SUV車が雪道に強いのはなぜ?おすすめの車も紹介!
一般的に悪路の走行に強いイメージがあるSUV車ですが、実は雪道での走行にも強い特徴を持っています。
スリップの危険性があり、いつも以上に気をつけて運転する必要がある雪道を利用することが多い人にとっては、SUV車はおすすめの車だといえるでしょう。
この記事では、SUV車が雪道の走行に強い理由や、雪道の走行におすすめのSUV車を紹介します。
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INDEX
雪道に強い車とは?
雪道での走行に強い車にはいくつか特徴があります。
ここでは、雪道での走行に強い車の特徴を解説します。
車両重量が重すぎない
車両重量は、雪道での走行に影響を与えます。
車両重量が重い車は軽い車と比較して、走行中の推進力が大きくなるためブレーキが利きにくく、曲がりにくいです。
また、スリップした際のハンドル操作も利きにくくなります。
反対に、車両重量が軽い車は重い車と比べてタイヤのグリップ力が弱くなるため、発進時のスリップには注意が必要です。
しかし、車両重量が重い車は、タイヤのグリップ力(地面との摩擦力)が強くなるため、雪道での発進がしやすくなるという利点があり、軽い車は曲がりやすく止まりやすいため、スリップ時でも対処がしやすいという利点もあります。
車両重量が重い車にも軽い車にも、それぞれ利点と欠点がありますが、特に車両重量が重すぎる車は雪道での走行のリスクが高いため注意が必要です。
最低地上高が高い
最低地上高とは、車体の一番低い位置と地面との距離のことです。
最低地上高が低い車の場合、積もった雪が車体底面と接触し、部品を傷つける恐れがあります。
そのため、最低地上高が高い車の方が、積雪や悪路の影響を受けずに走行しやすいでしょう。
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4WD
4WDとは、4 Wheel Drive(4ホイールドライブ)の略で4輪駆動のことです。
エンジンやモーターからの動力を4つのタイヤに伝えて走行する車を指します。
2つのタイヤで駆動する2WDと比べ、4WDは4つのタイヤで発進することで力強さが生まれ、雪道に有利とされています。
また、仮に1つのタイヤが雪にはまってしまっても3つのタイヤが駆動するため抜け出しやすいことも4WDの利点です。
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雪道や悪路に強いSUV車の特徴
ここでは、SUV車の特徴を解説します。
悪路での走行が想定された設計
SUVは、Sports Utility Vehicle(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)の略で、スポーツやレジャーに適した車のことを指します。
SUV車は、雪道での走行に強い車の特徴である、車両重量の重さや最低地上高の高さ、4WDモデルの3つの特徴を兼ね備えた車が多いです。
広い車内空間と荷室を設けるためにボディが大きく設計されており、軽すぎず重すぎない車両重量で安定した走行が可能です。
また、最低地上高も高く、山道などの悪路走行に長けています。
さらに、より本格的なレジャーを楽しめるように、4WDモデルがラインアップされている車が多いこともSUV車の特徴です。
スノーモードの搭載
SUV車には、スノーモードやオフロードモードが搭載されている車があります。
雪道や泥道では急に大きな力がタイヤに伝わると空転をしやすくなりますが、スノーモードやオフロードモードに切り替えることで、急に力が伝わらないようコントロールしタイヤの空転を防ぎ、安定した走行のサポートが可能です。
また、ブレーキ時のタイヤロック防止や横滑り防止機能と連動している車もあり、滑りやすい雪道では安心して走行できる機能といえるでしょう。
SUV車であれば2WDと4WDどちらでもいいのか?
