中古車購入後はどのような任意保険に入ればよいのか?
中古車を購入した際にも、新車と同様に保険への加入が必要です。
では実際にどのような保険に入ればよいのでしょうか。
今回は、そもそも任意保険とは何なのか、どのような任意保険に入ればよいのかなどを解説します。
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中古車を購入した際に必要となる保険とは
中古車を購入した際に必要となる保険は新車と同様、自賠責保険と任意保険の2種類です。
以下で詳しく解説します。
自賠責保険
自賠責保険の正式名称は「自動車損害賠償責任保険」です。
全ての自動車に加入が義務付けられている保険です。
主な目的は事故時の被害者救済であり、一定額を上限に補償を受けられます。
自家用車を所有する際の大前提として、この保険に加入していないと車道を走ることができません。
自賠責保険に未加入で車道を走行した場合、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、さらに違反点数6点で免許停止処分が科せられます。
あってはならないことですが、万が一自賠責保険に加入していない状態で事故を起こした場合、被害者への補償もない状態となってしまうため、被害者側にも多大なる影響を及ぼします。
なお中古車を購入した場合、前所有者の自賠責保険の名義を変更した上で引き継ぐことが可能です。
任意保険
任意保険とはその名の通り、運転者が任意で加入する自動車保険のことです。任意ですので、加入するのも自由、加入しなくても罰則はありません。
さまざまな種類があり、それぞれで保証内容が異なります。
自身にとって必要な内容や補償をしっかりと検討する必要があるでしょう。
なお任意保険は大きく3つの種類に分けられます。
以下で詳しく解説します。
賠償責任保険
賠償責任保険は、自動車事故で人や物に損害を与えた場合に発生する賠償責任に備える保険のことです。
賠償責任としては、人に対する「対人賠償」と物に対する「対物賠償」の2種類があります。
自賠責保険に対人補償は付いていますが対物補償は付いていないため、万が一の事故に備えて加入する人がいます。
車両保険
車両保険は、車の破損に備えるための保険です。
交通事故による破損の他、台風や川の氾濫など自然災害が原因で破損した際にも保険金を受け取れます。
ただし、地震や津波、原発事故などの広域災害の場合は対象外となる点には注意が必要です。
一般的に車両保険は、車輌価値の高い新車に対してつけるケースが多く、中古車は車両保険をつけない方が多いと考えられます。
傷害保険
傷害保険とは、自動車事故によって運転者本人または同乗者がケガをしたり死亡したりした際のために備える保険です。
交通事故でケガを負ったとしても相手方が自賠責保険にしか入っていなければ、120万円しか支払われません。
それ以上の請求は相手との交渉になるため、最悪の場合支払ってもらえない可能性があります。
その際に傷害保険に入っていれば、追加で保険金を受け取れます。
関連記事:自賠責保険と任意保険どっちを使う?補償内容の違いも解説
中古車は車両保険にも入るべき?加入しておいた方がよい人の特徴
中古車は新車に対して価値が低いため、「わざわざ車輌保険にまで加入しなくても」という方は少なくありませんが、それでも車両保険に入るべき理由がいくつかあります。
以下では加入しておいた方がよい人の特徴を紹介します。
中古車の購入時にローンを組んで支払いが終わっていない人
中古車を購入する際にマイカーローンを組んだ人には車両保険の加入をおすすめします。
ローンの返済が完了していないにも関わらず、事故で車の修理が必要となれば家計の負担となるからです。
修理に回せる資金の余裕がない人
車の修理費にお金を回す余裕がない人も、車両保険に加入しておいた方がよいといえます。
例えばドアが破損して取り換えが必要になった場合、数十万円程度の費用が必要です。
まとまった額を支払うのは難しいが、毎月少額の支払いであれば可能という人は多いでしょう。
万が一に備えておくことが大切です。
運転技術に自信がない人
運転技術に自信がない人も車両保険に加入しておいた方がよいといえるでしょう。
運転技術に自信がないということは、事故にあう確率が高いということです。
車の修理代や新たな車の購入費用を考えると車両保険の料金を支払っていた方が、費用対効果が高いといえます。
被災しやすい地域に住んでいる人
台風や浸水などで、車に被害が発生しやすいエリアにお住まいの人も車両保険に加入しておきましょう。
地震や噴火などでは車両保険が適用されませんが、台風や洪水、高潮などの自然災害で被害を受けた場合は車両保険が適用されます。
特に、線状降水帯の発生などで集中的に大雨が降る傾向が強まっている昨今、万が一の際の安心となります。
関連記事:車の任意保険に入らないリスクとは?加入するメリットについても解説
車両保険に加入しなくてもよい人の特徴
ここからは、車両保険に加入しなくてもよい人の特徴を以下で解説します。
お金に余裕がある人
お金に余裕がある人は車両保険に加入しなくても問題ないでしょう。
車の修理に関しては、数十万円から数百万円程度かかることも考えられます。
その場合でも問題なく支払えるのであれば、必ずしも車両保険に加入する必要はありません。
年式が古い中古車を購入した人
年式が古い中古車に関しては市場価値が低い車が多く、車両保険に入ったとしても十分な保険金が支払われない可能性があります。
車両保険の保険料を払う方が損する可能性も考えられるでしょう。
自身が購入した車の年式や市場価値を把握した上で、車両保険に加入するかを判断することが大切です。
中古車の購入で保険に加入するタイミングはいつがよい?
