G7サミットでも大活躍!センチュリーの魅力に迫る
5月19日。先進7か国首脳会議、通称G7サミットが広島市の平和記念公園で開催されました。
岸田主相が招き入れた各国・地域を代表する首脳ですが、米国のバイデン大統領を除いた全員がBMWの最上級セダンである「7シリーズ」に乗っていました。
一方、岸田首相が乗車していたのはBMWの7シリーズではなく、またバイデン大統領が乗車していた「ビースト」でもなく、トヨタによる最上級セダン「センチュリー」でした。
今回はサミットで大活躍したセンチュリーの魅力をご紹介します。
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INDEX
センチュリーとは?
センチュリーはトヨタ自動車が1967年から製造・発売している最高級レベルの乗用車です。
「センチュリー」という名称は、英語で「century」と書き、その意味は「世紀」。
この名が付けられたのは、初代モデルが発売された1967年がトヨタグループの創設者である豊田佐吉氏の生誕から100年目だったことが由来していると言われています。
製造・発売元であるトヨタ自身が「ショーファードリブンカー(お抱えの運転手がいる車)」と呼ぶことからもわかるとおり、皇室や政府関係者、大企業の社長や役員など、VIP向けとして設計・生産されています。
センチュリーの歴史
センチュリーは2023年現在、発売されて56年目です。
しかし、驚くことに発売から半世紀以上経っているのに現在のモデルは3代目。
2019年の11月に21年ぶりのフルモデルチェンジが行われました。
初代が発売されて何度かマイナーチェンジがあった後、1997年に2代目へとその役目を交代しました。
初代センチュリーは日産の発売した「プレジデント」に対抗するためと言われています。
海外の大型セダンを模したデザインのプレジデントに対し、センチュリーは日本の伝統的な美を追求するような重厚なデザインが初代からの特徴です。
特に、現在の3代目はボディのデザインに平安時代に利用されていた面処理の技法や七宝紋様を用いたり、漆塗りに感化された塗装方法を用いたりするなど、日本の伝統文化をこの一台に集約しています。
センチュリーのターゲット層は?
センチュリーは一般人による普段使いは想定されていません。
主に日本国内の官公庁・企業などでの公用車・社用車(役員車)の役割を担うよう作られました。
メインが日本国内なだけで、決して国外に輸出をしていないというわけではありません。
ごく少数ではありますが、アジアやヨーロッパへの輸出実績があります。
香港では、初代特別行政区行政長官が1997年の就任時にトヨタから送られたセンチュリーを公用車として利用していた時期もありました。
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首脳会議にも選ばれるセンチュリーの魅力とは
センチュリーには他社の車にはないトヨタのこだわりが多く詰まった珠玉の一台となっています。
この章ではセンチュリーの持つ魅力や特徴について紹介していきます。
選び抜かれたカラーバリエーション
センチュリーのカラーバリエーションは、そこまで多いわけではありません。
トヨタのこだわりのつまった4色は、センチュリー“ならでは”と言えるでしょう。
神威(かむい)エターナルブラック
摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ
飛鳥(あすか)ブラッキッシュレッドマイカ
精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック
職人の技光る各パーツ
トヨタ自動車は、アメリカの自動車産業におけるライン生産方式を中心に研究をすすめ、トヨタ独自の生産方式を編み出しました。
トヨタ生産方式では「作り過ぎのムダ」「動作のムダ」など、7つのムダをなくすことがもっとも重要な取り組みとしています。
今では多くの企業が取り入れており、その影響は製造現場に限ったものではありません。
ムダをできる限り排除することが、商品価値の向上に必要だと提言しているトヨタ生産方式ですが、センチュリーはその対局的な車種と言えるでしょう。
