車の廃車にかかる費用相場はいくら?安く抑えるコツを紹介します!

事故や故障などで車が動かなくなってしまった場合、車を廃車にする必要があります。廃車にするためには費用がかかりますが、最近は条件があえば無料での廃車も可能になってきています。

この記事では、車を廃車にする場合の費用相場とともに、費用をなるべく抑えるコツを紹介していきます。

廃車の種類で手数料が異なる

一般的に廃車といえば車をスクラップや廃棄することを指しますが、手続き上は2種類の廃車が存在します。

まずはそれぞれの廃車手続きの役割や手数料を紹介します。

廃車には2種類の手続きが存在する

不要になった車や、公道で走れなくなった車などには廃車の手続きが必要となります。
その際、廃車の手続きには「永久抹消」と「一時抹消」の2種類があります。

2種類の廃車手続きが存在する理由は「一時的に使用していないのか、永久に使用しない車か」を判断するためです。
公道を走る車には税金がかかります。その税金を管理する際に分類が必要なため2種類の廃車手続きが存在します。

海外出張や入院などで長期間使用しないが、後々で乗る可能性がある車については一時抹消として処理し、事故や故障で完全にスクラップとして処理する場合は、永久抹消として処理を行いましょう。

また、軽自動車の場合は名称が異なるため注意が必要です。
永久抹消に当たる処理は「解体返納」と呼ばれ、一時抹消に当たる処理は「自動車検査証返納届(一時使用中止)」と名称が異なります。

それぞれの廃車にかかる手数料や費用は?

手続きの代行を依頼した場合、書類の手続き代行だけで10,000円前後が必要になります。
ただし、自分で廃車の手続きを行う場合は一時抹消であれば350円、永久抹消であれば無料で手続きが可能です。
代行業者に頼まない場合、費用を抑えることができるでしょう。

また、廃車の種類によって必要書類が異なります。
さらに、廃車の手続きを行うための運輸支局は休日に窓口が空いていません。
車や手続きに詳しい人で平日に休みを取れる人であれば廃車費用を抑えることができますが、そうでない人は代行業者に頼むとよいでしょう。

関連記事:ディーラーに廃車手続きを依頼した際の費用とは?安く抑える方法を紹介!

車の廃車費用の相場はいくら?

クルマの費用イメージ

車を廃車するには費用がかかりますが、場合によっては費用をかけずに廃車することも可能です。
ここでは、廃車にかかる費用の相場について紹介していきます。

廃車の費用はゼロになることも

事故で動かなくなってしまった車や、壊れてしまった車を廃車にする場合はある程度の費用がかかります。
これは解体に費用が発生するほか、車によっては法律で定められたリサイクル料がかかるためです。
また、車検切れなどで自走不能となっている場合はレッカーで運搬するための費用も必要になります。

一方、廃車にする際に発生するスクラップや廃車から取れる部品が再利用できるケースも少なくありません。
そのため、部品の回収を目的として、廃車の費用を負担することを売り文句にした廃車の買い取り業者が存在するのです。

廃車にする予定の車が買い取り対象や引き取り対象にならない場合もありますが、業者に買い取りを依頼することで廃車にかかる費用をゼロにすることも可能です。

買い取りとスクラップの相場

廃車にかかる費用は、買い取り業者を利用するか、ディーラーまたはスクラップ業者に依頼するかで大きく異なります。

車の状態によっても異なりますが、ディーラーやスクラップ業者に依頼する場合は目安として軽自動車で20,000円~40,000円前後、普通自動車で20,000円~80,000円程度の費用がかかります。

廃車で発生する費用の内訳はおよそ下記の通りです。

引き取り20,000円~30,000円前後
解体(永久抹消登録のみ)10,000~30,000円前後
運搬費用(レッカー代)10,000円前後
書類手続き代行費用10,000円〜20,000円前後

自走可能であれば、自分で業者まで車を運ぶことで引き取り費用を抑えることができるでしょう。
車が動かない場合も、自分でレッカー車などの手配をすることで費用が抑えられる可能性もあります。

運搬時にタイヤが転がらずレッカーが難しいといったケースや、手続きが複雑な車の場合、さらに費用がかかってしまうかもしれません。
一方で、廃車買い取り業者に依頼すれば無料で引き取ってもらえるケースもあります。

リサイクル費用について

古い車を廃車にする際に上乗せされる出費がリサイクル費用です。

リサイクル費用とは、車を解体する際に発生する資源リサイクルを目的とした「自動車リサイクル法」に基づく必須の費用です。

軽自動車の場合は7,000円~16,000円前後、普通車の場合10,000円〜20,000円前後が相場です。
外車の場合は、この価格に10,000円ほど上乗せされる場合があります。

