トヨタ「カムリ」が国内での生産を終了する?その理由について解説
トヨタの「カムリ」が国内生産終了と聞いて、驚いた人は多いのではないでしょうか。
長年愛されたこの車の生産終了理由が、気になる人もいるでしょう。
この記事では、カムリの概要から生産終了の時期や理由、さらには海外での販売状況について詳しく解説します。
また、カムリと同時期に生産終了したほかの車についても触れるため、カムリやトヨタの動向に興味のある人はぜひご覧ください。
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INDEX
カムリの概要
トヨタが製造・販売しているカムリは、その優れた性能とデザインで世界中のドライバーから高い評価を受けている車です。
ここでは、カムリの基本的な特徴や魅力を紹介します。
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カムリとは
トヨタ カムリは、洗練されたデザインと実用性を兼ね備えたミドルクラスのセダンです。特に北米では高い人気を誇り、その魅力は多岐にわたります。
カムリは「WS」「WSレザーパッケージ」「G」「Gレザーパッケージ」「X」といった多彩なグレードを展開しており、スポーティな走りから華やかなデザインまで、さまざまなニーズに応えています。
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ボディサイズ
カムリは、ボディサイズが大きくとられており、ゆとりあるサイズが快適なドライブを提供します。カムリはくつろげる車内空間を求める人や、上質なセダンを求める人に特におすすめです。
また、広い室内空間とラゲージスペースは、大人3人がゆったり座れる後席の広さや、一般的なサイズのゴルフバッグも収納できる大容量のトランクスペースを装備しています。
カムリのボディサイズは以下の通りです。
全長(mm) | 4,885~4,910 |
全幅(mm) | 1,840 |
全高(mm) | 1,445~1,455 |
ホイールベース(mm) | 2,495 |
車両重量(kg) | 1,550~1,680 |
乗車定員 | 5名 |
デザイン
カムリは、その高いデザイン性も特徴の一つです。
モノトーンやツートーンのカラーバリエーションを選べ、個性的な外観を楽しめるでしょう。
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走行性能
走行性能に関しては、TNGAに基づく低重心パッケージを採用しており、重量バランスの向上と車内の安定性により、快適な乗り心地と安定した高速走行を実現しました。
また、コックピット周りはスムーズに操作するための動線と視線移動の最適化により、運転への集中を高める設計になっています。
燃費性能
カムリは、熱効率と出力の高さを両立させた「2.5Lダイナミックフォースエンジン」とハイブリッドシステムの組み合わせにより、優れた燃費を実現しました。
日常の使用から長距離ドライブに至るまで、経済的な魅力を提供する選択肢といえるでしょう。
カムリのカタログ燃費は以下の通りです。
2WD | 4WD | |
WLTCモード(km/L) | 24.3 | 21.6 |
市街地モード(km/L) | 20.1 | 17.1 |
郊外モード(km/L) | 27.2 | 24.3 |
高速道路モード(km/L) | 24.7 | 22.5 |
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安全性能
カムリは、安全性に関しても高い評価を受けています。
「トヨタセーフティセンス」という標準装備の安全機能群には、進化したプリクラッシュセーフティ(衝突の危険を事前に知らせる)や、レーダークルーズコントロール(前方車との適切な車間距離を保つ)などが含まれており、多様な機能を備えているのが特徴です。
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カムリが生産終了する時期や理由について
カムリが生産終了すると知って気になるのは、実際に生産終了する時期や、その理由ではないでしょうか。
ここでは、この2つについて解説します。
生産終了する時期
トヨタ自動車が国内市場でのカムリの販売を2023年12月に終了すると発表したことは、多くの自動車愛好家にとって意外なニュースでした。
1980年の初代モデル発売以来、カムリは日本の自動車文化の一翼を担ってきた車の一台で、40年以上の歴史をもち、その間に多くの進化を遂げてきました。
しかし、2023年12月をもって、国内市場でのその長い歴史に終止符が打たれることとなりました。
生産終了する理由
カムリの国内生産終了の背後には、日本におけるセダン市場の縮小というトレンドの流れがあります。
近年、SUVやミニバンなどの多目的車の人気が高まる一方で、従来型のセダンは市場シェアを失ってきました。
日本市場における「セダン離れ」は、カムリの生産終了の重要な要因となっています。
トヨタは、これらの市場動向を考慮し、国内市場でのカムリの生産終了という難しい決断を下しました。
カムリは海外で販売中
トヨタのカムリは、日本国内での生産終了が決定されたものの、海外市場では引き続きその存在感は健在です。
ここでは、海外でのカムリの現状と、2023年モデルの特徴に焦点を当てて詳しく解説します。
海外では引き続き販売する
カムリは、日本国内での生産終了が決定されましたが、海外市場では現在も人気を保っています。
海外では引き続き販売されるため、これからもカムリの名前や姿は世界の道で見られるでしょう。
海外で発表されているカムリ2023年モデルとは
カムリは、米国市場では主力としての地位を維持しています。2023年、トヨタ米国部門は新型カムリを発表しました。
