「この車は四駆だぞ!」千と千尋の神隠しで登場する「父の愛車」はどんな車?
世界中で愛されているスタジオジブリのアニメーション映画。
作品には実在する車が登場する作品があるってご存知でしたか?
その中でも2001年に公開された「千と千尋の神隠し」では、冒頭シーンで実在する車がリアルに描かれており、運転シーンやお父さんのセリフが気になった方もいるのではないでしょうか。
この記事では作中に登場する「父の愛車」について、映画情報をもとに考察します!
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INDEX
スタジオジブリ作品「千と千尋の神隠し」とは
「千と千尋の神隠し」とは2001年7月に公開されたスタジオジブリが手掛ける長編アニメーション映画です。
世界中で高い評価を受けており、2002年のベルリン国際映画祭でアニメ作品として初の金熊賞を受賞し、2003年3月には第75回米アカデミー賞を受賞した、日本が世界に誇る宮崎駿の傑作ファンタジーです。
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映画のあらすじ
主人公の少女、千尋は両親とともに新居への引っ越し途中、神秘的なトンネルを発見します。好奇心からトンネルを抜けると、そこは八百万の神様や妖怪が住む異世界でした。千尋の両親は、この世界の食事を勝手に食べた罰として豚に変えられてしまいます。
千尋はこの世界で生き抜くため、湯婆婆という魔女が経営する銭湯「油屋(ゆや)」で働くことになります。そこで彼女は、人間を嫌う湯婆婆、千尋を助けてくれるハク、そして様々な神々や妖怪たちと出会います。
千尋が銭湯で働く中で、彼女は多くの困難に直面します。しかし、勇気と知恵を身につけ、自分自身を見つめ直すことで成長し、それらを乗り越えることで、彼女は自分自身の力を信じるようになり、両親を元の姿に戻すため、そして自分自身を救うために自分の道を切り開いていきます。
また、千尋はハクとの出会いを通じて、友情や愛情の大切さを学びます。
最終的に、千尋は湯婆婆との対決を経て、両親を元の姿に戻すことに成功し、彼女は自分自身を救い、異世界から現実の世界へと戻ることができます。
「父の愛車」登場シーン
「父の愛車」は千尋とその両親が新居へ向かう車の中の様子で始まる冒頭シーンから登場します。
未舗装路の険しい山道を車体を大きく揺らしながら駆け上がり、その過激な走りに千尋は「お父さん、大丈夫?」と声をかけます。それに対して父は「まかせとけ、この車は四駆だぞ!」と意気揚々に語り、過激な走りを続けています。
実はセリフとともに車の外装や車体フロントが映し出されるシーンではアウディのロゴがはっきりと描かれているんです!
「父の愛車」について考察
ここからは作中に描かれている車の情報から「父の愛車」が実在するどの車なのか考察します。
作中に描かれている情報をまとめると、
・アウディ(Audi)のロゴ
・エンドロールには「協力:アウディジャパン」とのクレジット記載
・「この車は四駆だぞ!」
・セダン
・左ハンドル
・ペダルは3本
上記7つです。ひとつひとつ謎解きしていきます。
アウディで確定!
アウディのロゴが描かれていることやエンドロールのクレジットに「アウディジャパン」の記載があることから、父の愛車はアウディであることが確定しました。
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「この車は四駆だぞ!」
「この車は四駆だぞ!」とは、四輪駆動車であることを指しています。
アウディではアウディ独自の四輪駆動システムのことを「クワトロ(quattro®)」と呼んでおり、モデル名の後に記載されます。
「この車は四駆だぞ!」と父が発言するのは、四輪駆動車が悪路での突破性に優れていることを表しています。
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外装から分かること
作中に描かれている外装からボディタイプは「セダン」であること、さらに「A4」モデルであることが分かります。
アウディでは駆動方式と同様にモデル名の後にボディタイプの名称が付くため、この時点で「アウディ A4 セダン クワトロ」であることが確定しました!
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さらに詳しく
ペダルが3本あることからマニュアル車(MT)であることが分かります。
さらに、運転席が左側の左ハンドルであることから、日本で販売されていたマニュアル車で四輪駆動のA4モデル左ハンドルは96年式のみのため、作中に登場する車は96年式であることが確定します。
「アウディ 96年式A4 1.8ターボ セダン クワトロ」ってどんな車?
「アウディ 96年式A4 1.8ターボ セダン クワトロ(Audi A4 Sedan quattro)」は1996年2月にアウディより発売された車です。モデル名は「A4」、ボディタイプは「セダン」、駆動方式は「クワトロ(四輪駆動)」となります。
A4とは
アウディA4は1994年に発売され、現在もなお定期的なフルモデルチェンジやマイナーモデルチェンジを時代に合わせて実施している人気モデルです。
アウディのモデル名は、基本的にアルファベットと数字の組み合わせです。
アルファベットは各シリーズの特徴、数字は車の寸法やエンジンのサイズに関する情報を表しています。
「A4」の「A」はスタンダードモデル、「4」は全長4,600mm〜4,800mmにあたるDセグメントであるということを表しています。
初代モデルが日本国内に登場したのは発売の翌年である1995年10月です。
A4は5代目「フォルクスワーゲン・パサート」と共通するB5プラットフォームを採用しているため「B5系」というプラットフォーム名で知られています。
1996年式の特徴
1995年のモデルは「FF(フロントエンジン・フロントドライブ)」のみでしたが、1996年式では「4WD(四輪駆動)」が登場しました。
また翌年から日本では左ハンドルモデルは発売されなかったため、四輪駆動の左ハンドル車は1996年式のみになります。
1996年式のボディカラーは「ミングブルーパールエフェクト」「アルミニウムシルバーメタリック」の2色です。
千と千尋の神隠しで登場する父の愛車は「ミングブルーパールエフェクト」のカラーに似ていますが、こちらは定かではありません。
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「アウディ・クワトロシステム」とは
一般的な四輪駆動方式は「オフロードなどの道の悪いところでも安全に走行すること」を重視したシステムとなっています。しかしアウディ・クワトロは「より速く、安定された走行ができること」を重視したシステムとなっています。
フルタイム四輪駆動方式は、悪い道でも走ることができる・走ることに向いている車にのみ搭載されていることが一般的ですが、アウディ・クワトロはA4のような通常の乗用車やスポーツセダンにも搭載されています。
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まとめ
これまでの情報から千と千尋の神隠しで登場する「父の愛車」は「アウディ96年式 A4 1.8ターボ セダン クワトロ」であると考察します!
宮崎駿作品では、実在する車が度々登場しています。千と千尋の神隠しで登場するアウディは宮崎駿監督が当時乗っていた車ではないかという声や、作中の音源は実際にアウディジャパン協力のもと実録されたものではないかと言われています。
リアリティがあるからこそ、より一層深みが出る宮崎駿監督のファンタジー。
車に注目して作品を見返してみるのはもちろん、スタジオジブリ作品だけでなく様々な映画で新作を見る際に車に注目して見てみるのはいかがでしょうか。
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