車のローン完済に伴う名義変更を陸運局で行う際の手順とは？

2024.03.28

マイカーローンの完済後、多くの人が見落としがちなのが名義変更です。
この手続きを怠ると、売却や廃車の際に問題が生じる可能性があります。

そこで、この記事では、陸運局で名義変更手続きを行う際のポイントを解説します。

必要書類の準備から、手続きの流れ、注意点まで、名義変更のポイントを詳細に説明するため、名義変更を予定している人はぜひ参考にしてください。

INDEX

車のローン完済後に名義変更を行う理由

車のローンを完済したあと、多くの人が見落としがちなのが名義変更です。

この手続きを行わないと、将来的に売却や廃車の手続きができなくなるだけでなく、さまざまなトラブルの原因となる可能性があります。

これらの問題点を詳しく見ていきましょう。

売却や廃車の手続きができない

ローン完済後の名義変更は、車の所有権に直接関わります。

ローンで購入した車の場合、完済するまで名義はディーラーやローン会社にあるためです。
完済後に所有権留保の解除と名義変更を行わなければ、売却や譲渡、廃車などの手続きが行えません。

これにより、車の処分や管理において大きな不便が生じることがあります。

また、所有者としての権利を行使できないため、車の価値を十分に活用できません。
ローン完済後は、迅速な名義変更行うことが重要です。

トラブルの原因になる

名義変更を怠ると、事故やトラブルの際に前の持ち主に不利益が及ぶことがあります。

たとえば、現在の使用者が運転中に事故した場合、名義上の所有者にあたる前のオーナーが責任を問われることが考えられるでしょう。

これは前の持ち主に迷惑をかけるだけでなく、関係の悪化を招く可能性があるため注意が必要です。

また、名義変更がなされていない場合、保険の適用にも問題が生じることがあります。
事故時の保険処理は名義上の所有者との契約に基づくため、名義変更がなされていないと適切な保険適用が受けられない可能性があります。

これらのトラブルを避けるためにも、名義変更は必要な手続きです。

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車のローン完済に伴う名義変更の際の必要書類

所有権留保の解除申請を行う際には、クレジット・ローン会社やディーラー、車販売店から「印鑑証明書」「譲渡証明書」「委任状」などの書類を取り寄せる必要があります。

これらの書類を提出するためには、残債がないことを示す「契約終了通知書」が必要です。

また、自動車税が支払われていることを証明する「自動車税納税証明書」も用意する必要があります。

自動車税納税通知書の受領前に申請を行う場合は、まだ通知書が届いていないことがあります。

その際は、県税事務所に出向いて自動車税を納めましょう。

これらの手続きを終えたあと、自動車検査証（車検証）のコピー、自動車税納税証明書、契約終了通知書などをローン・クレジット会社に送付し、委任状や印鑑証明書に加えて譲渡証明書などの必要書類を交付してもらいます。

以下は、車の名義変更の際に必要な書類です。

・自動車検査証
・申請書（第1号様式）
・手数料納付書（500円の検査登録印紙を貼付して提出）
・現在の所有者と新所有者の印鑑証明書（発行日から3ヶ月以内）
・印鑑か委任状（新所有者が申請する場合は実印、代理人が申請する場合は委任状が必要）
・代理人が申請する場合は、委任状(現在の所有者の実印の押印があるもの)
・譲渡証明書
・自動車税納税証明書

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車の名義変更を陸運局で行う際の手順

名義変更するには、陸運局での手続きが必要です。
自分で手続きを行う際は、必要書類の受け取りから始まり、いくつかの手順を踏む必要があります。

ここでは、名義変更を陸運局で行う際の手順について解説します。

1.窓口で必要書類を受け取る

陸運局での名義変更手続きを行うには、まず必要書類を窓口で受け取ります。
窓口で受け取る書類は手数料納付書、自動車税（環境性能割・種別割）申告書、申請書（第1号様式）などです。