センチュリーではあらゆるパーツが職人の手によって作られています。
一つひとつ手作りの、こだわりのパーツは画像にある鳳凰のエンブレムだけではありません。
日本の文化“漆塗り”を参考とした特殊塗装
センチュリーの代表とも言えるカラー「神威」は特にこだわりが詰まっています。
鏡のように磨き上げられた黒く光るボディは、まさに“技”の結晶だと言えるでしょう。
奥深い艶と輝きを追求してトヨタが行き着いたのは、日本の伝統的な工芸品である「漆塗り」でした。
流水で細かな凹凸をなめらかに仕上げる「水研ぎ」、曇りを残さないよう磨き上げる「鏡面仕上げ」など、機械では再現できない職人の感覚的な、そして微細な動きがセンチュリーの製造には欠かせないのです。
センチュリーの走行性能
センチュリーの実際の走行性能は下記のとおりです。
基本 | メーカー | トヨタ |
車名 | センチュリー | |
ボディタイプ | ワゴン | |
ドア数 | 4 | |
全長×全幅×全高 | 5,335mm×1,930mm×1,505mm | |
車両重量 | 2,370kg | |
スペック | 総排気量(cc) | 4,968cc |
使用燃料 | 無鉛プレミアムガソリン | |
燃料タンク | 82L | |
駆動方式 | 後輪駆動方式 | |
トランスミッション | 電気式無段変速機 | |
カラー(全4種) | ・神威(かむい)エターナルブラック ・摩周(ましゅう)シリーンブルーマイカ ・飛鳥(あすか)ブラッキッシュレッドマイカ ・精華(せいか)レイディエントシルバーメタリック |
洗練された乗り心地
センチュリーに乗る方はVIPばかり。
求められるのはSUVのような力強い走りではなく、上質な走りです。
滑らかな動きは走り出しだけのものではありません。
走行中ももちろん安定性に優れ、楽に新聞が読めるほどの快適さです。
オートレベリング機能により車高を一定に保ち、安定した走りの実現に一役買っています。
さらに、特筆すべきはセンチュリー専用のタイヤです。
センチュリー専門に開発された18インチのタイヤは特に上質な乗り心地のうち、走り出しの滑らかさに寄与しています。
こだわりのシート設計で至福の体感
後部座席の左側は、リフレッシュシートを採用しています。
リフレッシュシートとは、内蔵された空気の袋(エアブラダー)を膨張させることで肩から腰までを圧迫し、心地よい刺激を与えてくれる機能付きのシートです。
また、後席の左右にはシートヒーターも搭載。蒸し暑い季節でも問題ないよう、シート表面の熱気を吸い込み清涼感をもたらすベンチレーション機能もメーカーオプションとして設定されています。
車中で心身のリフレッシュができるよう、快適な設計がされているのはさすがセンチュリーと言ったところでしょうか。
気になるセンチュリーの値段とは
センチュリーの基本的な料金は2,008万円です。
お菓子の代表格「うまい棒」が1本12円(2023年現在)ですので、センチュリーはうまい棒およそ167万本分です。
ちなみに天皇が乗車するセンチュリーは通常と異なるものです。
センチュリーをベースに作られた「センチュリーロイヤル」は窓の強化防弾ガラス採用や観音開きの側扉など通常とは違う機能が搭載されています。
内装には和紙などを使用しており、ベースとなったセンチュリーよりさらに「和」を追求していることが伺えます。
さて、気になるお値段ですが、天皇・皇后が公式行事などで乗車されるもので1台5,250万円。
一般的なセンチュリーの単純計算で2倍以上です。
また、防弾・装甲性能などが強化された国賓接遇用の特装車は1台およそ9,450万円です。
うまい棒が780万本分くらいの値段ということになります。
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まとめ
主に日本の官僚トップなどのVIPが利用するセンチュリー。
VIP向けの名に恥じない豪華さもありながら、しかしそれを重厚なボディに収めているデザインはどこか奥ゆかしさも感じられます。
日本の伝統文化を参考としたデザインも相まって、ある意味ではまさに日本ならではの車と言えるでしょう。
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