雪道での走行に適しているのは4WDですが、4WDには欠点もあります。
ここでは、4WDと2WDを比較しながらそれぞれの利点や欠点を解説します。
4WD
雪道や悪路走行に優れているという利点を持つ4WDですが、欠点は2WDと比べて燃費が悪い車が多いことです
4WDは、2WDよりも部品点数が多いため車体重量が重くなりやすく、4輪すべてに動力を伝える仕組みによって燃費が悪くなります。
さらに、車両価格が2WDと比較すると高い傾向にあるのも4WDの欠点といえるでしょう。
2WD
2WDには、前輪駆動と後輪駆動があります。
どちらも駆動輪が滑ってしまうと車の制御が難しくなるため、4WDより雪道の走行には向いていないでしょう。
特に、後輪駆動は車の前部分にある重いエンジンによって前輪に荷重がかかりやすいため、雪道では後輪の動力が地面に伝わりにくく、空転しやすいです。
一方で、2WDは4WDよりも車の維持費を抑えやすいという利点があります。
2WDは4WDより部品点数が減るため、車両価格も4WDと比べると安価な種類が多いです。
また、車両重量が重すぎず、燃費よく走行可能な点も維持費を抑えることに繋がっています。
坂道や降雪が少ない地域であれば、積雪があっても2WDでの走行は可能です。
住んでいる地域の降雪量や地形に合わせて2WDか4WDかを選ぶことで、それぞれの利点を生かせるでしょう。
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雪道に強いSUV車の紹介
SUV車は多くのメーカーから販売されており、どのSUV車が雪道での走行に強い車か分からない人もいるでしょう。ここでは、雪道での走行に強いSUV車を4台紹介します。
スバル フォレスター
アクティブトルクスプリットAWD
フォレスターのAWD(シンメトリカルAWD)は、前後左右の重量バランスがよく、重心が低いため悪路でも安定した走行ができる構造です。
AWDとはAll Wheel Drive(オールホイールドライブ)の略で、全輪駆動を指し、4輪の自動車であれば4WDと同義です。
フォレスターには、舗装路、未舗装路、ドライ、ウェット、雪道などさまざまな路面状況に応じて全輪に伝わる力をコントロールするシステム「アクティブトルクスプリットAWD」が採用されています。
X-MODE
また、4輪の駆動力やブレーキを路面状況に合わせて制御する「X-MODE」も搭載されています。
「X-MODE」は、滑りやすい道に適したSNOW・DIRTモードと、タイヤが埋まってしまうような道に適したDEEP SNOW・MUDモードの2種類に切り替え可能です。
さらに、「X-MODE」には、下り坂でも一定の速度を維持しやすくする「ヒルディセントコントロール」が搭載されています。
トヨタ RAV4
ダイナミックトルクベクタリングAWD
RAV4に搭載されているダイナミックトルクベクタリングAWDは、走行状況によりタイヤへの出力を制御し車両を安定させます。
ダイナミックトルクベクタリングAWDは、後輪を左右独立してコントロールする高性能なAWDシステムで、標準装備されているグレードはAdventure(ガソリン車)とG“Z package”です。
オフロードモード
また、RAV4にはオフロードモードを搭載しているグレードもあります。
4WD(ガソリン車)に標準装備されているマルチテレインセレクトには、
- ROCK&DIRT、
- NORMAL
- MUD&SAND
の3つのモードがあり、路面に応じた運転支援が可能です。
ほかにも、スノーモードやトレイルモードを備えているグレードもあります。どのグレードのRAV4を選んでも、雪道や悪路で安定した走行ができるでしょう。
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日産 エクストレイル
e-4ORCE
エクストレイルに採用されている4WDシステムは「e-4ORCE」(イーフォース)と呼ばれ、前輪用と後輪用の2基のモーターと4輪のブレーキを統合制御しています。
雪道向けのスノーモードと深雪や未舗装路向けのオフロードモードがあり、雪の坂道や深雪での発進、凍結した路面での右左折などの状況下でも安定した走行が可能です。
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スズキ ジムニー・ジムニーシエラ
ジムニーは軽自動車、ジムニーシエラは乗用自動車サイズの本格派SUVです。
どちらも2WDと4WDを任意に切り替えることができるパートタイム4WDを採用しています。
4WDには4H(4WD高速)と4L(4WD低速)の2つのモードがあり、4Lは斜面やぬかるんだ道など、発進にパワーが必要な際に使用します。
さらに、3リンクリジッドアクスル式サスペンションと、はしご状の頑丈なラダーフレームを採用しています。
どちらも悪路に適した構造で、高い走破性と安定性を備えています。
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まとめ
雪道はスリップしやすく危険なため、運転の際にはいつもより気をつける必要があります。
SUV車は、雪道での走行に強く、スリップによる事故のリスクを軽減してくれる心強い車です。
また、雪道や悪路の走行に特化した装備やシステムは、走行中の安心感を高めてくれるでしょう。
雪道の走行に強い車を探している人は、この記事を参考にSUV車の購入を検討してみてはいかがでしょうか。