新車購入の場合はディーラーがほとんどの手続きを行ってくれることが一般的です。しかし、中古車購入の場合は自分でさまざまな手続を行う必要があります。
任意保険の加入についても同様です。中古車を購入する際にどのタイミングで保険に加入すればよいのでしょうか。おすすめのタイミングについて解説します。
乗り始める前がおすすめ
自動車保険は、保険が有効になる日付が定められています。したがって、車をすぐに運転する予定がある場合は、車を受け取る前に任意保険に加入することが重要です。車両保険を検討している場合も、同様に運転を始める前に手続きが必要です。
車がない段階でも加入は可能
車を受け取る前であっても、車の情報さえあれば保険の手続きをすることができます。車の情報には、車検証に記載されている車台番号、型式、初年度登録年月などが含まれます。保険に加入したい旨を販売店に伝えると、車検証のコピーを受け取れる場合もありますので、相談してみましょう。保険の適用開始日を納車日に設定することで、保険料が無駄になることはありません。
保険料が無駄になることはない?
納車される前に保険に入ってしまうと損してしまうのではないかと思う方もいるでしょう。納車されるまでのあいだに無駄な保険料を負担しないといけないのでしょうか。
結論として、保険に加入する際、保障開始日を自由に指定することができます。そのため、納車前に手続きする場合であっても保障開始日を納車の予定日にすれば、無駄なく補償が受けられます。
中古車の保険料を安くするポイント
保険の大切さは理解できたが、家計に余裕がなく支払える額が限られているという人もいるでしょう。
そういった人のために、ここからは中古車の保険料を安くするポイントについて解説します。
保険料の相場を把握する
保険料を抑えるためにも、まずは保険料の相場を把握しましょう。
任意保険の保険料は条件によって金額が大きく変動します。
運転者が誰なのかや、どの車で契約するのかなどでも変わります。
また同じ条件であっても違う会社であれば保険料が安いということもあるため、まずは相場を把握することが大切です。
関連記事:軽自動車の保険料の費用相場は?自動車保険の基本から解説
通販型保険の加入を検討する
通販型保険は人件費を削減している分、保険料が安くなっていることが特徴として挙げられます。
自身で色々と調べる必要はありますが、その手間をかけることで保険料を抑えられるのであれば取り組んだ方がよいといえるでしょう。
これだけは入れておいた方がよい補償や特約
任意保険における補償や特約は、車でいうオプションに当たるものです。
さまざまな種類がありますが、ここでは入れておいた方がよい保障や特約をいくつかピックアップして紹介します。
対人賠償無制限
交通事故で相手に重度の後遺障害を負わせてしまったり死亡させてしまったりした場合、数千万~数億円の支払いが必要になることがあります。
大きな額のため今後の人生設計が変わっていくでしょう。
一般的に対人賠償は無制限に設定されていることが多いですが、限度額を設定するものもあります。
人身傷害の保険金額を高く設定する
人身傷害とは自動車事故でケガをして死亡、後遺障害、入院や通院が必要となった際に支払われる保険のことです。
自分自身のためはもちろん、同乗者や残された家族のための補償といえます。
特に結婚している人や子どもがいる人などは、人身傷害の保険金額を高く設定しておくのがおすすめです。
弁護士費用特約
事故に巻き込まれた際、損害賠償に関して相手と話し合いが必要になることがあります。
弁護士費用特約を付けていれば、弁護士への相談・委任の費用を補償してもらえます。
慣れない交渉を素人が行うよりも、その道のプロである弁護士に任せておくと安心できるでしょう。
まとめ
今回は任意保険とは何なのかという話から、どのような任意保険に入ればよいのかなどを解説しました。
任意保険は強制ではありませんが、万が一の事故に備えて加入しておいた方がよいといえます。
任意保険なしで対人事故を起こしてしまうと、莫大な賠償額に見舞われる可能性もありますし、被害者の方への補償を十分に行えない可能性もあります。
自身が支払える額や家族状況などを考慮した上で、どの保険に入るのかを慎重に検討することをおすすめします。