V2Lとは?V2Hとの違いも紹介!災害時にも役立つ給電方法
電気自動車に関する技術として「V2L」という言葉をご存知でしょうか? これは電力の供給システムの名称である「Vehicl to Load」を省略した言葉ですが、これだけ聞いても意味がわかりにくいかもしれません。また、似たものとして「V2H」がありますが、違いは一体なんでしょうか?
実はこれらの技術は災害時にも非常に役立つため、蓄電池の代わりとしての利用を検討している人も多いのです。
本記事では、V2Lの名前の意味とV2Hとの違い、またV2LとV2Hの違いをもとにどのような人におすすめなのかも解説します。
電気自動車の購入を検討している人はもちろん、災害時の備えとして電気自動車を持つことのメリットを知りたい方もぜひ最後までご覧ください。
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INDEX
V2Lとは「Vehicl to Load」の略
V2Lは「Vehicl to Load」の略称で、ブイ・ツー・エルと読みます。車両に蓄えた電気を家電機器などに供給する仕組みのことを指しますが、外部給電機器がV2LやV2L機器と表記されることもあります。
車載コンセントに直接繋いで利用するか、外部給電器を利用して給電することができます。
V2Lの外部給電器はサイズが大きく高価なので、もともとV2L対応で車載コンセントを搭載している車を買ったり、オプションとして車載コンセントをつけた方がコストがかからないでしょう。
V2Hとは「Vehicle to Home」の略
V2Hは車両とV2H機器双方向に電源供給する仕組みのことで、車に蓄えた電気を施設などに供給することもできます。「Vehicl to Home」の略称がV2Hで、ブイ・ツー・エイチと読みます。
V2H機器から車両へ充電することを「V2H充電」、V2H機器を経由して車両から自宅や施設などへ電源供給することをV2H給電といいます。V2Hの利用にはV2H充放電設備が必要です。
V2LとV2Hの違い
V2LとV2Hは似たような名前ですが、全く違う機能です。以下のような違いがあります。
V2L | V2H | |
外出先での家電使用 | できる | できない |
自宅など施設への電力供給 | できない | できる |
車への充電 | できない | できる |
V2Lのメリット・デメリットとおすすめの人
外出先で役立つV2Lのメリット・デメリットと、それらを踏まえておすすめの人をご紹介します。
V2Lのメリット
- 手軽に利用できる
- 屋外で家電を使える
- 車載コンセント付きの車両であれば追加費用不要
- アウトドアや災害時に活用できる
車載コンセント搭載の車を選択すれば、気軽に屋外で家電を使えて、アウトドアや車中泊で役立つでしょう。
V2Lのデメリット
- 供給できる電力量が限られる
- 車の充電はできない
電力量が限られるため、エアコンのような大型の家電は使用することができません。
V2Lがおすすめの人
上記のメリット・デメリットを踏まえ、以下のような人にV2Lはおすすめです。
- 長時間運転することが多い人
車載コンセントのある車を選ぶと、外出先でたくさん活用する機会ができるでしょう。
V2Hのメリット・デメリットとおすすめの人
大容量の電気を利用できるV2Lのメリット・デメリットと、それらを踏まえておすすめの人をご紹介します。
V2Hのメリット
- 停電時や災害時に非常用電源として自宅などの施設に給電ができる
- 太陽光発電など自宅で急速充電ができる
V2Hのデメリット
- 初期費用(V2H充放電設備設置の費用)がかかる
- 外出先で家電などの利用には使えない
- 夜間電力など安い時間に充電できるので電気料金の節約になる
V2Hがおすすめの人
- 電気代を節約したい人
- 太陽光発電が自宅にある人
- 自宅で急速充電をしたい人
- 災害時に備えたい人
V2Hは初期費用がかかりますが、自宅で急速充電ができ、安い時間の電気を使うこともできるので、電気料金の節約につながります。
V2L対応のおすすめの車
V2Lを搭載したおすすめの車をご紹介します。
トヨタ アクア
アクアはトヨタ自動車株式会社が製造・販売するHEVのコンパクトカーです。低燃費、高安全性、低価格、操作性の良さやデザインの良さなど、アクアには大きな欠点が見当たりません。
アクアはAC100V・1500Wコンセント(非常時給電システム付)が標準装備されているため、災害時など走行していないときでも家電機器を使用することができます。
アルファード
アルファードはトヨタが製造・発売する高級ミニバンで、2002年5月に発売され、日産のエルグランドに競う形でデビュー。現行モデルは2023年に発売された4代目となります。
ラインアップにはHEV車とガソリン車があり、そのどちらにもACコンセントが搭載されています。HEV車はアクセサリーコンセント100V/1500W(非常時給電システム付)、ガソリン車はアクセサリーコンセント100V・100Wという違いがあります。
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RAV4
トヨタが販売するRAV4は、程よくコンパクトながらもオフロードでの走行性能がよく人気のあるSUVです。
RAV4には2.0Lガソリン車、2.5Lハイブリッド車、2.5Lプラグインハイブリッド車があり、それぞれ搭載可能な電源は以下の通りです。
- 2.0Lガソリン車:アクセサリーコンセントAC100V・100W*
- 2.5Lハイブリッド車:アクセサリーコンセントAC100V・1500W(非常時給電システム付)*
- 2.5Lプラグインハイブリッド車:アクセサリーコンセントAC100V・1500W
*メーカーオプション
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日産 セレナ
安定した走りと、ゆったりとした車内スペースが魅力的な日産 セレナ。クラストップレベルの広さを誇り、週末のドライブやアウトドアにも活躍するこの一台は、ファミリー層にも大人気の車です。
セレナにはガソリン車とe-POWER搭載車(HEV)の2種類のラインアップがあり、e-POWER搭載車はメーカーオプションでAC電源100V・1500Wをつけることができます。
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マツダ CX-60
CX-60はマツダが2022年に発表し、製造・販売しているクロスオーバータイプのSUVです。環境への配慮と経済性を両立させながら、非常に高い走行性能を実現しているため、ユーザーに満足感と快適なドライビング体験を提供する車といえます。
CX-60の機種のうち、XD-HYBRIDにはAC150W電源が、PHEVにはAC150W/1500W電源が標準搭載されています。
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まとめ
V2Lは「Vehicl to Load」の略で、車両に蓄えた電気を家電機器などに供給する仕組みのことです。
V2Lは車の購入時に搭載されていれば追加費用が不要で手軽に使うことができ、アウトドアが好きな人や長時間の運転をする人、車中泊をする人におすすめです。
V2Lは標準装備ではないことも多いですが、メーカーオプションで追加することも可能です。災害時も役に立つので、車の購入時にはV2L搭載のものを検討してみるのはいかがでしょうか。