新型モデルは、ハンマーヘッドをモチーフにしたフロントデザインとコの字型のLEDヘッドライトを採用し、スポーティな外観を実現しています。
さらに、全モデルがハイブリッド仕様で、最新の第5世代ハイブリッドシステムを搭載しているようです。
このハイブリッドシステムは、2.5リットルの直列4気筒ガソリンエンジンとモーター、リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、FFと電動オンデマンド4WDの両方を提供するAWDを採用しています。
車内では、標準の8インチディスプレイがダッシュボードの中央に配置されており、ハイグレードモデルでは13.2インチの大型ディスプレイも利用可能です。
カムリと同時期に生産終了した車について
トヨタ自動車は、カムリの生産終了と同時期に、ほかの車の生産も終了することを発表しています。
ピクシスジョイとパッソの2車は、カムリと同様に生産終了の対象となりました。
これらはどのような車だったのでしょうか。
ピクシスジョイ
トヨタが2016年8月に市場に投入したピクシスジョイは、ダイハツ・キャストスタイルを基にしたOEM車でした。
その名は妖精を意味するピクシーと、喜びを示すジョイの言葉を組み合わせたもので、ドライバーに楽しさと快適さを提供することを目的として開発されました。
エンジンは、水冷直列3気筒12バルブDOHCと、インタークーラーターボを搭載したバージョンがあり、どちらも燃費効率に優れています。
ピクシスジョイの燃費性能は以下の通りです。
2WD | 4WD | |
WLTCモード(km/L) | 21.0 | 19.3 |
市街地モード(km/L) | 17.3 | 16.6 |
郊外モード(km/L) | 22.7 | 20.7 |
高速道路モード(km/L) | 22.0 | 19.8 |
内装の面では、広々とした室内空間を持ち、高めにとられた最低地上高により安定した走行が可能です。
外観は、バンパーモールやサイドロッカーモールにメッキ加飾を施し、かわいさの中にも洗練された印象を与えています。
低燃費と手頃な価格で人気を博したピクシスジョイですが、市場の変化とトヨタの戦略の変更により、2023年6月に生産終了しました。
これからも軽自動車市場におけるトヨタ車として、ピクシスシリーズの中でも名を残すことになるでしょう。
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パッソ
パッソは、2004年のデビュー以来、コンパクトカー市場で高い存在感を示してきました。
この可愛らしい5ドアハッチバックモデルは、ダイハツ工業が開発し、トヨタが販売する車種の1つです。
パッソは、その扱いやすいサイズと高い燃費効率で、特に都市部での使用に適していましたが、2023年9月をもって生産が終了しました。
パッソの特徴は、その経済的、実用的な数値まわりに表れており、良好なカタログ燃費や、手頃な価格設定も魅力の一つでした。
なお、パッソのカタログ燃費は以下の通りです。
2WD | 4WD | |
WLTCモード(km/L) | 21.0 | 19.0 |
市街地モード(km/L) | 17.4 | 15.7 |
郊外モード(km/L) | 22.6 | 20.4 |
高速道路モード(km/L) | 22.6 | 20.5 |
車のサイズはコンパクトですが、内部は広々としており、快適な室内空間を持っていて、荷物の積み込みにも便利です。
パッソは、新車を手頃な価格で購入したい人や、狭い道での運転が多い人に特に適しています。
幅広い層に支持され、日常の使用から中距離ドライブまで幅広く活用されてきた車です。
C-HR
C-HRは、2016年よりトヨタ自動車が製造・販売しているコンパクトSUV車であり、先進的なデザインと高い走行性能が魅力です。
C-HRはハイブリッド車とガソリン車の2タイプがあり、駆動方式には2WDと4WDがあり、さらに2WDにおいてはトランスミッションがCVTと6MTに分かれていました。
それぞれのWLTCモードにおけるカタログ燃費は以下の通りです。
ハイブリッド2WD 電気式無段変速機 | S”GR SPORT” | G、S |
WLTCモード(km/L) | 25.0 | 25.8 |
市街地(km/L) | 24.1 | 24.7 |
郊外(km/L) | 27.6 | 28.6 |
高速道路(km/L) | 23.9 | 24.6 |
ガソリン2WD | SーT”GR SPORT”、GーT、SーT /CVT | SーT”GR SPORT”、GーT、SーT /6MT |
WLTCモード(km/L) | 14.9 | 15.4 |
市街地(km/L) | 11.1 | 12.2 |
郊外(km/L) | 15.6 | 15.6 |
高速道路(km/L) | 16.9 | 17.2 |
ガソリン4WD CVT | SーT”GR SPORT”、GーT、SーT |
WLTCモード(km/L) | 14.3 |
市街地(km/L) | 10.8 |
郊外(km/L) | 15.0 |
高速道路(km/L) | 16.0 |
まとめ
トヨタのカムリは、2023年12月に国内での生産を終了することが決定されました。
このことは、日本国内におけるセダン市場の縮小と、消費者の好みの多様化に基づいています。
一方で、海外市場ではカムリは引き続き人気を保持しており、特に北米では支持が強いです。北米では、カムリは家族用セダンとしての地位を確立しており、その人気は今後も続くと予想されます。
さらに、トヨタはカムリの生産終了と同時に、ほかの車の生産も終了することを発表しており、ピクシスジョイとパッソ、C-HRがすでに生産終了を迎えています。
このような動きは、日本の自動車業界における時代の変化の一環とも考えられます。
画像出典元:トヨタ自動車株式会社