リサイクル料は車によって異なりますが、リサイクル料は公益財団法人の自動車リサイクル促進センターが運営を行う「自動車リサイクルシステム」で確認をすると明確な費用が算出できます。
また、平成17年1月1日以降に販売された車はリサイクル費用が新車価格に含まれています。
そのため、廃車時に追加で発生する費用は少なくなります。

関連記事:車の廃車費用はボッタクリ?費用相場や内訳を含めて解説

廃車を依頼する業者の特徴について

廃車を業者に依頼する際、廃車買い取り業者やディーラーなどさまざまな依頼先が選択肢に上がります。ここでは、各依頼先の特徴について紹介します。

廃車買い取り業者

廃車買い取り業者は事故や動かなくなった車などを買い取る業者です。
車を買い取るという点では中古車販売業者と似ていますが、買い取りの目的が異なります。

中古車の買い取り業者は乗るための車として販売のための買い取りを主な目的としていますが、廃車買い取り業者の目的は車の部品や解体時に出る金属で利益を上げるために、車を買い取っています。

廃車買い取り業者が増えた背景として、ネットオークションで部品の販路が増えたことに加えて、スクラップになる金属の取り引き価格が上昇しているためです。廃車買い取り業者を利用すれば簡単かつ安価に廃車することができます。

ディーラー

新車を販売しているディーラーですが、実は廃車の引き取りも依頼できます。

ただし、ディーラーでの廃車は新車購入時のサービスの一つという側面があるため注意が必要です。他店で購入した車や他のメーカーの場合は断られる場合があります。

ディーラーで廃車だけを依頼することは難しく、店舗で購入した車や乗り換えのタイミングでのみ廃車を依頼できる場所と考えた方がよいでしょう。

また、ディーラーに廃車を依頼した場合は、ディーラーが書類の用意や手続きを代行します。
ディーラーに依頼する際は、廃車手続き(一時抹消、永久抹消関係なく)に費用がかかることも覚えておきましょう。

解体業者やスクラップ業者

解体業者やスクラップ業者は解体を専門に行う業者です。地域に根ざした業者も多く、古くから廃車業務を行っている業者も多いため、安心して依頼ができます。

しかし、廃車買い取り業者とは違い、車を指定の場所まで自分で持ち込む必要がある点や、業者によっては解体に費用がかかる場合があります。

また、最近は犯罪防止の観点から個人の持ち込みを断る解体業者も少なくありません。
解体業者などに廃車を依頼する際は事前に確認しておくとよいでしょう。

廃車の費用を抑えるコツとは?

廃車の費用を抑えるコツはタイミングを選び、自分の乗っていた車の価値をあらためて知ることです。
ここではその理由やポイントを紹介します。

車の価値を知ろう

廃車の費用を抑えるコツは、自分が乗っていた車にどの程度の価値があるかを知ることです。

たとえば、需要が高く人気のあるハイブリッド車は再利用可能な部品が多く、貴重な金属を多く使用したリチウムイオンバッテリーが使われています。そのため、廃車買い取り業者に引き取ってもらいやすくなります。

また、古くても人気がある車の場合、部品の需要から高額買い取りとなるケースがあります。
古い車でも場合によってはそういった思わぬ収入となる可能性があります。

需要や人気がある車の場合、廃車買い取り業者を積極的に利用することで費用を抑えることができます。

廃車にする前に乗っていた車にどの程度の価値があるか、調べてみるとよいでしょう。

最適なタイミングを狙おう

廃車は車を処分すると同時に、車に対しての税金を止める手続き(抹消登録)を行います。
そのため税金がかかる前に廃車にすることで、納税費用を抑えることができます。

たとえば春先に車を廃車することを検討している場合、3月31日までに廃車手続きを行えば、自動車税の納税義務が発生せずに費用を抑えることができます。

また、一時抹消でなく永久抹消を行うことで自動車税が還付される制度があります。
ただし、還付を受けるには申請とともに車検残存期間が1ヶ月以上あることが必要です。納税義務が発生する時期や車検のタイミングを狙うことで費用を抑えることができます。

関連記事:軽自動車の税金はどのくらいかかる?概要や安く抑える方法を解説

関連記事:自動車重量税はいくらかかる?納付時期や納付方法も合わせて解説

まとめ

事故車などを廃車にするには、相応の費用がかかってしまい、思わぬ出費が発生します。しかし、最近は廃車の部品を再利用する流れが生まれているため、古い車であっても場合によっては思わぬ収入となることもあります。

また、廃車を依頼できる先はいくつか選択肢がありますので、車の状態や費用面を考慮して選びましょう。廃車の際には自分にあった依頼先を選ぶことで廃車の費用を抑え、安全に不要な車を処分できます。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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