と車検証の住所が違った場合、万が一大きな事故に遭った場合でも自賠責保険が支払われない恐れがあるので、車検証の住所変更は早めにしておいた方がよいといえます。

関連記事:普通車の税金はいつ支払う?納付時期や延滞のリスクも解説

引越してから15日以上経ってしまったらどうすればいいですか?

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たとえ15日を過ぎていても、気づいた段階で早めに住所変更の手続きを行いましょう。

引越し作業に手間取ったり、私生活が忙しかったりなどさまざまな理由で住所変更の手続き期間である15日を過ぎてしまうことがあるかもしれません。

そうなった場合「まあいいか」と放置するのは絶対NG。
車検証の住所未変更は違反であることは先述の通りです。

最悪の場合50万円以下の罰金が科せられるケースもあります。

自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。

道路運送車両法第十二条

名義を変えたい場合にも車検証の変更手続きは必要ですか?

車の所有者に変更があった場合は車検証も名義変更します。
正式には「移転登録」と呼ばれ、通常は下取りや買取を行った業者で手続きを行います。

個人的に車を譲り受けた場合は、自分で名義変更の手続きをし、車の所有者情報登録を行う必要があります。

業者に手続き代行を依頼することも可能です。

関連記事:車の名義変更に必要な書類を確認しよう!手続きの流れも解説

車検証の住所が前住所のままでも車検は受けられますか?

車検証の住所変更がまだでも、車検を受けることは可能です。
車の検査は規定通りに行なっていないと危険なためです。

引越しの直後でも安心して車検を受けられますが、車検の後でも変更期日の15日以内は守ようにしましょう。

車検証の住所変更には何日くらいかかりますか?

1時間程度で終わります。

さらにOSSができたことで、ご自宅からでも申請が可能です。

まとめ

車検証の住所を変更せずに放置していると、自動車税の滞納、自賠責保険が支払われない、またリコール情報が届かないなどのリスクがあります。
法的に罰金を課される可能性もあります。

住所変更当日は、陸運支局に行く前に必要書類を準備し、念のため印鑑を持っておくと安心です。

警察での自動車保管場所証明書の発行には1週間程度を要するので、余裕を持って申請をしましょう。

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カーナレッジ編集部

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