中古車の減価償却とは?仕組みや計算方法について解説

個人事業主や法人であれば、事業用自動車の購入費用を減価償却して計上することが可能です。
節税のため少しでも多く経費として計上したいところですが、実際にはどれくらいの費用とできるのでしょうか。

この記事では、中古車の減価償却や耐用年数について、新車との違いや注意点などを紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。

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減価償却・耐用年数とは何か?

減価償却は耐用年数に応じて固定資産を年度ごとに分割して経費に計上する場合のルールとなります。

これから中古車を購入し、経費として計上したい人はしっかりと把握しておきましょう。

ここでは、減価償却と耐用年数について解説していきます。

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減価償却とは何か?

減価償却とは、減価償却資産の購入にかかった費用の全額をその年の経費とせずに、耐用年数に応じた経費として計上するルールのことです。

また、減価償却資産とは、建物や自動車などの時の経過と共に価値が下がっていく資産のことを指します。

減価償却を行う理由は、費用と収益の対応関係の矛盾を防ぐためです。

例えば、500万円の自動車を購入した場合、一度に経費として計上したとします。

そうすると、翌年からは経費がかかっていないにもかかわらず、自動車を使用した収益だけが発生するという状態になります。
これを防ぐために耐用年数に応じて分割し経費として計上していきます。

つまり減価償却とは毎年の利益を正確に表すための仕組みなのです。

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耐用年数とは何か?

耐用年数とは、減価償却資産を使用できると考えられる期間のことです。
中古車は使用する年数が長くなるほど価値が低下していき、そしていつかはその車が持っていた価値を失います。

この価値がなくなるまでの期間を耐用年数といいます。

耐用年数は、固定資産ごとに国税庁が定めている法定耐用年数を使用し、中古車を購入した場合は、経過年数をもとに計算することで耐用年数が決められます。

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新車と中古車の耐用年数の違いはどのくらい?

クルマの費用イメージ

新車の場合の耐用年数は、普通自動車であれば6年、軽自動車であれば4年と定められています。

一方で、中古車の場合は購入時の経過年数によって変動しますが、当然新車よりも耐用年数は短くなります。

そして、減価償却において耐用年数が短くなればなるほど経費として計上できる金額も多くなるため、早めに減価償却を行いたい場合は中古車を買った方が都合が良くなります。

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中古車の耐用年数の計算方法

契約イメージ

ここでは、中古車の減価償却と耐用年数の計算方法について紹介していきます。

中古車も新車の場合と同様に減価償却資産となるため、購入費用は一括で経費として計上せず、減価償却によって分割して計上します。

しかし、中古車の場合の法定耐用年数が新車に比べ短くなるため、計算方法が違います。

以下の計算式で表します。

中古車の耐用年数=(法定耐用年数−経過年数)+(経過年数×0.2)

基本的にはこの数式で計算できるのですが、法定耐用年数が2年以下の場合、2年とみなします。

イメージが湧きづらいので、具体例を出してみます。

購入した中古車の法定耐用年数が過ぎている場合

法定耐用年数の6年以上経った普通自動車を例に計算すると以下のようになります。

普通自動車の法定耐用年数は6年なので、6年×0.2=1.2年になります。

しかし、「法定耐用年数が2年以下の場合、2年とみなす」ルールがあるので、この車の法定耐用年数は2年です。

つまり、経過年数が法定耐用年数を越える場合は2年です。

購入した中古車が法定耐用年数の期間内である場合

(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×0.2)

この数式が適用されます。

3年落ちの普通自動車を例に計算すると以下のようになります。

(6年−3年)+(3年×0.2)=3.6年

1年未満は切り捨てになるため3年落ちの普通車の場合、耐用年数は3年になります。

中古車の減価償却の計算方法

減価償却の方法

減価償却の方法については、主に定額法と定率法の2種類があります。
ここでは、それぞれの違いを解説していきます。

定額法:毎期均等額を計上する

定額法とは、毎期均等に減価償却費を計上していく方法です。

定額法を利用する場合の計算方法は

中古車の購入価格×定額法の償却率

で計算します。

ただし、使用期間が1年未満の場合は、

中古車の購入価格×定額法償却率×中古車を使用した月数÷事業年度の月数

で計算します。

定率法:残高に対して毎期定率額を計上する

定率法とは、購入した中古車の未償却残高に一定の償却率を掛けて毎期減価償却費を計上する方法です。

言い換えると、定率法は未償却残高の多い初年度には高額で計上され、それ以降は割合に応じて経費を減らしていくといった方法になります。

定率法の償却率は、定額法の償却率×200%となります。
つまり、償却を始めた最初の年度では定額法の2倍の減価償却費を計上できることになります。

その後の年度では計上する減価償却費がだんだんと減り、途中から定額法のような計算に切り替わります。

定率法を利用する場合の計算方法は、初年度の場合と2年目以降で変わります。

それぞれの計算式は下記の通りです。

初年度の場合

中古車の購入価格×定率法の償却率×中古車を使用した月数÷事業年度の月数

2年目以降の場合

(中古車の購入価格−減価償却累計額)×定率法の償却率×中古車を使用した月数÷事業年度の月数

定率法は償却期間が早い時期ほど減価償却費が高くなります。

中古車を経費計上する場合の注意点

ここでは、中古車を減価償却する場合の注意点について解説していきます。
場合によっては経費として計上できないこともあるため、正確に把握しておきましょう。

事業目的で購入すること

事業目的で購入しなければ、そもそも経費として計上できません。

また、事業用とプライベート用として兼用するのであれば、家事按分(プライベートと事業で兼用する場合、事業で使用する比率分のみ計上する)で計上する必要があります。

決算期末は購入しないようにする

減価償却のルールを考慮すると、4年落ちの中古車を購入することが最適です。

その理由は、4年落ちであれば定率法で耐用年数が2年となり、1年目に全額償却できるためです。

(6-4)+(4×0.2)=2+0.8=2.8
小数点切り捨てのため2年

ただし、減価償却費は月割での計上になるため、決算期末に購入すると全額経費として計上できなくなることから、決算期末に購入することは控えておきましょう。

一番効率よく減価償却して節税するのであれば、決算月の翌月に4年落ちの中古車を購入することがおすすめです。

車種にも注意が必要

中古車を購入し経費として計上するのであれば、購入する車種や目的にも注意しましょう。

基本的には事業で利用する目的であることが前提となるため、クーペなど趣味性が高い車の場合だと税務調査の際に指摘が入るケースもあります。

そのため、万が一税務調査で指摘されても問題ないように、運転記録など事業用として使用しているというデータを準備しておきましょう。

まとめ

中古車も新車同様に固定資産となるため、減価償却によって経費として計上することができます。

しかし、新車とは耐用年数が異なるため計算方法には注意が必要です。
なお、最も節税効果が高いのは4年落ちの中古車を定率法で減価償却した場合となります。

また、減価償却は月割で計上されるため、決算期末に購入してもあまり節税効果はないという点を覚えておきましょう。

中古車の購入を検討している法人・個人事業主の人は減価償却のルールを把握し、効率的に節税しましょう。

この記事を書いた人

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カーナレッジ編集部

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