これらの書類に必要事項を記入し、手続きの準備を整えます。
書類の記入方法については、陸運局内にある見本を参考にするとよいでしょう。

2.登録手数料を支払う

次に、陸運局内にある印紙販売窓口で、名義変更のための移転登録手数料に相当する印紙（500円分）を購入します。

購入した印紙は手数料納付書に適切に貼り、提出する書類に添えましょう。
手数料の金額は事前に確認しておくとスムーズです。

3.窓口に書類を提出する

続いて、準備した書類を陸運局の窓口に提出しましょう。
窓口では書類の不備がないか確認され、問題がなければ受理されます。

窓口が混んできるときは、提出までに時間がかかることもあるため、余裕を持って手続きに臨むことが重要です。

4.車検証を受け取る

書類提出後、特に問題がなければ新たな車検証が渡されます。
交付された車検証に記載ミスがないか確認し、万が一誤りがあれば、その場で指摘して訂正しましょう。

通常、車検証の交付には30分から1時間程度かかるため、その間は陸運局で待機することになります。

5.税金を申告する

車検証の交付を受けたあと、陸運局内の税申告窓口で自動車税・自動車取得税の申告を行います。

ここで、自動車取得税がかかる場合は、その場で計算され、納税額が提示されます。
必要に応じて納税を行えば、名義変更手続きは完了です。

関連記事：車の所有者が死亡したらどうする？名義変更の手続きと必要書類

ローン完済に伴う名義変更を行う際の注意点

ローン完済後の名義変更を行う際には、いくつかの注意点があります。
これらの点をしっかりと理解し、手続きを進めることで、スムーズに名義変更が可能です。

ここでは、ローン完済に伴う名義変更を行う際の注意点について解説します。

自動車税の滞納がないか確認する

名義変更を進める前に、自動車税の納付状況を確認することが必要です。
自動車税が未納の場合は、名義変更手続きに入る前にその税金を全額支払う必要があります。

自動車税が滞納されていると名義変更の手続き滞るため、事前に納税状況をチェックしておきましょう。

譲渡証明書は再交付不可

譲渡証明書は、車の所有権を証明するための重要な書類であり、二重交付を防ぐために、道路運送車両法によって、再交付が禁止されています。

この書類を紛失した場合、新たに発行はできません。
万が一譲渡証明書が手元にないときは、譲渡証明書発行済証および譲渡証明書紛失の理由書を提出することで対応可能です。

譲渡証明書の管理には細心の注意を払い、紛失しないよう適切に保管することが求められます。

軽自動車は管轄が異なる

軽自動車の名義変更は、手続きの管轄が普通自動車と異なります。
軽自動車の場合、名義変更の申請は陸運局ではなく、軽自動車検査協会で行う必要があります。

また、普通自動車と軽自動車では必要な書類が異なり、軽自動車の手続きの方が費用は安くすむことが一般的です。

軽自動車の名義変更を行う際は、正しい申請場所と必要書類を事前に確認し、準備を整えることが大切です。

ローン完済前でも名義変更できる？

基本的にローンを完済しなければ名義変更はできませんが、ローン返済期間中でも名義変更が可能なケースもあります。

ここでは、ローン完済前に名義変更ができるのかについて解説します。

残債を繰り上げ返済した場合

ローンが支払い中でも、繰り上げ返済を行うことで名義変更ができます。

繰り上げ返済とは、毎月の返済額と別にまとまった額を返済する方法のことです。
繰り上げ返済によってローンを完済すれば、所有権留保が解除され、名義変更ができます。

この際、ローン会社から完済証明書を受け取り、それを基に名義変更を進めます。
繰り上げ返済は、臨時の収入がある場合や、ローンを早期に解消したいときに適した方法です。

車の査定額が残債務額を上回った場合

車の査定額が残債務額を上回る場合も、名義変更が可能です。
このケースでは、車を売却し、その売却額でローンの残債務を完済できます。

売却によって得られる金額が残債務を上回る場合、その差額は所有者に戻るため、経済的にも有利です。

車を査定に出す際は、車の市場価値と残債務額を正確に把握し、適切な売却先を選ぶことを意識しましょう。

まとめ

この記事では、車のローン完済に伴う名義変更を陸運局で行う際の手順について解説しました。

車のローン完済後の名義変更は、将来の売却や廃車の手続きする際に不可欠であり、これを怠ると、さまざまな問題が生じる可能性があります。

そのため、ローン完済後には、迅速に名義変更を行うことが重要です。
手続きの際は、自動車税の滞納の有無や譲渡証明書の取り扱い、軽自動車の管轄の違いに注意しましょう。

また、ローン完済前でも、残債を繰り上げ返済するか、車の査定額が残債務額を上回る場合には名義変更が可能です。

名義変更を検討している人は、これらのポイントを参考にしてください。

※引用元：e-Gov法令検索│道路運送車両法